映画『真昼の決闘』の口コミ・レビュー

真昼の決闘

[マヒルノケットウ]
High Noon
1952年上映時間:85分
平均点:6.72 / 10(Review 68人) (点数分布表示)
公開開始日(1952-09-16)
アクションドラマサスペンスウエスタンモノクロ映画小説の映画化
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2025-04-17)【イニシャルK】さん
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監督フレッド・ジンネマン
キャストゲイリー・クーパー(男優)ウィル・ケイン保安官
グレース・ケリー(女優)ウィルの新妻 エイミー・ファウラー
ケティ・フラド(女優)娼婦 ヘレン・ラミレス
トーマス・ミッチェル[1892年・男優](男優)ジョナス・ヘンダーソン町長
ロイド・ブリッジス(男優)ハーヴェイ・ペル保安官助手
ロン・チェイニー・Jr(男優)マーティン・ハウ
リー・ヴァン・クリーフ(男優)ジャック・コルビー
ロバート・J・ウィルク(男優)ジム・ピアース
ジャック・イーラム(男優)酔っ払い(ノンクレジット)
てらそままさきウィル・ケイン保安官(日本語吹き替え版【VOD】)
甲斐田裕子ウィルの新妻 エイミー・ファウラー(日本語吹き替え版【VOD】)
小林さやか〔声優・1970年生〕娼婦 ヘレン・ラミレス(日本語吹き替え版【VOD】)
星野充昭ジョナス・ヘンダーソン町長(日本語吹き替え版【VOD】)
咲野俊介ハーヴェイ・ペル保安官助手(日本語吹き替え版【VOD】)
相沢まさき(日本語吹き替え版【VOD】)
仲野裕(日本語吹き替え版【VOD】)
石塚運昇ウィル・ケイン保安官(日本語吹き替え版【PDDVD】)
日野由利加ウィルの新妻 エイミー・ファウラー(日本語吹き替え版【PDDVD】)
黒沢良ウィル・ケイン保安官(日本語吹き替え版【1971年フジテレビ/1975年フジテレビ】)
武藤礼子ウィルの新妻 エイミー・ファウラー(日本語吹き替え版【1971年フジテレビ】)
里見京子娼婦 ヘレン・ラミレス(日本語吹き替え版【1971年フジテレビ/1973年フジテレビ】)
中田浩二ハーヴェイ・ペル保安官助手(日本語吹き替え版【1971年フジテレビ】)
池田昌子[声]ウィルの新妻 エイミー・ファウラー(日本語吹き替え版【1973年フジテレビ】)
内海賢二ハーヴェイ・ペル保安官助手(日本語吹き替え版【1973年フジテレビ】)
川久保潔フランク・ミラー(日本語吹き替え版【1973年フジテレビ】)
仲木隆司ベン・ミラー(日本語吹き替え版【1973年フジテレビ】)
渡部猛(日本語吹き替え版【1973年フジテレビ】)
田中康郎(日本語吹き替え版【1973年フジテレビ】)
上田敏也(日本語吹き替え版【1973年フジテレビ】)
加藤正之(日本語吹き替え版【1973年フジテレビ】)
たてかべ和也(日本語吹き替え版【1973年フジテレビ】)
清川元夢(日本語吹き替え版【1973年フジテレビ】)
脚本カール・フォアマン
音楽ディミトリ・ティオムキン
作曲ディミトリ・ティオムキン"High Noon (Do Not Forsake Me, Oh My Darlin')"
製作スタンリー・クレイマー(ノンクレジット)
カール・フォアマン(製作補〔ノンクレジット〕)
配給松竹
美術ルドルフ・スターナド(プロダクション・デザイン)
編集エルモ・ウィリアムス
ハリー・W・ガースタッド〔編集〕(編集スーパーバイザー)
字幕翻訳清水俊二
あらすじ
元保安官のケイン(ケーリー・グラント)は、新妻エミー(グレース・ケリー)を連れて、町を出ようとしていた。そこに彼を憎むならず者が、3人の仲間を連れて、復讐にやって来るという報を聞く。ケインは町民に助けを求めるが、臆病風に吹かれた彼らはケインを見放す。彼は白昼の陽のもと、一人でならず者たちを迎え撃つ。フレッド・ジンネマン監督の社会派ウエスタンで、アカデミー4部門を受賞。一方本作のヒロイズムの欠如に憤慨したジョン・ウェインは、ハワード・ホークスと組んで『リオ・ブラボー』を制作した。
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💬口コミ一覧

