映画『英国王のスピーチ』の口コミ・レビュー

英国王のスピーチ

[エイコクオウノスピーチ]
The King's Speech
2010年上映時間:118分
平均点:6.65 / 10(Review 156人) (点数分布表示)
公開開始日(2011-02-26)
公開終了日(2011-09-02)
ドラマ伝記もの
新規登録(2010-12-12)【rothschild】さん
タイトル情報更新(2020-09-22)【S&S】さん
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監督トム・フーパー〔監督〕
キャストコリン・ファース(男優)ジョージ6世/バーティ
ジェフリー・ラッシュ(男優)ライオネル・ローグ
ヘレナ・ボナム=カーター(女優)エリザベス
ガイ・ピアース(男優)エドワード8世/デイヴィッド
ティモシー・スポール(男優)ウィンストン・チャーチル
デレク・ジャコビ(男優)大司教コスモ・ラング
イヴ・ベスト(女優)ウォリス・シンプソン
マイケル・ガンボン(男優)ジョージ5世
ジェニファー・イーリー(女優)ローグ夫人
クレア・ブルーム(女優)メアリー皇太后
アンソニー・アンドリュース[男優](男優)ボールドウィン首相
堀内賢雄ジョージ6世/バーティ(日本語吹き替え版)
壤晴彦ライオネル・ローグ(日本語吹き替え版)
佐々木優子エリザベス(日本語吹き替え版)
宮本充エドワード8世/デイヴィッド(日本語吹き替え版)
糸博大司教コスモ・ラング(日本語吹き替え版)
宝亀克寿ウィンストン・チャーチル(日本語吹き替え版)
山根舞エリザベス2世(日本語吹き替え版)
浦山迅(日本語吹き替え版)
脚本デヴィッド・サイドラー[脚本]
音楽アレクサンドル・デスプラ
作曲ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト歌劇「フィガロの結婚」序曲/クラリネット協奏曲イ長調
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン交響曲第7番イ長調第2楽章/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ヨハネス・ブラームスドイツ・レクイエム
編曲アレクサンドル・デスプラ
撮影ダニー・コーエン[撮影]
ザック・ニコルソン(カメラ・オペレーター)
製作総指揮ジェフリー・ラッシュ
ハーヴェイ・ワインスタイン
ボブ・ワインスタイン
配給ギャガ
美術イヴ・スチュワート(プロダクション・デザイン)
ジュディ・ファー[美術](セット装飾)
衣装ジェニー・ビーヴァン
編集タリク・アンウォー
字幕翻訳松浦美奈
その他アレクサンドル・デスプラ(指揮)
あらすじ
現イギリス女王エリザベス2世の父君、ヨーク公(コリン・ファース)は、幼い頃から吃音障害に悩まされていた。夫の苦悩を見かねた妻エリザベス(H・ポナム=カーター)は、オーストラリア人の言語矯正専門家(J・ラッシュ)を探し、型破りな独自の治療法が始まる。折りしも父王の薨去、兄王エドワード8世(ガイ・ピアース)は女性問題で退位を表明。意に染まぬ王位が彼に巡って来る。迫り来る第二次大戦への不穏な時代の流れの中、イギリス国民は王の力強い「スピーチ」を求めていた・・・。2010年度米アカデミー賞主要4部門を制覇。
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💬口コミ一覧

156.ネタバレ 王室に生まれたものの宿命。
人々の注目、視線。
見られる者の切なさが、素晴らしいカメラワークで淡々と描かれていきます。
カメラと人物の距離が実に良い。
ヨーク公が不幸な場面でもカメラは視線を外そうとせず、じっと見続けます。
最初は他人事のように見ている私が、次第に物語にはまって行きます。
あたかも隣ではらはら心配して見ている錯覚におちいります。

そしてカメラは国民も忠実に映し出します。
スピーチに期待し、しかし落胆であったりあきらめであったり、庶民の素直な感想もしっかりと伝えます。

今だったら録音して再生という手が使えますが、そのころは大変だったのだなと。
しかし逃げられないからこそ、成し遂げられ充実したのかもしれない。
王の誠実な人柄と、先生や夫人の素晴らしい助力によって、ここまでやりとげられたこと。
静かにじわじわと、私の心をしっかりとつかみました。

