映画『スラムドッグ$ミリオネア』の口コミ・レビュー

スラムドッグ$ミリオネア

[スラムドッグミリオネア]
Slumdog Millionaire
2008年上映時間:120分
平均点:7.09 / 10(Review 244人) (点数分布表示)
公開開始日(2009-04-18)
ドラマラブストーリー小説の映画化
新規登録(2009-01-26)【放浪紳士チャーリー】さん
タイトル情報更新(2018-03-20)【TOSHI】さん
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監督ダニー・ボイル
キャストデヴ・パテル(男優)ジャマール・マリク
マドゥール・ミタル(男優)ジャマールの兄 サリーム・マリク
フリーダ・ピント(女優)ラティカ
アニル・カプール(男優)「クイズ$ミリオネア」司会 プレーム・クマール
イルファン・カーン(男優)警部
小松史法ジャマール・マリク(日本語吹き替え版)
伊藤静ラティカ(日本語吹き替え版)
辻親八「クイズ$ミリオネア」司会 プレーム・クマール(日本語吹き替え版)
青山穣警部(日本語吹き替え版)
原作ヴィカス・スワラップ「ぼくと1ルピーの神様」(ランダムハウス講談社)
脚本サイモン・ビューフォイ
音楽A・R・ラフマーン
挿入曲A・R・ラフマーン"O... Saya"
撮影アンソニー・ドッド・マントル
製作総指揮ポール・スミス〔製作総指揮〕
配給ギャガ・コミュニケーションズ
美術マーク・ディグビー(プロダクション・デザイン)
衣装スティラット・アン・ラーラーブ
編集クリス・ディケンズ
字幕翻訳松浦美奈
あらすじ
なぜ、無学のスラム出の青年がミリオネーアで次々と正解していくのか?その過酷な人生こそが彼に知識を与えていました。ムンバイに生まれ、唯一の母が死に兄と共にたくましく生きるジャマール。同じ境遇のラティカと出会い3人で行動を共にしていたが、親切な人達だと思っていた人達が大変な悪党だった!ラティカを残し彼らはより過酷な人生へ....
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244.ネタバレ 何度も見ましたが、いやー何度見ても泣ける。どこで泣くかっていうとラストのジャマールとラティカの感動の再会。

ギューって抱き合って、そして普通ならそのあとの展開はクチビルでブチュッ・・・と思いきや、ジャマールがクチビルを寄せたのが、ラティカがちょっと前にワルにつけられた、ほっぺたの”ナマ傷”だってところで泣きます。

いやーもう、泣くね。泣く。ほんと泣く。

ラストシーンのキスなんて、私はひねくれてるんで、感動の対象じゃないんですが、この映画のこのキスシーンは感動がはんぱないです。

その傷にチューしたあと、映像が一瞬元に戻るっていうか逆走するんですが、そこでまたさらに泣けてくるんです。

彼女がワルにほっぺたにナイフで傷をつけられるところから、どんどん逆走して、ワルにつかまるところになって、さらに逆走して、つかまる前に電車の駅で、2階にいたジャマールを見つけた1階のラティカが、彼を見上げて、はじめて素直な輝くような笑顔を見せるんです。

それまでのラティカはいつも「どうせワルから逃げられない」っていうアキラメ心に支配されていて、ジャマールとうまく一瞬会えたときも、曇ったような困ったような顔しか見せていなかったのですが、そのときは、それまでインド各地のワルい人達にタライマワシにされるがままの、抵抗もせず運命に流されるがままだった彼女が、生まれて初めて自分の意思で、ジャマールに会うために、がんばってワルから抜け出して待ち合わせ場所に来た、そんな彼女の、ほんと素直な、こぼれんばかりのキラキラした笑顔だったのです。

なので、ほっぺたのナマ傷にチューをしたジャマールは、心の中で「ボクの中にいるキミは、あの駅で最後に会えたあの君の笑顔の、傷のないきれいなままのキミだよ」って、やさし~く言ってる気がしまして

