映画『ブタがいた教室』の口コミ・レビュー

ブタがいた教室

[ブタガイタキョウシツ]
2008年上映時間:109分
平均点:5.58 / 10(Review 40人) (点数分布表示)
公開開始日(2008-11-01)
ドラマ学園もの動物もの実話もの小説の映画化
新規登録(2008-12-19)【素敵な鯛の靴】さん
タイトル情報更新(2024-05-22)【イニシャルK】さん
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監督前田哲
助監督橋本光二郎
キャスト妻夫木聡(男優)星先生
田畑智子(女優)池沢先生
池田成志(男優)小鷲先生
大杉漣(男優)仁科教頭
原田美枝子(女優)高原校長
北村匠海(男優)拓実
松原菜野花(女優)松原菜野花
ピエール瀧(男優)榎木伸哉の父
清水ゆみ(女優)音楽教師
戸田菜穂(女優)甘利花の母
北山雅康(男優)
脚本小林弘利
作詞トータス松本「花のように 星のように」
前田哲「Prayer」
作曲トータス松本「花のように 星のように」
民謡フランス民謡「クラリネットをこわしちゃった」
主題歌トータス松本「花のように 星のように」
挿入曲清水ゆみ「Prayer」
製作日活
関西テレビ
読売新聞社
配給日活
美術磯見俊裕
編集高橋幸一
録音小野寺修
あらすじ
生きることは、食べること。そして、食べることは殺すこと。豚の飼育を通して、生徒たちにそのことを考えさせようとした、ある教師の姿と、生徒たちのリアルな討論を描く。
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💬口コミ一覧

40.ネタバレ 以前、この映画の元となった授業のドキュメンタリーを見ていたので、興味があってDVD借りました。たくさんの映画を見てきたし、歳もとったし、ちょっとやそっとじゃ感動しなくなっていたはずなのに、涙腺全開でした。こんなふうになったのはこの映画が初めてです。泣けたのは、子供たちの真剣さです。全く興味関心のなかった妻夫木さんの演技も自然だったし、最後の決意表明のとき頬が震えるのも感心しちゃいました。ただ、二度目見た時はなぜかまるで泣けませんでした。「なんかちがうような~?」という気がして。確かに生き物の肉を食って生きているわけですが、やり始めた以上の責任のこともありますが、それと「情」の問題を同じ天秤で量っている気がします。たとえば「ロボットに感情があっても、結局はただの機械なのか?」というのと同じ。山でひょっこり出くわした鹿やイノシシを撃ち殺して食べたり、特別な情もなく何十頭もの牛や豚を飼育して出荷することと、この問題を一緒にしてしまっていいのだろうか? ニュースで知らない誰かが殺されて「他人事」で「ひどい事件だね」と呟くことと、身内が同じ目に遭うことは違う。そこに人間が持つ「情」の重さがあるし、それがあるからこそ友達が出来たり、身分や人種や信条を越えて分かり合える出来事があったりするのじゃないだろうか? たとえば大昔、闘技場で猛獣と殺し合わせる為に奴隷(人間)を養うという(神様に捧げるという大義名分付きの)話だったら、それでも最後の決断は???・・・と考えたりできたのだし、この映画は「正しい意見も間違った意見もない」と多くの考えを引き出していく大きさがあったわけだから、初見の感動をそのままに10点です。子供が魚を残さず食べるようになったと語るピエール瀧さんのシーンが我が子にも伝わっていたら良いなと思います。
だみおさん [DVD(邦画)] 10点(2009-08-07 22:58:56)
👍 1
39.ネタバレ 動物好きの小学生相手に、哺乳類に「名前をつけるな」というのは、まず無理なんじゃないかと。中学生でも無理な気がする。高校生なら、なんとか名前なしで、家畜としての哺乳類を世話できるかも。

