映画『父の祈りを』の口コミ・レビュー

父の祈りを

[チチノイノリヲ]
In the Name of The Father
1993年アイルランド上映時間:133分
平均点:7.51 / 10(Review 90人) (点数分布表示)
公開開始日(1994-04-16)
ドラマ法廷もの刑務所もの実話もの
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2025-02-10)【Olias】さん
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監督ジム・シェリダン
キャストダニエル・デイ=ルイス(男優)ジェリー・コンロン
ピート・ポスルスウェイト(男優)ジュゼッペ・コンロン
ジョン・リンチ〔男優・1961年生〕(男優)ポール・ヒル
エマ・トンプソン(女優)ギャレス・ピアース
トム・ウィルキンソン(男優)控訴審検察官
コリン・レッドグレーヴ(男優)ロバート・ディクソン
ジェイミー・ハリス[男優・1963年生](男優)デプトフォード・ジム
サフロン・バローズ(女優)コミューンの女性
ジェラルド・マクソーリー(男優)
ピーター・ハウイット〔男優〕(男優)
石塚運昇ジェリー・コンロン(日本語吹き替え版)
平田広明ポール・ヒル(日本語吹き替え版)
有本欽隆ロバート・ディクソン(日本語吹き替え版)
沢海陽子(日本語吹き替え版)
幹本雄之(日本語吹き替え版)
宝亀克寿(日本語吹き替え版)
出演マーロン・ブランドヴィトー・コルレオーネ(劇中映画「ゴッドファーザー」より)
アル・パチーノマイケル・コルレオーネ(劇中映画「ゴッドファーザー」より)
脚本ジム・シェリダン
テリー・ジョージ
音楽トレヴァー・ジョーンズ
主題歌ボノ"In The Name Of The Father" (ボノ&ギャヴィン・フライデー)
挿入曲ジミ・ヘンドリックス"Voodoo Child (Slight Return)"
ボブ・ディラン"Like A Rolling Stone"
撮影ピーター・ビジウ
製作ジム・シェリダン
テリー・ジョージ(共同製作)
ユニバーサル・ピクチャーズ
製作総指揮ガブリエル・バーン
配給UIP
編集ジェリー・ハンブリング
録音アンディ・ネルソン[録音]
字幕翻訳戸田奈津子
その他マーロン・ブランド(スペシャル・サンクス)
フランシス・フォード・コッポラ(スペシャル・サンクス)
アル・パチーノ(スペシャル・サンクス)
あらすじ
北アイルランド闘争真っ只中のベルファスト。仕事にもつかずせこいコソ泥稼業でトラブルばかり起こすジェリー(ダニエル・デイ・ルイス)に、父ジュゼッペ(ピート・ポスルスウェイト)は街を出てロンドンに行くように勧める。しかし父の教えに背き、ロンドンでも自堕落な日々を送るジェリー。そんな中、ロンドン・ギルフォードでパブ爆破テロ事件が起こる。1974年10月5日のことだった。この事件が、ジェリーとジュゼッペ親子の運命を大きく狂わせることになる・・・
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💬口コミ一覧

