映画『松ヶ根乱射事件』の口コミ・レビュー

松ヶ根乱射事件

[マツガネランシャジケン]
2006年上映時間:112分
平均点:6.72 / 10(Review 36人) (点数分布表示)
公開開始日(2007-02-24)
ドラマコメディ
新規登録(2007-03-11)【ボビー】さん
タイトル情報更新(2023-12-26)【にじばぶ】さん
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監督山下敦弘
キャスト新井浩文(男優)鈴木光太郎
木村祐一(男優)西岡佑二
川越美和(女優)池内みゆき
キムラ緑子(女優)鈴木みさ子
三浦友和(男優)鈴木豊道
光石研(男優)刑事
でんでん(男優)青山周平
烏丸せつこ(女優)国吉泉
安藤玉恵(女優)国吉春子
榎木兵衛(男優)鈴木豊男
中村義洋(男優)富樫圭一
宇田鉄平(男優)坂部進(べーやん)
西尾まり(女優)富樫陽子
康すおん(男優)立原勇三
脚本向井康介
山下敦弘
撮影蔦井孝洋
製作山上徹二郎
配給ビターズ・エンド
美術龍田哲児(装飾)
編集宮島竜治
録音小川武
照明疋田ヨシタケ
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💬口コミ一覧

36.ネタバレ 山下敦弘監督作品としてはもっとも手の込んだ脚本で、唸らされた。上手い。相当に上手い。徹底的にリアルで、過剰な部分が完璧に削ぎ落とされている。今までもこの人は面白いものを撮るなぐらいには認識していたけど、ここまで安定した手腕を発揮するとは思わなかった。掛け値なしに、恐ろしく力のある人だと思う。

これまでの作品ではだめ人間を描くにも笑いを交えてやんわりと表現していたが、今回はかなりブラックな味わい。田舎町の逃げ場のない人間関係のなかで、どうしようもない連中にうんざりしつつ、結局は自分も同類に過ぎないのだ、と思い知らされる主人公。そりゃ、拳銃ぶっ放すしかないわな。正気のたがが外れそうで外れない、でもやっぱり外れる。しかしそれでも殺人鬼にまでは堕ちない――言い換えれば、殺人犯にすらなれない、というのがほんとうに、怖気がふるうほどにリアル。

