映画『パブリック・エネミーズ』の口コミ・レビュー

パブリック・エネミーズ

[パブリックエネミーズ]
Public Enemies
2009年上映時間:141分
平均点:5.74 / 10(Review 73人) (点数分布表示)
公開開始日(2009-12-12)
公開終了日(2010-05-26)
ドラマサスペンス犯罪もの伝記もの
新規登録(2009-08-31)【マーク・ハント】さん
タイトル情報更新(2020-09-19)【S&S】さん
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監督マイケル・マン
助監督マイケル・ワックスマン(第二班助監督&第二班監督)
キャストジョニー・デップ(男優)ジョン・デリンジャー
クリスチャン・ベール(男優)FBIシカゴ支局長 メルヴィン・パーヴィス
マリオン・コティヤール(女優)ビリー・フレシェット
ビリー・クラダップ(男優)FBI長官 J・エドガー・フーバー
スティーヴン・ドーフ(男優)ホーマー・ヴァン・メーター
スティーヴン・ラング(男優)FBI捜査官 チャールズ・ウィンステッド
デヴィッド・ウェナム(男優)ハリー・“ピート”・ピアポント
チャニング・テイタム(男優)“プリティ・ボーイ”・フロイド
ジェイソン・クラーク〔男優・1969年生〕(男優)”レッド”ハミルトン
ジョヴァンニ・リビシ(男優)アルヴィン・カーピス
リーリー・ソビエスキー(女優)ポリー・ハミルトン
キャリー・マリガン(女優)キャロル
リリ・テイラー(女優)リリアン・ホリー保安官
マット・クレイヴン(男優)ジェリー・キャンベル
ショーン・ハトシー(男優)FBI捜査官 ジョン・マダラ
ブランカ・カティッチ(女優)アンナ・セージ
ドン・フライ(男優)クラレンス・ハート
ピーター・ゲレッティ(男優)ルイス・ピケット
ジェームズ・ルッソ〔男優〕(男優)ウォルター・ディートリッヒ
ジョン・オーティス(男優)フィル・ダンドレア
ドン・ハーヴェイ(男優)スチューベン・クラブの客
スティーヴン・グレアム(男優)“ベビー・フェイス”・ネルソン
スペンサー・ギャレット(男優)トミー・キャロル
エミリー・デ・レイヴィン(女優)バーバラ・パツク
平田広明ジョン・デリンジャー(日本語吹き替え版)
石住昭彦ジョン・“レッド”・ハミルトン(日本語吹き替え版)
森川智之FBI長官 J・エドガー・フーバー(日本語吹き替え版)
有本欽隆FBI捜査官 チャールズ・ウィンステッド(日本語吹き替え版)
東地宏樹メルヴィン・パーヴィス捜査官(日本語吹き替え版)
脚本マイケル・マン
音楽エリオット・ゴールデンサール
編曲ロバート・エルハイ
エリオット・ゴールデンサール
撮影ダンテ・スピノッティ
製作マイケル・マン
ケビン・デ・ラ・ノイ(共同製作)
ガスマノ・セサレッティ(共同製作)
製作総指揮G・マック・ブラウン
ジェーン・ローゼンタール(ノンクレジット)
ロバート・デ・ニーロ(ノンクレジット)
配給東宝東和
特殊メイクハワード・バーガー
ジェイク・ガーバー
グレゴリー・ニコテロ
K.N.B. EFX Group Inc.
