映画『ヒミズ』の口コミ・レビュー

ヒミズ

[ヒミズ]
Himizu
2011年上映時間:129分
平均点:6.17 / 10(Review 52人) (点数分布表示)
公開開始日(2012-01-14)
ドラマ漫画の映画化
新規登録(2011-12-29)【ボビー】さん
タイトル情報更新(2016-03-03)【DAIMETAL】さん
Amazonにて検索Googleにて検索Yahooにて検索
Twitterにて検索
ブログに映画情報を貼り付け
監督園子温
演出坂口拓(アクション監督)
キャスト染谷将太(男優)住田祐一
二階堂ふみ(女優)茶沢景子
渡辺哲(男優)夜野正造
光石研(男優)住田の父
諏訪太朗(男優)まーくん
吹越満(男優)田村圭太
モト冬樹(男優)てつ
堀部圭亮(男優)茶沢の父
でんでん(男優)金子
村上淳(男優)谷村
窪塚洋介(男優)テル彦
神楽坂恵(女優)田村圭子
渡辺真起子(女優)住田の母
黒沢あすか(女優)茶沢の母
吉高由里子(女優)ミキ
鈴木杏(女優)ウェイトレス
手塚とおる(男優)怪しい男
清水優(男優)
新井浩文(男優)シュウ
遠藤雄弥(男優)
深水元基(男優)
矢柴俊博(男優)
木野花(女優)
斎藤嘉樹(男優)
原作古谷実「ヒミズ」(ヤングマガジンコミックス)
脚本園子温
撮影谷川創平
製作ギャガ
講談社
配給ギャガ
編集伊藤潤一
録音深田晃
照明金子康博
あらすじ
母親から虐待を受けていた茶沢は、自分と同じ境遇の住田に共感を持つ。徐々に破滅へと突き進む住田に対して、茶沢は何とか彼を助けたいと願う。しかし住田はどんどん闇の世界へと落ちていく。果たして2人の運命は・・
スポンサーリンク

💬口コミ一覧

52.ネタバレ 役者達の演技はとても良く、演出にしても緊張感を持たせた中に非常に細かく日常の動作を捉えたものもある。暴力描写もイタタタ。。。という感じで良い。殺人を犯すまでの緊張感は抜群だが、後半はそんな不穏な空気が緩んでしまってなんだかどうでも良い感じ。主人公を取り巻く壮絶な環境が例の父殺しを機にある程度落ち着き(?)、主人公の内面にフォーカスした自分探しのパートになると急に漂い始めるのが、「何甘えてんだこのガキ」的な発想。そうなると結末もどうでも良くなってきてしまう。後半は茶沢さんでもった様なもんかな。窪塚のぶっ飛んだ演技も相変わらず存在感ありでした。原作未読です。
HIRABAYASHIさん [映画館(邦画)] 6点(2012-01-15 14:25:52)
51.ネタバレ 私はやはりこの作品も”愛のむきだし”超えではないなあ、と思いました。、、、うーーーん!?しょっぱなで、東北大震災被災地ロケ!しかも、俳優がいて、洗濯機をもってきて、キャメラまわしてる時点で、訳が解らなくなりました。こんなことは、やるべきではなかった!と個人的には思いました。
それと、脚本というか、脚色というか、なんか、大ざっぱな感じはしました。また、常連俳優達のコミュニテーみたいなものが、多少、ハナについたの、デスガ!、ちょっとみかたをかえると、あのおおげさな芝居などみると、なにか、フェリーニの”道化師たち”“とある比喩”みたいな存在理由みたいで、よく考えてみると、なかなか、面白い!それと、”川に沈んだ廃屋!”ね!これはきれいだったしすばらしい映像。
でも、とは言え、ひつこくも繰り返しになりますが、わたしは震災被災者ではないですし、同時に、わたし自身は、この作品のあくまでも”受け手”であり、”傍観者”であるので、どんな形にせよ、このような作品を撮り上げ、世の中に発表された、監督はじめスタッフの方々にはものすごい敬意を感じるし、称賛に値すると、わたし自身は思います。他にはない種類の、毎回、非常にたのしみな表現者であることに変わりないですし。(これのテーマの肉親親子、動物同士のどうしようもないフリクション。サガ。自分自身をコントロールできなくなる恐怖、を表現されていることを含めて。)ヒトのこころの深淵とか、モラルとか愛とか、目に見えないナニカを鋭く、抉っている!!!
