映画『空気人形』の口コミ・レビュー

空気人形

[クウキニンギョウ]
Air Doll
2009年上映時間:116分
平均点:6.57 / 10(Review 81人) (点数分布表示)
公開開始日(2009-09-26)
ドラマファンタジーロマンス漫画の映画化
新規登録(2009-04-13)【すぺるま】さん
タイトル情報更新(2024-03-11)【イニシャルK】さん
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監督是枝裕和
キャストぺ・ドゥナ(女優)空気人形
ARATA(男優)レンタルビデオ屋の従業員・純一
板尾創路(男優)空気人形の持ち主、ファミレス従業員・秀雄
高橋昌也〔男優・1930年生〕(男優)元高校国語教師・敬一
余貴美子(女優)受付嬢
岩松了(男優)レンタルビデオ屋の店長・鮫洲
星野真里(女優)OL・美希
丸山智己(男優)萌の父親・真治
柄本佑(男優)浪人中の受験生・透
寺島進(男優)交番のおまわりさん・轟
オダギリジョー(男優)人形師
富司純子(女優)未亡人
山中崇(男優)岡部
裵ジョンミョン(男優)清掃員
脚本是枝裕和
音楽佐々木次彦(音楽プロデューサー)
撮影リー・ピンビン(撮影監督)
製作川城和実
バンダイビジュアル(『空気人形』製作委員会)
アスミック・エース(『空気人形』製作委員会)
テレビマンユニオン(『空気人形』製作委員会)
松竹ブロードキャスティング(『空気人形』製作委員会)
企画アスミック・エース
プロデューサー浦谷年良
是枝裕和
配給アスミック・エース
特撮松本肇(視覚効果)
美術種田陽平(美術監督)
西尾共未(装飾)
原口智生(人形造型)
若狭新一(マテリアルコーディネイト/空気人形造形)
衣装伊藤佐智子(衣裳デザイン)
編集是枝裕和
照明尾下栄治
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💬口コミ一覧

81.是枝裕和は教えてくれる。映画にはまだ仕事があるということを。非常に日本であって、グローバル。映画は国境を越えるのか?それはわからないが、とてもすごい。

メタファー等についてはさんざん書かれているので私が悪い頭で余計なことを書くこともなかろう。

スタッフ、キャストの力によるこの作品。有機的に絡み合って見事な作品として結実した。

結構映像のディテールまでこだわっているのにそれを見せつけるようないやらしさはない。主題ではない「映画・レンタル屋」もなかなか楽しい。話題に上る実在の映画からこの映画の年代をある程度推定できるが、決定的に時期を特定するシーンはなかったのでは。実在のソフトを写すときには焦点をぼかしてある。一方で実在しないと思われるパロディな映画ポスターなども出てくる。いやぁ、これは、映画、愛だなぁ。

私はこの映画を愛しているし、映画も愛している。うん。
SUMさん [映画館(字幕なし「原語」)] 10点(2009-11-11 23:33:41)
80.ネタバレ とても胸をうつ映画だった。空気人形っていうのは、現代に生きる人々のある種の象徴であり、その実体であり、何のつながりもない登場人物たちの心無き心の純粋な在り様であり、、、まぁいろんな意味にとれそうだけど、そのメタ的な要素以上に僕はペ・ドゥナ演じる生き生きとした「空気人形」の姿に胸を打たれたのである。

僕が一番感動したのは、やっぱり、彼女の空気を抜き、吹き込むところかな。彼は言うのである。「空気を抜きたい」と。それは多分、空気を入れたいということ。空気を抜き、そして吹き込む。また抜き、吹き込む。その時、彼と彼女を捉えた充実感。これは何というコミュニケーションだろうか。彼女の心を捉えたもの。しかし、彼女がそれを手に入れてしまったこと自体がそもそもの悲劇なのであった。。

得られないことよりも、失うことの方が、つらい。
(川上弘美『これでよろしくて?』より)

『空気人形』は、心を持ってしまった空気人形のお話。空っぽなのに、心を持ってしまう、空気人形。心を持つって、一体どういうことなんだろう? 心って何だろう? 空っぽの心って? 空っぽって??
空っぽな人間と空っぽな空気人形。でも、本当に空っぽなのは、空気で出来ている空気人形だけ。僕らは実体として空っぽなわけではない。もっと得体の知れない機能のかたまりとしてあるもの。でも、人間として、関係としてあるとき、人は空っぽになる、ような気がする。そして、空っぽに耐えられず、それを埋めたいと願う。
人は自分自身が空っぽなのではなく、ただ空っぽに捕まえられるのである。その空っぽを相手にして(格闘したり、哀願したりして)、どうしようもなく空振りしてしまう。この作品の登場人物達は、実は空っぽというよりも、ただ空振りしているだけなのではないか。だから、彼ら(彼女ら)に希望は、、、ある。それに対し、空気人形は失うことによって心が萎み、最後にまた空っぽになってしまった。。