うーーーん、なんてマロヤカな男なんだチクショー!って、感動して泣いちゃうんですね。

まぁここまでに至るまでに、何度再会してはワルのせいで離ればなれになってしまったか・・・っていう、彼の悲惨な人生の積み重ねがあったので、それゆえ、感動もひとしおなのですが。

でもやはりこの映画のすごいのは、そういう感動を最後にもってくるための、それまでの”悲惨な人生ドラマ”を、チンプな作品のように、ただダラダラと見せるのではなく、クイズミリオネアの問題の答えが、たまたま”悲惨な人生ドラマ”の中で偶然得た経験の中にあって、昔を思い出すだけでどんどん正解を重ねていくという。。。なんともシャレた表現の仕方だということです。

あなたは小学生時代に初恋のひとがいたとして、運命が何度も二人を割いてもなお思い続け、大人になって成就するなんて経験ありますか?(同窓会で再会してそのままホテルへGOとかそういう下世話な例を除く)
ないでしょう、だからこそ、この二人のラブストーリーに泣けてきちゃうのですね。

あ・・・そうそう、シャレたといえばもう一点。

冒頭で「なぜジャマールはクイズミリオネアで正解することができたか」っていう問題が文字で出てきて、実際のクイズみたいに

A、答えを知っていたから
B、ラッキーだったから

って順番で表示されて、最後に

D、運命だったから

って出てくるのですが

ラストシーンのキスのカットで、画面が時間停止したあと、左下に小さな文字(冒頭に出てきたときと同じサイズの文字)で

D、運命だった

って出てくるんですよーーーーあーーーーもうソコ思い出しただけでまた泣けてきたーーーやばいーーーーーボイルやばいーーーーw

このラストのコレを見て初めて「そうか!この物語は、スラムドッグの無学の男がクイズ番組で全問正解して大金もちになるサクセスストーリーじゃなく、幼い頃に出会った初恋の少女との恋が成就することが“運命だった(it is written)"ことを描いていた作品だったのだな!」

と、頭がゴッチーーーンとやられちゃいました。

ついでにそのD、It is writtten という文字がだんだんフェイドアウトするんですけど、Dって文字だけ残って、そのDがDirected by Danny BoyleのDになるという・・・

くーーーーッなんて策略家なんだ・・・くーーーーッくーーーーッ!!ボイルめーーーッ!!!(隣にいたら、100回くらいヒジテツ食らわしたい)

ちなみにワルになっちゃったお兄ちゃんもね、最後の死にざま、かっこよかったです。あの画面作りは誰にもマネできない。あまりにも鮮やかすぎて。私もお札風呂にゆっくりつかりたいものです。

そしてエンドロールでかかる「らりほー♪らりほー♪」って歌はサイコーです。
フィンセントさん [CS・衛星(字幕)] 10点(2016-02-26 13:25:03)
👍 1
243.ネタバレ おぉ……最高ですね。素晴らしい。久しぶりにいい映画を見せてもらいました。まあいくらアカデミー賞総なめとは言ってもインドを描いた映画は以前「女盗賊プーラン」でひどい目に遭っていたのでどうしても見る気がしなかったのですが、今回テレビで放映されていたのでとりあえず見てみました。う~ん…実によくストーリーが組み立てられていますね。キャストもいい。司会の性格悪そうな男なんかピッタリの俳優さん(笑)兄貴のサリームも本当にろくでなしの野郎だと思っていたのに最後にやってくれちゃいました。ええやっちゃのぉ~!それとジャマールを見上げるラティカの笑顔の可愛いこと!頬の傷さえ愛おしいのもよくわかります。幼い頃に土砂降りの雨の中でラティカを呼び寄せるシーンも良かった。完璧に感情移入してました。またラストがハッピーエンドなのがいい!後味がメチャクチャ良かったです。しばらく余韻に浸っていました。それにしてもインドってハードな国ですね(汗)ウンコまみれのジャマールは凄すぎます…
イサオマンさん [地上波(吹替)] 10点(2013-02-24 22:29:47)
242.面白かったーーー!!予告編でわくわくして、観ている間もワクワクして、ラストの最後の最後までこれぞ映画という作品を満喫させていただきました。
ネフェルタリさん [映画館(字幕)] 10点(2012-12-10 22:48:49)
241.喜怒哀楽の全てが詰まったような2009年度最高の一本。インドの貧民街生まれの貧しい青年がクイズミリオネアに参加し、己の人生をかけてクイズに挑戦する姿を描く。クイズの問題と青年の歩んできた人生経験がリンクしていくシナリオは圧巻で、物語にグイグイ引き込まれる。資本はイギリス映画なので、インド映画のアクの強さは殆ど無し。インド映画らしく最後はオールキャストによるダンスで締める所がGOOD。映画の良さが全て詰まった映画!
カイル・枕クランさん [映画館(字幕)] 10点(2011-03-13 23:12:14)
240.ネタバレ 答え「運命だから」ええそうでしょう。私もそうだと信じます!。
そうとでも信じて無きゃ、そして奇跡があるって信じてなけりゃ、
神も仏も信じてなきゃ、あのむごい世界でなんか生きていけません。