特撮K.N.B. EFX Group Inc.(特殊効果)
カフェFX社(視覚効果)
美術ネイサン・クロウリー(プロダクション・デザイン)
衣装コリーン・アトウッド
編集ポール・ルベル
ジェフリー・フォード
ハンク・コーウィン(編集補)
録音マイク・ホプキンス[録音]
ケヴィン・オコンネル[録音]
その他ハンス・ジマー(サンクス)
あらすじ
大胆不敵な銀行強盗を繰り返しながらも、その紳士的な振る舞いに民衆の支持を得ていたジョン・デリンジャー。彼はFBIから「パブリックエネミー№1」と名付けられ、徹底的にマークされていた。そんな中、偶然に知り合った美女ビリー・フレシェットと恋に落ちるデリンジャー。より大きなヤマを目指し画策しながらもビリーのことを忘れない彼に、メルヴィン・パーヴィス率いるFBIの捜査が迫って行く。そして、ついに…。 大恐慌時代の実在の銀行強盗、ジョン・デリンジャーを巨匠マイケル・マン監督が描く。
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💬口コミ一覧

73.ネタバレ 確かに、物語性のある起承転結はここには無いかも知れないし、その点は本作の弱みとも言えるもかも知れませんが、これは明らかに確信犯的なもの。事件と事件の連関をオハナシとして描くのではなく、ジョン・デリンジャーの生き様そのものを物語とする。そういう意味では散文よりも詩に近いかも知れません。そしてそこにクリスチャン・ベール演じるメルヴィン・パーヴィスの生き様、というか執念が交錯する。むしろこの作品におけるジョン・デリンジャーは、悪の自由を満喫する“民衆の敵”としての姿よりも、パーヴィス捜査官に追われ追いつめられる不自由な姿の中でこそ、その孤独さの中でこそ、光っていたようにも思います。そして、何よりも印象的なラストシーン。涙を流す女の瞳をのみ映し続けるそのシーンでは、もう女の目には現実の何も見えていない、ただ過去のみを見つめるその視線が、たまりません。
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-06-09 12:33:10)
👍 1
72.ネタバレ なにこれ、ジョニーが無茶苦茶シブいじゃないですか。こんなシブいジョニーは初めて観ました。
「ヒート」を思い出さずにはいられない本作、デリンジャー演じるジョニーとニックを演じたデ・ニーロが被る。
キャストも映像も音楽もやっぱり格を感じる、ただ私としては、デリンジャーとパーヴィス捜査官の人物像がかなり薄いと感じました、これはどうしたことでしょうか。マイケル・マンだし141分ですよ、どうしても意図的としか思えないです。
強奪と脱獄を繰り返すデリンジャーと追いつめるパーヴィスがただひたすら淡々と描かれる、けれどデリンジャーを仕留めるのが助っ人でやってきたベテラン捜査官、まあこれは史実なんだろうからいいんですけど、それを演じる俳優が一般的には知名度も人気もそうあるとは思えない俳優っていうのが意外でした、なぜ「聞き取れなかった」なんて言ったのかしら?
このウィンステッド捜査官を演じたのはスティーヴン・ラングというのね、ラストでしっかりかっさらってしまいました。寡黙で見た目もやたらと男臭く、ビリーと面会のシーンといい、この人がいちばんプロフェッショナルしてましたね。
ところで美しいビリーを痛めつけたあの捜査官、デリンジャーが振り向いて睨みつけられただけでかたまってましたね~「このヘタレ」って思いました、これだけじゃなく所々「あっ!おっ!」と嬉しくなる演出がいい。
しかしマイケル・マンが男を描くとどうしてこうもかっこいいのでしょう、141分まったく長く感じなかったです。
envyさん [DVD(字幕)] 8点(2010-07-29 19:08:17)
71.ネタバレ マイケル・マン監督の作品はあまり得意ではないのだけど、俳優陣に惹かれて借りてみた。あんまり期待しないで観た……ら、期待以上だった…!途中、銃撃戦のあたりで中だるみしかけて「あ、やっぱり私この監督の映画合わないのかも」と思い始めてたらラスト20分が秀逸すぎた。
最後、スクリーンのクラーク・ゲーブルを見つめるデリンジャーの瞳が印象的というか、すごく色んな思いを含んだ目をしてた。さすがジョニデ。
