映画『生きる』の口コミ・レビュー(13ページ目)

生きる

[イキル]
ikiru
1952年上映時間:143分
平均点:8.02 / 10(Review 249人) (点数分布表示)
公開開始日(1952-10-09)
ドラマモノクロ映画
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2025-02-01)【イニシャルK】さん
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監督黒澤明
助監督堀川弘通
田実泰良
広沢栄
キャスト志村喬(男優)渡辺勘治
小田切みき(女優)小田切とよ
伊藤雄之助(男優)小説家
金子信雄(男優)渡辺光男
関京子(女優)渡辺一枝
小堀誠(男優)渡辺喜一
浦辺粂子(女優)渡辺たつ
千秋実(男優)野口
藤原釜足(男優)大野
日守新一(男優)木村
左卜全(男優)小原
小島洋々(男優)市職員
千葉一郎(男優)警官
瀬良明(男優)
田中春男(男優)坂井
中村伸郎(男優)助役
清水将夫(男優)医者
木村功(男優)助手
本間文子(女優)陳情のおかみ
村上冬樹(男優)新聞記者
三好栄子(女優)陳情のおかみ
深見泰三(男優)
渡辺篤(男優)患者
菅井きん(女優)陳情のおかみ
山田巳之助(男優)斉藤
丹阿弥谷津子(女優)バーのマダム
加東大介(男優)ヤクザ
宮口精二(男優)ヤクザ
永井智雄(男優)新聞記者
南美江(女優)家政婦
市村俊幸(男優)ピアニスト
堺左千夫(男優)ヤクザ
広瀬正一(男優)ヤクザ
小泉博(男優)ジャズバーの客
向井淳一郎(男優)映画館の客
勝本圭一郎(男優)
加藤茂雄(男優)防疫係受付職員
谷晃(男優)飲み屋のおやじ
榊田敬二(男優)区画整理受付職員
津田光男(男優)都市計画部受付
出雲八重子(女優)陳情の主婦
青山京子(女優)女学生
宇野晃司(男優)
本木荘二郎ナレーション(ノンクレジット)
脚本黒澤明
橋本忍
小国英雄
音楽早坂文雄
作曲中山晋平「ゴンドラの唄」
撮影中井朝一
斎藤孝雄(撮影助手)
製作本木荘二郎
配給東宝
美術松山崇
村木与四郎(美術助手)
編集岩下広一
録音矢野口文雄
照明小島真二(照明助手)
その他野上照代(記録)
キヌタ・ラボラトリー(現像)
あらすじ
市役所に勤務する渡邊は、真面目だけが取り柄の市民課長。その渡邉が、自分が胃がんであることを知った時、彼はその絶望をどう受け止めたのか…。がん即ち死であり、家族の神話が生きていた時代の黒澤の傑作。黒澤のベスト1に押す人も多い。
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💬口コミ一覧

9.ネタバレ 以前松本幸四郎主演のドラマの方は観たこと
があったけど、映画の方は観る機会がなく初めて鑑賞しました。
豊かになった現在と比べて戦後まだ10年も経っていない貧しかった
頃の日本の社会風景が何とも切ないですね。
やはり志村喬の目力の演技が光ります。
当時はまだ40代後半だったと思うのですが、昔の人々は現在と
比べると随分と老けていたんですね。

女事務員とのデートの最中に突然覚醒してから、公園の完成まで
の苦労の過程がもっと細かく描かれるのかと思ったらあっという
間にお亡くなりになり、通夜の席での思い出話に終始したのは、
考え抜いた脚本とは思いますが、観ている側としてはちょっと
拍子抜けな感はありました。

それにしてもお役所仕事とはよくいったもので、現在でも基本的
には変わっていないように思います。
自治体や霞が関のお役所でバイトをしたことがありますが、今の
時代でも前例踏襲が基本で超アナログ&書類に埋もれたごみ屋敷
のような職場には驚かされます。
キムリンさん [地上波(邦画)] 6点(2024-01-09 15:17:30)
8.ネタバレ 有名な映画だからあらすじはだいたい知っていた。さてどんなアプローチでみせてくれるのかと期待していたが、どうも思っていたのとは違っていた。
胃がんで余命が無いと知り、遊びほうけたり若い女の子の生命力に魅せられるのはいい。そこまでは自然に共感できる。だがどうしてそこからいきなり公園建設の使命に目覚めたのか、その辺りの描き方が不充分。まあ、遊んでいても空しいだけ、誰か人のために命を尽くそうってことなんだろうけど、そこが一番肝心なところじゃないだろうか。気づいたら早々と主人公の葬式になっていて回想で振り返る脚本もあまり的を得ているとは思えない。
あと、黒澤映画で思うのは字幕が必要だと言うこと。映画が古いせいなのか俳優の活舌が悪いせいなのか本当にセリフが聞き取りづらい。これでは内容が充分に入ってこない。映画関係者には是非一考をお願いしたい
イサオマンさん [地上波(邦画)] 5点(2024-01-12 16:26:35)
7.ネタバレ 失うものがない人間は強い。
…なんだけど、余命を突き付けられながら自分が何をしたいのか良く分からない主人公が
なぜ公園建設にエネルギーを注力するのか不明瞭すぎる。
事務職員の娘を何度も誘うシーンには気持ち悪さが勝った(活力の源を知りたい理由はあれど)。