90.ネタバレ 魂を揺さぶられる映画だった。ピート・ポスルスウェイト演じる父ジュゼッペに秘められた揺るぎない強さ。自分に利があろうと信念に反することはしない、その不器用ながら裏のない純粋な生真面目さこそが、威厳や父権の誇示とは一味違うジュゼッペの持つ強さであった。父と息子、分かり合えたと思ったときに訪れる永遠の別れ。ジュゼッペの霊を弔う炎が、ひとつまたひとつ、監獄の小さな窓から投げられる。怒り・悲しみ・憎しみ・侮蔑・・・北アイルランド闘争を巡る「大英帝国」の負の一面を描き、考えられる限りのマイナスの感情が激しくうねるこの映画の中で、その精霊流しに似た美しい場面に私は救いを見た。父の思いは荒波渦巻く海を照らす灯台のように、こんなにも多くの囚人たちの心を導いたのか。私の心象風景と一致したこの映像に涙を堪えることは不可能だった・・・そう言えばこの映画の原題は「In the name of the Father」これは「父なる神の名のもとに」という意味があるらしい。クリスチャンでない私が言うのも恐縮だが、磔になることで人々を罪から救おうとしたキリストのようでもある。ジュゼッペは命を落としても、愛する息子は今や自分の足で歩き出した。ラストの自由を勝ち得て正面から堂々と出て行くジェリーの顔のなんと誇らしいことか。巨悪は消えず許されざることはまだまだたくさんある。しかし最早過去とは違うジェリーの姿に不思議な安堵を覚えたのも確かだ。どんな事実があろうとも、もう決して逃げることはないと。弱く、落ちぶれていたとしても、人は生まれ変わることができるのだから。父親不在が言われる日本でこれほど多くの人がジュゼッペを絶賛するのも、世渡りが下手でも決して自分を曲げない、どことなく「不器用ですから」の高倉健を思わせる、少し懐かしい理想の父親像があるからではないか。どこの誰とは言わないが、近頃男の強さだの父権を誤った形で意識し、力を使うことこそ正義だと言わんばかりの人間がいるが、ただひたすらに家族を愛し神を信じ、信念を持って生きた男の「強さ」もまた、強い父親の姿であることをもう一度見直してもいいと思う。テロが題材となっている以上、今はこのような作品が作られないだろうと思うと残念でならない。序盤の住民と英国軍の衝突シーンの迫力は、アメリカ資本が入って作品の質を高めた稀有な例のひとつであるだけになおさらだ。映像も音楽も文句なし。これぞ名作。
合言葉は埜波と軍曹/埜波(のなみ)さん 10点(2004-06-28 17:25:22)
👍 2
89.ネタバレ 泣かされました。最初寝っころがって見てた私を、起きあがらせ座らせベッドから追い出し画面に釘漬けにした映画です。初めのほうのジェリーてほんとにしょーもないヤツですよねぇ。親不孝なヤツだなと思って見てたんですが、お父さんも捕まったあたりからじーんときてたまりません。このお父さんロストワールドの時とはえらい違いで泣かせますな。またこれが実話だってところにぐっとくるわけでございますな。
ショウガ焼きさん 10点(2004-01-28 04:50:33)
88.観る前は重そうだし、地味だし最後まで観られるかどうか自信はなかった。が、なんとすばらしい作品。こういうカタチでいい映画に巡り会えた時の喜びは大きい。ダニエル・デイ・ルイスはもちろんいいけど、ピート・ポスルスウェイトに感激しました。オスカー主要部門全てにノミネートされていながら無冠だったのが本当に残念!あの年はユダヤ人問題にもっていかれたっけな”どうだ残酷だろう、さあ、感動しろ、泣け”といわんばかりのあざとさはなく、事実を淡々と描き、どう感じるかは受け取り手に委ねるというのが好きです。重いテーマの作品はなおさらね。
envyさん [CS・衛星(字幕)] 10点(2003-12-10 21:49:11)
87.『マイ・レフト・フット』に続くジム・シェリダンとダニエル・デイ・ルイスのコンビ作。いくらでもヒートアップした演出が
可能だった『マイ~』でも、抑制を効かせた演出でドラマを静かに盛り上げたシェリダンが本作でも、熱くなりすぎず丁寧に父子のドラマを紡いでいく。役者陣もみな素晴らしく、母子家庭に育った俺には、P・ポスルスウェイト演じる父親の存在がうらやましく、涙を流してしまった。
恭人さん 10点(2003-12-07 20:09:16)
86. ジェリーがだんだんと強い人間になってゆく過程がすばらしい。無罪を勝ち取った後のジェリーの最後の言葉で胸が熱くなる。
 父親役がポスルスウェイトだったのは大正解!!
 たくさんの人に見てほしい映画だ。
ぐれーんさん 10点(2003-12-03 20:36:29)
85.冤罪、差別・・一本の映画を見てこれほど考えさせられたのははじめてだ。ダニエル・デイ・ルイスの真に迫る演技も本当に素晴らしい。実話というのにもかなり驚いた。最後までぐいぐい引き込まれた。まぎれもない傑作だと心から思う。
ヨッシィさん 10点(2003-10-29 01:13:26)
84.非常によい作品だ。似たような冤罪を扱った「ハリケーン」がひどくつまらなく思えてくる。これは特に10代の人に見てほしい。学校とかで見せるのは大賛成。こういった世界を見ると日本はやっぱり他国とは違うんだなと思うだろう。で、そこから考えることも多いし、自分の周りのことも色々と考えるだろうから。
フィニートさん 10点(2003-05-26 16:19:57)
83.個人的に「ミッドナイト・エクスプレス」に少し似てる気がしました。が非常に面白い。D・Dルイスの映画で一番好きです。この人IRA関係多い気が・・・
venomさん 10点(2003-01-15 01:45:53)
82.先にコメントされている方の感想で、「主人公がただの悪だったので同情できない」とか「あまり感動できなかったのは(中略)主人公があまり良い奴に思えなかった」とかありますが。。。私の感想はまったくの逆です。映画の前半、主人公がチンピラまがいのコソ泥で、愚かだからこそ、感動したのです。もっとも、私自身がこの年(34)になって、自分自身を「愚かだな」と感じるようになったからかもしれませんが。強くて正しい人が正しいことをする。うん。それもいいでしょう。しかし、愚かな者が苦難に会い、少しでも強くなろうとすることは、もともと強く正しい人がそうするよりも、もっとたいへんなことだとは思いませんか?
TOTO in FLさん 10点(2003-01-01 07:04:34)
👍 1
81.強烈。衝撃。ポスルスウェイトがたまらなく悲しい。
愚物さん 10点(2002-11-06 04:56:44)
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80.淡々と描かれているが苦境に立たされた親子のリアルな描写と愛情に泣かされた。せつない。
のすけさん 10点(2002-05-11 17:55:01)
79.この作品は、イギリス社会の黒い部分を取り上げた実話にもとずいた作品で、ストーリーや出演人も良かったですが、所々に見せる映像のセンスも、やるなって感動してしまいました。
パッタイさん 10点(2002-01-17 03:12:01)
78.ネタバレ 英国の司法界史上最大の汚点とされるギルドフォード・パブ爆破事件と冤罪によって苦しめられた人々の姿を描いた作品。
刑務所と法廷劇が絡んだ作品といえばマーク・ロッコの「告発」もあるが、俺はこの作品の方が惹かれるものがあった。

