映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の口コミ・レビュー(5ページ目)

ストレンジャー・ザン・パラダイス

[ストレンジャーザンパラダイス]
Stranger Than Paradise
1984年西独上映時間:89分
平均点:7.13 / 10(Review 84人) (点数分布表示)
ドラマモノクロ映画青春もの
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2011-11-08)【S&S】さん
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監督ジム・ジャームッシュ
キャストジョン・ルーリー(男優)ウィリー
リチャード・エドソン(男優)エディ
エスター・バリント(女優)エヴァ
サラ・ドライヴァー(女優)帽子をかぶった娘
脚本ジム・ジャームッシュ
音楽ジョン・ルーリー
撮影トム・ディチロ
製作サラ・ドライヴァー
配給フランス映画社
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💬口コミ一覧

4.ネタバレ 【前置き】
コロナウィルス感染防止の為に施行された緊急事態宣言が解除され、久々に映画館で観た映画は「Dead Din't Die」だった。
「パターソン」が思いの外良かったので、久々の劇場体験に相応しいと思ったのだ。
だが… 残念ながら「Dead Don't Die」は正直今一つだった。
辛口のレビューを上梓しようと思っていたのだが、一風変わった作風を持ち味とした監督さんの作品をたった2作観ただけで
偉そうな批評を書くのは余りにも無礼だと思い、いわばルーツとも言える本作の鑑賞を決めた次第。

【本題】
本作と「パターソン」、笑える位に作風は変わっていないと感じた。
映画に対する監督の少し冷めた、でも愛情の有る視点も同じ。
異なるのは色が付いた事と俳優陣が豪華になった事位では。

まるで隣の気のいい兄ちゃんの生活をそのまま再現している様な話の流れ、
人が死ぬ等の事更に観る人の感情を煽る様な描写は皆無。
物語(?)は少数の登場人物が繰り出す必要最小限な朴訥且つシニカルなセリフと比較的短いカットで紡がれていく。

予備知識無しの場合、恐ろしく退屈な映画なのではないか?と思ってしまいそうだが、
絶妙な存在感の叔母さん(恐らく素人さんでは?)やヒロイン:エヴァ役を演じる女優さんのエスター・バリントを筆頭に、
何故か飽きずに最後まで見届けてしまう。
悲劇とまでは言わないけれど、落ちの付け方も面白い。

この絶妙な空気感はあざとく狙って出せる物では無い。
ジム・ジャームッシュ監督が不世出の存在で世界中の業界人から愛されている理由の一旦を垣間見た気がする。

さて、それでは"Dead Don't Die"のレビューに取り掛かる事にしましょうか。
たくわんさん [インターネット(字幕)] 7点(2020-06-11 13:14:58)
3.ネタバレ “オフ・ビートの貴公子”ジム・ジャームッシュ作品の中でも、ジョン・ルーリーやトム・ウェイツが常連だった初期が自分は大好きです。その中でも本作はオフ・ビート感では最高で、短いシークエンスを繋ぐ暗転の多いことと言ったら、いくら5秒ぐらいでもこれだけあると上映時間の3%ぐらいにはなるんじゃないかな。全編モノクロで撮影されていることから来る印象だけでなく、とてもアメリカが舞台とは思えない風景ばかりが映されるところも狙っていますね。NYはともかくとしてもクリーブランドやフロリダにしてもとてもご当地とは思えない風景、「これがエリー湖だよ」とエヴァが案内するシーンがありますが、ただの白い雪原を見せているだけの感じで、「ほんとにエリー湖なの?」と疑いたくもなります。低予算だし、実はNY周辺の“なんちゃってロケ”で済ましてたりね(笑)。三人の登場キャラの会話は少ないまでは言わないにしても一文が極端に短く、この映画でいちばんしゃべってたのは、ハンガリー語しか話さないクリーブランドのおばさんでしょ(笑)。いちおうこの映画は三部構成、“序・破・急”というか三題噺みたいになっていて、とくにラストはまるで落語のオチですよ。だいたいフロリダの田舎空港からブダペストに直行する航空便なんてあるわけないじゃん(笑)。 とくに何も起こらないけど尺も丁度良い感じで不思議と退屈せずに引き込まれてしまいます。ロード・ムーヴィーならぬ“ロード散文詩”という感じでしょうか。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-01-15 23:27:20)
👍 1
2.ネタバレ 「予定調和を壊す空気・間」を堪能する映画。