クイズの問題から主人公の過去が語られるというストーリー展開がとっても面白かった。
兄の死をどう受け止めるべきか微妙ですが、
細かいところなど気にせずに、面白かったので、いちいち分析せずに10点。

最後のダンスが無かったらもっと良かったのにね。
うどんさん [CS・衛星(字幕)] 10点(2010-08-07 14:05:52)
239.謎解き系の映画だと思ったら純愛映画じゃないですか。それも、とびっきりストレートな。
賞金は逃したけど彼女は手に入れる「愛があればいいんだよ」的な筋書きもあったかもしれない。むしろ映画的にはそちらのほうが王道か。
なぜそうしなかったのか。その答えはラストのダンスにあると思う。
最後の口付けからダンスへの流れが抜群に良かった。
ダンスでは、配役から一転して俳優さんたちの素の表情が見てとれる。全ては虚構であったのだ。どう、この映画を楽しんでもらえたかい?そう言ってるようにも見えた。だったら賞金も手に入れて、彼女も手に入れて、さあ皆で踊ろう―――これでいいのだ。
それにしても、もしアメリカが舞台だったらえらく陳腐な出来だったろうなあ。
インドの風情はカラフルだし、映画の音楽も素晴らしい。飽きさせない。
途上国で人々が経済の発展をものすごいスピードで追い求める中で、少年は愛を追い続けた。この逆行感が、シンプルな愛を浮かび上がらせる。
私はドキドキしっぱなしであった。「幼馴染との再会」設定に弱いというのもある(笑)。
危ういインドの世情、賞金の跳ね上がるクイズ番組、終始緊張感のある展開。
よく吊り橋で愛の告白をすると(高所によるドキドキ感が相まって)成功しやすいと言うが、この映画のもたらす高揚感はそれに近いものがあるかもしれない。
もしかして主人公は吊り橋効果を意図的に利用したのか?
だとしたら相当なやり手だが・・・いやいや、この映画に言わせれば運命がそれをさせたということだろう。
ジンロクさん [DVD(字幕)] 10点(2010-04-26 22:24:01)
238.ネタバレ 切なくてたくましい映画。音楽も素晴らしい。土砂降りのなかにたたずむラティカ、そして線路脇に取り残されるラティカが脳裏から離れない。
kaaazさん [DVD(字幕)] 10点(2009-10-31 01:20:28)
237.ネタバレ 冒頭はミリオネアらしく四択で始まる。どれどれ?どれが正解なの?なんて考えていたら…。拷問を受け過去を振り返るジャマール。蘇えった過去の記憶、それは疾走感に満ちた映像と音楽で語られ、逞しく輝く少年達の姿に、心は即インドへと連れ去られてしまいました。たぶんあの独特な音楽とスピーディに動くカメラには、脳内麻薬を分泌させるような効果があるのではないか。と思ってしまうぐらい、私の脳味噌は不思議な感覚に陥ってしまいました。ストーリーもそれはそれは出来すぎと言うほど良く出来ていた。過酷なスラムの生活を通して、度胸やハッタリを持ち合わせ、並大抵の運では生き抜けない地で育ち、生きていくための知恵や遊びの上で培った知識も身についていた。その上で番組に出演したのもその結果も全て「運命だった」と落とすところが何ともニクイではないでしょうか。オーディエンスのテレホンで再会を果たし、笑顔で「分からない」と言った二人がまた美しく、世紀の瞬間には兄さんが札束の中で散る、という演出もまたニクイ。とにかく最初から最後までよく出来ていて、派手さは無いのに実はもの凄く派手派手しく練られたストーリーに満足です。
