映画『フライト』の口コミ・レビュー

フライト

[フライト]
Flight
2012年上映時間:138分
平均点:6.41 / 10(Review 88人) (点数分布表示)
公開開始日(2013-03-01)
ドラマサスペンス法廷ものミステリー
新規登録(2013-02-14)【放浪紳士チャーリー】さん
タイトル情報更新(2019-07-03)【Olias】さん
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監督ロバート・ゼメキス
キャストデンゼル・ワシントン(男優)ウィップ・ウィトカー
ドン・チードル(男優)弁護士 ヒュー・ラング
ケリー・ライリー(女優)ニコール・マッゲン
ジョン・グッドマン(男優)ハーリン・メイズ
ブルース・グリーンウッド(男優)パイロット組合代表 チャーリー・アンダーソン
メリッサ・レオ(女優)運輸安全委員会調査班 エレン・ブロック
ブライアン・ジェラティ(男優)副操縦士 ケン・エヴァンス
ジェームズ・バッジ・デール(男優)男性ガン患者
ガーセル・ボーヴァイス(女優)ウィップの元妻 ディアナ
ピーター・ゲレッティ(男優)アーヴィントン・カー
ジャスティン・マーティン〔1994年生・男優〕(男優)ウィル・ウィッテカー・ジュニア
小山力也ウィップ・ウィトカー(日本語吹き替え版)
楠見尚己ハーリン・メイズ(日本語吹き替え版)
田中正彦チャーリー・アンダーソン(日本語吹き替え版)
寺内よりえエレン・ブロック(日本語吹き替え版)
脚本ジョン・ゲイティンズ
音楽アラン・シルヴェストリ
撮影ドン・バージェス
製作ロバート・ゼメキス
ローリー・マクドナルド
ウォルター・F・パークス
スティーヴ・スターキー
パラマウント・ピクチャーズ
配給パラマウント・ジャパン
特撮マイケル・ランティエリ(特殊効果スーパーバイザー)
美術デヴィッド・レイザン(美術監督)
ニーナ・サクソン(タイトル・デザイン)
衣装ルイーズ・フログリー(衣装デザイン)
あらすじ
嵐の中、機長の卓越した飛行技術で無事離陸した旅客機が、次は目的地直前で突然制御不能となり急降下、悲劇は確実かと思われたその時、再び機長の英断により奇跡的な不時着に成功する。彼は一躍英雄となるが、その血中からはアルコールと薬物の反応が。飲酒が事実であれば重大な犯罪行為。果たして彼は英雄として称えられるのか、それとも獄中の人となるのか? ロバート・ゼメキス監督が久々にメガホンを握り、主演のデンゼル・ワシントンは4度目のアカデミー賞主演男優賞ノミネートを果たしたヒューマン・サスペンス・ドラマ。
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💬口コミ一覧

88.ネタバレ よくあるパターンだけど、トレーラーの印象でこの映画に期待をするととんでもないしっぺ返しを喰らう。例として「ドライブ」も、その部類だと思う。飛行機が謎の墜落をして(実際するんだが)その謎を解明していくととんでもない事態に(実際、とんでもない事態になるんだが)なっていくプロセスを手に汗握る…っていう「アクション・ミステリー」ではないし「法廷モノ」でもない。 そーいうのとは残念ながらこの映画は違う。 もっともっと「内省的」なのだ。 アメリカの映画界が数年おきに出してくる(今回はゼメキスが)「内省モード映画」のひとつだし、21世紀の幕開けからの個人も国家も躁状態、アメリカ経済も政治も「大嘘つき状態」であった約10年間を内省的に考える気持ちがセットになっているんだとおもう。 作品自体が、そもそもアカデミー賞狙いっていえば表層的にそうだけど、でも、もーちょっと根っこの深い部分で、「なぁ?俺たちの人生ってこんな調子で良いのかよ?」って誰しもが思っている、そーいう気持ちがラストシーンに繋がるのでは? 家族、嘘、虚栄、酒、ドラッグ、そしてアメリカの理想主義と現実主義、イケてる自分とグダグダな自分。 いろーんな「21世紀最初のディケードが終わった今のアメリカ」をぶち込んであるので、たぶん普通の日本人にはあまり面白くない映画…だと思う。でも、誰が観てもその根底にあるメッセージ性を理解出来る極めて良質な映画だとも思う。
crushersyuさん [映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2013-02-25 09:55:16)
👍 2
87.ネタバレ  「酒、クスリ、タバコはだめ。特に酒」って5秒で話せる事を延々クドクド2時間18分かけて神様まで持ち出して教え説く道徳映画。ラリパッパっぷりがハンパないアメリカ人には必要な映画かもしれませんね。