68.ネタバレ “High Noon”『正午』。私の中でベスト・オブ・西部劇が本作かもしれません。午前10時35分から始まるこの作品は、上映時間と劇中時間がほぼ一緒のリアルタイム作品。その設定は今でも通用するくらい斬新で、とても72年も前の映画とは思えないほど、スタイリッシュです。
ケインはその日、若くて美しいエイミーと結婚式を挙げていて、新しい人生の門出の日として、幸せの絶頂でした。そこから僅か1時間ほどで、ケインが長年に渡って築き上げてきたもの全てを失っていきます。街の人からの協力を得られず、ジワジワと不利な状況に追い込まれるケインと、ミラーの乗った汽車の到着をのんびりと待つ3悪党。同じ時間が経過しているのに、受け取る人間の状況で、時間は残酷にも、退屈にもなるんですね。

一度は街を逃げ出した彼が、再び戻ってきてしまったのは、責任感と正義感からでしょう。一方でケインによって守られる対象の街の人々というのは、決して正義の側とは言えません。中には“稼げた”ミラー時代の復活を望む者も居ました。前回は協力したのに、今回は協力しない者。当然のように協力を申し出たのに、他に協力者が居ないと解ると怖気づく者。街を支配するのが正義でも悪でも、結果を受け入れるのみで、自ら変えようとしない人々。この辺、西部劇という私があまり得手でないジャンルと言えども、普遍的な集団の心理と、進んで積極的な行動をしない類の人間の生々しさを感じさせました。