ちゃかさん [映画館(字幕)] 10点(2009-06-06 17:06:12)
236.ネタバレ ・・・意外に点数低いなぁ。私は世間の絶賛とアカデミー8部門受賞という本作の権威を笠に着て、大激賞のイヤらしいレビューをしますけど・・・みなさん泣きませんでしたか?。私はボロ泣きでしたよ。単純だからでしょうか?。/途中主人公が示唆するように、あの4択のクイズ番組って出題範囲などなく問題内容に出題者の恣意が許されてるので、解るわけない問題出すことなど簡単なわけで(極端なこと言えばみのもんたのプライベートな事柄出せばいい)、欺瞞に満ちたものです。最終的には出題者も左右できない「運」に結果が左右されるいいかげんなものです。安全な高みからうろたえる無知で貧乏な金目当ての解答者を小バカにする醜悪なものです。でも、それってこの世界そのものみたいじゃないですか!。だからこそ、少なからず冷酷な現実に拒絶され続ける我々はインドの視聴者たちと同様、身勝手に主人公を応援し、豊かなくせに彼に自らを重ね、世界を変えたいと願うのです。ムンバイのビル群を見下ろしながら今「世界の中心」にいるという兄のセリフは自己肥大の傲慢さから出たのかもしれませんが、あのシーンには妙な説得力とスケール感がありました。この映画には世界の核心、世界の全てが描かれているという錯覚(そんなわけないけど)を抱きました。本作は最高のエンタメであると同時に突き抜けた崇高さがあると私は勝手に思ってます。/前半のスラムの場面に顕著な全編に渡る疾走感と溢れる生命力は絶妙の音楽とポップな映像に支えられています。もはや風格漂う王道の派手さ、悪趣味さ、カッコ良さじゃないでしょうか?。オペラでも恥ずかしいような純愛は、当初より示される「運命」的な(作られた)全体の構成からすれば当然のこと!。所詮戯れの作り事であることを忘れさせる壮絶な展開をファンタスティックに染め上げるラスト。その快感の余韻は極上!。鑑賞後、なんかこう生きる気力みたいなもんが湧いて元気が出ました。映画ってそれが最高で、それだけでもいいんじゃないですか?。自己満足でもいいです。なんか今後0点もつけられそうな映画ですけどね・・・。
しったか偽善者さん [映画館(字幕)] 10点(2009-04-24 20:53:47)
👍 5
235.ネタバレ 冒頭と最後に出てくる4択の答え「It is written」は「運命だった」と「創作だった」のダブルミーニングではないでしょうか?
ジャマールがミリオネアを勝ち進めたのは「運命」だったのか、それとも「創作」だったのか。

字幕の通り「運命だった」とだけ受け取ると強引な展開が鼻につきます。
クイズの超難問に自身の経験から解答できるという設定もクセが強いですし
兄サリームの心変わりも突然すぎて不自然です。
「都合良すぎな展開を運命の一言で片付けるのはちょっと…」ってモヤモヤしませんでしたか?

ですがIt is written を「創作だった」という、もう一つの視点を加えて観ると違和感が解消されました。
仕掛けに気づくと、もう一つのストーリーが見えてくるトリックアートの様な構成です。


では映画のどの部分が創作かというと、
「ミリオネアへの出場そのもの」
↑↑これです!