 冒頭から「コイツってこういう人間」っていうのが描かれてしまうため、予告編にあるような真実がどうのこうのな映画ではないって事がすぐに判ってしまいます。映画の核となるのが飛行機事故ではなくて、ソコなんだなぁっていうのが。
 そして、その人間性が少なくとも日本人にはあーんまり一般的でないっていう。みんなクスリとかフツーやらないでしょ? 明らかな犯罪を気軽に犯したりしないでしょ?

 最後には救済されたりしますが、個人的にはね、あそこでウソついて一生自責の念に囚われ続けるような後味の悪さがあった方が教訓になって良かったんじゃない?ってな気もします。いい話にしちゃった時点であのセラピーまんま聴いてるようなモンじゃない?みたいな。

 私的にはパニックスペクタクルな冒頭20分だけでいいかなぁ。

 見終わって、でもやっぱりお酒は美味しかったわ。
あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 6点(2013-03-01 20:08:11)
👍 2
86.ネタバレ これ、惜しいです!一躍ヒーローに祭り上げられながらも、自らが招いた行動の後ろめたさに怖気づき、アルコール&ドラッグ中毒の泥沼から抜け出せないデンゼル機長の、乱気流の中をアップダウンしながら進む航空機のごとき感情の揺れ動きが、非常に丁寧に巧みに描かれていると思います。それだけに、オーラス一歩手前の聴聞会での、嘘の供述から一転して罪を認めるに至る瞬間の行動への伏線だけがイマイチ弱く、彼の心理の変化が読みずらくなってしまった。亡くなった恋人(?)だったスチュワーデスとの交流が、単に肉体的なものしか画面上では描かれてなかったせいかと思います。結局は自業自得とはいえ、あの場面で観客を納得させてくれるような、何か奥の一手が欲しかった。ヒロインと初めて会う病院の階段踊り場での、ガン患者さんを交えた煙草のシーンが短いけれど、なぜか強く印象に残りました。久しぶりに実写のゼメキス監督作品を鑑賞しましたが、まだまだキレのある演出力は衰えてないようで嬉しかったです。デンゼル・ワシントンもホントいい感じで役者として熟してきましたね。それにしてもアメリカの航空会社って、国内線とはいえ搭乗前のパイロットの健康状態やらアルコール摂取とか、なーんのチェックもなしで、フリーパスで操縦させてるんですかねえ・・・?冒頭のデンゼル機長のアクロバット的背面操縦力技には実は「おおっ!すげー!」って、びっくり仰天したけど(←単純なヤツ)ノーチェックで操縦させてるって、やっぱ乗る側としては怖いよなあ・・・。クワバラクワバラ。
放浪紳士チャーリーさん [映画館(字幕)] 7点(2013-03-02 00:18:54)
👍 1
85.ネタバレ 『清廉潔白有能機長が誰かの不祥事のせいで容疑者に仕立て上げられ、皆で無実を勝ち取るドラマ』と思っていた私の予想は開始5分で見事に裏切られ、序盤からショッキング。これは『ゼメキスやワシントン』と言う集客要素を信じ、そういう風に見せる予告でミスリードするよう仕掛けた広報の度胸をまず評価。
内容は『アル中主人公が災難に会いながら立ち直る』と言った偉くこじんまりとしたものだが、タイトルになっている飛行機事故が映画と言う短い尺で主人公が更正するための切っ掛けや出会いをもたらしつつ、話がきっちり映画的に盛り上がるよう『登場人物と視聴者』どちらにも対応したカンフル剤としてしっかり機能していた。
主人公の設定も『英雄だが駄目人間』と言う何とも歯がゆい性格で、彼は悪くはないのだが、散々見せられる横柄な態度に『痛い目に会っちまえ』と思わせてきます。しかし、そんなダメ人間であると同時に百人近い命を救った英雄でもある。
