映画『私が、生きる肌』の口コミ・レビュー

私が、生きる肌

[ワタシガイキルハダ]
The Skin I Live in
(La Piel Que Habito)
2011年スペイン上映時間:120分
平均点:6.56 / 10(Review 27人) (点数分布表示)
公開開始日(2012-05-26)
ドラマサスペンスミステリー
新規登録(2012-06-16)【onomichi】さん
タイトル情報更新(2019-09-07)【Olias】さん
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監督ペドロ・アルモドバル
キャストアントニオ・バンデラス(男優)ロベル・レガル
エレナ・アナヤ(女優)ベラ・クルス
マリサ・パレデス(女優)マリリア
ジャン・コルネット(男優)ビセンテ
脚本ペドロ・アルモドバル
音楽アルベルト・イグレシアス
撮影ホセ・ルイス・アルカイネ
配給ブロードメディア・スタジオ
衣装ジャン=ポール・ゴルチエ
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💬口コミ一覧

27.ネタバレ 途中で「まさか...それだけは勘弁して...」と思ったが、その通りになってしまった。。。そうであれば妥当なラストかなと思う。(未見の人にはなんのこっちゃって感じですが)

愛する人を不慮の事故で失った時、もう一度、彼、彼女に会いたいと思う。それって、歌(♪会いたい)にもあったけど、人間にとっては至極自然な欲望である。但し、死んだ彼、彼女を再生したいとなると、これは禁断の欲望。自分の子供だったら、鉄腕アトムの悲劇(天馬博士に捨てられる)であり、スティーブン・キングならホラー小説になる。本作も同じ。アントニオ・バンデラス演じる医師は、自らの特殊技能により、死んだ妻の再生を目論む。それが犯罪であり、許されない倫理の超越だとしても、欲望を抑えることができない。それを愛と呼ぶなら、彼は、その為に悪魔と手を組むこともできる。

他人である「誰か」を整形と皮膚の合成という再生医療的処置により妻に仕立てあげる。確かにそれは「狂気」であり、「倒錯の愛」ではあるけど、発想としては「究極」でも「斬新」でもなく、手塚治虫の漫画に出てきてもおかしくない、ありふれたプロットである。

ペドロ・アルモドバルの世界において、禁断の二人の関係は「倒錯の美」となり、その変態的な世界観からすれば、そういう愛も有り得るのか、と錯覚するのだけど、実際は、そうではなく、無理強いされた側に最初から倒錯の愛もクソもなかったのである。当たり前か。でも、その姿で言われたら、やっぱり信用してしまうんだな。それは致命的に避け難い成行きだったのかも。