爆破事故からはじまるこの物語は、1970年代の北アイルランドの騒動から幕を開ける。

定職にも付かず警察相手に挑発を繰り返す若者たち。
家族のために望んだ一時の天国、テロを疑われ一気に地獄へ。

IRA暫定派(アイルランド共和軍暫定派)は、イギリスにいまだ支配される北アイルランドを取り戻そうとテロを続ける。

標的な基本軍人だが、エスカレートするテロリズムは一般市民すら巻き込んでいく。

事件を何としても解決したい警察もまた、苛立ちや焦り、さらには事件を喰い止められない事によって世間の目が気になって気になってしょうがない。

焦りは冷静な判断を失わせ、狂気と化した警察は誤認逮捕が発覚しても隠蔽しようとする。
疑わしきは罰せよ・・・着せられた無実の罪。

世の中が腐れば、警察も腐る。その逆もしかりだ。

耳を引っ張るやつは凄い痛いんだよなあ。悲痛な表情が辛そうだ。
遂にはその家族にまで手をだし、マフィアのように「親を殺す」と脅迫までやってのける。
若者は「地獄に堕ちろ!」と哀しみと怒りをぶつけるが、届かない虚しさ。
やりもしない罪をでっちあげねばならない苦しみ、“妥協”が地獄から逃れる唯一の選択。だが、一度押された烙印は一生その人間を苦しめる。意思を貫くか、妥協するかは貴方しだいだ。

IRAのジョーの暴れ振りが凄まじい。火炎放射器まで作ってしまうのだから恐ろしい。そりゃ警察だってこんな奴いたらおかしくもなるわ。

彼らを救い出す騎兵隊は来なかったが、弁護士という名の救いの女神は彼らを見捨てなかった。
説得に次ぐ説得、迫る父の死期、父の息子や家族に対する祈り、「ゴッドファーザー」は父の死を暗示する、闘志が蘇る息子、法廷でまくしたてる迫力!

彼らはつい昨日の事のように過去を振り返るが、失われた時間と家族はけして戻ってこない。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-12-12 11:32:28)
77.良いところも悪いところもすべてを見せてくれるからこそ、実話もののすばらしさがある。ダニエル・デイ=ルイス演じるジェリーは決して良い人間ではない。盗みはするし麻薬に手を出すし、素直さにも欠ける。何度も自暴自棄になるがそれがいかにもリアルだ。そのジェリーを見捨てず、あくまで家族を大切に考える父。その父親の姿が、私には亡くなった私の父にも似て涙でだんだんかすんでくる。冤罪ものの映画としては、ショーシャンクをも超えていると私は思う。
まちがいを間違いと認めず、さらなる大きな嘘で真実を歪める不正、私たちはそういう不正に対して、決然と対決すべきだ。感動を呼ぶ名作して賞賛したい。
ESPERANZAさん [DVD(字幕)] 9点(2012-01-11 18:14:07)
76.ネタバレ 観ていく内に感情が昂ってくる映画でした。無実の罪で刑務所に入れられた決して良い関係では無かった父と子が少しずつ解りあっていく様は非常に心打たれました。そして、はじめは自暴自棄になりながらも、最後には無罪を勝ち取るジェリーの成長も上手く描かれていて良かったです。

