映画『愛を読むひと』の口コミ・レビュー

愛を読むひと

[アイヲヨムヒト]
The Reader
2008年上映時間:125分
平均点:6.65 / 10(Review 78人) (点数分布表示)
公開開始日(2009-06-19)
ドラマラブストーリー法廷もの戦争ものロマンス小説の映画化
新規登録(2009-02-20)【尻軽娘♪】さん
タイトル情報更新(2022-05-02)【イニシャルK】さん
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監督スティーヴン・ダルドリー
キャストケイト・ウィンスレット(女優)ハンナ・シュミッツ
レイフ・ファインズ(男優)マイケル・バーグ
デヴィッド・クロス〔1990年生〕(男優)若き日のマイケル・バーグ
アレクサンドラ・マリア・ララ(女優)若き日のイラーナ・メイザー
ブルーノ・ガンツ(男優)ロール教授
レナ・オリン(女優)イラーナ・メイザー / ローズ・メイザー
マティアス・ハービッヒ(男優)マイケルの父 ピーター・バーグ
カロリーネ・ヘルフルト(女優)大学の法科習生である女子学生
ブルクハルト・クラウスナー(男優)判事
スザンヌ・ローター(女優)マイケルの母 カーラ・バーグ
シルヴェスター・グロート(男優)検察審議員
岡寛恵ハンナ・シュミッツ(日本語吹き替え版)
宮本充マイケル・バーグ(日本語吹き替え版)
櫻井孝宏若き日のマイケル・バーグ(日本語吹き替え版)
原作ベルンハルト・シュリンク「朗読者」(新潮社)
脚本デヴィッド・ヘア
音楽ニコ・ムーリー
編曲ニコ・ムーリー
撮影クリス・メンゲス
ロジャー・ディーキンス
製作アンソニー・ミンゲラ
シドニー・ポラック
ヘニング・モルフェンター(共同製作)
製作総指揮ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
配給ショウゲート
特殊メイクマシュー・スミス
特撮フレームストアCFC(視覚効果)
ダブル・ネガティブ社(視覚効果)
美術ブリジット・ブロシュ(プロダクション・デザイン)
衣装アン・ロス〔衣装〕
編集クレア・シンプソン
字幕翻訳戸田奈津子
その他アンソニー・ミンゲラ献辞(in loving memory of)
シドニー・ポラック献辞(in loving memory of)
ニコ・ムーリー(指揮)
あらすじ
15歳だった僕(マイケル)はある日帰宅途中に嘔吐し、30代の女性ハンナに介抱された。病気恢復後、お礼に行って僕は彼女と肉体関係を持つが、その後彼女は訪問する度に必ず文学作品を朗読するよう僕に命じた。だが、ハンナは突然街を去り、僕は大学法学部に進学して遡及効のナチ戦犯への適用を研究テーマにする教授のゼミに所属した。そして教授の引率で傍聴に行ったナチ戦犯の法廷で僕は被告席に座るハンナと再会した。記憶の中の彼女と法廷での彼女の答弁から彼女が文盲だと僕にはわかった。文盲をひた隠しにするハンナはどう裁かれるべきなのか。。。
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💬口コミ一覧