ラストで『私が、生きる肌』(The Skin I Live in)というタイトルの意味が分かる。外見の完璧さ、倒錯の愛、その有り得なさに期待した僕らこそ、完全にうっちゃりを食らわせられる。そして、少しホッとしたりもする。
そもそもアルモドバルの描く愛って常に一方的な自己愛の反映で、だからこそ本質的なところで僕らに響いてくるのだ。
onomichiさん [映画館(字幕)] 8点(2012-06-16 23:47:45)
👍 2
26.ネタバレ アルモドバル監督がこしらえる映画は、ある意味厄介だ。毎回自らの「インモラル許容度」がいかばかりなのかを、鑑賞中画面を通して監督からずっと推し量られているような気がして。この新作の変態度指数も相当なもの。ポスターは白く顔を覆われ瞳を見開く、それはそれは美しいヒロインと、横には思いっきり濃ゆいバンデラス先生の真剣な表情。この図柄だけ見ても、何やら胸騒ぎがして禍々しい内容が予想される。てっきり往年のホラー映画の秀作「顔のない眼」(←必見!)のリメイクっぽいストーリーなのかと思い、ノコノコと観に行った私が浅はかでした(笑)いや、インモラル度が高いのは、VIVA♪変態!既にカミングアウト済な自分としては一向に構わないんですわ。問題はバンデラス先生の、「自己内省度」のあまりの低さは、主役として一体どうなんだろう?って苛立ってしまった事なんです。奥さんが「トラ男」に浮気されたのだって、娘が強姦されそうになったのだって、その悲しい顛末も含め、そもそもは自分の監督管理不行届も原因のひとつだったわけですよ。しかしこのお偉いエリート大先生は、自らに非があろうとは露ほども思わないようで、もっぱら他者を攻撃するのみ。人里離れた大邸宅でしたい放題やりたい三昧。「トーク・トゥ・ハー」「ボルベール」「オール・アバウト~」でも、それなりに主役には共感できる部分もあったんですが、この傲慢バンデラス先生には、変態度指数に関してはともかく、流石についていけませんでした・・・。賛否両論でしょうな、これは。過去作も含め、こーゆー変態全開ストーリーを次々と紡ぎだしていく監督の思考回路がどーなっているのか、そっちの方が自分は興味がありますね。
放浪紳士チャーリーさん [映画館(字幕)] 6点(2012-06-24 22:02:28)
😂 1
25.ネタバレ やってることはエグイけど、そこに至るまでの狂気を感じなかったかな。肌(皮膚)の製造と妻の再生と、どちらがこの天才外科医にとっての願いだったんだろう。娘の復讐をしようとしたが愛した妻に似せたため、姿かたちに惑わされ逆襲された外科医。創造主が創造したモノに魅入られて破滅か。よくあるといえばよくある話だけど、創造する際の元がアレってのは新鮮というか凄い発想ですね。 60年代っぽい絵柄のポスターは雰囲気があって良いですね。
ロカホリさん [映画館(字幕)] 5点(2012-07-03 00:48:19)
24.荒唐無稽な話だけれど、そう思わせない研ぎ澄まされた美しい映像にのまれました。変態映画ですが、見ていると「あり」と思わせてしまう監督の手腕に7点啓上。
longsleeper21さん [映画館(字幕)] 7点(2012-07-08 23:15:02)
23.ネタバレ いつも人物の性別を強く意識するアルモドバル映画。今回斬新過ぎる性別のクロスに驚くけれど、鑑賞してからしばらく経った今思い返すと、結局は「お母さん映画」だったんだな、としみじみ思ってしまう。虎ちゃんやマッド医師をこの世に生み出したマリリアや、我が子を眺めつつ死ぬ医師の妻の姿を通し、男はただただ狂気、女は苦しみ思い悩み続けるという図式を作る。わが子を想い続け諦めない母のために、死にものぐるいで帰還する息子がその愛の強さをいっぱいに見せて最後を締める、かなり変わった母ちゃん賛歌。良し悪しは別としても、他に誰も出来ないなあと唖然とする。バンデラスの娘役の子が、薔薇のつぼみのような愛らしさだった。
のはらさん [映画館(字幕)] 7点(2012-08-08 19:36:45)
22.ネタバレ いくら見た目が似ていても無理です。
さらに復讐する相手だし・・・
虎王さん [DVD(字幕)] 6点(2012-11-12 04:56:12)
21.ネタバレ 人工皮膚によって、全くの別人に作り替えることが出来る、それは性別の変更さえも可能ということで、主人公ロベルはいわば神に勝るとも劣らぬ力を得たといってもいい。しかし神の力を持ったとしても、一人の人間であるから、復讐心や所有欲、そして愛に溺れてしまい、その力を誤った方向に使ってしまう。こういうテーマはSFにはよくありがちですが、ゴルチエが衣装を担当していたりと、見た目にエロティックで印象深い。ただ、復讐のために男を去勢したとして、はたしてそいつを亡き妻の代わりにするだろうか、という点に疑問を感じる。服を引きちぎって、速攻で掃除機に吸わせるシーンが印象的。
あろえりーなさん [DVD(字幕)] 6点(2012-11-13 01:14:54)
20.ペドロ・アルモドバル、このスペイン人監督の映画を観るのには、いつも「覚悟」が要る。
多くの場合、彼の映画を観ていると途中激しい嫌悪感を覚える。「まさか……」と思わせるおぞましい程にショッキングな展開が、現実となり画面に繰り広げられる。
目を背けたい衝動にかられるけれど、実際はその衝動に反するかのようにより食い入るように画面を凝視していることに気付く。

それは、この映画監督が追求し描き出しているものが、“人間”が“人間”として深層心理の奥底で「見てみたい」と思っている“人間”の姿だからだと思う。
だからこそ、自分自身の生半可な倫理観を蹴散らして、画面から目を離すことが出来なくなるのだろう。

この映画で描き出される人間の物語は、もはや「悲劇」などという一言ではおさまらない。
そんなものは早々に超越し、人間の「存在」と「是非」そのものに対して疑問を投げかけてくるような感覚を覚えた。

