映画『楢山節考(1983)』の口コミ・レビュー(2ページ目)

楢山節考(1983)

[ナラヤマブシコウ]
The Ballad of Narayama
1983年上映時間:130分
平均点:7.50 / 10(Review 48人) (点数分布表示)
ドラマ時代劇小説の映画化
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2023-06-21)【イニシャルK】さん
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監督今村昌平
助監督月野木隆
池端俊策
武重邦夫
キャスト緒形拳(男優)辰平
坂本スミ子(女優)おりん
倍賞美津子(女優)おえい
左とん平(男優)利助
あき竹城(女優)玉やん
清川虹子(女優)おかね
小林稔侍(男優)
ケーシー高峰(男優)新屋敷の父爺
殿山泰司(男優)照やん
常田富士男(男優)仁作
深水三章(男優)銭屋の忠やん
横山あきお(男優)雨屋
樋浦勉(男優)焼松
小沢昭一(男優)勝造
三木のり平(男優)塩屋
辰巳柳太郎(男優)銭屋の又やん
原作深沢七郎「楢山節考」/「東北の神武たち」
脚本今村昌平
池端俊策(ノンクレジット)
音楽池辺晋一郎
作詞なかにし礼「親を眠らす子守唄」
主題歌坂本スミ子イメージソング「親を眠らす子守唄」
撮影栃沢正夫
製作東映
企画日下部五朗
配給東映
美術稲垣尚夫
芳野尹孝(美術助手)
編集岡安肇
小島俊彦(編集助手)
録音紅谷愃一
照明岩木保夫
その他IMAGICA(現像)
あらすじ
楢山に抱かれ、楢山を崇め、死後の魂は楢山に帰るという山国の村で、妻に先立たれた農夫辰平の十代の息子は代々盗癖を受け継ぐ家の娘に言い寄る。娘が身ごもったことで辰平と69歳になる母のおりんは複雑な心境になる。村では長寿は恥とされ、家族が増えれば働きが衰えた者は去る必要があった。おりんは辰平の後添えを探し、皮膚病持ちで結婚できない下の息子を一人前の男にする手はずを整え、自分を慕う辰平を励ましながら人生最後で最も重要な儀式である「楢山参り」の準備を自らの手で着々と進める。カンヌ映画祭グランプリ受賞。
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💬口コミ一覧

28.深沢七郎の原作小説は、おりんという土俗的人生に絶対的従順さをもつ女性の原日本的な奥深さを描いており、その奥深さを信とすることによって現代的な自堕落さの象徴であるけさ吉が救われるという物語である。つまり、おりんがけさ吉という壊れを抱え込むという現代的な問題をテーマとした小説でもあるのだ。今村昌平の「楢山節考」は知られているように深沢七郎の同名小説と「東北の神武たち」をミックスした作品である。「東北の神武たち」とは、奴隷的な境遇である東北地方の農家の次男三男坊たちを総称したもので、この物語の主人公は利助である。利助をこの映画で辰平の弟として闖入させ、倍賞美津子演じるおえいや女性たちとのエピソード、あの残酷な村八分の場面などに「東北の神武たち」の物語を見え隠れさせている。その昔、ある評論家は「東北の神武たち」を「楢山節考」に比べて数段落ちる駄作と称し、「生死の問題と性欲の問題との人生に占める位置づけを計算まちがいした作品」と酷評した。確かにこの映画にみられるちぐはぐさはそういった2つの作品を一緒にしているところからくるのかもしれない。しかし、本当は、この2作品が同根の物語であり、利助こそが「楢山節考」のおりんであり、けさ吉でもある人物像なのである。その辺りで、利助の描き方は中途半端であり、せっかくシチュエーション的に融合可能な2つの物語を単なる日本的な土俗性に回収させて終わらせているのが残念だ。冒頭に記したテーマこそ、この小説を「美しい」ものとしているのにも関わらず、やはり土俗的エピソードの積み重ねがこの作品のもつ現代的意味合いを著しく損ねていると感じる。確かに映像的にはそれなりに人間の原初的な力強さを描いているが、その作品の本質的なテーマはその影にすっかりと隠れてしまっているのである。
onomichiさん 7点(2004-06-19 11:21:59)