78.ネタバレ 物語としての完成度の高さに圧倒されました。前半のエロエロから一転、後半はイロイロ考えさせられます。まず、何を「恥」と思うかは人それぞれということ。親子ほど年齢の離れた男に裸身は平気で晒せるのに、文盲であることは誰にも明かさない。その感覚はよくわかりませんが、だからこそヒロインの人格に厚みを感じます。
そしてもう1つ、性欲と愛情と優しさと贖罪は“別物”であるということ。重なり合う部分もありますが、たいていは違います。後半の主人公の行為は優しさと贖罪によるものであり、性欲はもちろん愛情もない。しかしヒロインは、なお重なり合っていると信じることが唯一の生きる“よすが”だった。こういうズレは、両者にとって切ないですね。
眉山さん [インターネット(字幕)] 10点(2015-02-10 03:08:38)
77.ネタバレ やられた、という感じですね。「めぐり合う・・」でも確かに時代の変化と主人公達の変化をうまく絡ませて味わい深く表現していたんだけど、これは秀逸です。ケイトの演技はさすがですが、マイケルの役の二人もこの主人公の心情を旨く表現していたんじゃないかな。若いときの一途な愛と真実を知ったときの苦悩、そしてそれらの過去を体験として冷静に受け止める年齢になった時の複雑な心境と自らの家族関係を踏まえた生き方なんか、主人公の気持ちがスーと入ってくる感じでした。出所を控えて再会した時のすれ違いには、予想できた事とは言え、グッとくるもがあった。女は過去が未来へと繫がって欲しい希望を見出そうとしたけど、男にとっては過去は思い出でしかないという現実を確認することになっていまった。再会して、又何かが起こるのではという双方の気持ちに、結局は決定的な亀裂を生じるという悲劇が目の前に突きつけられたのだ。教会で賛美歌に聞き入るハンナのエピソードをもう少し掘り下げたらさらに良かったんだが、それでも、まいったなあ。
パセリセージさん [DVD(字幕)] 10点(2010-01-10 00:06:59)
👍 1
76.ネタバレ たまらない。前半のひと夏の恋はまあいいとして、後半の「朗読者」(語り手)と「読者」(聞き手)を映像化した編集がたまらない。『めぐりあう時間たち』でも、読者と作者、そして、登場人物という構図を用いつつ、巧みな人間関係のドラマを展開したこの監督ですが、今回でもその構図を利用して、すばらしい映像を作っていました。作者と読者、あるいは、この映画の語り手と聞き手は、距離的に離れていて会えないにもかかわらず、モンタージュという媒体によって、距離も時間も超えられるという妙。そして、何より精神的には近いという妙!これって、D.W.グリフィスが作った「海岸ロマンス」(恋人が海で遭難、女は陸で待つ。距離が二人を引き裂く要素となっている。)というジャンルのある種の変奏ではないかと思ったりします。1910年代の原初的な映画の基礎を流用しつつ、きちんと進化を遂げているダルドリーはすごい!
アイランド・ジョーさん [DVD(字幕)] 9点(2011-05-14 02:44:46)
75.ネタバレ ケイト・ウィンスレットの演技に脱帽。原作のハンナのイメージそのままに、物語る身体を忠実に再現してみせる。出来れば、原語であるドイツ語の台詞だったらどんなにか良かっただろう。(あと、タイトルは何故『朗読者』でなかったのだろう?)
この物語は、そして彼女の演技は、語られないハンナの生き様を否応なく想像させる。少年と同じように、僕らは強く惹きつけられる。
ハンナの立ち姿とその因果を見るにつけ、悪とは?善とは何だろう?ということを深く思う。『1Q84』ではないけれど、この世の中に絶対的な悪がないように、絶対的な善もない。善悪とは静止し固定されたものではなく、常に場所や立場を入れ替え続けるものだ。
ハンナは親衛隊であり、ユダヤ人収容所の看守だったことが大罪であった。戦後20年が過ぎ、彼女はナチ狩りの裁判によって断罪される。戦後20年の視点により、同じドイツ国民の名において、戦時の彼女が断罪されるのである。しかし、彼女が罪を認めたのは、「文盲」であり、そのことを自らに恥じていたからだった。彼女には物事の「ほんとう」を知るすべがなかった。そういう意味でこそ、彼女は真の悪人だったのだろう。

善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや。 – 『歎異抄』第3章

悪人
衆生は、末法に生きる凡夫であり、仏の視点によれば「善悪」の判断すらできない、根源的な「悪人」であると捉える。
阿弥陀仏の大悲に照らされた時、すなわち真実に目覚させられた時に、自らが何ものにも救われようがない「悪人」であると気付かされる。その時に初めて気付かされる「悪人」である。

善人
「善人」を、自らを「善人」であると思う者と定義する。「善人」は、善行を完遂できない身である事に気付くことのできていない「悪人」であるとする。
また善行を積もうとする行為(自力作善)は、「すべての衆生を無条件に救済する」とされる「阿弥陀仏の本願力」を疑う心であると捉える。

出典: Wikipedia

僕らも本来的に救われようがない悪人なのだろう。それは共同性を超えて、私というものの避けがたい在り方を直視させる。しかし、下記のような言葉もある。実は、ここにこそ僕らにとっての生きる「救い」があるのではないだろうか。