もしケインが街に戻らずに逃げていたら、どうなっていたでしょうか?ミラーたちの目的が復讐であれば、街に居ないからと諦めたりせず、執拗に追いかけられるかもしれません。正義の行動だったのに、コソコソと隠れて生きていかなければいけない。そう考えると、やはりあの街で決着をつけるほか、選択肢はなかったのかもしれませんね。
K&Kさん [DVD(字幕)] 10点(2024-09-29 23:34:54)
👍 2
67.お礼参り。理不尽である。そして孤立無援。しかし、男は自分が自分であるために、戦わなければならない。
ジャッカルの目さん [地上波(吹替)] 10点(2010-02-22 00:45:16)
66.ネタバレ これは村の駐在さんがチンピラヤクザに狙われ村の衆に助けを求める話です。ジョン・ウェインのような骨太西部劇の無敵ヒーロー像や強い悪役、派手な銃撃戦に大アクションを期待する方が間違ってます。それにどんなへっぴり腰でも私から見れば銃を持っただけで人は怖いし、腕っ節よりも権力や人望があり、町の人が味方しない状況を見越している悪役の方が更に怖いです。もっとも駐在さんが年取っても格好いいゲイリー・クーパーだし、田舎町には掃き溜めに鶴のグレース・ケリーがヒロインじゃ勘違いもするわな。脇役みんな名優だし。それにしても現在の世の中は万能ではないにしろ、ある程度法律とかが守ってくれてるからいいんであって、そういうものがない何の保障もない世界での人間って脆いですね。ケーンが守ろうとしてたのは最初は自分と友人達で作った町だったかもしれないけど、彼らに見捨てられていく中、それでも守ろうとしたのは何だったのか。逃げても誰もケーンを責めないだろう状況下で彼が採った選択は人から見れば馬鹿かもしれないし、下らないかもしれない。でも多分ここで逃げたら、彼の中の何かが壊れて生きる屍になってしまう、そして一生自分に言い訳をし続けるんでしょう。最後は逆にケーンが町を見捨てました。文句も嫌味も何1つ言わずにただバッジを地面に落として。うーん、渋い、格好いい、立派な大人だ。彼らの代償は「あの時はああするしかなかったんだ。」「じゃあどうすればよかったんだ?」と言い訳と責任転嫁に終始するような見下げ果てた町になってしまったこと。間違ってはいないでしょう。でも何かが壊れました。ミラーのようなならず者はいくらでもいるし、町にはそういう奴らを望んでいる者もたくさんいる。もし再び同じような目に遭ったとしたら、この町の為に命を懸けられる人間はいるのか。ケーンは町の良い部分しか見ていなかったのかもしれないけど、信じていた世界に手の平を返され、たったの90分で崩壊して行く様を目の当たりにしてしまいました。素晴らしいけどとても残酷な映画です。
くなくなさん [DVD(字幕)] 10点(2005-12-22 03:50:09)
👍 1
65.「お前達正気か?」と市民の不甲斐なさに憤りつつも何も出来ずにうつむく老人。一人だけと知ってなんとか言い訳を作って逃げようとする元仲間。逃げる女とついていく女。責務を果たし終えた主人公の清々しい姿。主人公の精神を受け継いでいくであろう少年。文句無し。素晴らしい映画でした。
番茶さん 10点(2003-12-17 20:32:20)
64.ネタバレ これはもう「格好良い」という言葉しか出てこないです。
自分の仕事の後始末に命を賭けるゲイリー・クーパーは、ただひたすら格好良い。
そして、その格好良さを更に後押しするのがタイムリミットの存在。上映時間の約9割以上をそのリミットによる緊迫感が常に支配していることで、非常に見応えのある作品に仕上がっていると思います。
また、クーパーを取り巻く脇役たちも渋く抑えた演技で主役に匹敵するほどの好演。
半人前の血気盛んな若手保安官との口論や馬小屋での殴り合い、訪ねた先々で相手にしてもらえず「街を去れ」(←西部劇ならではのこの台詞、格好良い。)と一蹴されるシーン、教会に集まった者たちで議論をする場面での意見交換のシーン(神父が「例え犠牲者が出たとしても…、いや何でもない」とクーパーが命を落とすのではとハラハラさせるような台詞を挟むのも実に上手い)や、新妻とメキシコ女との間で交わされる会話でそれぞれの人物背景が語られるシーンなど、クーパーと悪漢との間に起きた過去のいきさつやクーパーの人望の厚さが次第に浮き出てくる描き方は、ほとんど完璧と言って良いくらいの見事なテクニックでしょう。