アントニオ・バンデラス演じる哀しきマッドサイエンティストの倒錯した生き様と死に様には、“鑑賞者”としてあらゆる感情が渦巻く。一体、彼の行動をどう捉えるべきなのか、最終的な部分で自分の答えを導き出すことが出来なかった。

吐き気を覚える程のおぞましさを感じたかと思えば、次の瞬間には息をのむ程の美しさを目の当たりにする。
そんな異様な映画世界に対峙してまともな判断ができるはずはないのかもしれない。

ああ、何とか言葉を尽くそうとする程に、自分の表現力の無さを痛感し、すべての言葉が陳腐に思えてくる……。
手塚治虫の短編集「空気の底」の一編に紛れ込んでいてもおかしくないような世界観に対して、好きか嫌いかの判別もつかぬまま、主人公たちと同様にただただ倒錯する。
鉄腕麗人さん [DVD(字幕)] 8点(2012-11-27 15:33:24)
19.ネタバレ 少女を傷つける肉の愛、その代償としての性転換。この監督の作品は女性に人気があると聞く。そうだろうなぁと思う。アルモドバルのセックスへの考察は深い。最後の母のもとに帰還できたこの少年(または少女)。良かったですね・・・。それにしても怖い映画。はぁ・・・(sigh)
トントさん [DVD(字幕)] 8点(2012-12-01 06:21:13)
18.ネタバレ 巨匠ペドロ・アルモドバル監督の「女性賛歌」ミステリー。強姦に始まり、性転換手術と遺伝子投入の極秘人体実験、偽りの愛、復讐の惨劇、母の元へ帰還。狂おしいほどに深い愛憎。現代の医学が進歩するとこのような物語が実現してしまうかもしれないですね。なんとエロくてグロくてエグい。
獅子-平常心さん [DVD(字幕)] 7点(2012-12-01 23:18:40)
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17.本作をうまく形容できません。
ものすごい「嫌悪感」を、色彩や主演女優の「美」が中和して、妙な感覚になっているからだったと思います。
もし邦画がリメイクしたら衝撃の問題作になる可能性がありますが、如何せんはまり役のキャストが一切想像できません
でも凄く見てみたい・・・でも、狂気とエロスが薄まった陳腐な作品に収まるのが落ちですかね(^^;
午の若丸さん [DVD(字幕)] 6点(2012-12-02 21:43:27)
16.ネタバレ うわーやっぱり、そうなの?ああ…
うわーやっぱり、そうなる?おお…ってな感じでした。
ストーリー自体はわかりやすいし、主要人物も少ないのでお話にはついていけるのですが、
登場人物の行動が逐一自分の理解の範疇を超えていたので、わかるんだけど全然理解できねーよってゆうバランスの映画でした。理解できないのが多数派だと思ってますが、自分も多数派ってことで良いですか?

とにかく印象的なお話だったし、女優さんも素敵だったし、自分にとっては忘れられない作品なのは間違いないです。
sava1100さん [DVD(字幕)] 6点(2013-04-14 14:13:26)
15.情報なしで、「監禁サスペンス」としてDVD借りてみたら違う。後半になるに連れ「えっ?」 「は?」「まじか?」 ってなって行きます。まぁ有りえないけど退屈しない2時間でした。
オヴリッジさん [DVD(吹替)] 8点(2013-04-27 09:20:21)
14.ネタバレ スペインが生んだ変態映画監督、ペドロ・アルモドバルの待望の新作。期待を裏切らない、もう相変わらずの変態ワールドは今作でも健在。どうやったらそんな発想が湧いてくるんだという、男のフェチ妄想をここまで徹底的に美しく描かれるともう一回り廻って芸術になるという谷崎潤一郎のような映画でありました。自ら創り上げた完璧な女性の肉体美に、最後は復讐心も忘れてひれ伏してしまうという主人公の倒錯ぶり(Mっぷり?笑)は素晴らしい。前半の展開がちょっとタルかったのが気になったけど、とっても綺麗で美しい変態映画でした。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 8点(2013-05-23 11:34:52)
13.そらあ、愛する娘があんな目に遭ってしまえば許せんだろうが、無念やね・・・。
ケンジさん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-06-26 10:38:21)
12.ネタバレ こう、来たか!の印象ですね。
古~い映画のような感じが、良かったようなサスペンスが物足りなかったような微妙。

