映画『夢売るふたり』の口コミ・レビュー

夢売るふたり

[ユメウルフタリ]
2012年上映時間:137分
平均点:6.45 / 10(Review 49人) (点数分布表示)
公開開始日(2012-09-08)
ドラマ犯罪もの
新規登録(2012-07-13)【3737】さん
タイトル情報更新(2024-03-11)【イニシャルK】さん
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監督西川美和
キャスト松たか子(女優)市澤里子
阿部サダヲ(男優)市澤貫也
田中麗奈(女優)棚橋咲月
鈴木砂羽(女優)睦島玲子
木村多江(女優)木下滝子
安藤玉恵(女優)太田紀代
倉科カナ(女優)佐伯綾芽
やべきょうすけ(男優)岡山晃一郎
伊勢谷友介(男優)太田治郎
古舘寛治(男優)東山義徳
笑福亭鶴瓶(男優)堂島哲治
香川照之(男優)外ノ池俊作/明浩
山中崇(男優)日野洋太
五頭岳夫(男優)
栗原瞳(女優)
原作西川美和(原案)
脚本西川美和
撮影柳島克己
製作アスミック・エース(「夢売るふたり」製作委員会)
バンダイビジュアル(「夢売るふたり」製作委員会)
電通(「夢売るふたり」製作委員会)
読売テレビ(「夢売るふたり」製作委員会)
松竹ブロードキャスティング(「夢売るふたり」製作委員会)
企画佐々木史朗〔製作・1939年生〕
川城和実
是枝裕和(企画協力)
配給アスミック・エース
美術三ツ松けいこ
編集宮島竜治
録音白取貢
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💬口コミ一覧

49.ネタバレ たぶん本物もこんな手口なんだろうし、こんな性格のヤツなんだろうと思わせる阿部サダヲの結婚詐欺師っぷり、描きっぷりがすごい。最初の玲子との関係の意趣返しで始めた犯罪行為なんだろうけど、それは里子が貫也のことが好きだから、なんて甘いことを考えているワタシは、所詮オトコです。
なたねさん [DVD(邦画)] 9点(2013-04-29 20:13:19)
48.ネタバレ 女性監督ならではの、松たか子の描写だろう。

松たか子って美人なんだけど、暗さを乗り越えた美人っていうか、
場面によっては、どす暗い表情も見せるので、とてもこの映画にマッチしてる。
若くして店を持つ夫婦の健気な奥さんが、店が焼けてから、旦那がひねて「過ち」を犯し、
そこでどんどん陰険になっていく女性役にまさにピッタシ。

最後、刑を終えて、魚市場で夫婦で働くその姿に、救われる感じだ。
フォークリフトから食堂の旦那を見つめる彼女の表情は、もう陰険ではない。
いい映画でした。

でもこの夫婦にふりまわされた女性たちも気の毒な話だよなぁ。
トントさん [DVD(邦画)] 8点(2018-09-24 18:51:59)
47.ネタバレ う~ん、これは何とも難しい作品でした。前半は、だまされた女たちがカウンターにずらりと並んだり、電車内で「仕事」をしている貴也の様子を里子が新聞越しにチェックしたり、里子がだましのシナリオを書いて次々と渡したりと、コメディタッチのシーンも多かったですが、後半からどんどんシリアスな展開で、ズド~ンと重い空気に包まれます。
鑑賞ポイントは、やはり里子の心理描写だと思います。最初は、店が火事で焼けても前向きにバイト、貴也の浮気をきっかけに詐欺を思いつき、重量挙げ選手に関わったあたりから心境が変化する貴也に対する感情、そして最後は本気で他の女を好きになった貴也が刑務所に・・・そしてラスト。最後、里子が見たのはやはり出所した貴也でしょう。そしてラストのあの表情が、貴也に対する感情の終着駅、というように感じました。
途中、ドブネズミやカモメなど、心理を象徴するメタファー的なカットも多く、特に、里子の自慰や生理ナプキンシーンは、子供と仲良くなった貴也に対する憎悪へとつながる前フリだったように感じます。夫婦だけど子供がいないという女性の深層心理・・・。貴也が単に他の女を「本気で好きになってしまっただけ」なら、最後のあの表情にはつながらないでしょう。もし自分の解釈通りだとしたら、女性監督にしか表現できない、ものすごい心理描写ですよね。
また、すべてのシーンにおいて、ただきれいなだけの映像美ではなく、「映画として、このシーンを表現するのに最も適したカメラアングル・光・色」にこだわり、手抜きシーンなどは1カットもなく(それが当たり前ですが)、これぞまさにプロの仕事ですね。
2時間ドラマのような「ハッキリとわかりやすいストーリーと意外性のあるサスペンス」を求める人には、まったく向かない内容なのでご注意ください。
(ストーリーとはまったく関係ありませんが、山下敦弘監督がチョイ役で出ていて、思わず笑ってしまいました)
ramoさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-05-25 22:20:25)
👍 1
46.どこにでもいる普通の夫婦。そんな彼らの両の瞳の黒が、展開と共にじわじわと深まっていく。
映画は、序盤コメディタッチで描かれるが、ふいに垣間見えるその瞳の深い黒色が、安易な笑いを拒絶するようだった。
誰が見てもおしどり夫婦だった二人が、突然訪れた一つの“不幸”により、そのままの関係性を維持出来なくなってしまう。
それは決して劇的なことではなくて、世の中のどの夫婦にも内包されている普遍的な危険性の表れのように思えた。