27.最近改めて観てみた。飢餓で鬼畜の境涯に堕ちた人間達のさまが静かに冷ややかにえぐられ、まざまざとみせつけられる印象が強く残る。人間は餓鬼や畜生の根性を常に内包しているに相違なく、生と性の原始的欲求を満たすためにしばしば豹変し修羅と化すのだと思う。仏にもなれば鬼にもなる。いにしえの特異な場所における奇怪で醜悪な風習の本質は、実は現代の人間社会のあらゆる面において起こっている事象に置換出来うることではなかろうか・・・。
26.これが、私の映画ライフの転機と・・・
yoshi1900olololさん [ビデオ(字幕)] 10点(2006-02-10 03:14:36)
25.私(35歳)は小学校時代東北の山村で過ごしたが、当時学校の先生や近所の年寄りにこの映画の内容に近い話を実話として多く聞いてきた。昭和初期の頃まで寒村では珍しくない事だったのだ。生まれた子供をその場で殺し、お札を抱かせて木箱で川に流した、家の軒下に埋めた・・・なんて話ばかり。だから私はこの映画を遠い過去の話とは思わない。人間だって動物、窮すれば何をするか分からない。
なつももさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-06-21 20:52:00)
👍 1
24.昔、木下恵介監督の作品を鑑賞、しっとりした、素晴らしい作品の記憶あり。
このリメイク版はもっと人間の本性、食欲、性欲に激しく迫っており、嫌な面がつぎつぎ,展開される。かなり疲れる作品。
ご自由さんさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-08-19 13:49:53)
👍 1
23.ネタバレ 人と動物の営みを同じ目線で描くことで、姥捨てを悲劇というより
食い扶持を1人減らさざるを得ないことを、仰々しく神の元で正当化する、
人の空しさと滑稽さを浮彫りにした。
そんな風習の仕組みを、捨てられる側のおりんがいちばん理解しているところが興味深い。
michellさん [DVD(邦画)] 6点(2006-09-29 01:44:39)
22.見ていて息が詰まりそうになりました。つらい映画ですね。間違いなく名作だと思いますが、好みなど含め、自分の中での評価はこの点数に落ち着きます。
ジャッカルの目さん [ビデオ(邦画)] 6点(2007-01-07 10:36:28)
21.ネタバレ 親子、嫁姑、兄弟、結婚、泥棒、リンチ、そして「掟」とと古い時代の日本の話ではあるが、現代に通じる物語になっている。途中に昆虫や蛇、蛙が挿入されて、生と性の営みをうまく表現している。嫁の役のあき竹城が、健康的で魅力的に見える演出がすばらしい。左とん平演じる利助が順番を飛ばされてしまった際の情けない気持ちと、それを理解して穴埋めする母親とその友人など、見所が多い映画だった。リメイクと知ったので前の田中絹代バージョンもぜひ見てみたい。
たこげるげさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-03-21 23:18:51)
👍 1
20.小説『楢山節考』と比べてしまうと、どうしても、“悲惨さ”の印象が強くなってしまいがちなのが、映像化ということの宿命か。要するに、小説、映画、それぞれの持ち味があるわけですけれども。それにそもそも、深沢七郎の小説における、人の生死を淡々と描くあの超然としたニヒルさの裏には、それに匹敵する憐れみの心が感じられてならないし、その相反する両者の帰着が独特のアナーキズムに結びついているのでしょう。本作では、土俗的なエネルギーを映像化することで、ほとんど呪術的なエゲツナサにまで発展してます。まあ、ここまでくると、監督の趣味もだいぶ入っているのかもしれませんが(笑)、「どひぇー、日本ってこんな国だったのか」と外国人をビビらせるにはもってこいの映画であります。個人的には、モノクロで撮ってくれた方が、何がしか「キレイな」作品になったんではないかといく気もしますが。
鱗歌さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-12-30 17:44:53)