公園完成までの経緯と衝突をじっくり描くと思いきや、話がいきなり飛んで主人公が亡くなり、
葬儀で関係者が回想していく意表性すら上手く機能していない。
ぼそぼそで上手く言葉を伝えられない人がここまで漕ぎ着けるとは思えず、
周りも建前上とは言え、主人公への賞賛ばかりでただの説明で終わってしまったのは惜しい。

'50年代当時の生活文化、今でも変わらないたらい回しなお役所体質など目を見張るものはある。
自分の生きた証、何をしたのかという普遍的なテーマがあっても、
今やネットで簡単に可視化されるだけに何も感じられなくなってしまったかもしれない。
Cinecdockeさん [地上波(邦画)] 4点(2024-01-27 12:26:43)
6.ネタバレ そのうちDVDを買おうと思っていたところ、BSで放送されて有り難く視聴。'50年代初期の日本の風景。戦後間もない、まだ簡素だけど生き生きと賑やかな町並みが、観ていて楽しい。
課長職で、立派な家に息子夫婦と住み、家政婦も居る。傍から見れば羨ましい限りの生活。病院で死を悟り、家に帰り、仕事に行くため目覚ましをセットする。もう死ぬのに、何で仕事を続けないといけないのか?
心のなかで何度も『光男、光男…』と叫ぶ様子がまた切ない。これからどう生きていけば良いのか。愛する妻に先立たれ、まだ幼かった光男を育て上げることは、渡辺の生きがいに違いなかったろう。今では光男も既に結婚し、西洋かぶれのベッドにガウンと、夫婦で好きなように生きている。一人息子からも必要とされていない今の現実と、死ぬことを言い出せない冷え切った親子関係。

志村喬の目の輝きがとても印象深い。働いて“死骸と一緒”の時は輝きのない目をしていて、死を受け入れて、どう生きるかを模索しだしてから、目が輝く。やせ細る顔と対象的に、生きることへの執着を表すようなギラギラした目。
まず飲む打つ買うと、今までと真逆の生き方をしてみる。残りの人生を自分のために使ってみる。ピアノ伴奏で歌いだす“ゴンドラの唄”。暗い歌が場にそぐわないのはもちろんだけど、どんどん伴奏とズレていくところが、娯楽では満たされない虚しさを感じさせる。暗い空気のタクシーの中で、娼婦が歌う“カモナマイハウス”。帰る家(家庭)など無い渡辺と、心情を察して涙ぐむ小説家の対比が見事。

小田切くんに靴下を買ってあげよう。一緒に遊んで、甘いものもご馳走しよう。残りの人生を若い女との時間に使うと思わせておいて、人が喜ぶ姿に生きがいを見出したんだと気がつく流れがテンポが良くて伝わりやすい。パタパタ跳ねるうさぎのおもちゃと「こんなものでも、日本中の赤ん坊と仲よしになれたような気がするの」そうか、目の前の人を喜ばせるだけじゃなんだ。という気付き。「やる気になれば!」「ワシにも何か出来る!」遂に生きがいを見つけた渡辺の後ろから“ハッピーバースデートゥーユー”。

本作の主題である、渡辺が『生きる』姿を観せず、通夜の席に飛ぶ流れは、今の目で観ても思い切った手法。全てが終わってから振り返る手法は『市民ケーン』のアレンジなのかもしれないけど、その後の職員たちの気持ちの変化が、当時のお役所仕事の風刺として印象深い。また『素晴らしき哉、人生!』とは異なり、自ら、あの状況で気が付き、出来ることをやりきった渡辺の姿は、映画の中のお話に終わらせず、どんな人にもやる気を湧かせたんじゃないだろうか。
ブランコで一人“ゴンドラの唄”を歌う渡辺の目に、生きていた時のような輝きはない。祭壇の遺影と同じように。公園という自分が生きた証を残し、満足して死んでいったんだろう。

台詞がよく聞き取れなくて、居酒屋で小説家に渡すアレが何か分からず。あと録画したものにテロップが入ってたので、やっぱ字幕の付いたDVD買うか。
K&Kさん [CS・衛星(邦画)] 9点(2024-02-03 11:54:59)
👍 1
5.ネタバレ 『生きる』の原案はトルストイの『イワン・イリッチの死』。死病に伏した主人公の独白、孤独と絶望がテーマ。彼は死を前にして自分に「生きがい」がなかったことに煩悶する。『生きる』の主人公、志村喬演じる渡辺課長は癌発覚後、これまでの生を反芻しつつ最後の「生きがい」を見つけることで救われる。このオリジナルとの違いが黒澤ヒューマニズムの境地と言われる所以だろう。黒澤が『生きる』と題した物語のテーマはやはり「生きるとは何か?」なのだ。