終始淡々と話は進みながらも、同僚の死に涙したり酒を断とうと努力したりと、客が主人公に対し一線以上の不快感を与えないような演出のため、『黒なのか白なのか』だけではなく『黒になっちまえ、でもそれじゃ可哀そうだしかと言って白でもすっきりしない、どっちに転ぶのかな?』と、結末に対する視聴者の希望と期待をムズムズ刺激してきます。
そして終盤『よっしゃやっぱそう簡単に人は変われないな(笑)。あれ?え?そんな手アリ!?なんだよこのオチは?え?え?まだ続くの?ええっ!!』と二転三転し、『黒か白か』どちらかしかないと思っていたオチも、黒でも白でもグレーでもなく『黒だが白』と絶妙な着地を見せてくれました。
デンゼルワシントンの演技も、一般平均以下の英語力しかない私にも分かるようなたどたどしい喋り方で『横暴ヘタレな優秀パイロット』をキッチリ魅せてくれるあたり流石だった。
2時間近くあんだけ大嫌いだった主人公が最後の最後に見せた英断で一気に大好きになりました。体は自由だが心が窮屈そうに見えた彼が、体が窮屈になった代わりに心が自由になったシーンが実に印象的だった。
ムランさん [映画館(字幕)] 8点(2013-03-02 00:49:15)
👍 3
84.ネタバレ アメリカの良心か、デンゼルワシントン、冒頭からしていいですね、ナイスボディのスチャーデスと、飲んで、やったあと、です~か。ベテランパイロットとして、やれることは完璧にした、、、、でも、、、人格が、、、。普通の人間を演じるデンゼルはすごいと思う。前のデンジャラスラン、、、とか、、、悪徳刑事より、、、だらしない普通の人間を演じるデンゼルが、ここのいた。
映画の最後の方で、冷蔵庫の酒に、、、、蓋を開けて、、、匂いを嗅ぎ、、、。置いた。偉いー~ーと思ったが、やってはいけないことをしたくなる、、さが、、、。ダメダメ、、、。と思いながら、見ちゃいました、ドラマの最後、、、公聴会で、、、。わからない、、、となぜ言えなかったのか、、。たとえ、センセイシテモ個人的見解を聞かれていたのだから、見ていない、、、と。答えれば、、、良いものを。でも、彼が、最後に正直な告白をしたこと、、、清々しい気持ちに慣れました。ベンアフレックが主演じゃなくて、ベンガ
が目を左に寄せてしらをつく姿は世界最強なので、それがなくて安心しました。フェリシティーの青春に出ていたフェリシティーを恋する彼、ベンじゃない方、ノエルの彼も、嘘つき最強伝説、自分の中では、ベンアフレックじゃなくて、、、、。デンゼル、最高でした、映画とても楽しめました。
yasutoさん [映画館(字幕)] 10点(2013-03-02 09:50:55)
83.ネタバレ いきなり映し出される或る女性の乳房。そして、その女性と一夜を共にしたらしい主人公は、元妻からの電話に叩き起こされ、苛立ち億劫に応答しながら、真っ裸でうろつく女性の下半身を凝視する。
おおよそ“ロバート・ゼメキスの映画らしくない”そのアダルティーで、どこか退廃的なムードが漂う描写に「おや?」と思う。どうやらこちらの想定外の映画が展開されるらしいということは、この冒頭数分の映像で明らかだった。

機体トラブルによる旅客機墜落を奇跡的に回避した機長。「英雄」となるはずだった彼の血液からアルコールが検出されたことから生まれる疑惑。主人公は「英雄」なのか「犯罪者」なのか。
ストーリーの大筋はこのイントロダクションの通りである。しかし、この映画は、そこに隠された真実を追っていく類いのありふれたサスペンス映画ではない。
冒頭のシーンで明らかな通り、デンゼル・ワシントン演じる主人公が決して“清廉潔白”な人間ではないという事実からこの物語は始まる。

詰まるところ観客は、映画の序盤において、「英雄か?犯罪者か?」という問いに対して、「そのどちらも当てはまる」という答えを知ることになるのだ。
すなわち、この映画が伝えようとしているものが、主人公の社会的顛末などではなく、彼の人間としての「決断」の物語であることに気付く。