自分自身、結婚をして3年半になるが、つくづく「夫婦」という関係性が一つの形に定まり続けるということはないと感じる。
結婚は決して“ゴールイン”などではなく、あらゆる試練の“スタート”だ。
その試練が幸福なものになるか、不幸なものになるか。そこには、本人たちの多大な努力と、それに匹敵するくらい大きな「運」が必要なのだと思う。

映画の中でこの夫婦が営む料理屋は、結果的にどの店も客入りが良い。
それは、この夫婦が本当に相性が良くて、その関係性に相応しい男女だったということの表れに他ならない。
でも、ほんの少しの行き違いによって、彼らは互いの相性の良さを信じ切れなかった。
それは本当に些細なタイミングのずれに過ぎなかった筈なのに、その小さなずれが大きな悲劇を生んでしまった。

ただし、だ。先に述べたように夫婦という関係性が続く以上は、その形に終わりは無い。
映画のラストで示される二人の表情には、悲劇のその先で、それでも離れ切れない夫婦の悲哀が滲み出ていて、そこには一抹の救いがあったように思う。


ストーリー展開においては強引な部分があることは否めない。しかし、それを補って余りある役者の演技力が随所に光っている。
主演の松たか子と阿部サダヲは、「普通」の夫婦の中にこそある「危うさ」を見事過ぎる程に体現していたと思う。特に、松たか子の体と心を張った演技は、彼女が女優としてまた一つ高みに上がったことを確信させた。
また豪華なキャスト陣の中にあって、風俗嬢を演じた安藤玉恵、女子ウエイトリフティング選手を演じた江原由夏、この決して有名ではない二人の女優の“実在感”が素晴らしかった。

そして、役者の印象的な演技を引き出した上で、西川美和監督は細やかな演出で纏め上げている。
長編映画4作目にして、日本映画界におけるこの女性監督の存在感は不動のものとなったと言える。
鉄腕麗人さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-06-26 00:15:51)
45.前作の「ディア・ドクター」に比べると後半の展開が少々雑なような気もした。そういう感じにしたいのはわかるけど、もう少し親切に見せてくれないかなあというところもなくはなかった。
でもですね、見終わって三日たってもあの二人のその後が気になるんですよ!なにこれ。ひどいよなー(褒め言葉)
というわけで、お見事でした!
ととさん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-03-21 01:20:45)
44.西川美和という人はかなりのハイパーなクリエイターであると思う。原作脚本監督でこんなに深い作品を作り上げてしまうのだから。女性ならではの視点とか、そういうことは既に超越している。確かに登場人物は様々な「女」であり、描かれているのは様々な女の「業」である。いろんな種類の女がいていろんな愛し方があって、それでも皆生きていく。詐欺師と詐欺られる女の話から、結局は生きるしかないんだよという普遍的な理論まで語っている。もちろん大きなテーマだけでなく、全ての登場人物をそれぞれ人間臭く、ちょっとしたシーンにも血を通わせ細部まで作り込んでいる。風俗嬢の紀代ちゃん、ウエイトリフティングのひとみちゃん、ラーメン屋の店主など、何かいい。俳優さんはこんな監督に撮ってもらいたいと思うんだろうなと思う。