映画内の時系列はヒロインと駅で引き離された所で一旦止まっています。
実際はミリオネアには出場していませんし、電気ビリビリ拷問もされていません。
超難問が都合よく出題されたのもジャマールが作り出したクイズミリオネアだからです。

ヒロインと引き離されたジャマールは駅で日々待ち続けます。
恐らくかなり長い期間待ったのでしょう、ヒロインの顔の傷が塞がっていますから。
駅で待ち続ける中で描いた妄想がミリオネアであり、兄との劇的な復縁だったのでは。


ジャマールがミリオネアを勝ち進めたのは「創作」だったけれど、
過酷な現実を生き抜いて最後にヒロインと結ばれたのは「運命」だった。
人によって色々な解釈ができる内容の映画だと思いますが、私はこのストーリーを推したいです。



——————————————————

もう少しディープに。

字幕を担当された方は悩まれたと思います。
作中ではシーンによって意図的に「It is written」と「destiny」が使い分けられています。

どちらも字幕では「運命」ですが、
ヒロインに対しては「destiny」
ミリオネア関連では「It is written」です。

みのもんた(仮)がトイレでジャマールに提示するクイズの答え、
「君が成功するのは運命(written)だよ」
みたいな事言ってますが、嘘ぴょんでしたね。

この辺で違和感が高まります。
そもそもミリオネア自体が嘘なんじゃないかと。

その他にもクサい部分が山盛りです。
通常なら超難問となるはずの最終問題が3銃士の名前!?
いきなり簡単すぎるでしょう。


トドメはラストシーン。
ジャマールがヒロインに「これが僕らの運命(Destiny)だよ」
と、言ったその後に

4択の答え
[ジャマールはなぜミリオネアを勝ち進めたか?]
が出てきます。


正解は D: It is written


今一度ストーリーを振り返ってみてどうでしょうか?

最後の4択、It is written は
「運命だった」ではなくて、
「嘘ぴょん、引っかけ、脚本、でっち上げですよー」的な意味で使われていると感じました。


うーん、、、
やっぱり私にはミリオネアは虚構だったとしか思えない。
 

映画としてはインパクトが欲しい ←これ大事!
なのでミリオネアで勝ち進んだり、拷問とかされてみる。

でもサクセスストーリーも過ぎると白ける。
大半の人が思ったはずです、「都合良すぎじゃね?」って。

・スカッとする展開でニッコリさせて
・最初に張っておいた4択問題の伏線を回収して
・モヤモヤする部分にも納得のいく背景を作り、綺麗に落とそう!

っていうのが作り手の意図じゃないかなぁ、と。
個人的には脚本賞に大納得です。


英語ネイティブの人は字幕の必要が無いので、
日本人とは違ったニュアンスで受け取れたのではないかと思いました。
英語圏で賞総ナメなのに、日本での評価は低いのもその辺に理由があるんじゃないでしょうか。