ゲーブルが「バイバイ、ブラッキー」と言い残して観客が席を立ってからの展開はものすごくハラハラした。「ねえ、デップどうなっちゃうの、ねえ」と横で私に必死に聞いてきたオカンを「知らんがな!!」と一蹴しながら手汗かきながら観てた。

最後さ、あのオッサンが全部持ってったよね。今までの、こう、デリンジャーのビリーへの一途な想いに感動したとかクリスチャン・ベイル、最近の作品の中じゃ一番カッコイイな!とか、女性に手をあげるなんて残忍極まりない、あの刑事地獄に落ちろとかそんなの全部持ってかれたよね。く~っ!なんだよ!!「聞こえませんでした」からの「伝えたいことがある」からの「バイバイ、ブラックバード」……く~っ!!シビれる…!!あんたこの映画の中で一番カッコイイよ!!最後ビリーが静かに涙を流す場面がどうしようもなくキレイだった。あんまりのことに私も一緒に泣いた。…しかしレビューを拝見する限り私はかなりの少数派のようだ(ガックリ…)
とにかく私の中ではかなりの高評価です。あのブラックバードが流れるタイミングが何てったって神。監督で食わず嫌いしないで観てみてよかった。

<以下どうでもいい余談>これ、デリンジャーの役を若かりしアラン・ドロンがやったらものすっごいどうしようもない、地球がひっくりかえるというか宇宙なくなるむしろ生まれるくらいの勢いでハマり役だと思うのですが皆さんどうでしょう!!さりげなくダンスに誘うところから「俺の女になれ」のくだりをアラン・ドロンにやられたら落ちない女性なんていないと思うの。もちろんジョニデもかっこよかったけど、一回アランに置き換えてみたらもう止まらない。
アランだったらギャングでも妻になってあげてもいいかな、なんてどこまでも上から目線のお母様を横から優しく見守りながらそんなことを思いました。なんだこのどうしようもない親子。
Ronnyさん [DVD(字幕)] 8点(2010-06-04 02:56:04)
70.ネタバレ マイケル・マンの作風にどっぷり浸かれたのでそれだけで満足でした。ドライでダークな雰囲気が全編漂っていましたね。銃撃戦も見応えありました。内容は「ヒート」の劣化的な感じもしましたがジョニー・デップの巧みな演技がその辺をカバーしていたと思います。
ギニューさん [映画館(字幕)] 8点(2009-12-31 10:46:17)
69.自分の生きる“術”として、銀行強盗を続ける男と、その男を追い続ける男。
それぞれの信念を持って自らの人生を全うする二人の姿は、熱く、同時にとても脆い。
その「脆さ」こそ、この映画が描く本質だと思った。

この映画は、二人の男同士の対決を描いているのでもなければ、悪と正義の攻防なんてものを描いているのでもない。
一人一人の男の人生におけるある種の「無様さ」を描いている作品だと思う。

主人公の強盗を演じるジョニー・デップも、それを追跡する捜査官を演じるクリスチャン・ベール。
二人とも円熟期を迎え、人気と実力を兼ね備えた俳優だけに、抜群の存在感と巧さを見せる。
しかし、演じるキャラクターは、それぞれ決して格好良くはない。

自らの運命に葛藤し続け、苦闘し続ける。
そして両者ともが、最良の結果を得られない。

その両者の渦巻く内情こそが、この映画の核心であり、濃密なドラマ性だと思う。

マイケル・マンという監督は、相変わらず男の深い葛藤を描くのが巧い。
鉄腕麗人さん [映画館(字幕)] 8点(2009-12-30 15:52:14)
68.私はウォーレン・オーツ主演の「デリンジャー」が大好きなのですが、この作品もとても良い出来で、満足しました。「デリンジャー」は牧歌的でどこかのんびりした作風でしたが、こちらはドライでダークなイメージです。マイケル・マン監督らしく、じっくりねっとり描いているので、テンポはゆっくりです。そこが好みの分かれるところかもしれません。ジョニー・デップの素顔を久々に拝ませて頂きましたが、しびれるほどにイイ男ですね。全編に流れる音楽がまた素晴らしいです。
ジャッカルの目さん [映画館(字幕)] 8点(2009-12-27 15:07:42)