19.ネタバレ 何時から“死”は、忌み嫌われる遠い存在になったのでしょう。核家族化が進み、親族の死に立ち会う機会は失われました。食卓に並ぶ食材も予め手が施されたものばかり。命を奪っている感覚は薄い。ニュースで事件や事故を見聞きしても、所詮は他人事。5分と経たずに忘れてしまう。まだ子供の頃のほうが、死は身近だったかもしれない。昆虫をいたずらに殺したし、ザリガニなんか胴体をへし折ってザリガニのエサにしていた。今となっては、随分可哀想なことをしたなと後悔しています。でも命の尊さを知る経験だったとも思う。忘れてしまった死の感覚は、恐怖に繋がります。分からないから怖い。なるべく遠い存在であって欲しい。カワイイ子猫は抱きしめたいけど、死んだ瞬間から見たくもないということ。でも多分間違っている。生と死は隣り合っているはず。本作を観て気付きました。子殺しに姥捨て。村人にとって死は日常です。死産や幼子を亡くすことは珍しくなかったし、姥捨てだって、いつか自分にも番が回ってくる。村人は死に鈍感なのではなくて、不可避なものとして受け入れているのだと感じました。もちろん自分は今の日本が好きです。自分と他人の命を尊重できる社会がいい。でも「人の命は地球よりも重い」なんてスローガンがもてはやされるのも違う気がする。逃げずに、真摯に死と向き合うこと。それが生を尊ぶことだと思いました。ときに可笑しく、ときに辛くやるせない、村人たちの生と性。自分の歯を打ち砕いた婆さんの想いも、倍賞にとばされて狂ったとん平の気持ちもよく分かる。日本人の文化風俗とその根底にある想いを通じて、生について考えさせられました。
目隠シストさん [DVD(邦画)] 9点(2008-02-20 18:08:06)
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18.ネタバレ 木下恵介監督の撮った「楢山節考」との違い、二つの作品を比べてみたいと思って借りてきました。う~ん?相変わらず今村昌平監督の撮る映画は生々しい。まずはこの映画を観て今村昌平監督はやはり人間とはいかに愚かであるかというものを蛇だの、蛙だの、蛾だのと色々、昆虫を使って見せる。同じような作風に「にっぽん昆虫記」というものがある。あの映画でも左幸子演じる主人公である女性を生々しく描きながらもリアルに描いている。ただこの作品の場合はその生々しさが良い方に行ってるとは思えないのである。姨捨山でのこの勇ましい事件を描くであるならば、何も態々、昆虫の性行為など描かなくても出来るはずだと私は思う。今村昌平監督らしいリアルな映像美、そして、力強さはここでも健在ではあるが、今村昌平監督ほどの腕のある監督、才能の持ち主なら、それは師匠である川島雄三監督の幾つもの作品のシナリオを書くほどの才能を持つのであればこそ、私がこの監督に求めているものとは少し違って見える。もっともっと面白くて誰も真似の出来ない凄い脚本を書けるばすのこの監督、何も別の監督の撮っているものをこのような形で再現しようとしなくても良いのではないだろうか?凄い作品であるということは認める。しかし、違う。私の好きな今村昌平作品とはどこか違う。よって凄い映画であることは認めるが高い点数を付けることはためらってしまう。
青観さん [DVD(邦画)] 6点(2008-02-26 20:55:11)
17.ネタバレ 緒形拳さんを偲んで見直してみました。
綺麗ごとではない人間の生と死を、厳しい自然の中で生き物として暮らす人間を通して、今村監督ならでは生々しいタッチ描いていた。緒形拳の力強い眼差しと顔に刻まれる皺は、心優しく無口な辰平を表現していた。盗みを働いた一家を生き埋めにして根絶やしにする村人を、客観的な視点で長廻ししていたのが印象的だった。老いたまま生きながらえる事を許さない村の掟に従い、家族のため自分を山に捨てろという、おりんの心情は計り知れないものがある。
ポテサラ頂戴さん [DVD(邦画)] 6点(2008-10-12 15:08:09)
16.ネタバレ  正直いって、今村昌平の映画は好きじゃない。猥雑な底辺の人間臭さ。そんなもの、わざわざ映画で見せつけられてもしかたがない。けれども、ここまで強烈に描かれては、脱帽する。若い醜男がなんとまあ、犬に夜這いかけて獣姦する。ちょっと前まで死にかけていた老女が頼まれて相手してやる。......漁港ではエイを、ヨーロッパでは牧童は羊を代用にして姦するという話を聞いたことがあるけれども、犬もありか。犬との獣姦シーンを観たのは初めてだ。そんな強烈な猥雑さと、貧しさゆえの残酷さ。しかし、それだけじゃなくて、神の山で死ぬということが、病気などで在宅で死ぬのとちがって、崇高な死に方なのだという信仰がちゃんと描かれていた。ひょっとすると、この老婆のように、昔の貧しい山村の生き方では、死に時と死に場所の選択が、おのれの意志にもとづいて、案外しっかりおこなわれていたのかもしれん。現代のわれわれには、意志いかんにかかわりなく、むりやり病院で、それもぎりぎりまで延命治療で生かされて、不自由に死んでゆくことしか許されていないのだ。はたしてどちらが崇高な死に方か。こんなふうに、猥雑さと残酷さにくわえて、崇高さも描かれているこの作品は、今村昌平の最良の作とお見受けする。