「君は悪から善をつくるべきだ。それ以外に方法はないのだから」(ロバート・P・ウォーレン 『ストーカー』題辞)
onomichiさん [映画館(字幕)] 9点(2009-08-09 21:26:37)
74.ネタバレ よい感じに年を重ねたケイト・ウィンスレットが綺麗です。この魅力が10代にして理解できるマイケル、大物です。誰にでも忘れられない人がいるものですが、はじめての相手に一生魅せられてしまうなんて、バカ正直すぎて、生き方がヘタすぎて泣けてきます。
ハンナの死後、彼女が綴った文字が壁に貼られていたシーンに胸が締め付けられました。ハンナの人生にとってマイケルはどんな存在だったのか、劇中で語られることはありません。が、彼にとってのハンナほどではないにしても、影のある暗い人生の中で、彼と過ごした時間は短くも小さな陽だまりだったんだろうと、前半のキラキラしたシーンがそう感じさせてくれたのが救いです。
ストーリーとは関係ないのですが、英語って甘く優しい、耳に心地よい音を持っている言語だと、朗読シーンを見て改めて思いました。また音楽も美しくてお気に入りです。
これは機内で見たのですが、思いのほか印象に残った映画だったので、再度見に行きました。久しぶりに人に勧めた映画です。
さん [試写会(字幕)] 9点(2009-07-11 00:25:29)
73.ネタバレ 「レイフ・ファインズ」目当てで、観にいってしまいました。厳格な家族の中でも、学校でも、「いまいち」な立場のマイケル君がハッスル(笑)して、ドンドンと自信をつけていく様子は微笑ましいものがありました。前半はマイケル君の成長が可愛くて楽しい切ない映画・真ん中に法廷シーンでは、大学生になったマイケル青年の苦悩と後悔がリアルでとても良かった。後半はレイフ・ファインズに替わって、大人になったマイケル氏も渋くて良かった。しかしケイト・ウィンスレッドはすっかり演技派になりましたね。ブルーノ・ガンツ、レイフ・ファインズ、ケイト・ウィンスレッド・・と演技派の競演が見ごたえがありますが、若いマイケル君役の子が最も鮮烈かもしれない・・。
グレースさん [映画館(字幕)] 9点(2009-06-23 18:34:55)
👍 1
72.ネタバレ ケイト・ウィンスレットの七変化で、終盤まで一気に観てしまいました。法学部生という立場上、ハンナを守るに守れないマイケルのもどかしさも、実に上手く描かれています。『
gatto_grassoさん [映画館(字幕)] 9点(2009-03-24 18:31:50)
71.予備知識なしで視聴。
最初はエロい展開有りの、恋愛ものかと思いながら見ていたが、ハンナの少々エキセントリックな部分(吹き替えの声がイメージと合わなかったせいもあると思う)に嫌気がさしていたが、中盤からのガラッと印象が変わる展開にハマってしまった。
ハンナに対する印象は最後まで変わらなかったが、いろいろ考えさせられる良い映画だったと思う。
主人公が最後、本当は誰かに話したいのに誰にも話せない、安易に話せない秘め事を最愛の娘に話す気持ち、良く分かるな。
misoさん [地上波(吹替)] 8点(2019-06-19 23:48:28)
70.序盤のエロなシーンと、
中盤以降の正義を確かめるシーン。
ギャップは凄いが、序盤から中盤以降への繋がりは胸をうつ。

読めない。
だから読んでもらう、
徹底してそのシーンを喜怒哀楽交えながら描かれた後に、
急に時が飛び、初めての女がアウシュビッツの悲劇に関わっており、
それを傍聴するという機会に遭遇する主人公。

罪と恥と、それらは尊厳として
映画のラストへと見事に結びつけられていると思う。
元祖さん [インターネット(字幕)] 8点(2018-04-21 20:34:12)
69.ネタバレ ハンナが文盲だと明らかにするかしないか?ハンナに面会するかしないか?ハンナの手紙に返事をするかしないか?出所するハンナを受け入れるかいれないか?
マイケルはそのすべてに消極的決断をします。彼女が裁判長に聞いた「あなたならどうする?」という問いには裁判長だけでなくマイケルも答えを出せないのでしょう。ケイトの演技は見事でした。
東京ロッキーさん [インターネット(字幕)] 8点(2018-01-28 14:12:19)
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68.ネタバレ  ケイトウィンスレット、アカデミー主演女優賞受賞おめでとう。納得。レイフファインズ教徒の私は、数多い彼の作品の一つを今日も新しく観ることができて大満足。

 少年時のひと夏の関係。序盤は思いのほか性描写が多く戸惑ったが作品の質を低めるようなことなし。彼は小説を朗読し、彼女はそれを聞く。そして関係を持つ。のめりこむ彼。なぜか急に会えなくなる。
 数年後彼は法廷で彼女と再会する。彼女はアウシュビッツ看守としての責任を問われた戦争犯罪人としての被告、彼は傍聴人として。そしてとても大切なキーワード「文盲」。