最後のほうで、あの美女にブタの遺伝子が現れたら「楳図かずお」のマンガです。
それ、期待してたんですけど(笑)
木村家の娘さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-08-06 13:47:48)
11.ネタバレ 一体、何なんでしょう。
主人公の博士とヒロインの関係はいつから恋愛感情に陥ったのでしょうか。
自分の娘をレイプ(?)しようとした青年を女性に作り替え、その人造人間を亡き妻と同じようにかたどってしまう。
まぁ、そこまではよしとしましょう。でも、6年間監禁した、
その青年をいくら妻に似ているからといって、セックスまでしてしまうとは…。私には理解できません。元男ですよ。
絶対にありえないと思います。
変態が主役の映画です。
クロエさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-08-16 15:26:24)
10.ネタバレ イヤー最高に面白かった。バッンデラスも、その家政婦の母も、最終的には、脇が甘かったが。
あれほどの美人が作れたら、人間おかしくなれるのでは。服がどれも素敵だな、とか思っていたら、ゴルチエとか、やっぱり、素晴らしいものは、伝わるんです。映画見ていて、洋服屋の息子が小柄だな、とか思ったが、、、その予感は的中しました。人間の恨みは、6年位では、薄まらないんだな、とか、ほとほと思いましたよ。とにかく、あのかの女から目が離せない位、うっとりできたし、堪能できました。自分的には、最高に面白かったです。あの、、弟、わざわざ、ウメニイカナクテモ、自分の家で焼いて、埋めれば、手間が省けるのに、とは思いました。銃はやはり、しっかりしまっておくべきでしょう、とは思いました。最高に楽しめました。
yasutoさん [CS・衛星(字幕)] 10点(2013-08-16 20:51:44)
9.ネタバレ 「禁断の問題作」、ついに観てしまいました。
殊更に荒唐無稽な内容では無く、もしかしたら世界のどこかで似た様な事が実際に起こっているのかも? と思えなくも無い話。
私は全く共感出来なかったが、人は自分が憎むべき相手でも外見が変われば別の感情を抱けてしまうものなのか。
終盤は予想とおりの展開ながら、帰宅を果たすラストシーンのやり取りはそれなりに感動と言うか気持ちが落ち着く良いシーンだと思った。
たくわんさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-11-11 16:27:07)
8.ネタバレ 【注意!激しくネタバレしています】
『顔のない眼』や『ムカデ人間』みたいなマッドサイエンティストものなのだろうと思ってみていたら、中盤で衝撃のドンデン返し。今までみなさんが女性だと思っていたこのお方、元は男性だったんですよ!これにはさすがに驚かされました。また、このドンデンを単なる一発芸に終わらせず、ドラマ上の重要なパーツとしても機能させているのですから、さすがは巨匠の仕事であると感じました。。。
中身にあるのは殺してやりたいほどの憎悪の対象であるが、その外見が変われば、その人間を受け入れ、愛することができるのか?なかなか興味深い問いかけだと思います。若い方であれば「そんなわけないじゃん」とアッサリ切り捨ててしまうかもしれませんが、長年連れ添った伴侶を失われたような方ならば、また別の回答をなさるかもしれません。人間は他人をどうやって識別し、何に対して愛情を注いでいるのか?非常に難しい命題を、本作はきわめて分かりやすい形で提示しています。。。
また、男性が女性へと改造され、これからは女性として生きていけと命令される。被験者となった男は、当然の如く当惑し、反発しますが、これは性同一性障害を患う人々の苦悩を、一般人にもわかる形で表現したものだと考えられます。荒唐無稽な設定でありながら物語にリアリティを感じさせたのは、こうした人間ドラマとしての完成度が極めて高かったためだろうと思います。。。
以上、ドラマとしての完成度は評価するのですが、展開が少々遅いことと、全体のアクセントとなる目の醒めるような場面がひとつも見当たらなかったことから、鑑賞中に何度か集中力が途切れてしまったという点は残念でした。もっとコンパクトにまとめれば、見違えるような傑作になったかもしれません。
ザ・チャンバラさん [DVD(吹替)] 6点(2014-01-02 02:15:42)
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マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 27人
平均点数 6.56点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
413.70%
5311.11%
61140.74%
7622.22%
8518.52%
900.00%
1013.70%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.00点 Review3人
2 ストーリー評価 7.00点 Review4人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review4人
4 音楽評価 6.66点 Review3人
5 感泣評価 6.33点 Review3人

【ゴールデングローブ賞 情報】

2011年 69回
外国語映画賞 候補(ノミネート) 

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