人間は、歳を重ねるにつれ、自分の非を認めるということが困難になる。
それが内省的なものであればあるほど、曝け出し、悔いること自体に多大な勇気が必要になってしまう。
この映画が描くことはまさにそういうことだ。
大事故に遭遇し自らの功績により生き残った主人公が、強制的に自分自身を省みなければならない日々を経て、最終的にどのような道を選び取るのか。

そういうことが、非常に巧みな映画づくりの中で表現されている。
一見すると、無駄に思えたり、やけにまどろっこしく思えるシーンの一つ一つが、この映画が伝えるテーマに繋がっていき、上質なドラマに昇華される。
ロバート・ゼメキス監督の映画を久しぶりに観たが、安定した演出力もさることながら、齢60歳にして非常に精力的に新境地を開拓してみせたと思う。
鉄腕麗人さん [映画館(字幕)] 9点(2013-03-02 16:59:33)
👍 2
82.ネタバレ 見終わって感じたのが、これは賛否の分かれる映画だなあ。 予告編で見られるようなアクション映画を期待していたら、とんでもない人間ドラマ、社会ドラマへと展開。 D・ワシントンの演技は見事で、アル中ぶりに見入り、そしてイライラしてしまいます。 そして、終盤の公聴会から息子との会話にいたるまでの顔の変化の演出は、名演出家と名俳優のなせる技ですね。 しかしながら、私の脳裏に焼き付いてしまったのは、序盤の機内のパニックシーンで、気を失ったCAの足首が棚のフタに挟まるシーンでした。
ミスプロさん [映画館(字幕)] 7点(2013-03-02 17:43:59)
😂 1
81.ネタバレ アクションでもサスペンスでもなく予想に反しての重厚な人間ドラマ。さて、相変わらず安定感のあるゼメキス演出だが、パイロットが英雄視されるシーンがほとんどなく、その後の犯罪者への転落感が物足りなかったり、亡くなった女性との関係が充分に描かれていないため、どうみても最低のくず人間がいきなり証言を覆すのが唐突で違和感があったりと気になる点もちらほら。期待が大きかったので点数は辛目で・・・。死者を貶めることなく自ら犯罪者の道を選び、息子と和解する展開は爽やかな感動を覚えた。
ふじもさん [映画館(字幕)] 6点(2013-03-02 20:50:09)
👍 1
80.ネタバレ どっかのレヴューであった、パチデンゼル?と思っちゃったオープニング。デンゼルとしては、意外なオープニング。(というか、あんまりデンゼルしらないけど。)
しかしやはり、航空フリークの私としては(またかよ)、オープニングの航空パニックシーンはワクワクのもでした。
んで、内容は、かの、”酒とバラの日々”を思い出させるなあ、なんておもって観ていたら、コレ観た晩にテレビでは”クレイジーハート”なんてやってるし、俺までアル中になるしまつ。最後、証言台での”真実の告白”には泣けた!機内でこどもを助け、自らの生命も犠牲にした彼女。その顔が思い浮かぶ。誰が嘘なんてつけるものか!てめえら人間じゃねえ!(号泣!)しかし、職業パイロットが、酒はともかく、”クスリ”とは。アメリカなら、いかにも実際ありそうな雰囲気プンプンで恐ろしいのでした。もっとも、人間辞める前に、パイロット辞めなさいと言いたい。いくら機体の事故だって、奇跡の宙返り飛行だって、帳消し! 一事が万事とはよくいったものだ。
男ザンパノさん [映画館(字幕)] 6点(2013-03-02 22:10:41)
79.ネタバレ 冒頭のスペクタクルシーンにまず目を奪われる。これは、エンターテインメント映画を数多く撮ってきたゼメキス監督ならではのバランス感覚の良さで、クライマックスへ到る伏線としても重要なポイント。予告編を観た限りでは、デンゼル機長の「黒か白か?」を巡るサスペンスドラマをイメージしてしまうが、ファーストシーンから酒を呑んでコカインでキメてるんだから、そりゃもう100%「黒」で間違いない。事故後も品行方正とは言えない言動の数々で、どうしようもないクズ野郎であるのは明白だが、その一方で、100名もの人命を救った英雄であるのもまた事実。果たしてその結末は、いかにも映画的なフィクション(作り物)なのだが、薬物中毒の女性や癌患者との対話から浮かび上がるデンゼル機長の「心の闇」、拡大解釈すれば「アメリカの闇」は、作り物では終わらない説得力がある。
フライボーイさん [映画館(字幕)] 8点(2013-03-03 19:49:11)
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78.ネタバレ ○一番印象に残ったのは特殊な癌に罹患した男性による神の話。すべてを神のせいにして前向きに生きている。○一方で神などどうでも良く、すべて自分さえ良ければ良く他責ばかりするウィップ。○結局これだけの上映時間がありながらなぜ最後に自分の非を認める決断に至ったかがあまり描かれていない。亡くなった不倫相手の写真をしばらく見つめるシーンがあるがそれで気持ちが変わったのかな。○また最後のセリフである「Who are you?」のインパクトはなかなかだが、親子関係の修復の経緯も説明が不足すぎやしないかと。
TOSHIさん [映画館(字幕)] 6点(2013-03-03 22:11:11)
77.ネタバレ 英雄か犯罪者か…って思いっきり犯罪者でしょ。主人公がクズ過ぎて同情の余地が一切ありませんでした。みなさんレビューされていますが、テッドと言い本作と言い、アメリカでは飲酒運転も薬も本当にこんなにもフリーなんでしょうか?服薬常用者が増えそうで不安になります。
Kの紅茶さん [映画館(字幕)] 5点(2013-03-05 21:03:59)
👍 1
76.ネタバレ  とんでもない技術の持ち主で、人々の命を救ったことが明白なのに、とんでもないクズ野郎でたくさんの法規違反を犯していた男。さて、この人どうしたものか?という映画だと思っていた。