過食症の女性はバットを振り続けていたからこそ、偶然にもボールに当てることができた。窓を開けることができた。そういう類の希望がこの作品にはある。僕らの中に潜在化した「心をめぐる物語」。それが登場人物達の心を通り抜け、空気人形によって語られる。つなげられる。この映画は、そういうファンタジーなのだと思う。
onomichiさん [映画館(邦画)] 10点(2009-10-09 23:10:30)
👍 1
79.ネタバレ 業田義家の原作漫画は未読です。都市生活者達の孤独な営みを、鮮やかに、やさしい光で映し出したところに、心動かされました。何かを押しつけがましく主張せずに、静かに感じさせる作品は好きです。常に心が満たされることのない生活も、現代に生きる代償として受け入れて、つきあっていくしかないよね、という気持ちになりました。
camusonさん [DVD(字幕)] 9点(2024-12-26 17:43:37)
78.最近の評価が低かったので全く期待しないで見た。
この映画は生きることと死ぬことは同義だということを言いたかったのだと思う。
これは見る人を選ぶな。
NOBUKさん [ビデオ(邦画)] 9点(2020-02-16 12:29:39)
77.ネタバレ 人形が心を持つというのはありふれたファンタジーだけど、ダッチワイフというのがおもしろい。
ペ・ドゥナは外国人なのに日本の映画に主役で抜擢されるだけのことはある。
他の映画で見て注目するようになったが、全然違う役どころをこなしていたので演技の幅も広いようだ。
キュートで演技もできて存在感がある上に、脱ぎっぷりもよく肝が据わっている。
それだけ揃うのは日本の女優でも限られてくるので、オファーも回ってきたのだろう。
日本人女優で見たかった気もするが、これを同等に演じることのできる女優がオファーを受けるとも思えない。
役柄も多少カタコトのほうが都合がいいし、キャスティングがどんぴしゃでハマった。
心を持ったばかりの無垢な子供のような姿が愛おしくなる。
レンタルショップの男との哀しい恋の顛末が切なすぎる。
心に空洞のある人たちに人形の吹き込む息が風に乗って広がっていくのが救い。
ヌードシーンは結構出てくるけど、艶かしいエロさというより清楚な感じさえする。
男がベッドで何度も空気を抜いたり入れたりした理由は、もう少しわかりやすい形でサジェスチョンしたほうがいいとは思った。
裏にある物語を見せないと、見る人によってはただの変態的行為に受け取られかねない。
また、ラストで過食症の女の「きれい」のひと言は、意図はわかるんだけど違和感あり。
細かく見ればいろいろ粗も出てくるが、ファンタジーであるということと、空気人形の存在感が優ってあまり気にならなかった。
飛鳥さん [DVD(邦画)] 9点(2013-01-12 00:17:02)
👍 1
76.ネタバレ ノゾミ役のペ・ドゥナの人選。なぜに彼女に白羽の矢が立ったのだろうか そこがひじょうに気になるところなんです。なぜに、ペ・ドゥナだったのでしょうか まずは、お乳を出せる方という前提だったのでしょうか どうなんでしょうか そこんとこ。ひじょうに気になって仕方がないところなんですよね 人選に関するエピソードや裏話など、例えばどこかに存在するのであれば知ってみたいかな なんて思いましたね。ひょっとしたらば、うちらの知らないところで ≪実は最初のオファーは佐々木希に届いてた!ところが御乳出しに関して当然NGだった≫ だとか ≪そもそも、監督はノゾミ役をローラにやらせたくってごねていた≫ だとか ≪実はノゾミ役は当初、トリンドル玲奈に決まりかけてた人選だったが、トリンドルが共演の板尾創路を嫌ってNGだった≫ だとか、そんな裏話ってどっかに落ちてはいないもんなのかな ちょっと探してみましょう さようなら。
3737さん [インターネット(字幕)] 9点(2012-09-05 21:42:58)
😂 1
75.ネタバレ 心を持った空気人形の喜び、哀しみ、そしてラストシーン・・・。カメラワークも素晴らしく、素敵な映像でした。主演のペ・ドゥナ、これまで名前も聞いたことがなく、この作品で初めて見ましたが、抜群にいいですね!空気人形が心を持ったという設定、取扱いを間違えれば、ただの「世にも奇妙な物語」になってしまうところですが、最初から最後まで、そんな心配は一切ありませんでした。ヘタな現実感を排除して、独特の雰囲気を作り上げていました。素晴らしい作品だと思います。
ramoさん [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-09-23 23:43:41)
74.ネタバレ 人は誰も心に空白を持っている。ペ・ドゥナ演じる空気人形はその象徴である。しかし、空気人形はまさに人間の心の空白を埋めるために作られた心なき代用品だという事実が、皮肉な逆説性を帯びてくる。