ペットとして育ててしまった豚を、食べる、食べないと論争になってしまった。それでいいじゃないかと私は思う。もし家畜として育てたのなら、そもそもこんな論争になっていない。花火大会に豚を連れ出したりしないし、楽しい思い出をわざわざクラス単位で作る必要もない。教師だって、それを許さずに「餌やりと掃除だけしなさい」と命じなければならない。それで、本当に食育になるのだろうか。いや、食育以前の問題だと思う。「命」という概念を、これだけ真剣に子供たちが自発的に考えることができたのは、名前をつけて、愛情をかけて、一生懸命に育てたブタを、名づけ親である自分たちが、殺さなければならないから。このことの、何が間違っているのだろう。現実に、子供たちは、Pちゃんの命に責任を持つことで、命の重さ、尊さを、いやというほど学んだ。3年生に世話を委ねようとしたり、反対意見を言う相手に全身でぶつかっていったり、失敗、希望、挫折を、何度も何度も繰り返した。その悩みの深さ、出口の見えないしんどい思いを、半年近くも引きずってきた。社会人顔負けの悩みっぷりだ。その半年間で、彼らがどれほど精神的に成長したことか。ブタを飼育せずに過ごした無難な小学生ライフと比べて?  人や動物を問わず、救うことができない命があるという不条理な真実を、彼らは苦しみながらもしっかり学んだ。

また、Pちゃんがブタだったからよかったのだ。魚釣りでは、完全にエンターテインメントになってしまうし、ふだん私たちが食べない(食べる国もあるけれど)犬や猫なら、そもそも命を奪うわけにはいかない。人が食べる動物を、「可哀そうだ」と言って通らない残酷な世界があることに、子供たちは気づかなければならない。そこを乗り越えないと、感謝して命をいただき大切に生きる、ということが理解できないし、謙虚な心が生まれない。この作品では、どの子供たちもPちゃんの短い命を思って涙を流した。いっぱい泣いて、他者が受ける痛みを肌で感じて、子供たちは強くなればいい。
tonyさん [インターネット(邦画)] 9点(2019-03-30 00:21:40)
👍 1
38.ネタバレ 観る前はバカにしていたが、実際観てみると、予想外にもかなり泣かされた映画だった。
冒頭、教頭が言う。鶏じゃダメなんですか?
うん。じつにまともな意見だ。
観始めてすぐから主人公の先生が、やたら罪作りなやつに見えて来る。

例えば、台風の日にPちゃんの世話をしにくる子供たち。名前を付けた上、こんなに世話してたら、もはや絶対に喰ったりなんかできないだろうなあ。

小学六年生の議論が続く。これは学園紛争の映画だ。
Pちゃんがいなくなる。見つけた時には捕獲のひと等によって連れ去られようとしていた。いちご白書が脳裏をよぎる。
足にしがみついて阻止しようとする男の子たち。その中にはPちゃんを食べようと言い、ついさっきまでPちゃんがいなくなってよかったと言っていた男の子も交じっていた。うを!

ラストにもう一発衝撃的な場面が用意されていた。
食肉センターのひとたちにとっては、子供たちが愛したブタではなく、たんにこれから肉として加工される豚。
衝撃的だった。
せめて肉屋(クラスの中に肉屋の息子がいる)の親爺くらいの人物であってほしかった。
ブタは生き残るもんだと勝手に思い込んでいた。この場面に出くわすまで、どこで反転するんだろうと思っていたくらいだから、この場面には俺自身がうちのめされた。

そして荷台にブタの載ったトラックを追って走る子供たち。うーむ。さよなら、僕の友達。

なるほど、これはいい映画だった。

いい映画に対して評論的なことを言うのは差し控えたいが、撮り方のうまさなのか、26人もいる子供の区別がついたことは、驚嘆。

けっきょく学園紛争の闘士たちは、(ファッションだったやつ9割を除けば)この映画に登場する子供たちと同じで純粋だったのだ。


劇中で「正解はありません」などと小ぎれいなことを先生が言っているが、それはめくらましに過ぎず、正解はあらかじめ決まっていた。
「食べるってことは命を受け継ぐってことなんだ」などといった舐めたセリフ等によって、「命あるものを頂くという意味」を問う「重いテーマ」を持った映画だと誤解した人が多いみたい。
作り手はそんなこと考えてない。元からニュースになったりドキュメンタリーになっていたらしく、おそらく便乗しただけだ。

俺は単純に、悲劇として、かなりの感情移入をもって観た(おそらく甘利花を通して)。
それは、だいたいこんな感じだ。
自分は畜産農家に生まれた。初めて自分がメインで育てた家畜。名前も付けて一所懸命育てた。喜びも悲しみも共にした。でも。
売られちゃった……。
けっきょく、そういう衝撃(純粋で小利口じゃなく初体験だったから、衝撃になった)を登場人物や舞台設定を変えて、現代風に描いた映画だった。