嫌な映画だ。人間という生き物を知り尽くしていないと撮れない、不愉快な秀作だ。
no oneさん [DVD(邦画)] 9点(2007-09-21 02:22:25)
👍 2
35.ネタバレ 作品タイトルからはそれこそ山奥の閉鎖的な村社会で起こった猟奇的な大量殺人事件なのだろうと勝手な想像をしていたが大違い。タイトルだけでも見事な外しっぷりを展開してくれる見事な傑作。ぎこちなさが山下ワールドのキーワードだと思っているのですが、この作品でもそれは健在。親子、兄弟(しかも双子)に起こるぎこちなさ、閉鎖的な共同社会の中に突如乱入してきた異界からのストレンジャー(キムニイ)達との間のぎこちなさ。本来他人との間にはぎこちなさがあるのが当然だし自然。ぎこちなさを受け入れてそれを乗り越えてコミュニケーションをとっていくからこそ人間社会は成り立っているのだしただの生活にもハリってのものが生まれてくるんだってことを気づかせてくれる。最後にはストレンジャーキムニイもぎこちないながらも共同体の中で生きていくことになってしまうし、ぎこちなさにずっと違和感を感じていた主人公も最後の乱射でかすかな抵抗を示すものの別にただそれだけ。人間ってのは情けない存在だけど情けないものほど愛しい生き物ですね。世界観といい人間描写といい映画らしい展開の突飛さといい、もう最高です。
Seanさん [映画館(邦画)] 9点(2007-08-17 17:09:25)
👍 1
34.ネタバレ 冒頭にて、脚色はしているものの、事実に基づいた作品である旨、字幕で示されます。木村祐一、川越美和周りの設定は、面白くするための捏造と思われますが、話は嘘臭くても、流れている空気にリアリティがあるんですよね。普遍的、本質的に、最近の田舎ってこんな感じなんだろなっていう。人口密度が低いと言うだけで、住んでいる人は現代人にもかかわらず、こうも都会と異なる社会になるものかなぁと、感じ入ってしまいました(それは私の勝手な見方であって、都会の方が異常なわけですが)。田舎だと社会における男女の役割があまり分化してなくて、男女が同じ地平にいることが、とても新鮮に感じました。分化しないからこそ女性的価値観の鏡であるマッチョが育つという意味で。
camusonさん [DVD(字幕)] 8点(2024-09-09 20:01:32)
33.ネタバレ 大好きな山下敦弘監督作品。
田舎町の閉塞感が個性豊かな登場人物とエピソードによって表現されており、とても楽しめた。
エロがらみのエピソードの数々はあまり好みではないが、この田舎町を描く上で避けては通れないものだろう。
色んなヤバイ事が発生するのに、最後は何となく元通りみたいな、これって平和なのかな、どっちなのかなって不思議な感覚。
タイトルにもなっている乱射事件ってのも、アメリカのそれとは大きく趣きを異にしていて意表を突かれた。
山下敦弘監督ここにあり、日本映画ここにありの逸品!
にじばぶさん [インターネット(邦画)] 8点(2023-06-18 12:05:14)
32.ネタバレ 田舎町での日常が少しずつずれていく。主人公も少しずつずれていく。で、町は全てをただただ受け入れていく。受け入れていくからまたずれる。
観客の読みも少しずつずれていく。そのずれをイヤガオウニモ受け入れざるを得ない。
私も受け入れざるを得なかった。やられたー。
絶妙の間の取り方。ずらしの天才だ。全場面が必要なんだな。ラストまでずらすとは。くそ。完全にやられた。誰もまともに演技しなくてもこの監督の元なら演者になれるのではと思うくらいの自然なずらしからのピーキング。瞬く間にエンドへ。
いいなあ、こんな映画でなら脱げるσ(^_^;)。
監督の山下敦弘さんは私にとって全くのノーマークだった。こんなにレンタルDVD屋さんに通ってるのに気づきもしなかった。せいぜいわかるのは、リンダリンダリンダの監督さんかーってくらい。全く知らなかったなんてとても恥ずかしい。これからこの監督の作品を観まくるんだろうなぁ。
誰が乱射するかすら予想できないずらし地獄。こんな映画を撮れる監督が他にいるのだろうか?似てる作品すら思い浮かばない。ファーゴ?ゆれる?アメリカンビューティー?違う!
JFさん [DVD(邦画)] 8点(2015-05-29 17:23:00)
👍 1
31.ネタバレ 山下監督のセンスには舌を巻くばかりです。アンチドラマ的でリアリティたっぷり、それでいて目の離せない展開・・・こんな映画を作れるなんて、天才としか言いようがありません。10点ではないのは、後味の悪い話で、2度と見たいと思わないから。このタイトルであの展開だと「最後に拳銃でキム兄と女を蜂の巣のように撃ち殺すんだろうなぁ・・・」と思っていたら、見事に裏切られましたね。ラストの拳銃発射後に「松ケ根乱射事件」というタイトルの表示で「おいおいっ、これを“乱射事件”って言うんかい!」と思わずコケそうになりながらツッコむ・・・そういうコメディだった、ってことでいいんですかね?
ramoさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-07-27 14:41:45)
👍 1
30.初期の若松孝二の悩める若者青春映画だと思っていたら街全体の人々の群像劇であった。内容が濃いので見ていて引き込まれる。ランスファー・トリファー的なドロドロ感がある。
xnoranoraxさん [DVD(字幕)] 8点(2013-03-05 22:38:26)