67.ネタバレ フィルムのみならず、小さなビデオカメラも手にしたマイケル・マンのカメラワークは自由自在で狭い部屋の中も縦横無尽に動き回る。冒頭の脱獄シーン、車で仲間の手を離すまでの一連のカット割なども見事であり、そういう角度にカメラを入れるのかと感嘆する。勿論、熱を持った銃声だけが響き渡る森の中での銃撃戦の音響処理はいつも通り見事であり、マイケル・マンの映画である烙印だ。この銃撃戦のシーン、音楽も一切排し、緩慢に間延びしきっている。しきってはいるが、それが退屈へと陥らず、ぎりぎりのところでサスペンスとして完璧に成立しているのだ。これもまたマイケル・マンの烙印と言っていいだろう。そして単純ながらもジョニー・デップ演じるデリンジャーとマリオン・コティヤール演じるビリーのカットバックを撮ること。これがこの映画のすべてなのだ。
だからこそ最後が泣きなのだ。
デリンジャーは映画館でクラーク・ゲーブルが演じるブラッキーの潔い死に際を目にする。これは「男の世界」という映画だが、電気椅子を自ら選ぶブラッキーに、ウィリアム・パウエル演じるジムが「Bye Bye Blackie」と言うのだ。デリンジャーとブラッキーというカットバック、デリンジャーは何を想い、映画館の席を立ったのだろうか。そして彼は最期を迎える。彼の死に際のひとことをスティーヴン・ラング演じるウィンステッドがビリーに伝えにやってくる。「Bye Bye Blackbird」。これがアメリカ映画の本質的な泣きの瞬間だと信じてならない。そして涙を流すビリーのクロースアップ。映画はそこで幕を降ろすと思わせるが、最後にもうワンショットある。ビリーのPOV。素晴らしいではないか。
すぺるまさん [映画館(字幕)] 8点(2009-12-23 20:04:30)
👍 2
66.捜査本部内を歩くジョニー・デップの表情とその主観を捉えたスローモーションの何ともいえない浮遊感覚、彼の顔を白く照らし出す日差しの感覚が、どことなく『ヒート』でトンネルに入った車中のロバート・デ・ニーロを包みこんだ悲劇的な光を思い起こさせる。(無論、映画館内で彼を照らすスクリーンからの照り返しも。)ロッジでの銃撃戦や、マリオン・コティヤールと向かい合う砂丘の場面などで強烈な印象を放つ夜間の特異なライティングも、光源が不明ゆえにどこか超現実的な感覚を画面にもたらす。そのコントラストによってさらに深さが引き立つ漆黒の闇。銃撃戦の中、冷え込んだ林の中にたち登る夜霧の峻厳かつ夢幻的なショットはとりわけ素晴らしい。一方で、日中場面はネイサン・クロウリーによるセット・デザインと実景の迫真性が活きる。20年代を扱った『チェンジリング』にもCG処理による街並みのショットがさりげなく用いられたようだが、この作品はほとんど二次加工なしではないだろうか。脱獄時の暗く狭い通路、銀行前の通り、ところどころ残雪のある隠れ家、映画館前などの臨場感が見事である。
ユーカラさん [映画館(字幕)] 8点(2009-12-23 18:08:52)
65.ネタバレ マイケル・マン監督の作品にはついていけないと思うような箇所もあるのですが(例えば、ネルソンの死に際の白い息が止まるところなどはもっとしっかり見せてほしい)、突如として訪れる素晴らしい瞬間と、格好良過ぎる男のドラマに魅了されファンであり続けているのですが、今回はその瞬間は最後の最後に訪れました。 それはジョニーが映画館に行ってから終幕までで、クラーク・ゲイブルのギャング映画を見るジョニーの表情と外で待ち構えるクリスチャン・ベールの表情、そして助っ人ベテラン捜査官の行動…ここまでくるまでの部分は壮大な除幕式だったとすら思えます。
 ジョニーとベールは「ヒート」のデニーロとパチーノと同じように一度しか顔合わせをせず、しかも同じように両者の肩越しから撮られているのですが、彼らはデニーロとパチーノのように共鳴し合わず、ラストでジョニーを見送り一緒にフレームに納まるのはベールではなくベテラン捜査官なのです。このベテラン捜査官は〝伝えてほしい〟などと聞き取れなかったはずのジョニーの言葉を確信を持って〝頼まれた〟と、女のもとへ伝えに行きます。それは彼こそがパチーノであり〝男〟なのだからだと思います。・・・ただ、そこで少し残念なのはこのベテラン捜査官の配役で、登場シーンが僅かなので、エド・ハリスとかガブリエル・バーンとか(あまり思いつきませが;)そのぐらいの役者を持ってきて欲しかったです。そうしないと、どうしたって髭のドン・フライの方が印象強くなってしまいます。
ミスター・グレイさん [映画館(字幕)] 8点(2009-12-17 19:07:23)
👍 1