その意味で希望(子供にだけ許される無邪気かつ理想的な希望)を打ち砕かれる映画だったし、歴然と悲劇だった。そして悲劇であるがゆえに!
俺はこの映画をとてもいい映画だと思ったのだ。

うん。じつにいい映画だった。

(売っただけで、自分たちで食べるという当初のゴールは達成しなかったはずだ。クラスの半分が食べたくないと言っているから。つまり食肉に加工してもらって(この場合は加工賃を支払う)戻ってきたわけではない。単に売っただけ。その点において、まさに農家と同じだった。そして売り上げ金はブタの法的所有者だったはずの先生の懐に入ったはずなのだ。これは先生を批判している人の批判の内容が的外れであることを意味する)
おら、はじめちゃんさん [DVD(邦画)] 8点(2023-04-23 06:01:59)
37.微妙な内容ですが実話らしい自然な出来栄えに涙腺が刺激されました。
ProPaceさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-08-06 19:56:18)
36.ネタバレ 最初こそコメディタッチを装っているが普段人が目を向けない事をテーマにした完全にシリアスな方面に振り切れた映画で、中々他では味わうことのできない怖さを味わわせられた。完全に予想外の映画だった。子供達は一生懸命で無垢な存在だが、やはりこんな残酷な問題に曝されるのは多少不憫さを感じた。即ち、子供達はずっとPちゃんの行く末について議論をさせられていたが、その導きが全くない。最後の方で先生の無責任をついてくれるセリフがあって当時はスカッとしたが、しかし同時に「完全に自主性に任せたからこんな議論ができた」というセリフも否定には至らない。つまり、自分は教育とは誰かの導きが必要(特にこんな難しい問題扱うときは先生はぶれちゃだめだろ)と思ってたが、そもそもこの問題に答えは無いというのがこの映画のスタンスであり、一般的にもその通りだからそもそも考えることから始めましょうという思惑にハマっていた訳だ。その意味で入りやすいガッコウとブタは最適だったが、やや冗長だったね。言いたいことが無いならもっと短くしてくれた方が後味は良いw■最後に→誰かの父がKREVAに激似だったのがワロタ。貴重な生い立ちぽかったからもう一言欲しかったが。あとたまに出てくる絵。これは何か勘違いしているw小6の絵はもっとうまいぞww最後の最後に。ここのレビューを見るのを楽しみにしてました。同じような意見も個人的には多く見受けられて嬉しい。けどこの映画をこき下ろしている人(12、13の方etc)の話は特に興味深い。やはりここに書き込む人は相当に知的な方が多い。そんな自分はやはりこのようなテーマから目を背けて生きてくのが精一杯でありますが、今日これを見て少しだけ何かを考えただけでも及第点としよう。
liptontonさん [DVD(邦画)] 8点(2013-02-21 06:35:02)
35.ネタバレ 作中で豚を食べるのか、生かすのかという形上の決着は出ましたが、どっちがいいかという本質的なところでは結局結論は出ずでしたね。しかしそれでいいんだと思います。最終的な結論や立場は違えど、一匹の豚の生命に対して真正面から向き合って考えるという最高の教育はできたのではないでしょうか。どっちの立場の子供も、今後スーパーで豚肉を見ても今までのようにただの売り物の食糧とは見なくなってるのではないでしょうか。
ペットとして愛情を注ぐか、自分たちが生きるための糧として見るかは大人でも意見が分かれる問題かもしれません。しかしそんな葛藤を通じてあの子たちは豚に限らず、自分たちが頂く命に対して真剣に向き合えるのだと思います。映画として多少大げさな誇張やゲタ履かせはあったかもしれませんが、それを飲み込んで充分満足な作品だと思います。現実にあそこまでうまくいくかどうかは別として、子供たちの討論の様子に心打たれました。良作★
TANTOさん [DVD(邦画)] 8点(2011-06-24 23:56:22)
34.ネタバレ 人間は偽善者だと私は思います。口蹄疫に感染した宮崎の農家にとって、牛は我が子。 せめて病気になった我が子を処分する前に最高の餌を与えたいと涙を流す。 これをみて我が子を売る商売でいいのかよ!という人はあまりいない。 なぜならば農家の人が必死で育てた牛は、人間に食べられることが本望だというのが人間の考えだからである。もちろん子供にはまだ分からないことです。すべての人間は生きるために「偽善」を抱えており、 そしてあらゆる偽善者が自分を棚に上げて、別の偽善者を批判する。これが世の法則なり。この映画を見て、観客である偽善者が、あのセンコーは偽善者だと叫ぶことも「法則」なのです。いずれ子供はそれを知ることになる。