29.ネタバレ 自分にとっての「非日常」を「日常」として生きている人々が直面する「非日常」といった感じの映画。山下監督の映画はどれもそういう感じがするなあ。けど、最後まで見ていると、自分からはそう遠く離れたところのハナシではないなあ、と考えさせられます。途中、「あれ?なかなか乱射する気配がないぞ。もしかしてこれはアッチを乱射する映画なのか?」と思っていましたが、最後にやってくれました。そして「スイマセン。もう大丈夫です」と急にまとも(?)になるのも分かるなあ~。別に乱射する機会なんて無いけれど、「もう何もかも全部うんざりだ!ウガー!!」となったすぐ後に急に冷静になるのは分かる気がします。 賢者タイム!
ゆうろうさん [DVD(邦画)] 8点(2013-02-02 13:19:45)
28.すごい作品だと思います。キャスティングといい脚本といい凄い。特にリアリティという面ではぞっとするほどの力があります。とはいえ冷静に考えればありそうもない話です。そのちょうど狭間をいくようなストーリーが最高。
序盤の小学生からぶっ飛んでますが、そのぶっ飛んだシュールさを維持しつつ最後までいけた希有な作品ではないでしょうか。
Balrogさん [DVD(字幕)] 8点(2008-12-08 00:16:26)
27.これってある意味ブラックコメディなのかも。確かに登場人物はみんな滑稽で、やってることも無茶苦茶だけど、それを「コメディ」として笑い飛ばせられないところがこの映画の怖いところであり、同時に核心だと思います。たとえるなら『博士の異常な愛情』的なブラックさ。不愉快過ぎて気持ちいい(?)、不思議な映画です。
とかげ12号さん [DVD(邦画)] 8点(2008-05-03 21:56:32)
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26.ネタバレ 映画のタイトルから勝手に内容を想像して観に行きましたが、良い意味で見事に裏切られました。
冒頭女の死体が発見されから検死台のシーンまで、私はすっかり犯人探しをするサスペンスものと思い込んでました。
しかし、その検死台の女(川越美和)が息をし始めたからさあ大変です。
(この時点で既に山下ワールドへ入り込んでしまった自分に気づいても手遅れです。)
ここからは終始ギャグとシリアスの掛け合いでクライマックスへと進んで行き、最後に乱射事件が起こります。
ここまで観てやっとこの映画のタイトルはそうゆうことだったのか!と気づかされ、やはりダメ人間を描かせたら山下監督が一番と再認識させられました。
ありあさん [映画館(邦画)] 8点(2007-07-27 18:08:25)
25.ネタバレ やっぱり素晴らしいです。山下監督。ふつうの演技をしてしまうであろう役者さんたちを、一体どういった方法であのように自然にしてしまうのだろう。まるで演技をしていないかのような演技。沈黙や台詞の掛け合いの一瞬の間にうまれるあの微妙な空気は、凄すぎます。ふつうの監督とはまったく違う観点。映画ならば次こうなるだろう、という僕らの予想、当たり前だと思う感情をことごとく裏切ってくれます。現在の日本で、独特の世界観をここまで強く持っておられる監督は山下監督とあと数えるほどしかおられないと思います。乱射事件というタイトルから完全にこっちは勝手に考えを膨らませ思い込む。そこがきっと山下監督の狙いなのでしょう。凄いです。あの裏切られた感。嬉しくて仕方ありません。あと、新井さん。あの人は作品が変われば人が変わりますね。それが演技なのですが、それが出来ない役者さん、あるいはそれを求めていないプロデューサーが多すぎます。この作品は新井さん以外の若手の役者さんには絶対できないと思いました。二枚目ではないけど、不細工でもない。地味ではないけど派手でもない。中途半端ではなく、完全なオリジナル。素晴らしいです。この作品もまた、中途半端でも平凡でもなく、とにかくオリジナル。異常なまでのリアルの積み重ねで出来上がったリアルの結晶。これぞダメ人間の作品。バカで、中途半端で、なんだそれって行動ばかり取る。あぁ、人間を見たな、とつくづく思う作品。
ボビーさん [映画館(邦画)] 8点(2007-03-12 00:47:01)
👍 2
24.ネタバレ 雪国の田舎町の閉塞感や荒涼感のようなものは伝わってくるし、そこに生きる人間のしぶとさ、強かさ、愚かさも感じられて、この「あるある感」的雰囲気は中々よいのだが、金塊の話がちょっとリアリティーに欠けるかな。これがアクセントになりコメディーにはなってるのだが、もっと「事実は小説より奇なり」的にリアリティーを徹底追求してもよかったような。狂い始めた警官が銃乱射して鬱憤晴らしする事を「事件」としてしまうセンスには唸らされる。
東京50km圏道路地図さん [DVD(邦画)] 7点(2014-02-14 13:11:10)
23. だからどうした、と言えなくもないですが、なんだか面白い作品です。
海牛大夫さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-01-14 11:20:08)
22.おそらく、津山30人殺し事件を意識したであろうタイトル。そしてファーゴのようなパッケージ。八墓村みたいなことになるのかとドキドキしながら観賞したが…。見事に期待を裏切ってくれました(笑)ファーゴの仮面を被ったブラックなビッグリボウスキといった感じか。シニカルでオフビートな感じも嫌いではないですが、心に残る作品とまでは行かず。正直、この手の閉塞した田舎で血の繋がりが濃いい関係を泥臭く描いた大傑作と思っている小説があるので、それが足枷となって感動には届かなかったのかもしれない。シナリオの外し加減は絶妙で、なかなか書けるものではないと思う。欲を言えば、ラストにかけて登りつめるパワーが欲しかったな。
Nujabestさん [DVD(邦画)] 7点(2009-12-27 07:34:19)
21.ネタバレ 乱射してんのラスト10秒だけやん?笑
って意味でもこのタイトルいいですね。やられた。
オープニングの凍った地面に女が倒れている撮り方もいいです。


