映画『その前夜(1939)』の口コミ・レビュー

その前夜(1939)

[ソノゼンヤ]

1939年【日】 上映時間：87分

平均点：7.00 / 10点(Review 1人) 

公開開始日（1939-10-21）

（ 時代劇・モノクロ映画・歴史もの・ロマンス）

監督	萩原遼
キャスト	河原崎長十郎（四代目）(男優)	滝川仙太郎
	清川玉枝(女優)	おまさ
	中村翫右衛門(男優)	彦太郎
	山田五十鈴(女優)	お咲
	高峰秀子(女優)	おつう
	瀬川菊之丞(六代目)(男優)	山崎
	市川莚司(男優)	茂木庄兵衛
	河野秋武(男優)	疋田弥一郎（名義「山崎進蔵」）
	千葉早智子(女優)	藤堂芳江
	坂東調右衛門(男優)	宮部鼎蔵
原作	山中貞雄	「木屋町三條」
脚本	八尋不二	（名義「梶原金八」）
	三村伸太郎	（名義「梶原金八」）
	山中貞雄	（名義「梶原金八」）
	稲垣浩	（名義「梶原金八」）
	萩原遼	（名義「梶原金八」）
	滝沢英輔	（名義「梶原金八」）
撮影	河崎喜久三
配給	東宝
美術	河東安英
編集	後藤敏男
照明	西川鶴三

💬口コミ一覧

1．ネタバレ　幕末の京都、池田屋の近所、大原屋の物語という設定がアイデアの基本。市中を威張って歩いている新撰組に対し、絵描きら町人が「そういう時代なんですよ」と息を殺している気分は、映画製作時の軍部と重なって見えてくる。原作の山中貞雄は前年に死んでいる。でも、勤王が善で新撰組が悪という単純なものでもないところが、この映画のいいとこで、どちらかというと、政治的なものと政治的でないものとの対比なのじゃないか。絵描きが勤王派の妻をかくまうのも、ある種の親しみの感情からで、「どうも政治向きのことは…」と自分でも言っている。新撰組を狙う河野秋武（当時は山崎進蔵）も、別に長州脱藩でなくイデオロギーとは無縁、個人として辱しめられた怨みによって行動している。新撰組にも加東大介（当時は市川莚司）のような気のいい奴はいるのであり、しかし「イデオロギーなんか関係ないっすよ」というようなことを飲み屋で他藩の人間と語り合ったために切腹させられる者もいる。中村翫右衛門は、とにかく働いて上昇するためなら新撰組にだって取り入る、という町人気質の人物、川原で染めものの水洗いをしているとき、加東大介と話し合うあたりのノンキな気分がいい。別にリアリズム狙いの映画ではないが、とかくピリピリと張りつめて描かれる幕末の京都に、案外こんな気分もあっただろうなと思わせる手応えがあった。

【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点（2009-06-06 12:03:56）

【点数情報】

Review人数			1人
平均点数			7.00点
0	0	0.00％
1	0	0.00％
2	0	0.00％
3	0	0.00％
4	0	0.00％
5	0	0.00％
6	0	0.00％
7	1	100.00％
8	0	0.00％
9	0	0.00％
10	0	0.00％