あの先生がその真実を早く教えてくれた。私の嫌いな妻夫木のナミダビームも今回は許そう。飼っていた豚も、海に乗り上げて苦しんでいる鯨も、矢に刺さった鳥も、全部大切な命だ、助けなくてはいけない。その一方で猟銃の免許をとってスポーツ競技として鳥を撃ち殺す人間の真実よ。吉野家の豚丼を、かわいそうだと言って涙を流して食べる人間など皆無である。豚は牛よりちょっと安くてお得だな、と思うぐらいだ。子供たちは別の知らない豚ならば美味しく食べて「ごちそうさま」と礼儀正しく手をあわせる。良い子なのだ。子供とは無知ゆえに純粋さを保持できるのだと思う。我々人間は吸血鬼だ。誰かを殺して血を吸って生きる生き物と同等なのだ。己の罪を自覚すること。業を知ること。これが作品の主題だと考える。あの先生はじつに偉い。まるでダークナイトにおけるジョーカーのようだ。性悪説の伝道師よろしく一貫した哲学を持っている。目をそむけるな!見ろ!聞け!知れ!そう必死で叫んでいる。映画は不愉快だと面白くない。しかし人生は不愉快を感じることで真実を学ぶことができる。
花守湖さん [地上波(邦画)] 8点(2011-06-18 23:05:51)
👍 1
33.ネタバレ (途中からでしたが、つい観入ってしまいました 昨晩9時からの地上波放送で。)
最後、悲しかったから 見終えた後でソッコーでふて寝した。フロも入らず、着替えもせず、電気も消す事なく自分の部屋に立て篭もりふて寝した。(ガキか自分。)  
勝手、試練を与えられた僅か1クラス分の(気の毒な) 生徒たち6年生。
または、引き継いでもらいたかったのに引き継いではもらえなかった理不尽な思いにさらされてしまった3年生。
6年2組の子ども達26名と一部3年生の顔が自分としては鮮明に焼きついてしまった(泣きじゃくる顔と悩める顔と怒る顔。)  
そんな子供達の熱い討論と護送されてくPちゃんの後ろ姿にいてもたってもいられなかった 異常な程に涙出た。
作品としては良いものだったと思うが、教育過程としてはあまりに行き当たりばったりで、これが研究授業の一環だったというのなら、一担任教師の指導任せにしておくのはあまりに危険ですね 多感な時期の子ども達のハートを痛め過ぎる危険が大。到底良い事だったとは思えない。
3737さん [地上波(邦画)] 8点(2011-06-18 22:54:45)
32.ネタバレ 彼らは学級会の外でもことさら意見を交わす。なんで食おうと思えるの?みたく。ここで食う派の小学生は決定的なセリフを漏らす。
「おれだって、Pちゃんには長生きしてほしいけど・・・」
これだ。このセリフが泣ける。男子だけでなく、女子も同じように漏らす。Pちゃんに長生きしてほしいという考えは賛成派も反対派も共通しているようである。しかし、「長生きしてほしいけど・・・」の続きに来る、業が突き動かす本能を表現する語彙力を小学生は持っていない。
当然「長生きしてほしい。よって屠畜はしない。」という意見は正しい。しかし「長生きしてほしい。だけど殺して食う。」ということも正しいのである。われわれは一定ライン穢れることによって生きている。小学生たちはそのことに気づき、自らの穢らわしさを自覚し涙を流す。しかしそんな彼らを映画は祝福する。いや、Pちゃんが彼らを赦したのだ。
これは、一匹の畜生がトラックによって小学校からどこかへ連れられて行く姿を描くことによって、人間の業を赦す。この映画を観て小学生らと一緒に煩悶したら、少しは肩の力をぬいて食事してもいいよ、という、いわば免罪符的映画。
no_the_warさん [DVD(邦画)] 8点(2009-05-25 00:57:51)
31.ネタバレ 東京国際映画祭で観客賞と審査員賞のW受賞した作品です。期待して見に行きましたが期待以上の素晴らしい作品でした。4歳の子も一緒にいったのですが前半部分のブタと子どもたちや先生とのシーンでは実に楽しそうに見ていました。(後半の子どもたちの討論シーンでは理解できず暴れてました・・・汗)食育,命を頂くということについて本当に考えさせてくれる良作ですね。すべての小,中学生に見せたいと思う映画です。教師役の妻夫木さんの演技もさわやかで嫌みがなく人間性が出ているというか,いいキャスティングだったし,子ども達の演技力もすごかったです。というか演技している感じが全然なくて,ものすごいパワーを感じましたね。おすすめです。特に小学校や中学校の先生や子どもにおすすめです。
なかがわさん [映画館(邦画)] 8点(2009-02-01 05:24:32)
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30.動物とか命とか、そういうの弱いので。
結末を想像しながら観て、前半でもう泣いた。