ゲイリー・クーパー演ずるケーン保安官は、主演でありながらそれまでの西部劇ではありえないほどの小さい存在になってしまっていて、仲間を求めて街を彷徨う姿は部屋の中から小さく捉えられるショットが多く、また時間の経過を表現する時計も、序盤は小さく撮られていたものが終盤にかけては振り子が画面一杯に揺れるほどの存在感を出すように撮られたりと、カメラワークにおいても絶品。
言うまでもなく、真昼のシーンだけで構成されている本作ですが、冒頭から幾度となく現れる澄み渡った空の“白さ”が乾いた印象を与え、街の殺伐とした雰囲気やラストの保安官夫妻の去り際の無常感を際立たせているように感じました。
悪玉のボスが意外とアッサリとやられてしまった事以外は、ほぼパーフェクトの映画。大満足。
もっつぁれらさん [映画館(字幕)] 9点(2012-08-12 17:40:47)
👍 1
63.ネタバレ 主人公は仲間からは裏切られ、愛する人からは暴力行使を拒否され、一旦は逃げようかと迷う、でもそれでは駄目だと思い、敢然と悪人に一人立ち向かっていく、格好いいですね。
何か観終えて、この映画から勇気をもらったような気がします。どんな困難があってもやはり乗り越えていかなきゃいけない時もあるんだと。
もちろん実際の人生ではそんなに話は簡単では無いんだけど、だって勇気を持って悪人に立ち向かっても殺されたらお終いですからね。
それは映画の世界だからということでいいと思います、映画の良さはそこなんじゃないでしょうか。非現実な世界で夢を見させてもらって、元気をもらってまた現実の人生に立ち向かっていくという。
Tokyo's Holidayさん [DVD(字幕)] 9点(2011-03-18 16:49:22)
62.学生の頃、グレース・ケリーに憧れていました。
西部劇の傑作の一つ。何度鑑賞しても素晴らしい。
ご自由さんさん [映画館(字幕)] 9点(2006-10-19 21:21:14)
61.この作品、何だかやたら平均点低いけど、私はかなり好きです。確かに完成度としては「駅馬車」や「荒野の決闘」といったジョン・フォード監督の大傑作西部劇と比べると見劣りするとは思いますが、それでもかなり面白かったです。物語と映画を同時に進行させるといった試み、そして、主演のゲイリー・クーパーの渋い演技と相変わらずの美貌を持ち合わせているグレイス・ケリーの演技も良かった。
青観さん [DVD(字幕)] 9点(2005-08-16 20:49:44)
60. 従来の西部劇に恐らく初めてリアリズムを持ち込んだコトと、劇中の時間経過をリアルタイムにシンクロさせた点の斬新さは当時としては実に画期的であり、勿論今でもコレを凌ぐ西部劇は殆ど皆無と言って良いだろう。チープな西部の街をセットで組み、後は役者の演技力に主眼を置いた作りは流石ジンネマン。老いたるゲーリー・クーパーにオスカー(2個目!)をもたらし、新星グレース・ケリーの真価を早くも引き出した彼の演出の手腕にもっと御注目頂きたいものである。加勢を頼むクーパーを冷淡にあしらう街の人々の人物造形も、チト現代的で嫌味過ぎるキライはあるものの矢張り上手い。トーマス・ミッチェルが上手いのはいつものコトで今更言うまでもないが、ロイド・ブリッジスやケティ・フラド、ロン・チャニー・Jr辺りの二線級もジンネマンの筋金入りの演技指導で実に生き生きと演じている。1対4の戦いもマカロニや従来の西部劇なら、もっと不利なハンディキャップ・マッチは幾らでもあっただろうが、普通に考えれば、それが1対2でも(余程の実力差がない限り)メチャ不利なことは明白。かなり不様な戦いぶりながらも最低限の娯楽のツボを外さないのがジンネマンの腕前の非凡さである。因みに4人組の一人をマカロニ以前のリー・ヴァン・クリーフが演じている。シェリフのバッジを叩きつけて街を去るクーパーのラストにディミトリ・ティオムキンの主題歌「ハイ・ヌーン」(唄:テックス・リッター)が心地よく響く。ただ…このリアリズムというヤツは本作以外ではロクな作品が生まれなかった点でも手放しに絶賛できる要素ではナイので、個人的に1点マイナス。
へちょちょさん 9点(2003-01-12 12:06:34)
👍 2
59.この名作に対して、あまりに平均点が低いので9点を。高校生の頃、東映やくざ映画にはまってた。死を決した健さんや鶴さんを純子さんは、「死なないで」と送り出す、自ら戦う緋牡丹博徒では、「お竜は男たい」という。しかしこの映画では結婚した夫が東部に行くという約束を反故にして、(正義のため)街に残るというと妻(グレース)は結婚を破棄するといいだす。つまり契約に瑕疵が生じたので無効なんですね。ところが、妻も「残る」と決めたらともに戦う。契約条件を守らせるには男だの女だのでなしに自分で戦いとるんだ。貿易摩擦が問題のときに、そんなこと考えていました。映画は文化の違いを知る道具でもあった。昔は。
