映画『西部戦線異状なし(1930)』の口コミ・レビュー(3ページ目)

西部戦線異状なし(1930)

[セイブセンセンイジョウナシ]
All Quiet On The Western Front
ビデオタイトル : 西部戦線異状なし 完全オリジナル版
1930年上映時間:136分
平均点:7.56 / 10(Review 70人) (点数分布表示)
公開開始日(1930-10-24)
アクションドラマ戦争ものモノクロ映画歴史もの小説の映画化
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2023-09-02)【イニシャルK】さん
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監督ルイス・マイルストン
キャストリュー・エアーズ(男優)ポール
ルイス・ウォルハイム(男優)カチンスキー
スリム・サマービル(男優)ジャーデン
ジョン・レイ(男優)ヒンメルストス
アーノルド・ルーシー(男優)カントレック
ベン・アレクサンダー(男優)フランツ・ケメリック
エドモンド・ブリーズ(男優)マイヤー
フレッド・ジンネマン(男優)(ノンクレジット)
加瀬康之ポール(日本語吹き替え版【BD】)
天田益男カチンスキー(日本語吹き替え版【BD】)
谷口節ヒンメルストス(日本語吹き替え版【BD】)
内田夕夜アルバート(日本語吹き替え版【BD】)
飛田展男ジャーデン(日本語吹き替え版【BD】)
浦山迅カチンスキー(日本語吹き替え版【PDDVD】)
富山敬ポール(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
富田耕生カチンスキー(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
大木民夫カントレック(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
堀勝之祐フランツ(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
納谷六朗アルバート(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
槐柳二ジャーデン(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
出演ザス・ピッツポールの母(サイレント版予告編のみ)
ルイス・マイルストンポールの手の代役(ノンクレジット)
原作エリッヒ・マリア・レマルク「西部戦線異状なし」
脚本ジョージ・アボット
マックスウェル・アンダーソン(会話部分&脚色)
C・ガードナー・サリヴァン(スーパーバイザー)
ルイス・マイルストン(ノンクレジット)
ジョージ・キューカー(台詞監督)
撮影アーサー・エディソン
カール・フロイント(ノン・クレジット)
トニー・ゴーディオ〔撮影〕第二カメラ・カメラオペレーター(ノンクレジット)
製作カール・レムリ・Jr
ユニバーサル・ピクチャーズ
美術チャールズ・D・ホール(美術監督)
編集エドワード・L・カーン(ノンクレジット)
その他カール・レムリ〔1867年生〕(プレゼンター)
あらすじ
第一次世界大戦が始まった頃のドイツ。学生のポールとクラスメートたちは愛国心を説く老教師に煽動され、英雄を夢見て、熱に浮かれたように軍隊に入隊する。顔なじみの元郵便配達員の上官に陰湿な訓練を受けた後、西部戦線に送られたポールたちは、最初の鉄条網張りの任務で戦争の現実を思い知る。慢性的な食糧不足、不衛生な塹壕や兵営、神経を苛む重砲攻撃と機銃掃射、塹壕での白兵戦。古参の兵士カチンスキーたちは優しく迎えて、彼らに生き抜く術を教えてくれるが、友人たちは次々と銃弾に倒れていく。
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💬口コミ一覧