 背景であるアウシュビッツなどを含むホロコーストは大事件なのだが、この映画はそこが出すぎずとてもよいバランスを保って二人の人間ドラマを描く。このバランスというか映画としてのまとまりに感服。そこにマイケルとハンナのドラマが主軸として描かれる。熱演。
 多分初めは愛ではなかっただろう。少年は体を求め、女はそれにこたえつつも文字や文学に対するコンプレックスと憧れを。でも…最後は愛だと感じた。めちゃめちゃにすれ違った愛。
 救いのあるラストもよし(笑)
JFさん [DVD(字幕)] 8点(2015-06-29 17:09:18)
67.ネタバレ 原作はベストセラーになった年に読みましたが、内容は細かいところは忘れていたので割とすんなり入り込んで見れました。
また、原作を読む前にルース・レンデルの「ロウフィールド館の惨劇」を読んでいたので、文盲であることを知られるくらいなら無期懲役の方がマシという点も、ある程度納得して読めた記憶があります。

読んでもらう物語に一喜一憂する感受性があるハンナ。
でも、自分の言動についての考察は余り無く、過去の行いを考えるようになったのも裁判から。
そして、本当に物語の意味を自分や他人の心情に重ねて思い描けるようになったのは
文字を獲得してからではないかと私は思います。
書くことで、自分の気持ちを整理したり、相手に伝えたいことをまとめられたりするのではないでしょうか。
書くことで考察が深まります。
そして読むことは、もう一度記憶をなぞれることでもあります。

マイケルは、裁判の傍聴の際、自分が心から愛してると思っていた女性がナチの残党であり、自分を単なる「朗読者」としか見ていなかったのかと二重にショックを受けます。
ハンナが文盲であることを告げ彼女の罪を軽くするのと、彼女のプライドを守ること、どちらが重要か。
また、彼女の罪を軽くするためには、自分との関係も話さなくてはならず自分の将来に重大な影響を与える。
結局何もしなかったしできなかった。
15歳の夏の喪失感とこの時の罪悪感や無力感が、彼を人を深くは寄せ付けない人間にしてしまったのは容易に想像できます。

出所間近のハンナに会いにいったマイケル。
ハンナの出した手も取らず別れ際に抱きしめもしない。
テープを送り続けてくれたのは愛情からではないと気づいたハンナ。

彼女のしたことは許せないけど、そうするしかなかったことも理解している。
愛とは違うけど力にはなりたいと思っているマイケル。
でも、言わずにはいられなかった一言。

ハンナを追い詰めることになってしまった、この再会のシーンは痛々しいです。
ハンナが自殺するときに本を踏み台にするのは原作に無かったと思いますが、ちょっと悲しすぎます。

俳優陣、特にケイト・ウィンスレットは素晴らしかったです。
彼女以外は思いつかないほどハマリ役でした。

最後に、皆さんも書いているように邦題は酷いですね。
「朗読者」にしないとダメですよ。
nanapinoさん [DVD(字幕)] 8点(2015-02-22 11:55:31)
66.ネタバレ これは「愛を読むひと」ではなく「朗読者」だと思います。

秘密を隠すことに必死な人間は攻撃的で怒りっぽい、ハンナはナチス時代の罪の意識よりもコンプレックスの方が勝っていて、他人の理不尽な死より自分自身の痛みということなんだと思います、現実的です。
上手くいってる仕事を突然辞めてしまうのも読み書きが必要な部署への配置換えが理由で、マイケルの前から突然消えたのもこれが理由なんだけど、15歳のマイケルにはそれを知る由もありません、一方的な別れは相当なダメージでその後の彼に相当影響してるんだと。実の娘でも、人と打ち解けなくなってしまいます。

裁判で真実を証言することは15歳のひと夏の出来事も言わなければいけないことで、法律家を目指す20代の大学生にそれはやっぱり容易ではないです、ましてやナチ裁判、現実的です。