ちゃかさん [映画館(邦画)] 8点(2012-11-19 16:57:56)
👍 1
43.ネタバレ 物語は主人公夫婦の市場での仕入れシーンから始まりました。そう、モノを売るためには、まず仕入れなければならないのです。それがままならぬモノならば、今手にしている分を手放すしかありません。タイトルは『夢売るふたり』。夫婦は自らの夢を切り売りしました。夢を叶えるためのお金を手に入れるために。この矛盾。鮮度の落ちた魚を調理したくないと言った主人公が、職人の命ともいえる包丁で、刺青魚を捌く羽目になる皮肉。清々しいほどの因果応報の物語でありました。大人のための寓話でした。主演を務めたのは、今や連ドラの主役も張るほどの人気者、阿部サダヲと、今最高に脂が乗っている映画女優、松たか子。人気実力を兼ねそろえた2人をキャスティングした時点で、本作の成功は5割以上約束されたようなもの。事実、期待通りの演技を披露してくれました。もっともこの成功を10割にまで引き上げたのは、やはり監督の手腕なのだと思います。これほど“手堅い”映画を観たのは久しぶりでした。それにしても『告白』といい、『ヴィヨンの妻』といい、ここ数年の松たか子の充実ぶりは驚異的です。今、怖い(そして強くて弱い)女を演らせたら、彼女の右に出る者はいないでしょう。黒目パワー恐るべし。以下余談。初めて札止め満員というものを体験しました。先に『鍵泥棒のメソッド』を観ていた自分は出足が遅く、自由席の前から2列目に。字幕でなかったのは助かりましたが、流石に疲れました。でもビッグなおっぱいはなかなかの迫力。これなら『ヘルタースケルター』も…
目隠シストさん [映画館(邦画)] 8点(2012-09-21 18:28:27)
👍 1 😂 1
42.ネタバレ 観てよかった。実力派2人の演技は私のツボにはまった。
誰かに依存して生きる前に、まず自分が自力で生きていける力を養っておくことの重み、大切さみたいなことを考えさせられた。
でも、R-15指定ということもあり、ある程度年齢を重ねた既婚者(しかも男性)の人でないと、自信持って勧められないかも。
  (2013-1-17追記)なんだか、、、これだけポテンシャルを秘めた作品なのにレビューがまだ10件しかないなんて、、、寂しいねぇ
じゃん++さん [映画館(邦画)] 8点(2012-09-16 20:47:48)
41.ネタバレ 内容は酷い(人道的な意味で)けど、割とサクッと見れる映画。
細かい考察に関しては色々な先人のブログ読めば掴めるので、シンプルに”やっぱ火災保険って大事”って感想になりました。
松たか子を「そんなに美人じゃないけど」って言い切るのはとんでもない違和感だったなぁ。
だって美人だもの。
あと最後の視線。あれは画面の向こうでずっと傍観していた我々を見てるんでしょうね。
里子がずっと自分を殺して貫也を見てたように。
悲喜こもごもさん [インターネット(字幕)] 7点(2024-12-10 21:09:42)
40.ネタバレ 映画を観た後、いつもその映画の内容とタイトルのつながりを考えてしまいます。『夢売るふたり』ですが、これは彼らが自分たちの夢を安売りしていたのか、自分たちではない誰かに夢を売っていたのか、どちらなのかなと疑問に思いました。

板前の旦那がいる夫婦が最初のお店を焼いちゃって、再出発(お金)のために夫婦で結婚詐欺を働くというストーリー。このストーリーの入り口のところで、松たか子さん演じる奥さんの葛藤がわかるようなわからないような。旦那がふとした流れで女と関係を持った結果もらった大金を焼いた直後に結婚詐欺を思いつくって、ちょっと理解し難い。旦那に焼いた札束を投げつけた後でそれを拾い集めてるシーンから、少し後悔してそうな雰囲気はあるのですが、だからって結婚詐欺を思いつくかな??映画だから、と言ってしまえばそれまでですが、あんな簡単に同時期に何人もの女性を騙すというのもなかなか、、、。
そもそもお金のために誰かと関係を持つことができるのがよく分からない。あくまで個人的な感覚ですが。むしろ、誰かを好きな時はお金なんかほとんど関係なくなるもんだと思っていました。それはこの映画では騙された側の女性の心理なんですが。詐欺夫婦もその都度詐欺を働くことについて衝突していますが、よくそんな疑問抱いたままそんなことできるなというのが驚きです。自分ならそんなことを思った時点で顔やら言動やら態度に出まくるので、多分詐欺師には向いてません。苦し過ぎるわ。