ジョージ6世は素晴らしい王であったと知ることが出来ました。
もういちど見直したい秀作。
たんぽぽさん [CS・衛星(字幕)] 10点(2014-10-13 16:44:21)
155.内容と比べ重苦しさをほとんど感じさせないのでとても見やすく、そのことにより逆に最後のスピーチでの緊張感をより高めることにも成功していて映画としての締まりもよく鑑賞後十分な満足感を得られました。飛びぬけた所があるわけではないですが、とてもバランスのとれた上質な映画です。
映画大好きっ子さん [DVD(吹替)] 9点(2012-11-06 11:47:00)
👍 1
154.ふたりの友情物語と世界情勢の激動がリンクする展開に感動しました。
このシナリオを思い付いた脚本家は天才としか言い様がない。
テーマが吃音症ということもあってか、とても言葉を大切にした作品に仕上がってると思います。
コミカルな言葉遊びと戦争の恐怖が裏腹なコントラストを描き出していて、治療のモチベーションを掻き立てている。
深刻に成り過ぎず、それでいて重要性も感じられる絶妙なバランスで、それは治療の為のバランスでありつつ、シナリオの面白味のバランスでもあるように感じられました。
困難を乗り越えようとするバーティの姿勢は尊敬に値するし、それを支えたライオネルの人間性にも惹かれます。
あと、冒頭で爵位をバカにしてた割には、ちゃっかり爵位を要求するお茶目さも好きです。
そして、やっぱりクライマックスの演説が最高に盛り上がります。
僕は英国民じゃないけど、思わず拍手してしまいましたよ。
名作です。
もとやさん [DVD(吹替)] 9点(2012-04-23 17:40:31)
👍 1
153.ネタバレ 最後のスピーチへと続く、物語の構成がすばらしい。見終わったとはとても爽快。対等に話しながら「あなたはすばらしい王になる」と尊敬をもって接している距離感が心地いい。それにしてもみんな演技うまい。特にエリザベスが良かった。これ吹き替え版どうなんだろ?ものすごく技術いるよね・・・
ラグさん [DVD(字幕)] 9点(2012-03-29 00:56:19)
👍 1
152.ネタバレ ここ何年もの間、どれもこれも私には受け付けない映画きりアカデミー賞作品賞に選ばれている。大勢の人間が殺されたり、病死したり、凄い映像だけで中身スカスカの超大作ばかりを選ぶアカデミー賞にはうんざりさられぱなしである。果たして今回は?やっとまともに受け入れられる映画に出逢った。題材そのものは最近のアカデミー賞受賞作品の中では地味である。お金もかけていないであろう!しかし、映画は金さえかければ良いというものではない。素晴らしい脚本と素晴らしい役者達の演技が凌ぎをけずれば例え地味でも素晴らしい映画は撮れるというお手本のようにこの映画は脚本もしっかりしていれば役者の演技も素晴らしい。吃音に悩まされ、好きでもないのに国王にならざるを得ないジョージ6世を演じてるコリン・ファースとそれを支える素晴らしき妻を演じているヘレナ・ボナム=カーター、更にはジョージを励まし、応援し続けるローグ(ジェフリー・ラッシュ)の三人が演説の為の練習をする場面のちょっとした笑い、国王へとなったジョージのスピーチを緊張をほぐそうと眼の前で聞きながら優しく手伝うローグの姿に感動しました。感動したと言えば私が一番感動したのは妻のジョージからの二度のプロポーズを断った理由と受け入れた理由を話す場面、政治家の妻となることよりも吃音のことに対する言葉の美しさ、吃音というものを否定しない。それ所か全て受け入れて一緒になることを選んだ事の素晴らしさ、人は色んな人に支えられながら生きている。それを見事に描ききって見せたこの映画に作品賞を与えたことが私は本当に嬉しい。これからもこういう人間の持つ素晴らしさを描く作品、大人の映画に出逢えることを期待したい。
青観さん [映画館(字幕)] 9点(2011-04-10 14:28:35)
👍 2
151.ネタバレ 「ある特殊な出自の人物が、徐々に人間らしさを取り戻す物語」と私には思えました。4文字語の連発シーンでは、不謹慎ながらも爆笑。『素の自分』への裏付けあってこそ、君主が務まるわけですね。コーギー可愛かったので9点。
gatto_grassoさん [映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2011-03-07 19:35:20)
150.バーティとライオネル(敢えてこう呼ぼう)が2人っきりで部屋の中にいる。2人の関係に常に一定の距離感と緊張感を持たせつつも、台詞の中に込められたユーモアのセンスが素晴らしく、1シリング硬貨やプラモデルといった小道具の使い方も巧く、実に味わいのある笑いを生み出します。この緊張感と可笑しさのバランスが絶妙でした。この2人を演じるコリン・ファースの感動的な名演技は言うまでもなく、ジェフリー・ラッシュもまた賞賛されるべき素晴らしい演技でした。