ちょうじさん 9点(2001-11-01 15:40:51)
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58.ネタバレ 決闘に至る過程から決闘模様と結末まで爽快感のカケラもないものの胸を熱くさせられた西部劇。遺書をしたため覚悟を決める保安官とわが身に火の粉が降りかからぬように傍観者を決め込む者達。両者の対比は赤狩り真っ盛りの時代に製作陣が個々の価値観を問うているように思えます。試練に直面した時の振舞を考えさせらる名作。
The Grey Heronさん [DVD(字幕)] 8点(2017-10-16 23:07:47)
57.ネタバレ ゲーリー・クーパーが遺書まで書く弱気な元保安官を素晴らしく演じてましたね。作中と時間が同時進行というのもすごく斬新。汽車が到着するまでの緊張感の演出がお見事。でも正直悪役4人組がたいしたことないような・・・。ちとあっさりしすぎな気がします。ま、本筋はそこに至るまでの人間模様というか、人間の「本心」を描くことが中心。緊迫した時間の中で、そうした人の心情を描いた西部劇のスタイルをとったヒューマンドラマ。決闘後、何も言わずバッジを捨て去ってゆくゲーリー・クーパーかっこいい!&グレイス・ケリー超美人!! 本作がデビュー作なのか?マジで美人だわ。。。  いやーほんとお美しいグレイスに+1点でゴザイマス
Kanameさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-12-09 10:29:19)
56.ネタバレ 短い尺に詰め込まれた命題。「自分の命と正義はどちらが重いか?」 それを真面目に最後まで問い続ける作品。その真面目さにちょっと辟易もする。普遍的な解答がある訳でもなく、本作は保安官の「生き方」を結論のひとつとして見せる。街の住民たちの意識のグラデーションはリアルだと思いました。何人かが協力を買って出るが、助っ人が集まらないと尻込みする。自分もあのタイプだなぁと思う。そう実感させてくれただけで、まぎれもない名作だと思う。ラストで投げ捨てられる保安官バッジには主人公の想いが込められていますが、住民を責める気にはなれない。この後味の悪さは不快ということとはちょっと違っていて、真っ当な社会派ドラマを見せられた感慨のひとつなのだと思います。現代では個人が命を懸けるような事件は滅多にありませんが、個人の利益と公益を秤に掛けることはある。自分にはそのシミュレーションのように感じられました。初めて観た時はグレース・ケリーの美しさに魅せられました。まさに王妃のごとき気品。今回はゲイリー・クーパーとの年齢差がやけに気になりました。計算したら28歳の開きがある。そして、現在の私が当時のゲイリー・クーパーとほぼ同年齢。う~ん、やっぱあの結婚にはリアリティないでしょ。
アンドレ・タカシさん [地上波(吹替)] 8点(2011-09-07 23:29:26)
👍 1
55.ネタバレ  アメリカという国は、良くも悪くも、社会というものは治安も含めて市民が作るんだ、という事が基本なんだな。もちろん、実話ではないんだろうが、こういう精神構造が町を作り、州を作り、国を作ってきたのだろう。だから自衛のための銃所持も当然。まっ、それはそれとして。
 そういった治安観から、西部の町では、犯罪者を自警団が私刑してしまう事もよくあったと聞く。この町の人達も、どうみても理不尽な悪漢の襲来という事態に対して、どう対処するか議論になるが、結局相手のターゲットが保安官一人なのを良い事に、我関せずを決め込んでしまう。社会の構成員が、社会の秩序維持を辞めてしまった瞬間だ。
 保安官は、自身の問題として決着を付けなければ、先へ進めないため、これに立ち向かうが、事が終わった後には、バッジを捨てる。当然だ。町が町を守る意思を捨てたのだから、保安官も要らないはず。
 蜘蛛の子を散らすという言葉があるが、その真反対を見るように、銃撃戦の後ワラワラと集まる市民を見ると、一見、保安官の正義と職責を貫く映画のように見えるこの映画が、私には、実はこの社会の有り様というものを描いているように見えて仕方がない。これでいいのか?と問いかけているように。