■空気人形は心を持つべき存在ではなかった。心は美しさを感じられるが、同時にはるかに多くの辛さ、悲しさも感じさせてくる。彼女に対して人々が求めるものは結局「自らの空白を埋めるもの」であったのであり、心持つ彼女がそれに答えるのは苦痛でしかなかった。そして逆に心持つものを心を埋める代用品にしようと腹を切っても結局そのまま死んでしまうだけであった。彼女の最後の息は他の人の心の空白を埋めていった。最後まで彼女自身は「人の心の空白を埋めるもの」でしかいられなかった。

■ペ・ドゥナの演技は本当に素晴らしかった。あの「空っぽの中にわずかに心が宿ったような眼」は素晴らしい。いやらしさ・エロさを出さない裸というのも演技力のなせる技なのだろうか。圧巻
θさん [DVD(字幕)] 9点(2010-08-05 01:06:58)
👍 2
73.ネタバレ 心を持ったら、切なくなった・・・
是枝監督の作品は、「誰も知らない」「歩いても、歩いても」そして本作も、鑑賞後必ず小さな結晶のような塊を、残していくのは、何故だろう。そして、こんなにメルヘンな設定なのに、自然に感じさせる力量は流石だ。映像と音楽の美しさも絶品だ。特に彼女が詩の朗読をするシーンが忘れられない。細かい所も丁寧に見せている。たとえば、光を通して薄くなった影の表現など。また今回特に感じたのは、音である。雫の垂れる音、息使い、彼女が歩く度に聞こえるラムネの瓶の微かなの音、そして空気が抜ける音。とても繊細に素晴らしい音質で空間にとけ込んでいく。「ラースと、その彼女」と観比べてみるのも面白い。
ブタノケ2さん [DVD(邦画)] 9点(2010-06-11 04:36:19)
72.ネタバレ 「空気が抜けるのってどんな感じ?」という質問は、「死んでいくのってどんな感じ?」と同義であり、空気を入れる行為は生命を吹き込むということ。映画内では明示されていないので、これは単なる想像に過ぎないが、ARATAの元恋人はバイク事故か何かで彼の目の前で亡くなったのではないか?死んでいく彼女を救うことができなかった彼の後悔と祈りが、「空気を抜き、吹き込む」という行為に及んだ。しかしそんな心の内を理解できるわけもない空気人形は、ただその行為の官能性だけを感じ取り、彼にも同じ思いを味わってもらおうと、彼の空気を「抜く」(「触ってくれんか?」と頼んだ老人の下半身に反射的に手を伸ばしたように)。しかし、空気人形は彼に生命を吹き込むことはできなかった。それは悲劇である。彼を燃えるゴミに出し、自らも燃えないゴミの中に埋もれた空気人形を見下ろし、「きれい…」と呟く星野真理は、冒頭の生命を宿した空気人形の姿と重なる。心なんてない方がいい。しかしそれは静かに育まれていくのだ。何と切ない愛の寓話。
フライボーイさん [DVD(邦画)] 9点(2010-03-28 01:14:17)
👍 2
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71.ネタバレ 映画館で約一カ月空けて2度観た。ある意味「映画」の枠を超えた素晴らしい映画だ。
ストーリーを追おうとしたり、リアルさをどこかで求めようとしたらこの映画は全く奇妙な映画だろう。でも、この映画は全編ほとんど「詩」のようである。それは、人間という、儚く、自分では解決できない弱さをいっぱい抱えているこの存在に対する限りないオマージュを、空気人形の目を通して描いた、映像による「詩」である。
しかもなんとぺ・ドゥナは、チャーミングなのだろう!!
特に、ARATAに心を寄せるようになった直後の、あの抑えられないような表情は、音楽の素晴らしさも相まって何と美しいことか。ここには、「心」を与えられた者の歓喜がある。そして「ハッピー・バースディ」である。自分で自分のいのちの誕生を祝うのではなく、「他者」がこの自分の存在を祝福して祝ってくれている。思えばこれが「ハッピー・バースディ」の歌だ。そして、それがあのラストシーンの「息」につながっていく!是枝監督、脱帽です!ここには監督の「祈り」にも似た思いを感じないではいられない。
原作本も読んだが、それをリスペクトしながらよくぞこのような作品へと再創造してくれたと思う。きっと、見る毎に思いが深められると思います。
ワンス・モアさん [映画館(邦画)] 9点(2010-03-22 10:32:40)
👍 1
70.この映画は表現が多角的であり、色々な受け止め方ができると思う。
淡白ながらも静かで美しいBGMと映像が、じっくりと腰を落ち着けさせ、考えさせてくれる。本作の人々は生々しい姿を見せながらも、誰も声を荒げて感情表現しないし、誰も他人に悪意を向けたりしない。でも、善人というわけでもなく、どこか空っぽ。
淋しくて、苦しい彼らにとっては、心なんてない方が楽だったかもしれない。でも、ギリギリのところでとりあえず日々を生きるしかないのだ。
「あなたの代わりはどこにもいない」と、いつかそんな風に言われたい、思われたい、そして誰かを満たしたいと願いながら。