…でも字幕を当てるなら「運命」しか無いんですよね。
棘棘棘棘棘棘棘さん [インターネット(字幕)] 9点(2019-02-13 08:06:00)
👍 2
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234.ネタバレ 主人公ジャマールの純粋さに共感して応援したくなる映画。ミリオネアの番組の日と過去とを、問題を通じて交錯させる構成も面白い。インドの一般社会ってこんな感じなのかなぁというのも映画を通じて知ることができ、エンターテイメント以上の要素を含んだ映画だと感じました。
まいったさん [DVD(字幕)] 9点(2016-09-18 03:28:50)
233.ネタバレ 文字通り“クソ”にまみれた主人公の人生が、軽薄なクイズバラエティショウを通して肯定されていく様に、強く胸を打たれます。学は無くとも経験はある。それが決して他人に誇れるものでなくとも、血となり肉となり、今の自分自身をかたち作る糧となっています。辛い思いも、苦い体験も、全てがクイズの答えに、いや人生の答えに繋がっていました。最も痺れたのは、主人公が司会者の卑怯な罠に引っ掛からなかったところ。『親切を装う大人を信用してはいけない』という痛恨の教訓がちゃんと活かされていました。終わり良ければ全て良し。そう思える素晴らしきラストシーンは、ラブストーリーとしてもこれ以上ない“正しい”結末でありました。それにしてもヒロインを演じた女優さんの魅力的なこと!“この人の為になら命を賭けられる”そんな説得力を持つ恋物語は“強い”と思います。フリーダ・ピントというお名前、覚えておきますね。(以下余談)本作は『勇気の物語』でした。ザ・ダメ人間な自分も一緒に肯定された気がしたのです。私が長年かけて貯め込んできた『深夜ラジオ(伊集院光)』『囲碁』『プロレス』『B級邦画』『ももクロ』に関する知識も、いつか陽の目をみる日が来るんじゃないかと。いや、やっぱ来ないか。来なくてもいいんです。来るかもしれないと思えることが希望なので。
目隠シストさん [CS・衛星(吹替)] 9点(2016-03-30 22:28:40)
232.この映画はなかなか考えられて作られている。警察の取調べという形をとってジャマールの過去が引き出され、過去へのシーンにつながる。それとクイズシーンの交互の展開は、クライマックスの結末にフラグを立たせているので、「ハラハラドキドキ、先が読めない展開」の物語とは一線を画す。それよりも、ジャマールがいかにつらい日常を過ごしてきたのかという最底辺の暮らしぶりを味わい、最後に一気に大逆転させ爽快感を堪能するという構図を持っている。都合よすぎという意見も目にするが、本当にあるかも?という視点で描かれている類ではないので、そう感じたらこの映画の感想はそこまでどまり。彼の過去の経験が解答させたとこのプレビューサイトのあらすじに書いてるが、過去の過酷な経験をしたからこそではなく、明らかに彼だけの経験があのときの出題に合致しているということを忘れてはならない。100ドル札の肖像を答えられても、インドの紙幣のガンジーは答えられないのがその証拠。過去の経験で頭がよかったのではなく、たまたま答えられる経験をつんだだけである。つまり、これは大金を手にする貧困の青年の物語ではなく、幼いときに出会ったレティカをどんなときでも忘れられない心優しき根っからの正直者の青年の話なのだ。徐々にうそをついていないと確信していく警察の表情がほほえましい。まさにファンタジー!各世代の配役も見事。フリーダ・ピントの美しさに目を奪われがちだが、主人公ジャマールは出会ったときからレティカのことが好きだったわけで、そのぶれない点も、主人公を応援してしまう重要なファクターだ。唯一のマイナスは、さすがに回答させたくないと思う司会者が警察に主人公を送り込ませる設定。「クイズショウ」同様、国民的スターの誕生を望まない司会者はいないのだから。
やしきさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2016-02-21 22:11:55)
231.ネタバレ ダニー・ボイル会心の傑作。
インド映画というよりハリウッド(ボリウッド)のノリ。
ボイルの最高傑作である「トレインポスティング」や初期の「28日後...」や「普通じゃない」の頃に比べると余り鋭さは感じられないが、それでも娯楽としてかなり良く出来ている。

昔のインドを捉えた映画とこの作品の状況を見比べてみるのも面白い。
ジャン・ルノワールの「河」やサタジット・レイの「大地の歌」の時代と比べると、確かに生活は豊かになったのかも知れない。極一部は。
昔と変わらぬ貧しい生活を送る者はけして減少していない。
拡がる経済格差がよりインド社会を複雑に歪める。
犯罪に身を堕とし破滅する兄、大博打に出て大金を手に入れた弟。
兄に無かったもの、弟にあったもの。