とはいえ、実は『生きる』は渡辺課長が亡くなった後半からが面白い。通夜の席での「ナマコ」「ドブ板」「ハエ取り紙」といった曲者たちの喧喧諤諤には何度も感嘆した。さらに翌日の彼らの変わり身の早さを示すラストにも唸る。たとえ副次的であっても、あの通夜のシーンで、組織から個へ、組織に囚われる個の本質を見事に描いてしまったが故に、この映画のテーマが「個と何か」だというのも理解できる。それは「凡夫」であり「悪人」である人間の本質と言ってもいいだろう。
onomichiさん [インターネット(邦画)] 9点(2024-04-30 22:28:01)
4.ネタバレ ◇たまたまテレビをつけていたら始まって、最初は「ああ、あの映画か、、」と流し見していたところ、どんどん引き込まれました。現在と変わらないのは「何のために仕事をするのか」家族のため、子供のため、生活のため。もともとやりたいこと(目的)があっても、それができる立場になる(手段)ころには、自分の立場(手段)が目的になってしまったりする。(踊る大捜査線でも、和久さんが青島に「正しいことをやりたければえらくなれ」と言ってましたね)
◇主人公は病気をきっかけに、自分のできることを精一杯全うしようとする。最後の葬式のシーンを見ても、特にそれがスムーズに進んだわけではなさそう。でも。
◇社会的に認められたかどうかが重要なのではなく、自身が何に幸福を感じるか、を考えさせる作品でした。
ハクリキコさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2024-09-01 16:19:41)
👍 1
3.ネタバレ 邦画ですが日本語字幕付きで観ました。
ぼそぼそ喋るから字幕は大正解。

72年前の作品を2024年に鑑賞すると、捉え方が時代で変わってくるものだ、としみじみ感じた。

良かったのは後半。
公園建設の話しは素晴らしかった。
主人公の凄まじい執念を感じ取れました。

前半の家族の描き方だが、息子の光男は幼くして母を亡くし戦争に軍人として出征した。
終戦後は会社勤めで親と同居。
経済観念のしっかりした嫁もあります。

なんて羨ましい。
私には理想の息子。
これで不満なんて主人公のバカヤローと思いました。

時間が経つと価値観も変わるのですね。

ちなみに、胃がんは私の子供の頃は早く亡くなられる方がありましたが、今は多くは長生きです。
時代の進歩で良い事も多くあると感じました。
たんぽぽさん [ビデオ(字幕)] 7点(2024-12-15 12:05:32)
2.ネタバレ 主人公はがんの余命宣告は受けておらず、「妄想」によって突き進んだというのをどう解釈すればよいのか?ストレートに宣告されると諦観してしまいそうだが、「死」という妄想的恐怖により暴走気味に?突き進んだと考えるべきか。でもなぜ「公園作り」なのか?という謎も残る。役所批判という社会風刺のテイストも強いが、ひとりの人間が最後になしうる「大仕事」が小さな公園作りというのも少々凹むところもある。とはいえ、「人間いつ死ぬかわからない」というある種の「恐怖」の中で生き続けることにより、毎日をより善く生きることが可能なのかもしれないとも言える。まさに「生きる」とは何か、を考えさせられる余韻の残る作品ではある。
東京50km圏道路地図さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2025-01-02 21:36:49)
1.歴史的な作品に臨む場合には、どういうスタンスに立つかで評価が変化してしまいます。当時の技術水準や文化的背景を基準とするのか、現代に生きている自分が現在存在する数多の作品の一つとして鑑賞するという立場に立つのか。私は後者です。
手元の自分の記録では、26年前に見た時には最高点を付けています。今回は、そうは感動しませんでした。良く出来たプロットだとは思いますが、あっさりとまとまり過ぎと思えました。物語の規模が小さいのも痛いところですし、予定調和的に進行してしまうことにも物足りなさを感じます。過去のメモでさえ「ステレオタイプ」「技術的に稚拙」とあります。
映画の水準がどんどん向上し、それを数千本鑑賞してしまった後では高い評価を出せなくても無理はないでしょう。
まあ、初心に帰る的な意義はあると思います。
傲霜さん [地上波(邦画)] 6点(2025-04-03 12:00:56)
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 249人
平均点数 8.02点
000.00%
100.00%
210.40%
331.20%
483.21%
5166.43%
6176.83%
74216.87%
84317.27%
95722.89%
106224.90%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.04点 Review21人
2 ストーリー評価 8.33点 Review27人
3 鑑賞後の後味 8.18点 Review27人
4 音楽評価 7.90点 Review21人
5 感泣評価 7.92点 Review25人

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