鑑賞後、ジワジワ来る。
すべからさん [映画館(邦画)] 9点(2010-02-19 10:41:05)
👍 1
69.ネタバレ 後半における空気人形のいくつかのモノローグと、ラストのタンポポ(CG)が舞う描写だけは不要だと思うが、他はケチのつけようがない。
悲劇的物語に安易に救いを求めようとする観客の浅はかで空虚な幻想を、いとも容易く破壊する映画。
ペ・ドゥナ、リー・ピンビン、World's End Girlfriendの組み合わせってだけですでに奇跡でしょ、これ。
xxxさん [映画館(邦画)] 9点(2009-11-03 22:20:50)
68.ネタバレ 音楽がWorld's End Girlfriendだからってのもあり気になってましたが素晴らしかった。怖かった。
まずペ・ドゥナの可愛さが存分に発揮されている。人形を演じる点で重要な純粋さも韓国人女優ということもありマッチしている。
(関係ないけど韓国の女優さんはやたらと脱いでるのね。日本とは違って・・・)
次にストーリーの重さ。空気人形という性の対象かと思いきや実は代用品というフレーズを多用することにより各人の存在意義を必要に問うている。
そこで怖いのが性悪説にもとずく人間の在り方。人形は心を持ちまず嘘をついた。
人の部屋に入ったらまず写真を覗く。
逆説的に純粋なまでに人の言葉を信じたがためにあんな残酷なことが起こってしまったり自分をゴミ捨て場に処分したり・・・怖かった。
リンゴと空き瓶の冬の大三角形はきれいだったとは思わなかったけど
あのハッピバースデイのシーンは背筋がぞくっとなった。
登場人物の少なさは◎ももうちょっと各々掘り下げてもよかったのでは?
でも全体的に素晴らしい出来。もっかいみたい。いや見ます。
ゆらめきクルージングさん [映画館(邦画)] 9点(2009-10-14 21:21:52)
67.ネタバレ 印象が「TOKYO!」の一編、ミシェル・ゴンドリー監督の「インテリア・デザイン」と酷似している。モノ化する人間とヒト化する物体。どちらも途方もなく寂しいファンタジーだ。私にとって東京という街は特別である。渇いていて、クールで、美しい街。積年憧れてはいるが、住んだところでおそらく永久に融合できないだろうと思っている。この映画は私の憧れる東京のイメージそのものだ。身体に満ちているものが空気だろうが血液だろうが関係なく、人は誰かに使われて、いらなくなれば捨てられる。その結論はあまりに寂しいが、そういうものだから生きていられるのだと思う。観たときの気分かもしれないが、顛末があまりにも現実に正直で、非常に感銘を受けた。そしてなにより、ぺ・ドゥナがこんなに綺麗だなんて知らなかった。
よーちーさん [映画館(邦画)] 9点(2009-10-08 19:29:13)
👍 1
66.ネタバレ 映画の価値って、見た時の状況やタイミングにも大きく左右されますね。私は東京に生まれ暮らして。この夏、自分的なキーとなったスポットはお台場と東京タワー、ついでに水上バス。これを見たのが豊洲で。そして今の半分ボケた父親との孤独な介護生活。どれだけこの映画にシンパシーを抱く事になったやら。不完全な器としての体に心が宿ることで、お互いに足りないものを補い、新たな創造に繋がってゆく、それが生命。そして、都市の、人の中に暮らしながら自分の存在をハッキリと確認できない、足りないものを抱えたままに過ぎてゆく人々の孤独が空気人形ペ・ドゥナに集約されてゆきます。心を持つ事の切なさ、つらさ、そして素晴らしさが、彼女の「透明な存在感」によって心に染み入るほどに繊細に織り成されてゆきます。象徴的に描かれてゆくフェイクたち。だけど、フェイクと本物は何を以ってそこに価値の差が存在しているのかを問いかけてきます。美も醜も生も死も自分のものとして演じられる唯一無二なペ・ドゥナという存在があればこそ成立した映画。また、彼女自身が作品として成立している映画でもありました。これまでのどの出演作よりもペ・ドゥナの映画で、そしてペ・ドゥナが映画で。
あにやん‍🌈さん [映画館(邦画)] 9点(2009-09-26 22:31:06)
👍 1
65.ネタバレ 是枝監督は、静かな映画をつくる監督だ。
その静かな映画でできる素材を常に探している感じだ。
今回のは、静と俗。