64.巨匠になったマイケル・マンがやりたいことやってんなぁというのが率直な感想。映像のこだわりはすごい割りに、エンターテイメントは置いてけぼりというのがいかにも「巨匠」らしい。マイケル・マンの作品で期待するのは銀行強盗であれ警察であれ隙のないプロフェッショナルな仕事であり、ストイックであるがゆえに生まれる緊迫感が醍醐味だった。ところが実話とはいえ追われる方も追う方もしょーもないミスが多すぎるから間のびしてしまう。まぁドキュメント作品としてみればいいのだろう。ジョン・デリンジャーという男の予備知識がないと彼の行動パターンはなんのこっちゃとなるが、監督のコメンタリーを補足にして観るとあぁ納得となる。しかし輸送用飛行機も蒸気機関車もCGじゃなくて実写というのだからさすがだ。署内で捜査資料を眺め、刑事に野球のスコアを聞くジョニー・デップはよかった。
michellさん [DVD(字幕)] 7点(2013-06-07 15:47:49)
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63.面白くないことはないのですが、今一つ入り込めなかった感じがしますね。
デリンジャーという人間をもう少し丁寧に描くとまた違ったのかも?しかし脱獄がこんなに簡単だとは(笑)
東京ロッキーさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-16 13:36:16)
62.ネタバレ ●デリンジャーにはあまり似ていないジョニー・デップが主演。マリオン・コティヤールが演じるビリー・フレシェットという女性とデリンジャーとの関係を縦軸に、かれを追うFBI捜査官のメルヴィン・パーヴィス(クリスチャン・ベール)らの追跡ぶりを織り込んでいく。いわゆる「ドラマティック」な展開というのではなく、ナラティヴな話法にしたがわずに、映像的にポイントポイントを重点的に描いていく感じ。だからデリンジャーの脱獄にしても、史実である木製の銃に似せたものを使ってのくだりの描写なんか、「木製銃だった」とチラリとセリフで語られるだけで、へえ、そこに重点は置かないわけだ、などと思わせられる。いくつかのシーンの白昼夢のような光景が印象に残り、たとえばそれは冒頭の刑務所からの集団脱走のシーンの、刑務所の壁や周辺の風景、そして銀行強盗シーンの異様に高い銀行の天井だとか、ほとんど人影のない銀行の外の風景とかになる。それらのシーンではいっしゅの沈黙が画面を支配しているようなのだけれども、ただ銃声だけは鳴り響いている。ずっと、そういう画面のちからのようなものに魅せられて観ていて、こういうのも新しいタイプの映画のあり方だな、などと思う。好きな映画である。
●マイケル・マンという監督の作品はほとんど記憶になく、監督の名を記憶にとどめようともしていなかったのだけれども、こういう作品をつくるひとなのであれば、ほかの作品もちゃんと観てみたい。ただ、このひとの作品というのはそりゃあ「男と男の映画」だろう、ぐらいの思い込みは持っていて、そうするとここでデリンジャーのジョニー・デップに相対するのはメルヴィン・パーヴィスのクリスチャン・ベールかよ、と思って観ていくわけだけれども、どうもこのメルヴィン・パーヴィスというのは好きになれない男で、まあそういうふうに描かれているわけだ。そう思っているとラストも近くなってから、そのメルヴィン・パーヴィスの部下の捜査官が「デリンジャーはシャーリー・テンプルの映画なんか見ない」などとイイこというわけで、そうするとその捜査官こそが選ばれた人物で、ラストにとっても重要な役割を果たすことになるのだった。いやあラストはまたないてしまったではないですか。この捜査官を演じていたのはスティーヴン・ラングというひとで、「アバター」でマッチョなかたき役を演じて大暴れするひとだった。
keijiさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-01 14:50:49)
👍 1
61.ネタバレ 面白いのだけれど何か物足りなさを感じてしまう作品。
それは、この主人公に共感できないから。
大恐慌、世界恐慌という時代背景にあって、一部の富裕層からのみ略奪を繰り返す彼は、当時の一般民衆にとってある種のヒーローだったのかも知れないけれど、やはり犯罪者は犯罪者であって、無条件に賞賛できる訳もない。実際、彼の行った銀行強盗によって、どれだけの悲劇が引き起こされたのか計り知れない。当時、銀行強盗による被害に保険が掛けられていたのだろうか?