そして離婚を期に朗読テープを送る、これはマイケルの一方的な贖罪なんですが、裁判を傍聴していたマイケルの葛藤を知らないハンナにとっては「愛を読むひと」です、マイケルに応えたいと独学で読み書きを学ぶハンナ。
愛のチカラです、ハンナの一方的なおもいだけど。でもこのシーンでは泣きました。
15歳の時の一途さではないというのはハンナからの手紙が入った引き出しを足で閉めることでわかります。
殺風景なハンナの独房に花柄のカーテンが付き、飾られるようになる。いつも身支度をキチンとするようになる、マイケルがいつ面会に来てもいいように準備していたように思えました、しかし手紙の返事すらないことでハンナは気付き、再会したことで確信するんですね。ナチス親衛隊の過去は受け付けられない、朗読ももう望めない。
そして再びハンナは突然消える、最後まで気持ちがすれ違い、行き違ったままのハンナとマイケルでした。
でも聖歌隊のあの思い出の場所に埋葬したのは贖罪ではなく優しさ、愛だと思います。
私の想像、勝手な解釈ばかりなんですが、ひと言では語ることのできない複雑な人の心と業を描いた質の良い作品だと思います、ケイト・ウィンスレットはハマリ役でした。
envyさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-08-25 22:16:11)
65.現代に生きる日本人の私には、十分理解できていないことも多いのだろうが、ケイト・ウィンスレットの演技からは、全てが、伝わってきくるような心持がした。レイフ・ファインズは、何を演らせても同じだからしょうがないのだが、彼からは何も伝わってこなかった。
みんな嫌いさん [DVD(字幕)] 8点(2012-08-28 23:19:51)
64.ネタバレ ナチス時代のユダヤ人300人殺害事件、その責任者としての罪を被ってまでハンナが隠したかった秘密。法律を学ぶ者でも、あるいはかつて愛し合った仲でも(だからこそとも言える)その重い意思は尊重せざるを得なかった。一方ではハンナが犯した罪を憎む気持ちもあっただろう。複雑な苦しみを抱える若いマイケルはただ涙を流すことしかできなかった…。時が流れ、大人になったマイケルは本を朗読したテープを刑務所のハンナに送るようになる。とても感動的な場面だ。ハンナはそのテープをもとに読み書きを覚え、手紙を書けるようになった。しかしマイケルは手紙を返さない、よく分からないが、反省の言葉を待っていたのだろうか? ハンナは裁判にかけられるまで自分の罪について考えもしなかったという。ハンナに責任を押し付けようとした他の元看守のような卑劣さは無いけど、それよりさらに恐ろしいのがハンナの罪の意識の希薄さなのだろう。マイケルはハンナを愛してはいた、しかしドイツの過去はそれだけでは済まされないほど多くの人に大きな傷を残しているのだと感じた時、この映画の重さがずしりとのしかかってきた。
リーム555さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-25 20:41:12)
63.ネタバレ 名演ばかりでした。さらに、時間軸もしっかりしていたと思いました。ハンナについて、彼女はホロコーストから生き残った人の本を読んだわけでも、自分がどうなるのかを知っていたわけでもなかったのではないでしょうか。「収容所がいっぱいになるから古い人を出すんでしょ!どんどん新しい人が来るから。」などが切なかったです。 追:邦題もうちょっと何とかならなかったか気になるところです、もったいない。。
HRM36さん [DVD(字幕)] 8点(2010-10-10 22:35:13)
62.ネタバレ 心とからだを完全に奪われたまま,突然,訳もわからず自分の前から消え去られてしまう。生まれてたった15年しか経っていない少年にとって,どれほどの絶望感だったことだろう。ハンナに出会ったことで,どんどん大人っぽく魅力的な人間に変わっていったマイケル。だけど,ハンナが去ってしまった部屋で,ひとり所在無げにたたずむ姿は,まるっきりの子どもに見えた。その夜,ハンナのベッドに横たわっていたときの悲しい目が,いつまでも頭から離れなかった。あの裁判で,偶然ハンナに再会しなかったとしたら,マイケルの心の傷は時間の流れとともに少しずつ癒されて,凍った心は溶かされていったのだろうか。しかし,裁判で重大な証言をしないままハンナに重い刑罰が科せられたことで,マイケルの心はさらに閉ざされたものになってしまう。ハンナとの出会いは,マイケルの人生を大きく2度も変えてしまった。そして,朗読テープの贈り物・・・。ハンナにとって生きる支えになっていたと同時に,マイケルにとっても自分の人生を生きなおす作業になっていたように思う。だから,マイケルはハンナと,過去は一緒に振り返れても,未来を一緒に歩くことはできなかったのだと思う。ラスト,マイケルは娘と未来を歩けるまでに心が溶かされていた。他の誰でもない,ハンナがそうさせた。やっぱり,二人の間には,愛があったと信じたい。
おおるいこるいさん [DVD(字幕)] 8点(2010-07-18 22:13:11)
61.ネタバレ ケイトウィンスレットのヌードが本人もネタにする位
それが話題になってましたけど。