30.塹壕戦の様子、病院の状況、銃後の老人たちの好戦的な態度、一時の青年たちの熱狂、などなど第一次大戦の様子を実に目配り良く描き出しています。そして自宅で蝶の標本を伏線として使い、最後のシーンを説得力あるものにしています。反戦の映画としては金字塔といえるものと思いました。・・・・・・・・ただ、ドイツでは徴兵制が敷かれていた筈で、大量動員には予備役を使うだけであり、青年たちが熱狂的に徴募に応じるというのはイギリスの話しではないかと思いましたし、ドイツの軍隊では士官の大半は貴族であり、軍隊全体に身分制の雰囲気が浸透していたはずですから、郵便屋の話しも少し変だなぁと思いました。
王の七つの森さん [DVD(字幕)] 10点(2007-09-23 11:28:22)
29.普遍的なテーマゆえ、時代を経ても色褪せることはない。映画館の席を立つひとりひとりが、何かをずっしりと心に持ち帰る映画。
ジャッカルの目さん [映画館(字幕)] 9点(2007-10-21 13:08:52)
👍 1
28. いい映画だと思います。ただ、私はこの作品を見る前にプライベートライアンとかブラザーフッドとかUボートとか、既に見てしまっているんですね。見る順序が間違っていました。
海牛大夫さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-11-24 14:59:58)
27.ネタバレ これぞ反戦映画。さすがにドイツ兵が英語を話しているのには違和感を感じるものの、庶民の立場から、兵士の立場からの立場でいろんな意見、考えが交わされておりすごくリアル。学校で先生に煽られて志願した兵士の実態をまざまざと感じ、久々に帰ってくると卑怯者呼ばわり。なんともやるせない気持ちになったし、これほどの反戦映画がありながら、これ以後たくさんの映画に参戦してきたアメリカが如何に愚かかとも思わせてくれる。
TOSHIさん [DVD(字幕)] 8点(2007-12-12 15:22:08)
26.戦争映画に点数をつけるのは難しいけれど、この作品は製作された年代を考えるとものすごい作品だろう。面白いか面白くないかでいえば、面白くはない。戦意高揚するようなかっこいい戦闘シーンは皆無で、ジョン・ウェインのようなヒーローも存在しない。エンターテインメントに走らず、カメラの視線は冷徹で、ドキュメンタリータッチとも言えるような印象がある。とにかく、あの時代においてあのテーマ性と描写力を持ったスタッフがいたことや、それを上映できたことが重大な意義を持っていたと思います。日本では統帥権干犯問題で浜口首相が銃撃された年ですからねえ。
もっこり八兵衛さん [DVD(字幕)] 10点(2008-01-13 16:40:05)
25.命の大切さ、平和のすばらしさ、戦争の無残さを改めて実感。無邪気な少年たちを扇動する学校の先生、権威主義的な郵便屋、自分は絶対に死なないといきまく若者、あっけなく死んでしまう古参兵。どれも非常に人間らしい。悲しいほどに人間らしい。自分も戦争を知らない世代だけど、そういう時代であるからこそ、若い人に見てもらいたい。
おまいつさん [DVD(字幕)] 8点(2008-11-06 14:55:49)
24.ネタバレ なぜ戦争はおこってしまうのでしょうか、国と国の戦いながら結局は最前線にいる兵士たちが戦っている現実  何のために・誰のために戦うのか  決して派手な演出もない内容ながら深く考えさせられる映画でありました。
Kanameさん [DVD(字幕)] 8点(2009-10-22 22:29:13)
👍 1
23.ネタバレ ◆1914年セルビアの18歳の愛国少年がオーストリア皇太子を暗殺。オーストリアはセルビアを懲らしめるために軍事行動を起こすが、安全保障条約の連鎖的発動により第一次世界大戦勃発。足かけ5年続き、戦死者900万人、非戦闘員死者1,000万人、負傷者2,200万人以上。スペイン風邪の猛威により漸く終結。ロシア革命の契機ともなった。驚くべきバタフライ・エフェクトだ。◆ライフル銃と機関銃の組織的運用で弾幕を避けるため西部戦線は塹壕戦となった。一進一退を繰り返す突撃戦。戦士達は射撃の前に生身の体を曝す。毒ガスも使われた。◆老教師は近代戦を知らない。若者の愛国心を鼓舞し「戦士になれ、英雄になれ」「死人は少し、勝利は今年中」などと煽る。若者の父親世代も無知である。◆「美化された戦争」しか知らない若者が、戦争の悲惨さをこれでもかと体験してゆく。気さくで心優しかった郵便夫が鬼軍曹に変身した。恐怖と食料不足と不潔さと落弾音による睡眠不足の地獄のような塹壕生活。親友が次々と死んでゆく。負傷して足を切断した友人が死に、その靴をもらった友人も死んでゆく。「死を初めて見た。生きているのはいいものだ。不思議なことを考えた。野原で遊んだこと。女の子のこと。地面から電気のようなものが伝わってきた」死に直面して初めて知る刀身のような生の実感。◆初めて人を殺した。夢中で刺したが、我に返ると敵兵は自分と変りのない善良そうな人間。「今は殺せない。さっきは敵だった。怖かったのだ、許してくれ。軍服を脱げば兄弟になれたのに」敵兵は苦しみながら死んでゆく。見守りながら、ただ許してくれと願うしかなかった。◆休暇で故郷に帰っても本当のことは言えない。大人達は戦争の実体を知らず、戦争を美化し、兵士を英雄視する。そこに語られるのは嘘ばかり。本音を語ったばかりに臆病者呼ばわりされる。休暇を切り上げ戦場へ戻る。そこでは少なくとも嘘はないからだ。軍に戻ると少年兵が入隊していた。敗戦が近いことを悟る。戦争で唯一得られたものは古参兵と友情だったが、その古参兵も死んでゆく。◆実家で見た蝶の標本。何も知らず遊びまわっていた子供時代の象徴だ。戦場にも蝶がいた。青年は感傷に浸り思わず手を伸ばす。次の瞬間一発の銃弾により命は潰えた。一個人にとって戦争は苦悩であり、苦痛であり、命がけのものだが、戦争を遂行する国家にとっては一個人の死など蝶の命ほどの軽さでしかない。
よしのぶさん [DVD(吹替)] 9点(2010-06-25 18:05:20)
22.ネタバレ 妻投稿■この映画はアーノルドシュワルツェネッガーやベン・アフレックみたいなハリウッドのヒーローが活躍する戦争映画でゆかいに殺されていった「ドイツ兵1」「ドイツ兵2」を描いたスピンオフ作品…みたいなものです。1990年代に作ってくれたらよかったのに、1930年代に作られたものですから、物凄く気が重くなります。その10年後にこれがもう一度リアルになるんですから。
はち-ご=さん [レーザーディスク(字幕)] 8点(2010-09-19 22:33:57)
21.ネタバレ 先ほど見終わりました。
実は1979年版と間違えて借りてしまいました(笑)