 途中までは。

 確か予告編では「英雄か犯罪者か?」的なこと言ってたし、ポスターにもそんな事が書かれていたはず。だけど、物語の主眼がだんだんと彼のアル中の話に移っていて、「罪には問われるけれど、正直に生きることに決めました!息子もそんな自分を認め始めてくれていますっ!」で終わられても、こっちはスッキリしない。
 飲んでいたことを認めても、部品故障は明白な事実だし、他の誰でさえこの事故で機を着陸できた人は居ないのだから。
 この大きなジレンマに対して、飲んでいたらダメ!って画一的な決めつけで終わっちゃうのが、残念だ。

 結局自分は、こういう事が起こり、こういう人が現れた時の、周りの人たちのドラマを期待していたのだ。
 ある意味、執拗に機長のアル中事情を描写する映画の視点が、彼がアルコールを呑んだのかどうか、しか問題にしていない調査委員会の対応と共に、その答えなのかもしてないが、そういう事じゃないんだよなあ。
Tolbieさん [映画館(字幕)] 5点(2013-03-05 22:30:07)
👍 1
75.ネタバレ 最後の公聴会の場面、亡くなった機長の恋人の笑顔の写真が大きなスクリーンに映し出された瞬間、これは罠なのでは?と感じました。彼女もアルコール依存だったという情報は委員会の報告だから事実でしょう。機長にとっては酒を飲んだという事実を彼女のせいに出来る、またとない筋書きを描けるチャンスでした。でも彼はそうしなかった。「酒を飲んだのは自分だ。」と…。安全委員会のスゴ腕の調査員が、機長のアルコール依存(元妻や父を嫌っている息子に尋ねればすぐに分かる)やカテリーナとの関係など、少なからず突き止められないはずがない。調査員エレン・ブロックは機長の良心に揺さぶりをかけたのだと思います。それは彼女の表情から感じ取れる。この事故が機体の故障である事は明らか。誰も成し得ない操縦技術で、乗客のほとんどを救った判断と功績。その事実を踏まえた上で誰かが酒を飲んでいた事実を突き止めなければならない、調査員としての仕事。その葛藤がメリッサ・レオ扮するエレンの表情から滲み出ていました。彼女の演技こそ助演に相応しいと感じました。機長の人柄はOPからご丁寧に分かり易く伝えられています。そして公聴会当日に晒した醜態。彼はとても弱い人間です。「おれは酒を選んだ。」と自分でも認めている。でも、人として『大事』でありながら『基本』でもある「何か」、人を想う気持ちは失ってはいなかった。いや、「あった」と言う方が適切です。それは愛した女性だからだ、とは決して言えないと思う。彼女のした事、乗客を救う事を怠らなかった勇気と行動を知っていたら、そうは言えないはずです。病気やガンを神の行い、運命だと受け入れる事は開き直りか、その方が楽だからだとは思います。でもそれは「逃げ」でしかない。神にすがる人間も弱い。機長は逃げなかった。現実を受け入れた。刑務所で面会に訪れた息子と笑顔で抱き合う彼の姿を見て思いました。人は弱い生き物です。だからある人には普通に生きる事の難しさを、またある人には普通に生きる事の素晴らしさを教えてくれる映画であると。
mikiさん [映画館(字幕)] 7点(2013-03-07 16:41:45)
👍 2
