映画『トト・ザ・ヒーロー』の口コミ・レビュー

トト・ザ・ヒーロー

[トトザヒーロー]
Toto Le Heros
1991年ベルギー上映時間:91分
平均点:7.47 / 10(Review 34人) (点数分布表示)
公開開始日(1991-12-21)
ドラマファンタジーミステリー
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2022-10-26)【TOSHI】さん
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監督ジャコ・ヴァン・ドルマル
キャストミシェル・ブーケ(男優)老トマ
トマ・ゴデ(男優)少年トマ
ジョー・ドゥ・バケール(男優)青年トマ
クラウス・シンドラー(男優)トマのパパ
サンドリーヌ・ブランク(女優)姉のアリス
ミレーユ・ペリエ(女優)アリス似のエヴリーヌ
フェビエンヌ・ロリオー(女優)トマのママ
脚本ジャコ・ヴァン・ドルマル
音楽ピエール・ヴァン・ドルマル挿入歌「ブン」by シャルル・トレネ
撮影ウォルター・ヴァン・デン・エンデ
配給フランス映画社
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💬口コミ一覧

34.すべての弱者を味方に突進むヒーロー・トマ。
人生はたった一度だけ、今こうしてレビュー書けるのって素晴らしいね。
突っ込みさん [ビデオ(字幕)] 10点(2007-09-26 00:57:26)
33.主人公のトマは向かいの裕福な同じ誕生日の息子のせいで大切なものを立て続けに奪われてしまい、間違った人生を送るハメになったと思い込む。人生で唯一楽しかった子供の頃の思い出だけを胸に生きてきたトマ。老境に差し掛かったある日、ピストルを手に一大決心をする。そんな悲しい男の生涯を、監督ジャコ・バン・ドルマルは軽妙なタッチで時にはミステリアスに、時にはノスタルジックに描いてゆく。とくにヒッチハイクをしている老人トマの横を、トラックが追い抜いて行くシーンが文句なしに素晴らしい。その荷台にはシャンソン“ブン”をピアノで弾いている父とトランペットを吹く姉アリスの姿があり、もうゾクゾクもの。人生のどたん場で今まで生きてきた意義を見い出し、子供の頃から抱いていた夢がついにかなうトマ。終り良ければすべて良し、と受け取りましょう。高らかな笑い声と共にシャンソン“ブン”が天空から愉快そうに降り注ぐ。名作です。
光りやまねこさん 10点(2003-10-14 13:11:37)
32.ネタバレ トトの人生は、トマ老人の、大切なものがどんどん失われてゆく人生から見れば。まったく素晴らしいように見えていた。トトこそが自分の人生のいいところを持っていってしまったように見える。もう人生の終盤にさしかかって対面した二人。そしてトトの口から漏れたおもわぬ言葉。「僕はずっと君がうらやましかった」この意味の逆転!!いやあ、映画ってほんとにいいもんですね!!
gengoro1さん 10点(2003-07-20 09:12:43)
31.一番好きな映画です!自分の失われた人生を、死によって取り戻す最上の喜悲劇。他人であるから愛せた姉アリスへの思いと死の責任。アリスにそっくりな女性を死に追いやらぬために、客車で泣きながら去っていく姿。あまりにべらぼうな映画
ヨシオさん [DVD(字幕)] 10点(2003-07-06 01:41:22)
30.辛辣なストーリーだけどC・トレネのシャンソン「ブン」が陽気にひびく。老人トマが乗った車を追い越していったトラックに見る幻影が可愛くせつない。(子供トマのお姉ちゃんアリスがまるで妖精のよーだ。)ラストでは笑い声が空から降ってくる。それでとてもホっとした。
ちこさん 10点(2002-05-02 18:01:46)
👍 1
29.すごく泣いた。自分の人生は最初からなにか間違っていると思いながら実は自ら幸福を捨ててきた主人公。最後に自己犠牲という形で自分の夢を叶えるという、切なくもほほえましい、なんともいえない余韻を残す映画でした。すばらしい。
GOさん 10点(2002-03-20 22:55:30)
👍 1
28.ネタバレ トマの姉への愛情は、異性に対するそれと同じでした。赤子の自分が、病院の火事で取り違えられたとの妄想も、姉弟の血の繋がりを拒絶する願望の表れ。いわゆるシスターコンプレックス。いわば風邪のようなもので、心と体の成長(自我の確立)により治癒するのが一般的かと。ですから、少年トマがあのとき姉を失わずに済んだら、彼の人生は全く違ったものになっていたでしょう。一瞬にして、それも自分の言葉が引き金となって、姉を死なせてしまった衝撃は、彼の心を凍てつかせました。姉への思いで縛られた一生。決して手に入らぬものを思い続け、前に進めなくなってしまった少年は、そのまま老いさらばえた。彼の「これと言う事が何一つ起こらない人生だった」という言葉が胸に突き刺さります。本当は“何も起こらなかった”のではなく“何も起こさなかった”のだから。そんな彼が選んだ人生の最終回は、妄想を現実に変えること。せめてもの帳尻合わせです。それは彼のささやかな自己肯定でした。エンドロール。ブラックバックとクレジットが織り成す模様がまるで人生の道程のように思えます。幾つもの分岐点を介し、真っ直ぐに進む一本の道。自身の人生をトマの人生に重ね合わせて、観客は安堵するのでしょうか、戦慄するのでしょうか。輪廻転生を思わせるエンディングと陽気な歌が、この映画の救い。そして希望です。
目隠シストさん [DVD(字幕)] 9点(2013-02-24 20:24:05)
👍 2
27.観終わったあとのこの爽快感はなんだろう。
 