そして、唐突過ぎる熱愛劇。確かに「運命的な出逢い」というのはあると思うし、否定などしないけれど、こうやって映像で突きつけられてしまうと逆に反発したくなってしまう。あの状況で映画に行くか?大胆不敵=能天気なのか?
どうもしっくり来ない作品です。でも、決して長尺を感じさせない。流石の演出です。
タコ太(ぺいぺい)さん [DVD(字幕)] 7点(2011-04-03 16:43:50)
60.ネタバレ 序盤はただジョニー・デップの為の映画かと思いきや、なかなか良かった。銃撃戦は迫力十分。実際の人物は知らないが、史実を大事にしつつ、娯楽性のあるものになっていると感じた。
ラグさん [DVD(字幕)] 7点(2010-07-29 19:57:04)
59.ネタバレ 映画だねえ。まさに「映画」最後にウィンステッド捜査官(スティーブン・ラング)がいいところ全部持っていったという感じです。たくさんの素材をいろいろ詰め込んでいるんだけれども詰め込んだ感じがない。すっと見せてくれる映画だ。良い映画には後々話の「ネタ」になるようなシーンがあるものだがラストは特にいろいろ語ることができそうです。と,言っているわりに点数が低めなのは人物関係が分かりにくかったからと少々長かったから。きっと,米国ではけっこう有名な話だからだと思うのだけれども・・・。そうそう,史実でメルヴィン・パーヴィス捜査官の翌年FBIをやめたのはフーバー長官より目立って嫌がらせをうけたんですかね?
蝉丸さん [DVD(字幕)] 7点(2010-07-28 18:24:40)
58.ネタバレ ギャング映画には、ある種お決まりのスタンスというか測定路線のスタイルがあるが、本作はそういう従来の枠にはまる事なく、巨匠マイケル・マンの円熟したスタイルが貫徹されていると言えよう。それはステディカムを多用し、リアリズムとクールさを融合させた、彼独自のトーンであり、人によって好き嫌いはあるだろうが、本作ではそれが最後まで貫かれている。また、ライティングの美しさ、そして、特に銀行強盗でのショットの格好良さには目を見張るものがある。無論、ジョニー・デップもクリスチャン・ベイルも最高に格好いいわけであるが、ただシナリオの出来には少々不満がある。愛するたった一人の女。彼女との関係が描写不足に感じたので、例えば彼女が警察に捕まって連れて行かれる様子を見て一人男泣きするデリンジャーを見ても、それほど心揺さぶられるものがないし、ラストにしてもやはりそう。格好よさ、クールさを貫いてるのはわかるが、私としてはもう少し、情感を加味してほしかった。
あろえりーなさん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-06-26 23:51:36)
👍 1
57.ネタバレ なぜ、自殺行為と思われるような、映画鑑賞に行くのか?なぜ、警察署内に堂々と入っていくのか?なぜ警察が見張っていると分かっていながらビリーに接触するのか?そんな感じを抱いて、レンタル屋にDVDを返却しに行って、店内に貼ってある、この映画のポスターに書いてあるコピーで分かった。彼は自分の美学を貫いたのだ。犯罪映画というより、「男」の映画なのだ。そうすると「ヒート」「インサイダー」のマイケル・マンらしい。色んな役をこなすジョニーディップが演じていたので、そこに気づかなかった。実在の人物なので、ラスト殺されるのも仕方ない。そういう事実だったんだろう。ただ自分はこの結末を知らずに観ていて、ビリーと一緒になれたら幸せだろうに、と思っていたので、ちょっと残念だった。最後のエンドクレジットで銃の腕前がいい、パーヴェスがこの事件の次の年に自殺したことが分かるのだが、その理由が何故かよく分からなかった。事実だから、と言われてもなぁ。そして皆さんおっしゃるように最後、ビリーにデリンジャーの伝言を伝えにいく老刑事がカッコいい、と自分も思った。これも事実にそったキャスティングなのかしらん?こんな渋い刑事だったのかなぁ?でもこの親父どーっかで見たような、あぁそうか、「アバター」のあの親父だった。
トントさん [DVD(字幕)] 7点(2010-06-09 01:54:58)