初めて2人が出会った時の距離感のある関係から、その距離感を少しずつ詰めていく過程が、感動の味付けや音楽や演出は抑え気味ながらもユーモアを交えながら丁寧に積み重ねられていき、最後は実にいい感動があります。演じる2人の繊細かつ可笑しさのある演技も充分に堪能できます。

この2人のそれぞれの家族の関係とその温かみのある描き方にも家族の素晴らしさを十分に感じさせてくれるし、王である夫を支える妻を演じたヘレナ・ボナム=カーターも見事な好演でした。本作のように地味ながらもいい映画が本年度アカデミー賞の重要な4部門(作品・監督・脚本・主演男優賞)を受賞したことをとても嬉しく思います。
とらやさん [映画館(字幕)] 9点(2011-03-01 20:48:20)
👍 2
149.ネタバレ ジョージ6世はイングランドでWW2を語る上で、避けては通れない人物の1人です。彼が非常に苦悩したと言われる吃音をテーマにして、これほどの凄い映画が出来るとは思いませんでした。正直、もうちょっと吃音を直す努力のシーンが中心になると思っていたのですが、そうしなかったことで、ジョージ6世の王位に就くまでの苦悩と絶望感が見ているあたしには、ひしひしと伝わってきました。特に凄いなとあたしが思ったのは彼が英国王となる事が決まり、際に二人の娘を抱こうとした時に二人の娘が貴婦人の礼をしてみせた瞬間でしょうか。これは辛いよね、あたしは王妃の前で無く彼よりも、ここのシーンで泣けてしまいました。この場面が彼の望まざるべくして英国王になってしまった彼を絶望の縁に追いやった瞬間だったと思うからね。それ故なんだろうけど、ラストのスピーチは圧巻でしたね。王が吃音者であるというのが判っているからこそ、それまでの苦悩する彼の姿とそれでも敢然と立ち向かう姿をだぶらせ、あのスピーチだけで緊張と感動があるんだよね。そしてスピーチが終わって、もう一度感動できるのは、それまで対等の立場で接してきたジョージ6世とローグが愛称ではなく、名前で呼ぶことで王と臣民としての立場を明確にし、同時に二人の王女に抱擁した所にあったと思います。これは王と、家族の両方の関係を正常に戻せたという事で、これが本当の意味で英国王になった事を示した部分であるからだと感じますね。
奥州亭三景さん [映画館(字幕)] 9点(2011-02-28 12:42:41)
👍 3
148.ネタバレ キレイにバランスのとれた映画でした。風格を漂わせる映像と音楽を基本としつつ、随所に笑いが入って重くなり過ぎず、過不足のないドラマを散りばめて軽くなり過ぎず。身分の違う二人、定められた自分の運命を呪うよりも、呪縛から解放され、そこから自分の人生を歩み出す事が出来るのだと導いてゆく友情物語は、定番ながら流暢な語り口でサラリサラリと心地良く流れてゆきます。ちょっと庶民感覚に寄り過ぎな感じがあるにしても、吃音に象徴された王の孤独が解き放されてゆく過程はやはり感動的。二人の距離感を示すカメラワークなども教科書的(並んで歩いていた二人が離れてピントがボケて霧の中に霞んで、って)ではありますが効果的で。優等生的な役者の演技の魅力も含めて、全てが「やり過ぎず、過不足なく、きちっと作ってます」って映画でした。イギリス映画って事でダンブルドア校長とベラトリクスとワームテールが出ていて、『ハリー・ポッター』との違いっぷりを楽しんだりもして。ベラトリクスとワームテールは他映画でも共演してる事が多いですねぇ。
あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 9点(2011-02-28 08:06:32)
147.巡り巡ってきた望まぬ「王座」に対して、主人公の英国王が、妻にすがり泣く。