一見すごいことなんもしてそうにないのに、速度を落とさず、転ばず、そのままとんでいく安定感。観たあとに映画っていいもんだな、と思える名作。
 
じっくり時間をとって、夜にしっとりと観るといいと思う。
おでんの卵さん [DVD(字幕)] 9点(2013-01-27 20:26:58)
26.ネタバレ 冒頭のトマ老人の「私の人生は何も無かった」という語り。そう思い込んで生きてきた男の生涯の重苦しい回想でありながらもユーモアのある語り口、陽気な人生讃歌”ブン”の使い方も素晴らしい。

終盤まで自分の人生は何も無かったと思い込んでいたトマ老人がトラックをヒッチハイクする。ドライバーが口笛を吹いていた曲は”ブン”。一台のトラックが追い越していく。そこに大好きだった父と姉がピアノとトランペットで”ブン”を演奏する様子が鮮やかに蘇る。その時のトマ老人の表情と「ずっと君の事が羨ましかった」という思いもよらない告白のシーンが印象に残る。また、青年時代に出会ったある女性との再会を用意したあたりに本作の優しさが感じられます。

不幸な思い込みに心を支配されて生きてきた彼が人生の最終盤でようやく己の人生と正対した。ラストで彼は憧れていたシボレーに乗り飛行機で空を飛ぶ。ずっと彼の笑い声が聞こえている。その姿は見えないけれど、彼の笑顔が目に浮かんでくるようでした。
とらやさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-05-10 19:07:08)
25.もの凄く切なくなる映画。この作品は、生きていれば、誰もが一度は考えてしまうであろう「自分の人生って一体・・・。この取るに足りなさよ。なぜ生きているのか、自分!」という答えのない問いにまともに向き合っているのです。本作なりの答えはラストに集約されています。結局、この問いに対して自分なりに答えを見つけられるのは「死」を目前にした時でしかないのかも知れません。ヒッチハイクしたトラックの中から、追い抜かれたトラックの荷台で亡きお父さんと愛する姉アリスが陽気なシャンソン『ブン』を演奏する幻を見るシーンで涙がジワッと来ます。人生とは、愛するものとの別れの連続、虚無感との葛藤の日々・・・。でも、トマにアルフレッドに対する恨みというマグマがあったように、人は何かしら“マグマ”を皆持っているのでしょう。だからこそ過酷そのものの人生をどうにか生きていけるのかも知れません。とはいえトマのマグマは実は恨みというネガではなく、アリスへの愛というポジだった、というのがこの作品のキモです。これぞ映画にする意味のある素晴らしい作品。
すねこすりさん [ビデオ(字幕)] 9点(2009-11-16 11:41:48)
👍 3
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24. 「暗い話だなぁ、重い話だなぁ、息苦しい話だなぁ……」とずっと思いながら観ていて、最後の最後にひっくり返った感じ。
 あんまり言うとアレだけど、小道具やシャレード、セリフのやりとりだけでわかる人間関係。突っ込みどころを言わせないほど衝撃的で素晴らしいシナリオ。
 映画監督のタナダユキさんが本作に影響受けたという話しは十分納得できます。
クロエさん [ビデオ(字幕)] 9点(2009-10-17 23:07:26)
23.ネタバレ 主人公トマは、向かいに住む金持ちの息子で同じ日に生まれたアルフレッドと自分は産院の火事で取り違えられてしまったのだ、と固く信じている。あらかじめ奪われた人生。そんな子どもの頃に思い描く貴種流離譚はつまり自分の置かれた環境や劣等感から逃避する手段としての夢物語であるが、そうした空想にふけるのは決して不遇な子どもに限ったことではないだろう。事実、トマの子ども時代は、愛する家族に囲まれて、彼の人生で唯一輝いていた時代でもあるのだ。にもかかわらずトマとしての自分の人生を否定し、アルフレッドへの羨望やトト・ザ・ヒーローへの憧憬をいつまでも捨て去れなかったことに、トマの不幸はある。この映画がすごいのは、子ども時代の空想やトマの姉アリスの美しい思い出に囚われつづけるそんな人生を、トマと相対するはずのアルフレッドにも等しく課してしまう点だ。終盤、老人となったアルフレッドが同じく老人となったトマに語る一言は、トマがアルフレッドだったようにアルフレッドもまたトマであったことを意味している。