男ザンパノさん [映画館(邦画)] 6点(2012-01-22 01:46:31)
50.ネタバレ 圧倒された!これは映画館で観るべき映画。明るい部屋で、明るい画面で観ないほうがいい。しかも、トイレに行かず一気に見るべし。そして、画面の中の強い風、雨、津波を思わせる重低音を体で体験することが、あのラストの「叫び」をよりリアルに受け止めることになるだろう。 絶望して死を選ぶことは、ある意味で簡単だし、客観的に説明もつく。でも、不条理の中で生き続けることは楽ではない、全くしんどいこと。そこには理屈なんかないし、そんなものはいらない。あの教師の語った空しい言葉たち(「お前はたった一つの花なんだ」とか「ガンバレ!」)が、ラスト、全く違う光の中で激しく、熱く、台風のように迫って来るとは!! ラストのラスト、あの瓦礫の光景にこだまする叫びは、不条理の中を生きようとするすべての者に対する、絶望を知った者からのエールだ。二階堂ふみが本当にスゴイ。今年、これを超えられる邦画は出るか?
ワンス・モアさん [映画館(邦画)] 10点(2012-01-23 01:06:20)
49.ネタバレ 去年の12月、早稲田大学の某自主映画祭で、学生が監督した「砂の島」という中編作品を鑑賞した。311を受けて一から脚本を作ったというその作品では、その災害を受けて変容してしまった人々の心の動きや生活がリアルに描かれ、深く胸を討たれる作品に仕上がっていた。それに比べ、「ヒミズ」のなんと“取ってつけた”ことか! 大体、一人の中学生の個人的なレベルの悩みと、被災地の映像を“がんばれ住田”で結ぶことなど、あんまりではないか。監督が真摯に取り組んだつもりでも、こうも随所で物語の“取ってつけた感”が出てしまっては、嫌な感じしか残らない。所詮、テーマに中途半端に取り組んだ作品は、そこに真っ向から勝負した作品に敵うものではないのだ。
しかし、そうした致命的欠陥が存在してもなお、主人公2人を取り巻く過酷な環境を、観客に体感させるように描き出した監督の手腕は評価されるべきであり、物語の輪郭を鮮やかに切り取った染谷将太・二階堂ふみの瑞々しい演技の素晴らしさは言うまでもない。その頭を痺れさせるようなテンションの高さは「ハート・ロッカー」に通じるものがあり、主人公が生きる“戦場”さながらの日常という舞台設定がひしひしと伝わってきた。
j-hitchさん [映画館(邦画)] 6点(2012-01-23 19:47:15)
48.鑑賞してから1日、レビューのためにいろんな言葉を探したが、なかなか思いつかない。たしかに震災の映像に取って付けた感はあるし、園組の同じ顔ぶれで脇を固めるのに多少ウンザリなのは解る、でも観ている間は十分感動している自分がいたし、後味も悪くはなかった。
窪塚の演技は際立ってたし、なんと言っても主役2人の演技が素晴らしい、本当にボコボコに殴ってるんじゃないかと思える演出も、歩行者用の信号機が点滅から赤に変わる時、音をシンクロさせるなど本当にドキドキした。
「今病気なんだよ」と語りかける複数の人たちのそれぞれの気持ちが上手く伝わり、オッサンが「未来なんだよ」という台詞にもグッと来る。
しかし、短かすぎるんじゃないだろうか?この監督、通常のロードショー作品に向きにくい[愛のむきだし]ぐらい時間を十分使って良いと言われたらもっと良いものになった気がしてならない、感動しているのにまだ観たい気持ちが残ったまま映画が終わってしまう悔しさは何なのだろう、ものすごく不思議。
茶沢さんも十分厳しい状況なのに、住田をちゃんと迎えに行けたのだろうか?そのシーンは必要ないけど、暗示ぐらいは欲しかった。とても観る価値のある映画。
カーヴさん [映画館(邦画)] 7点(2012-01-25 10:25:53)
47.ネタバレ "クズ"の定義を巡る物語。主人公の住田は「俺はお前らクズとは違うんだ!立派な大人になるんだよ!」と吠えるが、父親を殺してしまい、通り魔殺人鬼と自分が同価なのを知り絶望する。そしてタクシードライバーのトラヴィスの様に世直しを始める。茶沢さんの言っていう通り、彼はかつての彼が唾を吐き捨てていたクズそのものになってしまっていた。じゃあクズから立ち直るにはどうすればいいのか?こんなゴミ以下の人生でどうやってクズよりマシな生活を送れるのか?そもそもクズって何だ?生活感の程度か、価値観の程度か、道徳観の程度か?河川敷の人々と、闇金業者達と、茶沢さんと、主人公と、その父親と具体的にどう違うのか?まあ色々なことを考えさせられました。今までの園監督のフィルモグラフィーですと、ここで更に突き離す作品が多かったですが、本作は15歳の少年にクズから立ち直る、再生する気力を取り戻すエンディングでホッとしました。だから東日本大震災の被災風景や、夜野さんの「彼は未来なんだ!」という台詞も心を打つ。上記の様なメッセージ性、緊張感を2時間ずっと持続させるエンターテイメント性、個々の役者の素晴らしい狂気スレスレの名演、全てが渾然一体となっていた。