吃音症に悩む内気な王が、風変わりな聴覚士の指導と友情により、困難に立ち向かっていく様を描いた映画であるが、個人的なこの映画のハイライトは、このシーンをはじめとする、王とその妻の「夫婦愛」だったように思う。
自分自身に自信が持てない夫を、明るく、行動的に支える妻。その妻を心から愛する英国王の情愛が、具体的な表現で描かれるわけではないけれど、画面から溢れるように伝わってくきて、それで涙が溢れた。

吃音症のためまともにスピーチが出来ない英国王。その改善にあたった風変わりな言語聴覚士。内気な英国王を支える妻。
プロットは王道的であり、ベタだ。ただ、この三者の様を一流の俳優がとてもとても丁寧に演じ、その演技の様を監督がこれまた丁寧に切り取っている。

英国王を演じたコリン・ファースは、気弱だが確固たる責任感と使命感に立ち向かう王の様を、言葉を発する唇の端々まで丁寧に演じていた。
ジェフリー・ラッシュは、相変わらずの独特の存在感が役に合致し、まさに「名優」による「名演」だったと思う。
個人的に最も良かったのは、やはり英国王の妻を演じたヘレナ・ボナム=カーターで、“コルセット・クイーン”の呼称にふさわしく英国貴婦人のたたずまいをベースに敷きながらも、快活で夫への愛に溢れた王妃を好演していた。
この3人の名優の演技を、新鋭の監督が独特の構図で巧みに映し出したと思う。