ですがこちらを見て良かったです。非常に良く出来た作品でした。
とても1930年に撮られた映画だとは思えません。

戦闘と砲爆、機関銃座のシーンで、次第に横に流れて行く長回しの映像表現は
今見ても非常に斬新で、まるで自分がその場で撃たれているかの様な錯覚を感じました。
特に砲弾が横に連爆して行くシーンなどは鳥肌が立ちました。

その他、敵兵が塹壕へ飛び込んで来たり
タコツボを飛び越えて行くシーンなどは、下からのアングルが非常にリアルで
最後は銃剣でも間尺に合わず、シャベルを振り回して叩き合う白兵戦も圧巻です。
この辺りはまだ実戦経験者が多数居たはずですから、演技指導などをしていたのでしょうか。

この映画がハリウッド最初の戦争巨編であり、その後のアメリカにおける
戦争映画のバイブルと成っているというのもうなずけますね。

特に戦闘シーンの映像手法の全ての原点が
この映画に詰まっていると言っても過言じゃないかと思います。

しかし、戦闘シーン以外の場面設定で有ったり
台詞回しや演出などには、所々やはり時代を感じさせるものが有り
誰が誰だかはっきり区別出来なかったり、いま1つシックリ来ない所が有ります。

ただ、古参兵のカチンスキーを初め、まわりの配役は中々良い味を出していて
コミカルなシーンも有ったりと、ある程度感情移入出来る設定で

それが為にカチンスキーの呆気ない死は
現実の戦争の悲惨さ、儚さを如実に表していると思います。

ただ、もう1つ物足りないと感じてしまうのは
撃たれて血飛沫が飛び散ったり、モ切れた手足が宙を飛んだり、ハラワタがはみ出てたりの
リアルな現代風戦争映画のギミックに慣れてしまっているからかも知れません。
そういう部分を期待している人は見ない方が良いでしょう。

しかし、実際の戦争、時代的背景やその現実、という物を当て嵌めてみると
実際の第1次世界大戦から12年しか経っていないこの映画のほうが
ある意味で相当リアルであるのかも知れません。