民朗さん [映画館(邦画)] 9点(2012-01-29 20:06:02)
👍 1
46.園は画面、音を埋め尽くす。そこにはまるで空白があって、それをぐちゃぐちゃに絵の具で塗りつぶしているかのようだ。隅田が顔を絵の具で塗るシーンは象徴的だ。気狂いピエロのように爆死せずに済んだのは、勿論裏切らなかった恋人が居るからだ。まるで中学生のようないわゆる「演技」や「言葉」はむしろ清清しい。このオーバーさはいつものことだが、それに巻き込まれるのはもはや心地よい。震災映像は必要ないが、沈みかけた廃屋は会心の画だろう。自慢するかのように何度も出てくる。前作「恋の罪」で示された「肉体を持つ言葉」というテーマがまた繰り返される。教師の空疎な言葉がラストに繰り返される。その言葉がやはり肉体を持つように聞こえるのは、人物の具体の極限まで迫ったからだろう。
Balrogさん [映画館(字幕)] 7点(2012-02-05 23:40:26)
45.ネタバレ 最後死なないって話を聞いていて、それってどうなの?と思っていたがラストの頑張れ!で、ああ、これでいいのかもと思いました。思い返すと原作と違う部分がどれも良かった。時代に合った新しいヒミズでした。(特に印象に残ってるのはおっぱいと太ももです)
長谷川アーリオ・オーリオさん [映画館(邦画)] 7点(2012-02-08 21:42:44)
44.染谷さん、いい顔。二階堂さんもよかった。窪塚洋介氏も良かった。もっと見たいと思った。園監督は、俳優がとても生きている感じがするのが好きです。この映画も、また更なる可能性を見ることができてよかった。 中学教師の時には批判的に描かれていたはずの「花」とか「頑張れ」が、最後に浴びせかけられる。力を持った言葉が、観ている側にもずしりと来る。絶望の底でうごめく住田君と、絶望に身を置きながら住田君を崇拝する茶沢さん。この二人を良く演じきったと思う。 見終わった後、私も一緒に「頑張れ、住田!」といいたくなる。うまくいえないけど、この今という時、愛する人に生きてほしい、という原始的な願いに、共感したのだとおもう。観てて辛いシーンも多いけど、観て良かった。
しゃっくりさん [映画館(邦画)] 8点(2012-02-15 22:43:00)
👍 1
43.これはものすごく好みが分かれる映画だと思います。
園子温監督の作風を知らない方にはかなりキツいんじゃないでしょうか。
登場人物に「普通」の人はほとんどいません。
泥沼にはまり、ことあるごとにむせび、叫びまくる主人公の少年が最もまともと感じるほどです。
その中でもヒロインの女子中学生がかなりエキセントリックで、人によってはどん引きレベルだと思います。
展開もリアリティを追求しておらず、現実的に考えればありえないシーンに辟易してしまう人もいるかもしれません。
そして暴力、暴力、暴力。
この映画には人が殴られるシーンがとにかく多い。
これだけでこの映画が受け入れられない人もいるでしょう。
でもこの映画が自分は大好きです。
何より、この映画のメッセージはかなりストレートで、「どん詰まり」の人生を応援してくれるのです。
主人公の中学生が絶望したとき、彼を追い回すヒロインはなんと言ったのか。
その一言一言が胸に刺さります。
自分が流した涙に驚きました。
この映画で溢れたのは、「悲しい」とも、「嬉しい」とも違う、ひとことでは表現できない感情でした。
結末にも賛否はあると思いますが、自分はこの結末で、本当によかったと思います。
ヒナタカさん [映画館(邦画)] 8点(2012-02-27 01:39:44)
スポンサーリンク
42.ネタバレ ヤクザの子分がよくいるタイプですが、それ以外は全員変わった人のカオス世間の中で主人公も狂っていく。役者はみんな頑張っていましたね。ただ震災にからめる必要はあったかな?