派手さや驚きはないが、だからこそ映画としてのクオリティー高さが滲み出るように伝わってくる作品だったと思う。
アカデミー賞の「本命」の一つしてふさわしい、良い映画だ。
鉄腕麗人さん [映画館(字幕)] 9点(2011-02-27 10:25:05)
👍 2
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146.ネタバレ 兄エドワード8世の「愛する女性の助力無しに、国王の公務は成し遂げられない」という言葉が非常に切実に感じられた。たとえ相手が王妃にふさわしくない女性であったとしても、彼にとっては、かけがえのない女性だったのだろう。王として、私を捨て去ることを求められ、それを拒む兄と、望まぬ戴冠を国民のために受けようとする弟の苦悩は、「平民」の我々には想像を超えた葛藤なんだろうな。
王と対等な立場での治療にこだわるローグは、たとえ売れない役者でも誇りを持って生きていることを、身をもって王に教えているように感じられた。圧巻は、ウエストミンスター寺院でのリハーサル。ローグの素性を知った王が彼を詐欺師だと糾弾する場面で、王座に座るローグ。
「たかが椅子だ」。
鳥肌が立つ程の緊張感が漂い、二人の名演が光るシーンだった。
余計な説明をしない、品格のある映画だった。
roadster316さん [インターネット(字幕)] 8点(2019-04-06 01:48:52)
👍 1
145.ネタバレ 音響や映像が洗練されていることは勿論なのだが、なにより登場人物の掘り下げ方がよかった。際立つのはローグの持つ温かみ、安心感。表情から発する言葉全てが温かみを持ち、終末シーンのスピーチのときの言葉「私に向かって話してみなさい」がとてもそれを象徴している。同時に、エリザベスやローグ夫人といった女性の登場人物も、それぞれの夫を一番の理解者として支えている姿が涙もの。特に、王位継承直後の自宅のシーンでジョージ6世が書類に目を通しているシーン。それまでに精神的に磨り減ったすえに言ったジョージの言葉"I'm not the king." ここで自分も涙してしまった。その後のエリザベスの寄り添う姿が本当に素敵。また、ジョージとローグが朝に散歩をして口論して別れたシーンの後で、事情を知らないローグ夫人が全てを悟ったかのように適切なアドバイスをローグに与える。このシーンでも同時に夫を支える夫人の器の大きさに感動した。言語障害(どもり)がテーマの1つになった映画だが、その症状を通して見る者にこれだけの愛を伝えてくれた映画。
カジノ愛さん [DVD(字幕)] 8点(2015-06-28 03:00:03)
👍 1
144.ネタバレ 英国王室が舞台・・・堅苦しくて脇役が誰がだれなんだか混乱するかなと思っていたんですが、全くそういうことはなく、とても観やすく馴染みやすい作品です。
風景やセット、カメラもイギリス映画のそれで、無駄な派手さや演出が無くて良いです。
そのままエリザベス1世時代が舞台になってもOKなキャスト、ウォルシンガムもいるしね。
コリン・ファースはイングランド人だし、上品な顔立ちが貴族的で国王役にぴったりです。元々イギリス文芸物、コスチューム物には欠かせない俳優さんですね、ほんとブリティッシュジェントルマンというイメージにぴったりです、声もイイ。
大英帝国の衰退、ナチス、戦争、そういったものが背景にはあるものの、ジョージ6世の成長とローグとの信頼関係と友情の成り立ちが中心なので後味も良いです。
「アナザー・カントリー」から気にかけていたコリン・ファース、TVシリーズ「高慢と偏見」のミスター・ダーシー役でイギリスで最もセクシーな男と認められ、「ブリジット・ジョーンズの日記」のマーク・ダーシー役から俄然目立ってきた、そしてイギリス作品のイギリス国王役でオスカー主演俳優受賞となりました、なんかドラマチックです。
ローグの奥さん役、なんとなく見覚えがあると思ったら「高慢と偏見」のエリザベスじゃないですかぁ、ミスター・ダーシーとめでたく結婚する。イギリスではコリン・ファース=ミスター・ダーシーというのが相当根強いと見た。
しかしなんですね、時代物はあっちもこっちもみんなエリザベスで、男はジョージかヘンリーでここんとこが混乱の素です。
envyさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-11-20 11:43:07)
👍 1
143.ネタバレ  猫は、いい。するすると人が行き交う中から、ちょっとした植え込みへ座る場所を変えて、寝転ぶ。時々はニャーとかなんとかないて、人を呼びつけたかと思うとやっぱりどうでも良くなってまたするする逃げる。
 彼らは自由だ。ものすごく。毛皮を着ていても風に吹かれれば寒がるし、冷房の空気が流れ込むところを見つければ、それに人が気がつく頃には先に寝転んでいる。この失礼極まりない、だれにも媚びない彼らが一つニャーニャー泣き叫んで欲しがる物がある。

 カリカリだ。フリスキーだ。キャラットもウマい。

 欲望に忠実すぎて、餌の前では全くの囚人でありながら、ぐるぐるならす喉と出し過ぎなくらいの腹から見ても間違いないくらい満足しているのだろう。

 ジョージ六世は、割と自由だ。囚人のようでいて、自分を伸ばし可能性を広げるチャンスを生かす自由を選ぶことが出来た。時々ローグのしつけからするする逃げ出してしまう彼だが、ローグのやり方だってまずい時もある。
 でも、彼らの関係は時折、猫と人の様に対等以上で、なびかない猫を見た人間が手の打ちようの無さに落胆を隠せない時のようなことだってある。
 それに、猫のように気高いジョージは、ただの人であるローグに容赦ない尊大な態度を取る。それでいいんですよ、とローグは説明するがジョージは高貴な生まれを巧妙に使いつつもそれに迷う。