一般人さん [DVD(字幕)] 8点(2010-10-02 00:20:08)
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20.ドイツ語を話さないのでどうしても違和感が残る。それぞれのシーンはかなり断片的で、あまりストーリーとしてのつながりが感じられないのが惜しい。それが登場人物が誰が誰か分からなくしている原因でもある。とはいえ機関銃のシーンでの水平移動は斬新だし、塹壕戦は鬼気迫る迫力。それなりの映画だと思います。 なお、このDVDの字幕はかなりの誤字脱字が有ります。一度もチェックしていないのか、かなり杜撰で、こんなものを販売しているのかと思うと不快です。
Balrogさん [DVD(字幕)] 6点(2010-10-03 23:10:36)
19.ほんの数秒のラストシーンから感じることはあまりにも多い。
akilaさん [DVD(字幕)] 9点(2011-03-10 03:25:30)
18.ネタバレ 例えば、学校で教師が若者たちを扇動するシーンにおいて、または訓練で泥に伏せるシーンにおいて見せる顔のクローズアップの連続は極端に説明的過ぎると思いますし、戦場の主な表情となる塹壕のシーンにおいても舞台の特異性を発揮しておらず今一つ上手く機能していないように見えます。 ただ、それでもやはりラストの蝶に手を伸ばす場面をはじめとして、ブーツの所有者が転々としていく様、酒場での鏡を使いポスターの女性の話をする場面、川で女性たちと出会う場面、あるいは終盤に再会した二人の頭上を爆撃機が旋回する場面などは忘れ難い印象的なシーンとなっています。
ミスター・グレイさん [DVD(字幕)] 7点(2011-05-10 18:26:31)
17.若い兵士たちの目を通し、戦争の悲惨な現実を如実に描いた作品。
前線に出征した彼らの戦慄する姿は、戦争の愚かさをたっぷりと伝えてくれる。
戦争映画でありながら、反戦というテーマはしっかり表現されていたのではないかと思う。
キャラ描写や構成などに甘さは感じるが、古い映画なのでこれはもう仕方がないかな。
演出面ではインパクトのあるシーンもあり、この時代の作品としてはやはり傑作の部類。
MAHITOさん [DVD(字幕)] 6点(2011-08-13 17:02:54)
16.ネタバレ ドイツの話だから自由に軍隊批判を出来た、ってことより、やっぱりこれ当時の世界的ベストセラーの映画化ってことで描けたんでしょう(日本ではこの映画より先に斎藤寅次郎が『全部精神異状あり』なんてパロディを作ってる)。ペンタゴンから文句言われても、原作があるんだから仕方ない、って言える。エピソード集の形をとって、反軍のメッセージが込められたシークエンスが展開し、群像ものとしても見られる。長靴が兵士の死を渡っていくエピソードなんかいい。塹壕の中で初めて敵を殺した兵士のヒステリックに赦しを請う態度から、翌朝「戦争とはこういうものなのさ」と“正しい兵士”へ“成長”していってしまう怖さ。そして突撃シーンの壮絶、無駄に死んでいくことがただただ強調され、勇敢さは微塵も感じられない。煽り立てている教師のところに戻って訴えるシーンなぞいいのだが、この映画が作られた後にも、原作の国と映画化の国とで第二次世界大戦が起こり、さらに朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争、その他その他が繰り返し起こっていることの脱力のほうが、重い。戦争は嫌だなあ、という不快感は万国民共通のはずなのに、それがちょっと「国のメンツ」を突つかれると、たちまち「戦争やむなし」の大合唱になってしまうんだ。/確認のため年を調べたら、原作の発表が1929年で、斎藤の映画と同年だ。原作発表すぐに翻訳が行なわれ、すぐにパロディが作られたのか。それとも話題作ということで題名がまず伝わり、それだけで一本のパロディ映画を作ってしまったと考えたほうが、当時の活力あった邦画界にふさわしいな。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 9点(2012-09-04 12:35:06)
15.ネタバレ 反戦映画の元祖、第3回米アカデミー作品賞受賞作。目の前で仲間が次々と殺されていく、敵を非情にも殺さなければならない、その過酷すぎる戦場の厳しさを肌で感じました。耐えがたい結末。
獅子-平常心さん [DVD(字幕)] 6点(2012-10-06 23:04:40)
14.死にに行くための戦争が断片的に延々と続く。死ぬのが一瞬の者もいれば、足を切断され苦しみながら死ぬ者もいる。映画は戦争のそういった現実を描いていて、当時としてはかなり貴重なものだったろう。なおDVDでの上映時間は発売年によってまちまちだが、おおむね130分前後である。
ESPERANZAさん [DVD(字幕)] 4点(2012-11-12 19:17:40)
13.モノクロ映画ならではの素晴らしさと雰囲気を醸し出している映画の一本でこれをカラーでみたならば戦争の恐ろしさ、怖さがかなり減っていただろうなと思う。1930年はまだまだ情勢が不安定な世の中なのにこんなすごい小説を書いて尚且つ映画化までしちゃったっていう事実も凄い。「ジョニーは戦争へ行った」同様に反戦映画としてはエグいぐらいまでに批判してるだけに見終わった後は残酷さが残るばかりでものすんごいやるせない気持ちになっちゃいました。無くしたいのに無くならない、人がいる限りどこかで起こっている、それが戦争なんですねぇ。
M・R・サイケデリコンさん [DVD(字幕)] 8点(2013-01-15 21:14:50)
👍 1
12.傑作反戦映画。この時代にあれだけ悲惨で迫力ある戦場を描けるのは凄い。今の映画みたいに予算をかけなくても創意工夫や演出しだいでいくらでも顔形を変えるって事ですね。ラストシーンの美しさの影に強烈なメッセージを感じました。
キリンさん [DVD(字幕)] 8点(2013-02-06 02:21:55)
11.ネタバレ 前に見た時は、余りに哀しく何も得られないこの映画が酷く退屈で、息苦しく思えたんだ。余り心に響かなかったんだ。