東京ロッキーさん [DVD(邦画)] 4点(2012-07-13 12:57:39)
41.ネタバレ 『冷たい熱帯魚』もそうだったが、園監督の膨大な熱量には驚嘆させられる。前半は物凄い傑作になりそうな予感がしたが、父親殺しから急に展開が尻つぼみに…。こんな親おるかい!と思える(現実にはいるかもしれないが)過剰に〈悪〉な父親を、いとも安直に殺害してしまう軽薄さ。そこから『タクシードライバー』のトラビス・ビックルよろしく〈世直し殺人〉を決意した途端、都合よく主人公の周りで起こる通り魔事件。ヒロインの家庭環境も中途半端に放置。〈自首か自殺か〉なんて、スパイク・リーの『25時』かよ!って、中学生にそんな酷な決断をさせるなよ(震災を絡めているのも無意味)。結局のところ、二階堂ふみのパンチラを拝見できたことが一番良かった。
フライボーイさん [DVD(邦画)] 6点(2012-07-15 07:19:37)
40.本作は登場人物が叫びまくって、とにかくうるさい。メッセージの押し売りみたい。
「冷たい熱帯魚」みたいに、完全に異世界で狂った人がワーワーしてるのは楽しいんだけど・・・。
「園監督はリアルな世界を描くのが苦手なんじゃなかろうか。
震災要素もとりいれ、今回はリアル路線で行くのかなと思いきや、登場人物の叫びっぷりや、唐突に出てくるキ×ガイ達を観ると、「案外いつも通り」と思わされた。その結果、非常にバランスの悪さを感じた。
そんでもって、最終的にいい話みたいにまとめちゃうのも嫌。
地震を扱った以上、絶望だけで終われなくなっちゃったんだろうなぁ。
園さんには、難しい事考えず、吐きたくなるような無邪気で狂った映画を撮ってほしい。
すべからさん [映画館(邦画)] 6点(2012-07-22 11:52:27)
39.ネタバレ 出てくるのはちょっと頭のおかしい人ばかり。
この監督の映画ではこれは絶対的なルールなのか?
要らないと思ってしまうシーンが多いのも相変わらず。
どのシーンも必要なんでしょうけどね。凡人の私にはわからないです。
この監督の映画はこれで3本目だが自分には合わないということが良くわかった。
どうでもいいがこの女の子は宮崎あおいが予算的に使えない場合の代役ができそう。
虎王さん [DVD(邦画)] 5点(2012-07-23 02:31:43)
38.簡単に言うと、出てくるやつら皆頭おかしいし、やたら殴りまくる映画。暴力描写が苦手な人は要注意!しかし、この監督の他の映画を見たことがあり、且つ1つでも気に入ったのがある人なら見て損はなし!キャストが常連組総出演だし、物語もいつものように暗く救いがない。中学生が平気で殺人とか犯すし・・・。てっきりやくざのおっさんがボディを透明にするやり方を教えに来るんじゃないかとワクワクしていたんだが、さすがにそれはなかったか(笑)
ヴレアさん [DVD(邦画)] 8点(2012-08-02 05:40:16)
37.園監督の同年製作の他作品、恋の罪に比べて こちらヒミズ、その宣伝ポスターやDVDパッケージのイメージから、見たいという衝動には一切駆られず このままずっとスルーしようかなって思ってたんですが、ぼちぼち増えてきた他人様のレビュー内容をもとにちょっと心が揺らいでしまってご鑑賞。 
結果は・・・ 結果オーライ。でんでんオーライ。哲オーライ。
恋の罪よりはるかに面白かった。冷たい熱帯魚に似た感じでしたね。
ろくな親いない、兄弟いない、友達いない、そんな殺伐とした環境ながらも日々生き抜く主演の中学生の彼はたくましい。ただし、残念なのは時折女子に手をあげてしまうこと。女をぶってはいかんですよね いかなる時もさ。そこが彼の人物像としてマイナス点となってしまった ちょっと惜しい。
3737さん [DVD(邦画)] 8点(2012-08-05 12:21:05)
36.セリフの感じが演劇的な映画でした。演劇はあまり好きじゃないので、これもあまり好みじゃないです。
紫電さん [ブルーレイ(邦画)] 4点(2012-08-07 21:41:45)