goroさん [DVD(邦画)] 9点(2009-01-24 03:48:33)
15.ちょっとこれは子供には見せられへんわ。
ケンジさん [DVD(邦画)] 7点(2009-01-26 16:10:25)
14.昔の山中での村の掟の大切さなど今の日本では考えられない。もしこの話が事実を元に作られていたなら、日本はずいぶん変わってしまったんだな。
ホットチョコレートさん [ビデオ(邦画)] 9点(2009-02-01 18:02:14)
13.人間が生存していくための、過酷で残酷でこっけいな掟・・このような現実があったことは知るべきだと思います。ただし、これがカンヌに出品されて受賞するのは少し嫌な気がします。もしも最初から海外向けに撮ったのならもっと嫌ですね。
東京ロッキーさん [DVD(邦画)] 6点(2009-07-10 21:23:14)
👍 1
12.体調が良く、精神的にも安定している時に、是非見ていただきたい傑作です。
代書屋さん [インターネット(字幕)] 8点(2009-09-01 22:38:40)
11.ネタバレ かなり怖い映画。子供に見せるとトラウマになりかねない。そしてエロい。というか昔の日本映画は今とは比べ物にならないほど卑猥な表現が多かったので、この映画に限った話では無いのだろうけど。とにかく描写が生々しいのでかなりグっと来るし、「姥捨て」の風習や農村の不気味さと恐ろしさが存分に表現されている。80年代前半にはまだこの映画のような不気味さを持った農村は数多くあったのだと思い出すと、時代の流れの恐ろしいまでの早さも感じる。
DeVanteさん [地上波(邦画)] 7点(2009-09-12 03:26:05)
10.ネタバレ 20年以上前か、テレビのロードショウで観賞。上っ面ばかりのバイオレンス映画やサスペンス映画より遥かに恐ろしくおぞましい映画。なぜかというと、生存欲や支配欲や性欲など、誰の心にも憶えがある本能を自覚させ、その暴走振りを納得できるように描いてるから。しかも本編の中で『必然性あり』としても描いてるから。こんな時代や地域は確かに実在したんだし。人間の本能と本性をリアルに描いてるので『恐ろしい』という意味で心に響いたからこの点数。下手すればトラウマになる映画。要注意。
aforkarnさん [地上波(邦画)] 9点(2011-02-07 16:47:14)
9.ネタバレ かつて日本にあった貧しいムラ社会の日常という感じかな?個人的に「姥捨て」は話の軸ではなく、話にオチをつけるために持ってきたように感じた。
動物みたいにセックスするし、簡単に人は殺すし、とにかく生々しくてえげつない。しかし、一見の価値はある。 法のない掟の社会だとこんな感じなのだろうか・・・。
eurekaさん [DVD(邦画)] 9点(2011-06-11 19:24:52)
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 48人
平均点数 7.50点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
536.25%
6714.58%
71633.33%
81020.83%
9918.75%
1036.25%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.00点 Review1人
2 ストーリー評価 6.75点 Review4人
3 鑑賞後の後味 3.75点 Review4人
4 音楽評価 4.00点 Review2人
5 感泣評価 6.33点 Review3人

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