 だけど、お互いがまた存在を確かめ合うときっとお互いに、
「ありがとう」
 って言うんだろう。ジョージがウンコファックと絶叫したあの時間の中に、くくりを超えた熱があった。うっすら光り始めた何かはその時消えてしまったけど、それでも彼らはズンズン前に進んでいった。
黒猫クックさん [地上波(吹替)] 8点(2014-02-28 13:14:10)
142.王室継承とか戦争スピーチなどは好きではないが、伝記物映画としてはなかなかの感動ものだった。吃音症の国王役コリン・ファースはもとより、治療に当たった言語療法士のジェフリー・ラッシュが良い味を出していたし、支えになった王妃役のヘレナ・ボナム=カーターもまた良い。演技達者な俳優陣が揃って良い映画になっていたと思う。
ESPERANZAさん [DVD(字幕)] 8点(2014-02-05 08:28:50)
👍 1
141.ネタバレ 史実として観るのか、それとも、エンターテイメントに振ったモノとして観るのか、、、そこらへんは評価の分かれるところかと思います。少なくとも、「王室」の壁を越え、一友人として国王に仕え、支えた気持ちは十分に理解できたかと。ラストのスピーチへ持っていく展開は、ある意味ハラハラドキドキで、重い責任とその責任感を果たせた安堵感は間違いなく共有できたかと、感じています。国家を背負う重圧と一個人としての葛藤を、力演したコリン・ファースは賞受賞にふさわしい。そして、それを支える素晴らしいキャスティングにイギリスの誇りを伝える監督の手腕はお見事でゴザイマシタ
Kanameさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-18 22:24:32)
👍 1
140. もしかすると、テンポがないとか、暗いとか、いろいろ批判もあるかと思います。しかし、一人の人間が欠点を克服していく姿、そしてそれを献身的に助けていく姿は心打たれます。いい映画を見ました。
海牛大夫さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-12-25 17:00:36)
👍 1
139.これぞムービーってな気がいたします。良い意味で。ただし、理解しておきたいのはコレ、既に歴史的認識の高い専門家から事実とはかなり違うと指摘なされているように、私ら客人に向けてかなりエンターテイメントな方向にアレンジ・脚色されているものだという事は知っておくべきでしょうね そう思います。例えば、アルバートの吃音のひどさはかなり誇張されている だとか、例えば、アルバートとライオネルの出会い時期がかなり変更されていた事だとか、アルバートと兄貴:ジョージ5世との関係が実際の関係よりもドラマ性を持たせるために敵対的に描かれていた点だとか、まあ仕方がないとは思えるんですがね エンターテイメントムービーなんで。ただし、その辺、歴史的作品という括りでお取り扱いされる事が予想された以上、フィクション or ノンフィクションという在り来たりの表示だけではなく〝この物語は事実とはかなり異なりますと〟という表示をきちんと万人に分からせる必要があったのではないのかな なんて思ってみたりしています。
3737さん [インターネット(字幕)] 8点(2012-12-07 21:22:30)
👍 1
138.ネタバレ 王族の話、しかも実在したジョージ六世の伝記映画と聞くと平民には分かりにくそうな話の気がしますが、実際に観てみるとストーリーが一種の主人公の成長物語となっており非常にオーソドックスなお話で大変面白かったです。なんせ主人公のジョージ六世は吃音症に悩まされながらも、あの歴史上でスピーチの天才の一人に数えられるであろうヒトラーに打ち勝たなければいけないんですから。そうでないと国民の士気はどんどん下がり、戦争にも不利になってしまう。そんな吃音症を患うジョージ六世をコリン・ファースが熱演、アカデミー賞受賞に恥じない名演技でした。また個人的には彼の吃りを治療するローグを演じた名優ジェフリー・ラッシュのいつも人を食った様な演技が素晴らしかったと思います。彼がアカデミー賞を獲れなかったのは非常に残念です(調べてみたら獲ったのは『ザ・ファイター』のクリスチャン・ベールだったんですね。ものすごいレベルの高い助演男優賞争いだったんだんですねえ)。とにかくその位、役者の演技が魅力の作品でした。では演劇的なシーンばかりかというとそんなことは無く、広角レンズで下から撮ったり、吹き抜けの家を真上から映したり、ジョージ六世が踊りながらスピーチの練習をするシーンはカメラも一緒に回ったり。カメラの面白さの極致はハイライトとなるスピーチの場面。ジョージ六世とローグを交互に映しながらスピーチは進みますが、殆どの画面には必ずスピーチの象徴であるマイクが画面前面に写り込んでいる。つまりこの場面は必然的にテイクをバラバラに撮ったことになりますが、全くそんな編集を感じさせないスピーチになっていました。凡庸な監督なら一つのセンテンスを纏めて適当にパンでもしながら撮っちゃいそうなものです。そんな風に画面の動きを楽しめる部分も多く、監督賞をトム・フーパーが獲ったのも納得でした。監督としてはまだ年齢では中堅ですのに、これだけの名優のコントロール、カメラワークの面白さ、効果的な音楽の使い方。次回作の『レ・ミゼラブル』への期待が高まります。
民朗さん [DVD(字幕)] 8点(2012-11-23 19:31:22)
👍 2
137.ネタバレ “王”たる者にとって周囲の人間とは「臣民」・「臣下」それに「家族」の三通りしかいないのではなかろうか。「友人」は存在し得ない。神から遣わされた絶対君主に、対等な相手など認められないのだから。しかし時は20世紀、キングであっても平民のドクターに力を借りなければならない時代なのだった。「友人」という前例の無い関係を築くにあたって、それはそれは骨の折れる精神作業だったことでしょうなあ。王にとってもローグにとっても。王族の生まれとはいえ、そこは人間、けっこうなかんしゃく持ちだったり、突如迫ってきた王座のプレッシャーに耐えられなかったり、コリン・ファース演じるジョージ6世はしごく生々しい人間くささをあらわして、畏れ多くも共感できる。妻を相手に「重大な間違いだ。私は王なんかじゃない。」と弱音をぼろぼろこぼすジョージ6世。ああ、弱いところを見せられる相手がいて良かったなあ、と思った。その王妃を演じるヘレナがまた上手い。背中まわりの肉付きのよさにトシを感じてしまうけれど、それがまた王妃たる貫禄になってもいる。ラストのスピーチにはまんまとほろりとさせられた。一言一言、王様が単語を発するたび、次を促すべくローグとともにリズムをとる自分がいた。それにしても、これから戦争だという緊張のほかに、王のスピーチのつつがなきことをも祈らなきゃならなかった関係者各位の気苦労を思うと・・大変だったろうなあ。
tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-06-12 00:05:12)
👍 1
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【点数情報】