56.ネタバレ 正直観ている間はあまりノレず、ちょっとウトウトしかけた所もあったが、思い返すたびにいい映画になっていく。というのも印象的なシーンが非常に多いので。冒頭の脱獄シーンやパーヴィスの登場シーン、特にウィンステッドら3人の捜査官が駅に到着するシーンなんて西部劇みたいで非常にワクワクした。
またちょくちょく挟まれる銃撃戦も相変わらずのマイケル・マンで、暗闇にトンプソンやらBARやらこだわりの銃声が響き、木片がバラバラと飛び散る映像のこだわりようはどうしたって楽しい。これだけでも充分観た価値があった。
ラストの映画館前のシーンの空気も何とも最高で、捜査官たちの姿、デリンジャーの最後のひと睨みから絶命の瞬間、そこからのウィンステッド捜査官の行動に思わずホロリとする。
今作ではマン・ファミリーの一員であるスティーヴン・ラング、もしくはマリオン・コティヤールが美味しいところをかっさらっていくが、ジョニー・デップと張り合うほどの出番もなく、見せ場といえば銃撃戦くらいしかなかった損な役回りのクリスチャン・ベールもイイ。コティヤールを尋問する捜査官をラングと共に止めにくるシーン、ベールが扉を開けて入り、ラングが捜査官を壁に押さえつけるあの呼吸、地味に良かった。
Sgt.Angelさん [映画館(字幕)] 7点(2010-03-06 19:22:03)
55.141分という数字に若干不安を覚えたが、マイケル・マンがジョン・デリンジャーの伝記映画なんぞ撮るはずもなく、そのことを証明するような冒頭数分で一気に不安は解消される。この映画のデリンジャーは最初から銀行強盗であり、そこには「なぜ」も「だから」も無い。銀行強盗は銀行を襲う。捕まれば脱獄する。そしてまた銀行を襲う。その行程をひたすら見せる。銀行強盗のプロフェッショナルな行程を。寸分の狂いもなくマンの映画だ。デリンジャーと対称軸にいるのがFBI捜査官のパーヴィス。こちらはクリスチャン・ベールがうまい。登場シーンに見る、犯罪者に情け容赦のない様はまさにマンの描くプロフェッショナルな男。ところが指揮権を委任されながらもマスコミを意識する長官からの横やりがこの男を曇らせてゆく。そのかわりにそのプロフェッショナルを引き継ぐのがベテラン捜査官ウィンステッド。映画館前で見せるその佇まいの美しいこと!デップよりもベールよりもマンの男かもしれない。この男に当てられる光がそう語っている。
R&Aさん [映画館(字幕)] 7点(2010-03-01 17:11:49)
👍 1
54.巷の評判がいまひとつですが、面白かったです!
ただ宣伝の仕方がさあ……
「今度のジョニーは銀行強盗 ハートも盗む」
何ていうどうにも甘~い文句で、
それにつられたミーハーな客が楽しめたかどうか疑問。
硬派な男くさ~い映画です。
でも全編デップの素顔が観れるのでファンは満足かもしれません(笑)
kiryuさん [映画館(字幕)] 7点(2010-01-08 23:30:32)
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マーク説明
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★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 73人
平均点数 5.74点
000.00%
100.00%
200.00%
322.74%
41419.18%
51824.66%
61520.55%
71520.55%
8912.33%
900.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.14点 Review7人
2 ストーリー評価 6.50点 Review10人
3 鑑賞後の後味 6.60点 Review10人
4 音楽評価 6.75点 Review8人
5 感泣評価 6.00点 Review8人

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