セックスドールが心を持ち、世界の美しさに触れ、恋もする。
そこで失恋の気持ちも味わい、
「ココロヲモツコトハセツナイコトデシタ」とつぶやく。

東日本の前の作品で、日本全体が、閉塞感で心を失っている頃の作品で、
まさに時代の作品だと言える。
今の子たちには分からないかもしれないが、オジサン連中には
心に沁みる映画です。

心を持ったセックスドールが、恋した相手を殺してしまうことで、
また心を手放す・・・?というか、あまりラストに意味は感じなかった。
でも「エクスマキナ」も同じような素材の映画だが、
アメリカの作品は、結末が荒いし、是枝さんの作品がはるかに上と思った。
トントさん [DVD(邦画)] 8点(2021-01-23 17:28:32)
64.ネタバレ  傑作。死を学ぶことの恐ろしさ。生を学ぶよりも厳しい。セックスなんて、はなっから相手にしていない本編はまれにみる鮮烈さで死を際立たせる。生きていることには心は気づくけど、死の概念は誰も教えてくれない。白痴的な美しさのペデュナの殺人がとても美しい。
JFさん [DVD(邦画)] 8点(2015-06-22 15:03:39)
👍 1
63.え?ダッチワイフが心を持って動き出す?しかもビデオ屋で働きはじめてそこで恋に落ちる?いきなりの超展開に空いた口が塞がりませんでした。ここまで完全にコメディだと早とちりした私はゲラゲラ笑いながら観てました。
だが、この映画はそのままゆる~いコメディ映画では終わらない。板尾に正体がバレたあたりから急にサスペンスホラーになりだして、これは一体どうなるんだ?と、完全に物語に引き込まれている自分が居た。
岩松了が人形とヤル場面でまたコメディに引き戻され、人形に空気を入れたり抜いたりする場面はシュールすぎてどん引きと、なんとも忙しい展開が繰り広げられたが、要するにこれはペ・ドゥナを観るための映画である。と言い切ってしまっても良い。そのぐらい彼女なくしては成立しない映画である。
そして、これまでのシュールな展開が嘘のように美しい映像と、せつない余韻を残すラストはさすがの是枝監督作品と唸らされた。
ヴレアさん [DVD(邦画)] 8点(2013-11-04 18:16:03)
👍 1
62.日本版「ブレードランナー」といったコンセプトですが、テイストはこっちのほうが好みです。テーマにも、より深く突っ込んだ感じ。いかにも日本的な純文学クサさはあるものの、単なる「お芸術映画」になっていないのは、主演のペ・ドゥナが時折見せる本当にうれしそうな笑顔が、心をくすぐるからでしょう。美しい映像、音楽、そして映画全編に流れるゆったりとしたテンポが非常に心地よく、それでいて緊張感もある、不思議な2時間。「涙が流れる一歩手前」の感覚がずっと持続して、胸がしめつけられました。
コウモリさん [DVD(邦画)] 8点(2011-11-23 23:58:08)
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【点数情報】

Review人数 81人
平均点数 6.57点
000.00%
122.47%
222.47%
311.23%
478.64%
51012.35%
61518.52%
71518.52%
81316.05%
91417.28%
1022.47%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.25点 Review4人
2 ストーリー評価 7.00点 Review7人
3 鑑賞後の後味 8.60点 Review5人
4 音楽評価 8.00点 Review4人
5 感泣評価 7.00点 Review4人

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