「都会に隠れた輝くことを忘れた星達に色を塗り、また輝かせる」
詐欺の手口をそのように語っていた里子(=松たか子さん)ですが、結局『夢売るふたり』というのは、自分の求める何か、一度はなりたい何かになりたい人たちに「夢を売る」という意味だったのか。それとも、そんな詐欺行為で稼いだ金で「自分たちの夢を安く売って」いたのか。どっちなのかは分かりませんが、どっちでもくだらないなと思ってしまう映画でした。あ、映画自体は面白かったんですよ?反面教師的に学べた映画だと感じました。
TANTOさん [インターネット(邦画)] 7点(2021-05-09 02:30:01)
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39.ネタバレ 良かった。
でも(私が)好きな映画ではない。
長いし、騙される女性たちを観るのがつらかった。
だから何度も止めながら観た(三日かけて)。

里子と貫也は、完全に悪人だ。
飲食店の開業のためなら、
女性たちの人生を踏みにじって良いのか?
女性たちを騙して良いのか?

貫也には罪悪感があったが、
里子には全く罪悪感が「無い!」ような気がした。
有名俳優が演じるから見た目は悪くないけど、
もし実話で、もしその写真や動画が公開されたら・・酷い容姿の夫婦だろうなあ。

あらすじは、若い夫婦が結婚詐欺をする。
夫が女たちを騙しまくる(10人くらい?)。
妻も協力する。
妻が主犯で作戦担当で、夫は妻に従ってる感じ。
トンデモ夫婦だ。

以下、ネタバレで!

夫は、妻をたまに罵りながら、多数の女性と関係をもつ。
夫婦で協力しての詐欺行為だが、妻は寂しいようだ。

で、犯罪はいつかは必ずバレるもの、映画だし。
少年が刺した! なぜ刺す? とんでもないガキだ(恐ろしい)。
たぶん五歳くらいだが、五歳なら刃物が危険なことを理解している。
事情を母親は知ったのか? 息子が忘れるわけが無い(私見)。
すべて曖昧。曖昧さがこの映画の作風で不満は無い。

男児の罪を、夫(貫也=阿部サダヲ)が全部かぶったのだろう。
夫が刑務所に行ったのは、傷害罪だけだろう。
つまり結婚詐欺は、有耶無耶(うやむや)だろう。

探偵は元刑事のようだが、詐欺は表沙汰じゃない?
警官が来て、赤いライトに気付いた妻(里子)が逃げる。
結婚詐欺が見つかったと察知したのだろう。
そして漁港で働いているが、警察から逃げてる最中か?
わからない。
妻は警察から追われてないのかもしれない。
そして妻は最後に何を観た?

妻は最後、嬉しそうじゃない。
覚悟を決めた、そんな感じだった。
警察が来た? そんな気がした。
あるい来たのは、詐欺の被害者か? 探偵か?


同監督の『ゆれる』はTV放送で観たが、ながら見だったので理解していない。
だから今回が、私にとって初の西川美和監督作品。
『ゆれる』をきちんと観直したいと思っている。

さて、(38の)トント氏のレビューを読んだ。
貫也たち10人くらいが大釜で調理している。
そのうしろに、制服で制帽の刑務官が(ぼんやり&明確に)見える。
つまり貫也は受刑者で服役中だろう。
里子は漁港で勤務中でフォークリフト免許も取得したらしい(現在も逃走中?)。