あくまで過程だけを描いたものなので、
最後は割とあっさりでした。残念。

改めて、命に感謝して食べよう。
愛野弾丸さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-09-24 06:48:33)
29.生きるということは何なのか、非常に考えさせられた。
ブタに感情移入してしまって情が生まれるのは、人間らしい当たり前の感情であり、ブタをどうするか討論するシーンは双方の意見が痛いほど伝わってくる。ブタに、宿命を背負わせたくないという子供ならではの純粋な感情が、健気で可哀想で私の心に響いた。(本当に可哀想なのはブタですが)
こういう命の授業は非常に重要だと思う。それでこそ、本当の「いただきます」が言えるのではないだろうか。
ただ、最後が美化しすぎてる感はする。
ひまわりさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-09-10 23:07:59)
28.批判的なものはみな、映画ではなく妻夫木聡演じる先生の教育の仕方を批判してるんですよね。それこそがこの映画の問いかけているテーマなのに。
小学生たちの演技でない素晴らしい表情を捉えた今作は、それだけでも一見の価値があると思います。
ととさん [DVD(邦画)] 7点(2010-04-12 04:58:24)
👍 1
27.ネタバレ 新任教師の理念とヤル気、そして行動力は素晴らしいと思います。でも教育者としての技量は不足していました。彼が目指したのは、ブタの飼育を通じて命の大切さを知る“生きた”教育。最初の躓きは、子供たちに仔ブタの名づけを許したことだったと思います。愛玩動物としてペットを飼育することと、食用の家畜を飼育することは違います。まず押さえておくべき前提の確認を怠ったのは先生のミスでした。心の防波堤を知らない子供たちは、ピーちゃんに強く感情移入してしまいました。二つ目のミスはピーちゃんの行く末を子供たちの自主的判断に任せたこと。結果、“下級生に引き継ぐ”という無責任な選択肢が出てきてしまいました。もし多数決で引き継ぐことに決まったら、先生はそれを許したのでしょうか。おそらく、彼は「子供たちが決めたことだから」と、その決断を受け入れた気がします。言い方は悪いですが、これは先生の職務放棄です。ピーちゃんを助けたいなら、卒業生か先生自身が飼育し続けるのが筋です。自身の労力と痛みを回避して他者に責任を委ねる発想は、飼えなくなったペットを捨てることと大差ありません。子供たちに答えを出させるのは構いませんが、”何でもあり”は間違いです。ガイドラインを設定するのは先生の役目でした。最初から最後まで、この試みは不出来だったと思います。でも、先生を責める気にはなれません。その理念は悪くありません。もし自分が子供たちの親だったら、先生の至らぬ部分を責めるのではなく、フォローしたいと思いました。それにしても、校長は偉いです。公務員は波風立てることを嫌います。それは教師とて同じ。面倒を厭わず、『百害あって~』の一利に賭けた校長先生は、教育者として尊敬できます。苦情を申し出た母親たちを説得し、先生には責任の所在をきちんと把握させました。こういう上司の下だと、能力のある部下は伸びます。子供たちには、気の毒な事をしたかもしれませんが、忘れられない1年間になったことでしょう。何年後か、あるいは何十年後か、この経験の本当の価値を子供たちは知ることになるのだと思います。(以下おまけ)自分が小学5年生の頃、祖父の家で飼っていた鶏を潰した事がありました。老いて、卵を産まなくなった為です。締めてさばく所まで、鮮明に記憶しています。肉も食べました。衝撃的な体験でしたが、不思議と納得していたのを覚えています。今思うと、周りの大人が平然としていたからなのでしょう。子供は大人の様子をよく観察しているものです。
目隠シストさん [DVD(邦画)] 7点(2010-02-12 18:25:26)
26.優しい映画。子供たちの振る舞いや言動が演技とはとても思えず自然。Pちゃんについて討論するときの子供たちの涙、いのちと向き合う姿がとても印象に残る。妻夫木聡も優しい先生役に合っていると思う。
小学校がとても懐かしく思えた。