それは「信頼」である。兄貴は誰も信じずに身を滅ぼし、弟は愛しい女性を最後まで信じた。どんなに身を落としても、人を信じられなくなれば終わりである。

ムンバイの社会背景ならミラ・ナイールの「サラームボンベイ!」もオススメ。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-06-24 18:03:45)
230.スラムでの壮絶な人生をなぞるかのようなクイズの問題。冷静に考えればそんなうまく問題が出てくるのか?と思わないでもないが、そんなご都合主義をも吹き飛ばすかのような勢いがある。世界中でブームとなった番組フォーマットを上手に使い、過去の体験だけでなく現在進行形の純愛まで絡め素晴らしい作品に仕上がっている。3つのライフラインのうち2つは序盤で軽く扱われていたので忘れていたが、残った「テレフォン」が最後に実にいい仕事をしており、つながった瞬間、思わずこぶしを握り締め目に涙が滲んでしまった。インド映画の実力を実感させる作品であった(あれ?イギリス映画だっけ)。好み45/50、演出13/15、脚本14/15、演技7/10、技術9/10、合計88/100→9/10点
chachaboneさん [DVD(字幕)] 9点(2013-05-15 23:51:22)
229.これは良く練られた脚本、スピード感のある映像、そしてインドの混沌が上手く表現されています。時代の空気感を醸していると思います。さすが賞を取っただけの作品です。
たかちゃんさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-03-22 22:40:42)
👍 1
228.ネタバレ 映画は好き・嫌いが結構別れるタイプのものだと思いますが、私はこれ、大好きです。
“It is written”(「運命」と字幕が出ます)は、受け取り方がいっぱいありますよね。字幕通り、運命だから、と受け取るもよし、「シナリオ通り!」と、あくまでも映画、夢物語ととるもよし、です。

目を背けたくなるような過酷な運命と、クイズ番組で「運よく」一攫千金を手に入れることの対比が象徴的。汚いんだけど美しく、エネルギッシュな映画です。
longsleeper21さん [DVD(字幕)] 9点(2012-08-23 18:55:35)
227.ネタバレ 冒頭の4択問題がきわめて重要、そして解答はラストに明かされるのだが・・・。これって何とも言えない巧みな作りではないか。もちろんクイズの問題と少年の過去のオーバーラップも、そしてそして、最後に歌って踊り出すというのは・・・。
映画ってのは理屈じゃないよ、感動だよと誰かが言ってたけど、まさにその言葉がぴったりの映画だった。Jai Ho はネットで探しまくって、何度も何度も聴いた。
ESPERANZAさん [DVD(字幕)] 9点(2012-06-10 22:41:56)
226.抜群によかった。久しぶりに楽しめた感があった映画だった。
ジダンさん [映画館(字幕)] 9点(2011-05-01 14:03:55)
225.インド人が見たら、こんなのほんとのインドじゃないって言うのかも知れないけど、僕の想像してたインドそのままの作品でした。
インドの臭いが漂って来そうなくらい強烈にインドです。
クイズの問題と主人公ジャマールの人生を重ね合わせる手法はよく出来ていたと思います。
冷静になって考えてみると、知ってる問題が出たというだけのご都合主義ではあるけど、彼の人生が壮絶過ぎて、そんな些細なことはどうでもよくなる。
子ども時代に出会ったママンが凶悪で震撼したけど、大きくなって再会してみると意外に小物のチンピラのように感じられた。
それだけ主人公に感情移入して、子ども目線で作品世界に入り込んでしまってたのだろう。
終盤の盛り上がりも感動的だし、ラストシーンの描き方も大好きな感じでした。
残念だったのは2000万ルピーがどれくらいの価値なのかよくわからなかったことくらい。
もとやさん [DVD(吹替)] 9点(2011-04-02 17:10:20)
👍 1
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マーク説明
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 244人
平均点数 7.09点
010.41%
110.41%
200.00%
362.46%
462.46%
5187.38%
63614.75%
77731.56%
85723.36%
93313.52%
1093.69%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.72点 Review22人
2 ストーリー評価 7.30点 Review36人
3 鑑賞後の後味 7.63点 Review36人
4 音楽評価 7.88点 Review34人
5 感泣評価 6.27点 Review29人

【アカデミー賞 情報】

2008年 81回
作品賞 受賞 
監督賞ダニー・ボイル受賞 
撮影賞アンソニー・ドッド・マントル受賞 
オリジナル主題歌A・R・ラフマーン受賞"Jai Ho"(作曲)
オリジナル主題歌A・R・ラフマーン候補(ノミネート)"O Saya"(作曲)
作曲賞(ドラマ)A・R・ラフマーン受賞 
音響効果賞 候補(ノミネート) 
音響賞 受賞 
脚色賞サイモン・ビューフォイ受賞 
編集賞クリス・ディケンズ受賞 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2008年 66回
作品賞(ドラマ部門) 受賞 
監督賞ダニー・ボイル受賞 
脚本賞サイモン・ビューフォイ受賞 
作曲賞A・R・ラフマーン受賞 

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