 「ショーシャンクの空に」が好きな方にはぜひお勧めしたい作品ですね。
TMさん [DVD(字幕)] 9点(2006-11-23 13:19:23)
75.若さというエネルギーは時にどこまでも人を愚かにしてしまう。老いは不器用さばかりを際立たせてしまう。親がどれだけの想いをこめても子は賢明な生き方を歩むとは限らず、ただ深い慈愛と忍耐をもって受け入れるしかない哀しい責務が親にはある。親と子の対峙には、相手の中に自分の限界を自覚せずにはいられない何かを否応なくつきつけられることがあり、血の濃さ・血の繋がりは窮屈で息苦しく逃げ場がない。でも最後に辿り着くところはやはりそこである。実話・冤罪ものは胸がつぶれるほど辛い思いにさせられるが、ポスルスウェイトの真実と正義を見据えたまなざしが救い。守るべきものがあればどんな辛酸をもなめることができる、失って初めて気付く、というテーマは語り尽くされているが、肉体は失っても父の執念・魂は確実に息子の血の中に生きている。気付くことが遅すぎてもいい、そうやって子は受け継いでいけばいいと思う。
宝月さん 9点(2004-09-15 08:56:13)
👍 3
74.残酷な話なので、何だかやるせなくなってしまうが、ラストシーン(判決シーン~)には思わず涙しそうなぐらい震撼させられる。音楽もよい。IN THE NAME OF THE FATHER!
Andrejさん [DVD(字幕)] 9点(2004-05-03 00:38:15)
73.もし冤罪という立場に立たされたら、獄中で一体どんな行為がとれるのか、自信の裏付けになるものが全くない私は、バカがつく位真面目一筋に生きて来たがゆえ、強い精神力と愛情でジェリーを導いた父親の姿に、ひたすら頭が下がる。
トバモリーさん 9点(2004-02-26 17:19:43)
72.IRAと警察当局双方の卑劣さに怒りで煮えくり返った。この作品を見た翌日歯は痛いわ胃は痛いわでかなりなダメージだった。こんな抗争には必ず一般市民に犠牲者が出る。父の淡々としているが、どんな苦境にあっても節を曲げない強靭な心を持ち心底息子を想う姿に胸が熱くなった。その生き様が自分は力尽きても遺志を受け後に続く者を残したと思う。凄い作品だった。
The Grey Heronさん 9点(2004-02-04 18:49:15)
👍 1
71.見る前は「地味な話かな?」と思ったのですがとても丁寧に作られていて直ぐに話にのめりこみました。 必見は裁判シーン。再審の時は見ていてもうドキドキしました。 とっても良い作品なのに陳腐な言葉しか見つからないのが悔しい!!
あずきさん 9点(2004-01-10 11:54:18)
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マーク説明
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《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 90人
平均点数 7.51点
000.00%
100.00%
211.11%
322.22%
444.44%
522.22%
61213.33%
72123.33%
82123.33%
91516.67%
101213.33%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.25点 Review8人
2 ストーリー評価 7.37点 Review8人
3 鑑賞後の後味 7.30点 Review10人
4 音楽評価 7.75点 Review8人
5 感泣評価 7.85点 Review7人

【アカデミー賞 情報】

1993年 66回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演男優賞ダニエル・デイ=ルイス候補(ノミネート) 
助演男優賞ピート・ポスルスウェイト候補(ノミネート) 
助演女優賞エマ・トンプソン候補(ノミネート) 
監督賞ジム・シェリダン候補(ノミネート) 
脚色賞ジム・シェリダン候補(ノミネート) 
脚色賞テリー・ジョージ候補(ノミネート) 
編集賞ジェリー・ハンブリング候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

1993年 51回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)ダニエル・デイ=ルイス候補(ノミネート) 
助演女優賞エマ・トンプソン候補(ノミネート) 
主題歌賞ボノ候補(ノミネート)"(You Made Me the) Thief of Your Heart"

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