1986年4月、今は無き有楽町スバル座での単館ロードショー。
中学3年生の自分が始めて一人でチケットを買い、劇場鑑賞したのがこの作品。
といってもちろんジャームッシュも主演ジョン・ルーリーも、(字幕の)戸田奈津子女史
だって知るわけない、単に親離れして、大人じみた背伸びをしたかっただけの事。

当時の世評としては「映画ファンには大好評、一般的には?」というのが通説。
そりゃあそう、80年代はまだ「脱力系ギャグ」という笑いは認知されてないから。
観客が想像するストーリーをことごとく外していく、ずっこけロードムービー。
ズレというか不調和を楽しむ映画として、私は彼の映画が好きだ。
気付いたら最新作「デッド・ドント・ダイ」までちゃんとスクリーンで追いかけている。

ヴィム・ヴェンダースやニコラス・レイ、そして小津安二郎を知ったのもこの映画だし、
音楽(スクリーミン・J・ホーキンスとかジョン・ルーリー、後にトム・ウェイツ)なんかも
彼から知った気がする。 彼の文化的教養に、自分影響されまくり。

そして齢50代になりつつある私、この度リバイバル上映(ヒューマントラストシネマ有楽町)
にて鑑賞。「この映画が人生最初の映画館(おひとりさま)体験で本当に良かった」、
心底思ったよ。

この映画はぜひ、スクリーンで見て欲しい。 特に若い映画ファンに。
Nbu2さん [映画館(字幕)] 9点(2021-07-11 19:36:53)
👍 1
1.ネタバレ 音楽に耳を傾けることから全てを受け取って欲しい、ということらしく、その昔買ったクロノス・クァルテットのアルバム「冬は厳しく(WINTER WAS HARD)」にはライナーノーツが無く(日本のレコード会社は何が何でもクラシック音楽のCDにはライナーノーツを付けたがるにも関わらず)、とは言っても著名な作曲家の曲が多いので(かつ、かなり有名な曲もいくつかあるので)、得体の知れないアルバムなどということは無いのですが、そんな中、6曲目のBELLA BY BARLIGHTという曲を書いたジョン・ルーリーって人は、一体誰なんだろう。
と、当初は誰だか分らなかったのですが、それが実は、この映画の主演のヒト。そして、映画冒頭に流れるのがその、BELLA BY BARLIGHT。
得体が知れないと言えば、こんなに得体の知れない映画も無くって、映像を見る限り、いつの時代のどこの国の映画だか、まったく不明。50年代のヨーロッパとかならまだしも、まかり間違っても80年代のアメリカには、到底見えない。。。
という無国籍な雰囲気。アメリカも切り出し方によっては、こう見える、ってことなんですかね。安く撮れば風景も安く見える、という訳でもないのでしょうが、ザラついたモノクロ映像に映し出されるアメリカは、独特の雰囲気。エヴァが両手にカバンを提げて歩く姿を移動カメラが追いかけていくシーン、その背景に映るのもまた、アメリカの町なんだなあ、と、かえって斬新に見えます。クリーヴランドの街も、雪と氷に包まれたエリー湖の景色として描かれたりして。
ストーリーは、あって無いような、というより、「無い」と言っちゃった方がスッキリするかもしれません。もちろん見る側も、この見るからにストーリーの無さそうな映画に対してそちら方面の期待は持たないので、雰囲気と、ちょっとした出来事や事件を、楽しむ。
私は映画を撮ったことも無いし撮れるとも思わないけれど、これから映画を撮ろうという人の気持ちを想像すれば、おそらく、演出の真似事の第一歩として試しにやってみたいこととしては、カット繋ぎ、ということになるんじゃないか、と思ったりもするのですが、この作品ではそんな事には関心が無いのか、それともおカネが無さ過ぎてそんな余裕も無かったのか。ワンカットごとに暗転して映像は途切れ、ここまでそれが徹底されると苦笑してしまいますが、暗転中も音が映画を繋いでいたりして、意外に違和感が無い(というか、無くなる)のがまた、面白いところ。
それにしても、主人公3人が小金を手にして、結局はバラバラになってしまう、というラスト。商業映画第1作にしてすでに、ビンボーをこじらせているような。
鱗歌さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-05-01 15:04:43)
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マーク説明
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 84人
平均点数 7.13点
000.00%
100.00%
222.38%
333.57%
400.00%
5910.71%
61315.48%
71619.05%
82428.57%
91113.10%
1067.14%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.50点 Review2人
2 ストーリー評価 7.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review2人
4 音楽評価 10.00点 Review1人
5 感泣評価 5.00点 Review1人

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