ただもう少し演出を抑えても良かったかな。
Yuさん [DVD(字幕)] 7点(2009-12-08 00:33:15)
25.ネタバレ 子どもの教育に良い題材と思ったので、小学生と中学生の娘と共に鑑賞。案の定、二人とも最後までしっかりと見入っていた。
ストーリーそのものは大方予想していたとおりであり(ブタに名前をつけた時点で結末での苦悩は容易に予測できる)、見方によっては冗長な部分が多かったが、あえて子供達の生の議論に時間を割くことによって、「食」と「命」という重いテーマに対する現代人のありのままの「とまどい」を表現できたと思う。
子供達の議論は表現こそ幼稚であるものの、もしかすると大人が議論するよりもピュアで本質をつかんでいるかもしれないと思わせるものだった。
彼らは、最終的にPちゃんこそ食さなかったが、それ以上のものを「血肉」にできたはずである。校長先生が最後まで「得難い授業ができましたね」とこの授業を擁護していたが、この様な「正解のない(わからない)」テーマと向き合うという教育も大切であることを本作は教えてくれている。
観賞後、子供達とはこの映画について語りあうことはあえてしなかったが、それで十分本作の意義は果たされたという手応えはあった。
田吾作さん [DVD(邦画)] 7点(2009-09-28 11:35:51)
24.ネタバレ 人間の業を小学生が言葉で語る事は不可能。ただし、それを考えさせる事は立派な教育の1つだと思う。小学生の純粋な気持ちに心打たれる映画です。
東京ロッキーさん [DVD(邦画)] 7点(2009-07-03 20:24:40)
23.ネタバレ 特に問題意識をもたないで観たのでイマイチのめりこめなかった。
まぁこれだけたくさんの子役を使って不自然さがなかったのは「やるなぁ」となぜか上から目線の感想を持った。
もっとドラマ性を持たせることもできたし、食肉に関してもっと倫理的に社会的に突っ込もうと思えば突っ込めたけど自制したんでしょうねぇ。
それはいいと思う。
真面目な家庭が問題意識をもってお子様と一緒に鑑賞する用の映画。
CBパークビューさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-07-26 06:45:34)
22.ネタバレ テーマはとてもよかった。
生き物は皆、他の生き物を殺して生きている。それは人間だけに限らない。
でも、おそらく「殺すことはいけないこと」「殺すのはかわいそう」という発想は、人間だけのものだろう。
「殺す」という必然の行為と、「殺したくない」という感情。その葛藤にむき合わせることは、本当に重要な教育だと思う。
様々な意見が出てくること、そしてそれを1つにまとめないところは、素晴らしい。だからもちろん映画として「これが正しい答えです」なんてものは、なくて正解。
ただ、この映画は後半、物足りなかったのも事実。同じことの繰り返しになってしまって時間がもったいなかった。せっかくなら、もうちょっと掘り下げてほしかったな。
コウモリさん [地上波(邦画)] 6点(2011-06-25 14:29:05)
21.テーマ性は重い。答えが無いだけに。先生、ちょっと重過ぎる課題を子供に与えてしまったね。映画的にはそこそこよくできている。子供が感極まって泣きの絵が多かったのはこっちはちょっと入り込みにくくなってる。Pちゃんの可愛い絵は少し狙いすぎがでてあざとい。
タッチッチさん [地上波(邦画)] 6点(2011-06-18 22:07:29)
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マーク説明
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 40人
平均点数 5.58点
0410.00%
112.50%
200.00%
312.50%
4512.50%
5512.50%
6717.50%
7717.50%
8820.00%
912.50%
1012.50%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.00点 Review1人
2 ストーリー評価 4.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 4.00点 Review2人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 9.00点 Review1人

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