★余談 今回が、今年2021年初のレビュー
激辛カレーライスさん [DVD(邦画)] 7点(2021-03-01 23:51:35)
38.コメディとシリアスがちょうどいい具合に同居しているので楽しめた。細部に気になる点は多いけど、松たか子で相殺。素晴らしい女優です。西川監督だからこそ彼女にここまでの演技をさせられたのだろうな、と思うと監督の今後がとても楽しみ。もっと伸びる可能性がある人です。日本の映画史上に残る女性監督になうことでしょう。
カニばさみさん [DVD(邦画)] 7点(2016-07-05 01:44:48)
37.ネタバレ ラストショットで松たか子がじっと見据えていたものってあれってなんだったのだろうか すごく気になったのですが、そのことについてはどなたも触れられてはいないし すなわち答えはわからない。だからとりあえずはこちら自分のことを見つめてくれていたもんだったんだと勝手に理解する すなわちサービスショットだったんだなとか思うことにいたそう(ヤだな 自分バカん。) しかしこれ、男性監督だったなら ひっどい脚本、だけど違う、原案そして監督 西川美和さん はい、女性監督ですよね 途中、松たか子に変なコトやらせたましたよね んん バカん。リフティングの選手がロバートの秋山似である必要性があったのでしょうかなぁ かわいそうになぁ~ バカん。
3737さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-05-25 22:47:42)
36.う~ん、問題作ですね..予想はしてたけど、これほどまでに、後味が悪いとは..本作を観て、感じるのは、企画(あらすじ)ありきの “物語” だと思います..こんな夫婦がいたら..という、アイディアから..色んな付属品を付け足し、一つの物語に組み上げたって感じ..必然性とか..最後のオチとか..強引な粗い仕上がりが、目立ちます..そのあたりが、見え隠れしているので..もっと、脚本を練って、誰もが共感できる部分をオチにしないと..面白さが、半減してしまいます..ブラックでもなく、シュールでもなく、中途半端..残念...
コナンが一番さん [DVD(邦画)] 7点(2013-12-23 16:16:03)
35.ネタバレ ○西川美和監督作品を続けてみているが、やはり人間の嫌なところを描くのがうまいなと感じる。○それを演じるキャストも良かった。「告白」でいまいちだなと思っていた松たか子も本作で見直した。○ラストについてはいろいろ調べてみてなるほどというものもあったが、いろいろと分析してみたくなる作品だった。
TOSHIさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-12-22 21:25:13)
34.ネタバレ 言葉にしにくい感情を表現しているという意味で、ケータイ小説や少女マンガとは別次元の恋愛ものでした。なんか、トリュフォーの映画でも観ている感じで、色んな感情が渦巻いて見応えありました。
中盤で亭主が妻に対して「(俺の)浮気と、生活に余裕のある女たちへの復讐だろう」と指摘します。私もその通りだと思いました。妻も自覚していたはずです。でも、妻は徐々に心の均衡を失って行きます。亭主がカモである独身女性たちに同情的だからです。その同情に対して、妻は嫉妬しているのでした。ここ、すごく微妙な感情の起伏が演出されます。自分がやらせている行為なので、妻は亭主に止めろと言えません。まして、彼女たちに同情するなとは言えません。人柄は鎖に繋げないからです。亭主が金儲けに体を使っている間、自分で慰める妻。生理用ショーツは、受精せずに流されて行く子供の暗喩でしょうか。強靭に見えて、実は脆くてデリケートな妻の心情です。
対する亭主も繊細なんだけど、そんな妻の心情を100%は解せない。これがマンガやドラマなら(笑)、ハッとして妻の内面に気付くシーンが用意されるけど、本作は最後まで転げ落ちます。そこまで追い詰めて、何が見えてくるかを追いかけた作品でした。確かに詐欺は「夢を売る」と形容できると思います。本作の結婚詐欺もそのひとつだけど、この夫婦は結果として自分たちの夢まで売ってしまった。だから、タイトルは半分皮肉です。
本作から何らかのメッセージを得るのは難しかったです。敢えて言葉にすると、男女のデリケートは質が違うってことでしょうか。男のデリケートは外に向かって発揮され、女のデリケートは内に籠って行く。思い切って言うなら、女の方が残酷で怖い。そんな印象です。そして、「ゆれる」と同様に、エンディングの解釈を鑑賞側へ投げてくれます。妻の顔は「もう、放っておいて」と言ってます。あのシチュエーションの相手は亭主以外には考えられない。出所した亭主をにこやかに迎える気になれないのです。自分の心情を汲んでくれなかった恨みが尾を引いているのでしょう。夫婦は共有していた夢を売り尽くした状態から、再スタートが切れるのか? それが監督からの問いかけのような気もします。妻の不機嫌はツンデレの一種、と私は考えたいです。
アンドレ・タカシさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-11-10 21:26:34)
👍 2
33.ネタバレ ようやくネットレンタルでDVDを借りられ、長期間放置していたがやっと鑑賞。