自ら創り出した空想が真実をも呑み込んでしまった時、きちんと与えられていたはずの本物の人生を、まがいものの人生として共に生きざるをえなかった2人。それを踏まえて行動するトマの最期は、ややもすれば被害妄想を貫きとおしたようにも見える。しかしそれは違う。自分の人生を一から否定しつづけてきたその思い込みの間違いに、彼は気づいている。彼がすべきは、真実を否定することでも人生を嘆くことでもなく、自分の手で台無しにしてしまった人生そのものをそれでもありのままに受け入れ肯定すること。アルフレッドとなって死んだトマだが、そうすることで彼はアルフレッドの人生ではなく、アルフレッドになりたかったトマとしての人生を見事に生ききったのだ。間違いだらけであっても灰色であってもそれでもすばらしい、彼の本物の人生を。灰となって空を飛ぶトマの笑い声はだからこそ底抜けに陽気で、そして人生賛歌のように薔薇色の世界に燦々と降りそそぐ。ぼくの人生はこんなにもすばらしいぞ、と。こんな思いがけないラストを用意してくれたジャコ・ヴァン・ドルマル監督に心から拍手を送りたい。
BOWWOWさん [映画館(字幕)] 9点(2009-07-23 22:01:11)
👍 3
22.主人公トマは過去を引きずり、憧れ、想い出だけに生きているような男で、憧れのヒーロー・トトのように、自分を上手くコントロールできないでいる。しかしその彼も、ラスト、自らの死によりやっと人生の方向性を見つけたことで、天空から笑い続ける。悲劇的な話ではあるけれど、鼻歌まじりに語っている、その軽快さが見事であり、又、この作品の身上でもある。人生を台無しにした男であっても、最後に正しく生き終えることができるという教訓が引き出せて、これは正に素晴らしい敗者の物語と言える。
ドラえもんさん 9点(2001-03-10 23:47:26)
21.最初はサスペンスかなと思ったけど、明るく楽しげな主題歌が重い空気を吹き飛ばしてくれた。姉のアリスがかわいい、いや魅力的。主人公のトマが何もなかった人生と言っている割にはいろいろあっておもしろかった。ピストルを構えているにしては、ファンタジックで、爽快感がある。
ESPERANZAさん [DVD(字幕)] 8点(2013-04-12 06:36:58)
20.ネタバレ 最初みはじめたとき駄作か?っておもったけどラストまで不思議な感覚でみてしまった。なんだろう。感情が複雑だけどどう表現していいかわからないけど面白い。ラストもうまい。
とまさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-01-21 14:42:49)
19.ネタバレ 姉を追いかけ続け、アルフレッドに奪われ、憎み続けてきた長いだけのこの人生。当のアルフレッドにさえ、幸せの欠片も見当たらず、もはやただのおじいさんでしかない。何で生きていたのだろう、おれの人生には何もなかったのに何で生きてきたのだろう。音楽が流れ始める。追い越していったトラックの荷台ではパパとアリスがあの頃のまま陽気な歌を歌っている。100%の楽しさで。100%の幸せで。。。トマは最後まで追いかけ続けた、あるいは最後になって自分の手で自分を取り戻した。ファンタジーであるが現実味に溢れ、コメディであるが胸に迫る。人生は愚か者の語る物語―響きと怒りにみちて―意味など何もない
stroheimさん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-15 02:13:12)
👍 1
18.子供ながら姉のアリスに熱い愛を抱き、嫉妬し、そして大人のように情熱的な恋をしたトマ。僕は彼に感情移入は出来なかった。でも彼の人生には感動した。父を失い、母が崩れ、さらには愛する姉アリスを失ったトマ。本当なら他人である一家を心から愛し、逆に本当なら家族である一家を憎んだ。そして、アルフレッドに怒りは向かい、復讐を誓った。胸が張り裂けそうなほど切ないトマの人生。でもその切なさは灰となり、青空にちったトマと一緒に僕の心から消えて行った。僕にとってトマはヒーローだ。
ボビーさん 8点(2004-09-15 18:03:45)
👍 1
17.苦いお話なんだけど人間に対する愛があるからかな、あとあじが悪くなかった。それと、この映画の本編より印象に残っているのは、公開当時、竹中直人が本作を絶賛していたこと。彼に、こんな味わいの日本映画を撮ってもらいたいなあ・・難しいとは思うけど。