さすが山下監督。キャストと脚本、演出、ロケーション、全てが平均点以上。
センスのいい韓国映画の雰囲気に多少似ていました。

この新井浩文って役者は目つきがいいですね。
ハマっていました。

三浦友和のキャスティングが個人的には好きでした。


チープな不気味さがナイスな良作。
uraraさん [DVD(邦画)] 7点(2009-08-06 05:34:01)
20.これだけシュールに淡々と描いていながら、全く飽きさせない映画だった。脚本のすばらしさと、芝居のリアリズム、存在の感じさせないカメラ、編集の妙、それらがうまくまとまっていて、監督の力を改めて感じました。静かな狂気、小さな町におこる非日常、それらを飲み込んでしまう空気感。なかなか観たことのない映画です。最後の乱射シーンで妙にスカッとしてしまったのは私だけでしょうか??
ポテサラ頂戴さん [DVD(邦画)] 7点(2009-04-24 15:07:58)
19.1990年代の松ヶ根という、湖面が凍結するくらい寒い地方の田舎町を舞台に、
田舎社会の実像や人間の本質をシニカルに描き出す。
ひとつの決まったテーマはなく、鈴木家を中心にしたエピソードの詰め合わせという感じ。
なかなか人前には見せない、人間の素の姿がリアルに描かれていると思う。
ひと昔前の田舎らしい、人物の野暮ったいファッションや朴訥なキャラクターが
今となっては郷愁さえ起こさせる。我々は回帰すべきなのか?
それにしてもこの映画の人々はリアクション鈍すぎ無言すぎ。
さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-04-15 00:58:06)
18.「昭和の日本映画」平成脱力バーションという感じですね。田舎の閉塞感をゆるーく描いていて、可笑しくもちょっと恐ろしい映画に仕上がっています。ストーリーを追うというよりも、山下監督の秀逸な人間描写を味わいながら鑑賞しました。
 まあ、非常に地味な作品ではありますが、じんわりと良さが沁みこんでくる・・・・そんな映画です。
TMさん [DVD(邦画)] 7点(2007-10-14 18:39:30)
17.リンダリンダリンダを見ただけの僕はあまりのギャップに唖然としてしまった。またこの監督にはやられた。朴訥とした田舎町で、ほんわかムードさえ漂っているのだけど、起こっている出来事は深刻。なはずなんだけどやっぱりほんわか。そういう不思議な空気がある。なんというか物語は映画ならではな所もあるんだけど、リンダリンダリンダでも感じた何気ないセリフや描写が実生活を見せられているようにリアルすぎるんです。光があっちからもこっちからも責められている最中に見せる笑みや光太郎と彼女のエッチシーンなどを見ていると、とても気恥ずかしくなる。もちろん光太郎を演じた新井浩文を始め、俳優陣もうまいが、演出が冴えまくっている。シーン毎に見るとキツイモノがあるが、全体として見るとなかなか面白かったです。冒頭のシーンから“ファーゴ”、ネズミに神経質になる様は“バートン・フィンク”も感じましたよ。
カリプソさん [DVD(邦画)] 7点(2007-09-12 22:48:28)
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 36人
平均点数 6.72点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
425.56%
5411.11%
61027.78%
7822.22%
81027.78%
925.56%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.66点 Review3人
2 ストーリー評価 5.75点 Review4人
3 鑑賞後の後味 5.75点 Review4人
4 音楽評価 6.33点 Review3人
5 感泣評価 3.33点 Review3人

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