35.ネタバレ 前半はブラック・コメディなタッチ。園子温作品に登場するいつもの面々が出てくると「あ~、おなじみの皆さん出てきた(笑)」みたいな感じで各登場人物のヘンテコさや強引な暴力などがそのまま笑えてくるんだけど、後半は主役の住田君の内面にどんどんと迫っていくような感じでだいぶ身に詰まる思いでしたね~。そりゃあ、あんだけ酷い家庭で育ったのだから、腹が立つし憎いしむかつくのは仕方があるまい。どいつもこいつも、てな気分ですよ。心の底からわき上がる怒り。でも、あれだけ親身に思ってくれる茶沢さんて可愛い子がいるんだから、彼はどん底じゃない。ラストの「住田君がんばれ~!」の連呼とバックに流れる「弦楽のためのアダージョ」は、メッセージとしては凄く直球で胸にきましたね。園子温監督の作品て、いつも救いようの無い感じで終わるのに、この作品は「希望」だった。おそらくは、震災というとてつもない絶望がリアルに起きちゃったもんだから、園子温監督の作品内容も反転したのではないだろうか。そして彼が伝えようとする希望は、思いのほか素晴らしかった。
あろえりーなさん [DVD(邦画)] 7点(2012-08-08 20:47:08)
34.ネタバレ 古谷実による原作は未読。古谷氏といえば『行け!稲中卓球部』の作者として知られていますが、常に楽しいこと、面白いことを要求されるギャグ漫画家は精神を病むことが多いらしく、例に漏れず古谷氏の書く物語も相当病んでいます。『稲中』の次に発表した『僕といっしょ』などはギャグ漫画の体裁をとりながらも家庭崩壊や自殺などのテーマを扱っており、本作『ヒミズ』はそれらをより直球で表現した作品なのだろうと思います。。。
本作に登場するのは不登校児、ホームレス、精神異常者、スリ、ヤクザと普通ではない人たちばかり。世の中に確かに存在してはいるが、私たち"普通の人々"が見ないようにしている人たちです。これらの人々が繰り広げるドラマには何やら圧倒的なパワーがあって、脂の乗り切った園子温監督の手腕を存分に味わうことができました。その一方で、観ている間はこの映画が何を言いたいのかを掴みきれず、物語との共感の接点を見出すことができなかったこともまた事実。監督が東日本大震災のイメージを持ち出した理由もわからず、奇人たちのドラマをただ傍観するのみでした。。。
しかし、ラストシーンでようやく監督の意図が理解できました。犯した罪を償うために警察へ向かう住田に対して、茶沢が叫ぶ「夢を持て!」というセリフ。これは序盤に登場した教師のセリフのリピートなのですが、序盤では空虚に感じたこのセリフが、一転してラストでははっきりとした意味を持ちます。大きな苦痛と苦悩を経て、それでも前へ進もうと決意した者の口から発せられる「夢を持て!」というセリフの、いかに重いことか。これこそが、東日本大震災を経た日本に対して監督が贈ったメッセージだったようです。平時においては毒にも薬にもならないこの励ましが、今の日本には本当に必要とされているのです。。。
演技のレベルは総じて高く、ヴェネチアでの高評価も納得です。ただし、10代の男女がここまでの熱演を披露したことは痛々しくもあります。園子温は役者を徹底的に追い込み、真っ白になったところで役柄を注入するという演出方法をとっているのですが、10代の男女がこの方法でコッテリと絞られたんだと思うと、かなり気の毒な気持ちにさせられます。
ザ・チャンバラさん [DVD(邦画)] 7点(2012-08-14 20:32:30)
👍 1
33.ネタバレ 園子温監督ということでみなくてもいいと思ったのだが、評判は良さそうなのでみた。やはりみなくても良かった。暴力、泥だらけ、汚い、設定、ストーリーがめちゃくちゃ。主役の二人と園子温ファミリーの演技はよいと思うが、みるべきところはない。次に園子温監督の作品が作られたとしてもみることはないだろう。
michelleさん [映画館(字幕なし「原語」)] 2点(2012-08-16 19:40:04)
スポンサーリンク
マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 52人
平均点数 6.17点
000.00%
100.00%
211.92%
323.85%
4713.46%
559.62%
61325.00%
71528.85%
859.62%
935.77%
1011.92%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 1.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 1.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人

■ ヘルプ