おばちゃんさん 8点(2004-07-04 20:16:45)
16.復讐心に燃える老人を描いた現代、姉に似た女性に恋をする成年期、いじめられた幼少期、さらに妄想シーンとかなり複雑に話は展開するが、ごちゃごちゃした感じは受けない。それに使い分けが巧みで、終始好奇心をくすぐられる。成年期での姉によく似た女性を追いかけるシーンと幼少期へのリンクのように繋がり部分を、しっかり描かれているため混乱せずに見られる。監督の演出の素晴らしさが光る作品だ。そしてラストの上空からの見下ろすシーン、高らかな笑い声、父親が歌ってくれた陽気な音楽、彼の一生は陽気に終わることで意義が生まれる。
ゆたKINGさん 8点(2003-04-07 17:22:48)
15.ネタバレ 大切なものすべてを失っていったトマの人生は悲惨に見える。
すべてをアルフレッドのせいにして憎悪を募らせていたが、エヴリーヌと幸せになるチャンスはあったのに。
冒頭の死体で主人公の殺人をサスペンスタッチで臭わせておいて、現在・過去・空想の間を行き来しながら予想外の展開へと運んでいく構成はなかなかお見事。
何の価値も見出せなかった人生が最後に意味のあるものへ、否定から肯定へと反転したラストは、明るい音楽とともに余韻が残る。
一度きりの人生、できればもっと早く気付けば良かったんだろうけど、後悔だけで終わらなかったのが救いか。
未熟で不器用で愚かな生き方をしていたトマが切なく、ちょっと愛おしい気持ちにさえなる。
身代わりで撃たれることが人生の肯定につながるのは、うまく騙されているような気がしないでもないが、不思議と気に留めてしまう作品。
自分自身の人生について振り返ってしまうからだろうか。
ブン♪
飛鳥さん [DVD(字幕)] 7点(2014-03-07 05:42:49)
👍 1
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 34人
平均点数 7.47点
000.00%
112.94%
200.00%
312.94%
425.88%
512.94%
6411.76%
7617.65%
8617.65%
9720.59%
10617.65%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.33点 Review3人
2 ストーリー評価 6.25点 Review4人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review3人
4 音楽評価 6.00点 Review3人
5 感泣評価 5.75点 Review4人

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