Review人数 156人
平均点数 6.65点
000.00%
110.64%
200.00%
310.64%
474.49%
52214.10%
63119.87%
75333.97%
83119.87%
995.77%
1010.64%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.72点 Review11人
2 ストーリー評価 6.64点 Review14人
3 鑑賞後の後味 7.07点 Review14人
4 音楽評価 6.66点 Review12人
5 感泣評価 5.58点 Review12人

【アカデミー賞 情報】

2010年 83回
作品賞 受賞 
主演男優賞コリン・ファース受賞 
助演男優賞ジェフリー・ラッシュ候補(ノミネート) 
助演女優賞ヘレナ・ボナム=カーター候補(ノミネート) 
監督賞トム・フーパー〔監督〕受賞 
脚本賞デヴィッド・サイドラー[脚本]受賞 
撮影賞ダニー・コーエン[撮影]候補(ノミネート) 
作曲賞(ドラマ)アレクサンドル・デスプラ候補(ノミネート) 
音響賞 候補(ノミネート) 
美術賞ジュディ・ファー[美術]候補(ノミネート) 
美術賞イヴ・スチュワート候補(ノミネート) 
衣装デザイン賞ジェニー・ビーヴァン候補(ノミネート) 
編集賞タリク・アンウォー候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2010年 68回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)コリン・ファース受賞 
助演女優賞ヘレナ・ボナム=カーター候補(ノミネート) 
助演男優賞ジェフリー・ラッシュ候補(ノミネート) 
監督賞トム・フーパー〔監督〕候補(ノミネート) 
脚本賞デヴィッド・サイドラー[脚本]候補(ノミネート) 
作曲賞アレクサンドル・デスプラ候補(ノミネート) 

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