ところで、だれも味方のいない立場で悪に立ち向かわざるをえない、というシチュエーションは、アメリカ映画の大好物だったなあと、思ってみたりもする。
Tolbieさん [DVD(字幕)] 8点(2011-09-01 05:01:02)
54.ネタバレ 特に気合みなぎるような活躍もなく「ただ何となく」クライマックスを迎えてしまう主人公の立ち位置が凄いし、肝心なところで美人のヒロインに助けてもらう(それも2回も)というのも凄い。アンチヒロイズムに対するある種の執念すら感じる。そして、行けども行けども誰も味方をしない主人公の描かれ方には、何というか、制作者の底知れない人間不信の情怨を感じる。●(追記)その後数回見ましたが、見れば見るほどさらに味わいが出てきます。まず、一番の味方のはずの新妻といきなり決裂するという衝撃の展開(さらに、ホテルに女主人を訪ねるくだりで別の不信が加わるというおまけつき)。人々が背を向ける展開も、「真っ先に逃げる」「居留守」「酒場で露骨に冷遇」「教会でもっともらしく議論しながら実は既定非協力」「朴訥かつ誠実に(?)協力拒否」「やる気あると見せかけてさっさと裏切り」など、あらゆるバリエーションを用意している。通常なら何か協力するであろう女主人も、自分のためだけに決断して即実行という潔さ。そして、隠れた名シーンは、死を覚悟したケインが、決戦を前に留置場の酔っ払いを釈放する一幕だと思うのです。
Oliasさん [映画館(字幕)] 8点(2011-09-01 03:04:39)
👍 1
53.ネタバレ 俺、「リオ・ブラボー」もこの映画もどっちも好きです!ジョン・ウェインだって本当にこの映画が大嫌いだったら、アカデミー賞授賞式でクーパーの代理でノンキに賞なんか受け取らないで、断固拒否したと思います。思うにタカ派急先鋒の彼としては、良く出来た映画としては認めながらも、当時のマッカーシズム旋風が吹き荒れてた世論を制する為、単にリップサービスとして軽~く批判しただけなんじゃないでしょうか?それが大げさに
伝播されちゃって。まあもちろん今となってはその真意は分からずじまいですけど・・・。クーパーもウェインも、ホークス作品も含めウエスタン好きな自分としては、そういう見方をこれからもしていたいのです・・・。
放浪紳士チャーリーさん [地上波(字幕)] 8点(2006-04-29 17:17:46)
52.西部劇は見たことが無かったがBTTF3がどの辺りをパロってるのかを見るという興味が加わっていたこともあり楽しめた。主人公が周囲に応援されながらではなく、どちらかというと疎まれながら孤立して悪党と闘うという内容も西部劇の定型的なヒロイズムとはずれていて斬新(ジョン・ウェインが批判するのもわかる)。その周辺の人間の心理描写も含めた社会的な話が中心でむしろ決闘シーンはさらりと描かれているのはテンポも後味もよく好印象。当時のハリウッドの赤狩りに対する皮肉的な内容になっている。空撮風の引き、ガラス越しの緊迫感、馬上から一人佇む保安官を見下ろすシーンなどカメラワークが多彩かつ斬新で西部劇的な古さが無い。そして何よりも映画内の時間進行と現実の時間進行が一致しているというリアルタイムムービーという斬新さ。とにかく斬新という言葉が似合うニュータイプウェスタンムービー
Arufuさん [インターネット(字幕)] 8点(2005-08-20 03:44:32)
51.「人は口では法だ秩序だと言うが、腹の中ではどうでもいいのさ」・・・そう、人の本質は作品の舞台である1870年でも、制作年の1952年でも、2004年でも変わりはしない。だからこそ、人と社会をリアルに描くことが普遍的な価値につながる。西部劇に徹底したリアリズムを持ち込みつつも、娯楽作品として完璧な完成度を達成した一本。安っぽいヒロイズムを拒否する保安官も、戦いを拒否し逃げようとする女も、見て見ぬふりをする町の人々も、すべてが生きている生身の人間。印象的なテーマ曲、抑制の効いた演出が、リアルタイムで進行する85分を見事に支えている。ラストはリアルな、見方によっては情けないくらいの銃撃戦だが、この映画の文脈ならば、もっともっと泥臭く、恐怖心まで描かれていてもよいくらいだ。
眠い悪魔さん 8点(2004-02-15 15:38:59)
👍 1
50.西部劇をたくさん撮ったジョン・ウエインが「素人に助けを求める保安官なんてプロじゃない!」とこの作品を批判したというが、刻々と迫る4人ものならず者を前にすれば誰だって応援を求めたくなるだろう。それなのに孤立無援となれば恐怖を感じて当然で、こういうリアルな人物像には嘘っぽさがなくて共感できる。町の人々は冷たかったが少年は助けようと申し出るし妻も駆け戻って彼を助けるという救いもある。前述のように強くてかっこいいヒーローに固執するウエインにはガッカリ。
キリコさん 8点(2003-04-11 22:24:52)
49.誰も助けてくれない状況で、ひとり戦うゲーリー・クーパーがカッコいい。時間通りの進行というのは「ニック・オブ・タイム」でも採りいれていたけれど、汽車が遠くからやってくる見せ方など、まさに段違いの完成度です。グレース・ケリーはこの世のものとは思えないくらいキレイ。
FOXさん 8点(2003-02-08 21:09:26)
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 68人
平均点数 6.72点
000.00%
100.00%
211.47%
322.94%
457.35%
5710.29%
61319.12%
71826.47%
81217.65%
968.82%
1045.88%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.33点 Review6人
2 ストーリー評価 8.16点 Review6人
3 鑑賞後の後味 8.40点 Review5人
4 音楽評価 7.40点 Review5人
5 感泣評価 6.66点 Review3人

【アカデミー賞 情報】

1952年 25回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演男優賞ゲイリー・クーパー受賞 
監督賞フレッド・ジンネマン候補(ノミネート) 
オリジナル主題歌ディミトリ・ティオムキン受賞作曲"High Noon (Do Not Forsake Me, Oh My Darlin')"
作曲賞(ドラマ)ディミトリ・ティオムキン受賞 
脚色賞カール・フォアマン候補(ノミネート) 
編集賞エルモ・ウィリアムス受賞 
編集賞ハリー・W・ガースタッド〔編集〕受賞 

【ゴールデングローブ賞 情報】

1952年 10回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)ゲイリー・クーパー受賞 
助演女優賞ケティ・フラド受賞 
脚本賞カール・フォアマン候補(ノミネート) 
作曲賞ディミトリ・ティオムキン受賞 

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