でも、再見して、いや見れば見るほどマイルストンに謝りたいという気持ちが大きくなった。
俺のように最初見た時はダメだったという人も、最後の、最後の2分間だけでももう一度見て欲しい。レマルクの素晴らしい小説が、映画としてもあの最後の2分間に凝縮されたと言ってもいい。
故郷に帰ったパウルの部屋には、子供の頃夢中になって追いかけた蝶の標本が飾られていた。俺はその蝶を忘れ・・・いや見逃していた。
観客にとって、標本の蝶なんてほとんどの人が忘れてしまうのかも知れない。
でも、パウルにとっては故郷の妹や家族、友達との思い出が詰まった、それを見た瞬間に思い出すような掛け替えの無い宝物だった。
パウルは蝶が好きだった。それの命を“奪う”だなんて意識もしなかった。
戦争に慣れていく事への恐怖、大切な友人を奪っていく戦争への失望。
何処を見ても土埃と煙、瓦礫、泥水、屍の山。そんな地獄に綺麗な綺麗な蝶がふわりと降りてきた。
パウルは、地獄に希望の灯火を見てしまった。
河の上を歩く女たちや、戦場で出会った掛け替えの無い友人たちの笑顔よりも、もっとキラキラと輝って見えた。
その灯火が消えようとしている。パウルは、無意識の内に飛び出してしまった。
カットのおっちゃんが無意識にパウルを守ってくれたように、パウルもあの蝶を守りたくてつい飛び出しちまったんじゃないだろうか。
今まで散々奪ってきた。もう沢山だよ・・・なんてさ。
ま、そんな事を敵が親切に思ってくれるワケがない。そんな余裕なんて無いよな。
相手だってパウルのいる敵の軍隊に仲間を殺されているもん。蝶よりも横に転がるライフルの方に眼が行っちまうよなあ。
パウルが蝶を守ろうとしたように、敵だって・・・いや、最初から何処にも敵なんていなかったんだ。仲間のために命掛けで戦った人々しかそこにはいなかったんだ。
万の言葉なんか無くてもいい。そこに一生が刻まれた一瞬があればそれで良かったんだ。
後年の原作に沿った「TVスペシャル」も見て欲しい。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 8点(2014-02-15 23:25:29)
👍 1
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マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 70人
平均点数 7.56点
000.00%
100.00%
234.29%
300.00%
422.86%
534.29%
668.57%
71318.57%
82332.86%
91115.71%
10912.86%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.00点 Review5人
2 ストーリー評価 7.25点 Review8人
3 鑑賞後の後味 8.42点 Review7人
4 音楽評価 6.75点 Review4人
5 感泣評価 8.00点 Review4人

【アカデミー賞 情報】

1930年 3回
作品賞 受賞 
監督賞ルイス・マイルストン受賞 
脚本賞ジョージ・アボット候補(ノミネート) 
脚本賞マックスウェル・アンダーソン候補(ノミネート) 
撮影賞アーサー・エディソン候補(ノミネート) 

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