過去作が好きな監督なので期待していたが、過去作を超えたとは思えず。
ただ、比較などしないのであれば「普通に」楽しめると思う。一定以上のクオリティはあると感じる。

上手いなーと感じたのが、徐々に夫婦がすれ違ってきたことを表す、自転車で出掛けた夫を妻が見送る場面。
夫は振り返るのだが妻はおらず、妻が店から出てきて夫の自転車を見送ろうとした時にはもう夫は居ない…という、何気ないすれ違いの描写に夫婦の関係性が上手く表れていた。

あとは、日常の崩壊を上手く表していると感じたのが、店にネズミが出る場面。
里子はお金も貯めて一見幸せそうに店を切り盛りしているが、少し裏を覗くとそこにはネズミ(崩壊の象徴)がいる…という、日常に侵食する崩壊の予兆を上手く感じさせてくれた。

役者は、主演を始めとして良かったと思うが、特に風俗嬢役の安藤玉恵が印象に残った。
あまちゃんでの「冴えないが憎めない・栗原ちゃん」のイメージが強かったので、本作で見せる大胆なシーンに、幅の広さを感じた。

悪くはないし、それなりによくできていると感じるが、やはり過去作と比べてしまうと物足りない…そんな作品であった。
Sugarbetterさん [DVD(邦画)] 7点(2013-10-24 22:50:33)
32.居酒屋を経営するある夫婦の平和な日々が一転、火事によって引き裂かれてしまう。2人がもう1度店を復活させたい一心でたどり着いた答えはー詐欺だった。あんなに善良そうだった2人が夢の為に人を騙し犯罪を重ねていく。物語は夫婦である男と女の対比を見事に描き出していく。夫はひょんな事から大金を手に入れ、満面の笑みで小躍りしながら家に帰り、妻にこれでまた店をやり直せると報告する。しかし、それは訳ありの金である。単純でバカな男を阿部サダヲが巧く演じていた。そして、勘の鋭い妻を演じた松たか子の演技が凄い。札を燃やして夫を問い詰める修羅場が最恐だ。女の怖さを前面に出している。また、生理用ナプキンを装着する場面や自慰に耽る場面など一見不要と思われがちだが、それがいっそう女の生々しさをもろに出すことに成功しているのではないかと思った。とにかく、最初から最後まで主演2人の演技が光っていた。
ヴレアさん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2013-10-22 20:52:08)
31.ネタバレ う~~ん、なかなか面白かったと言えば面白かったんですが、
最後の辺り、何か言いたくても言えない、言わずにいる里子のことが
気にかかります。
松たか子は素晴らしい演技なんだけど、眼の表情、演技はちょっと過剰かな。
あそこまで眼に言わせては、次が読めてしまうもの。
ある意味すごいと言えばすごいんだけど・・と書いていて、
きっと詐欺に至る気持ちに、意趣返しだけでは説得力のない脚本だったのかな、と
感じています。
それに包丁の場面、子どもをかばうにしてもあのままは・・
女性と子供は黙っていたとしても鶴さんが一番分かってるでしょ。
最後も・・暗いし怖いなあ。
AKOさん [映画館(邦画)] 7点(2013-06-03 11:28:48)
30.ネタバレ 夢売るふたりってタイトルを読んだとき、詐欺を働いて自分たちの夢を売る(削る)っていう意味だと思ったんですね。そうしたら、映画の中では、詐欺を働くことで、相手の女たちに夢を売ってあげてる二人って意味だって松たか子が言ってたんです。でも、やっぱり見ていくうちに夢を売っているのは二人自身なんじゃないかって、思うんです。
kanekoさん [DVD(邦画)] 7点(2013-05-09 18:05:46)
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マーク説明
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《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 49人
平均点数 6.45点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
412.04%
5918.37%
61530.61%
71632.65%
8714.29%
912.04%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.00点 Review1人
2 ストーリー評価 5.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 5.00点 Review2人
4 音楽評価 8.00点 Review1人
5 感泣評価 Review0人

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