ケイトウィンスレットは(超)好きな女優なんですが
たまに大味だなこの演技、と思う事もあったんですけど
この映画ではそれが意外と少なくとても良かったです。
メニューのシーンは大味でしたけど印象には残ります。

映画が進むにつれ観客がケイトに傾きかけている状況で
最後、レナオリンの台詞で一気に目が覚めます。
そうだよね。と、悲しいけれど納得。

ケイトウィンスレット、レナオリン共に素晴らしかったです。
Peccoさん [映画館(字幕)] 8点(2010-07-14 23:07:45)
60.ネタバレ 戦後の西ドイツ、ふとしたきっかけで出会った15歳の少年と36歳の女。欲望のままに惹かれ合い、たった一夏の関係を過ごした二人。彼らの中ではじまった「朗読」という儀式は、一体何だったのだろう。

その意味は、決して単純に美しいものではないように思う。

過去の“業”を秘め無学をひたすらに隠そうとするアラウンド40の女と、目覚めた”性”を抑えきれず彼女に対する無意識下の蔑みを「愛」と盲目する少年、それぞれの脆さと愚かさを、「朗読」という行為で正当化しているような、そんな屈折した心証が見え隠れする。
キャッチコピーにもある通り、そこには、「愛」と呼ぶにはあまりに切ない二人の男女の関係性があったと思う。

時を経て、再び「朗読」という行為で繋がる二人の関係性は、20年前のそれとはまったく異なる。かつての感情の高ぶりを思い起こすと同時に、決して取り戻すことは出来ない過ぎ去った時間を感じ、二人の関係の本当の意味での“終幕”を迎える。

結局、この男と女は、一度たりとも心が通じ合ったことは無かったのではないかと思える。お互いが、無知と無学の狭間で盲目的に惹かれてはすれ違うということを繰り返し続けたのではないか。

それはやはり「愛」ではなかった。ただ、その関係性がイコール「悲劇」かというとそうではない。それぞれの人生において、「朗読」という行為は、“始める”意味でも、“終わらせる”意味でも不可欠なことだった。
それはおそらく当人たちでさえ説明がつかない心と心の“交じり合い”だったのだろう。

この物語の真意を100%理解出来たとは思えないし、完全に理解することなどは不可能だと思う。
なぜなら、主人公の女が死を覚悟してまで文盲であることを隠し続けたことが如実にあわらすように、人間の心理は千差万別であり、一つとして完璧に重なり合うものはないからだ。
そういう人間の複雑さを映画として情感たっぷりに描き出した優れた作品だと思う。
鉄腕麗人さん [DVD(字幕)] 8点(2010-03-22 09:26:35)
👍 1
59.ネタバレ あのよく観たポスター以外は何も知識がなく、時間が急に空いて行った映画でしたが、
途中からの展開にビックリ!!
観る前にあまり知識がないのも今回はヒットした感じでした。
ケイトさんはうまくなりましたねえ。しかしレイフ・ファインズは年をとって
ちょっとくたびれたような・・。
役柄からか?
文盲を知られるよりは重い罪人として・・納得は出来ないものの、生き方としてありかなあ、とも考えさせられました。
AKOさん [映画館(字幕)] 8点(2009-11-16 22:12:40)
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【点数情報】

Review人数 78人
平均点数 6.65点
000.00%
111.28%
200.00%
300.00%
456.41%
51012.82%
61620.51%
72532.05%
81417.95%
956.41%
1022.56%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.00点 Review8人
2 ストーリー評価 7.57点 Review7人
3 鑑賞後の後味 7.60点 Review5人
4 音楽評価 7.25点 Review4人
5 感泣評価 7.33点 Review3人

【アカデミー賞 情報】

2008年 81回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演女優賞ケイト・ウィンスレット受賞 
監督賞スティーヴン・ダルドリー候補(ノミネート) 
撮影賞クリス・メンゲス候補(ノミネート) 
撮影賞ロジャー・ディーキンス候補(ノミネート) 
脚色賞デヴィッド・ヘア候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2008年 66回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
助演女優賞ケイト・ウィンスレット受賞 
監督賞スティーヴン・ダルドリー候補(ノミネート) 
脚本賞デヴィッド・ヘア候補(ノミネート) 

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