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タイトル名 |
ユンヒへ |
レビュワー |
Cinecdockeさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2025-06-23 22:34:08 |
変更日時 |
2025-06-23 22:34:08 |
レビュー内容 |
岩井俊二の『Love Letter』から着想を得たという。 韓国映画で見かける脂っこさも、煽情的な描写も一切なく、静かに叙情たっぷりに紡いでいく演出は邦画のよう。
韓国のとある地方都市に住むシングルマザー、ユンヒ。 一人娘のセボムが盗み読みした手紙をきっかけに、手紙の送り主の住む冬の小樽へと母娘を連れていく。
台詞の一つ一つから同性愛を匂わせるユンヒとジュンの関係性。 その関係が許されない時代によって離れ離れになった二人を逢わせようと、 娘とボーイフレンドが背中を押し、ジュンの叔母がサポートする。 それぞれの愛情の形が複雑に入り組み、雪がしんしんと降り積もる群像モノの形を成す。 クライマックスの20年ぶりの再会ですら下手に盛り上げず、わずか数分で切り上げ、 何を話したか触れることのない行間が何とも堪らない。
かつて妻として、母親として、他人の人生を生きてきたユンヒが、ジュンとの再会をきっかけに、 今まで抱えていた想いが解き放たれ、自分の人生を歩き出す。 その後の物語を想像したくなる控えめな締め方が余韻を引く、ヒューマンドラマの佳品。 |
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