74.ネタバレ 副操縦士の病室でのシーンから怪しさがだんだん出てきて、どういうオチにするのかと思ってたら「いい人」になっちゃうんだもん。「神の御心」振りかざされても困る。私、キリスト教は受け入れられないので… 背面飛行をやった理由が曖昧すぎて腑に落ちませんでした。さてさて、流れるオヤジなロック、ソウル、ブルースが力一杯ベタなのには笑ったなぁ。ストーンズ、トラフィック、マーヴィン・ゲイ、ジョン・リー・フッカーなどの超代表曲使ったのはゼメキスの趣味かな。AE86の勇姿見れたのもよかったね(トヨタの言う「リフトバック」なハッチバックが開閉するところも映ってたし)。そうそう、冒頭のシーンで「トリーナ」って呼んだからって、その後の字幕をすべてトリーナにするのは変じゃない? 台詞はちゃんとカトリーナって言ってんだから。
shintaxさん [映画館(字幕)] 6点(2013-03-07 17:34:33)
73.ネタバレ 飛行機のトラブルから墜落までの展開は、観てるこっちもキンタマがヒュンッ!となります。凄い臨場感。

しかし、事件後にヒロインと共同生活を始めるあたりで、調査状況の進行が止まってしまい、そこは退屈。女優さんがキレイだからなんとか観ていられました。

後半からは、無駄にスリリングなアル中描写。そして二日酔いをごまかすために薬をキメるという衝撃の展開。なぜかこの辺だけコメディになるのは笑えました。

「英雄か?犯罪者か?」というキャッチコピーだったけれど、映画自体は、そういう二元論で答えが出るもではありませんでした。「英雄と呼ばれてる人だって、こういう面はあるよ」というところを色んな切り口で描いていると思います。現実に存在する歴史上の英雄や偉人だって、360度清廉潔白、なんてことはあり得ないわけですから。彼は英雄だ!と思っていたのに、別の面を見て裏切られた!と手のひらを返すのはおかしい。

主人公ばかりが注目された事件ですが、公聴会の最後に「乗客を救ったもう一人の英雄」を思い出すことができて、本当に良かったです。
ゆうろうさん [映画館(字幕)] 7点(2013-03-07 23:45:39)
72.ネタバレ ゼメキスの作品は好きなものが多く、期待しすぎていたのか、わりとガッカリでした。「あなたの意見は?」と求められて「ん~、わかんない!」と答えるのは誉められないお国だからなのか、「I don't know」と答える選択肢が頭の中に微塵もないかのようなクライマックスの狼狽ぶりに、僕の頭の中は「?」で一杯になりました。酒飲みまくって充分眠らず目覚ましにドラッグという主人公が悔い改め、そういう態度で人命預かる仕事に臨んだことについて罰せられてもいいですが、事故の責任の所在は別なんじゃないかという思いで、観た感想は釈然としません。「それはそれ、これはこれ」って考えはないのですかね? 尾翼の交換を怠った問題は触れられたけれど、「誰のせいで事故が起きた?」という点において明確なオチに至らず、主人公が責任のなすり合い合戦の犠牲になったようにしか感じられませんでした。ラストも、息子の態度の変わり様のわけが分からず、とって付けたハッピーエンドにしか見えなくて、ちょっとシラけてしまいました。結局、お酒とかドラッグに対する依存の話しで、軸がブレまくり。脚本に説得力がないと思います。ジョン・グッドマンが良かったです。
だみおさん [映画館(字幕)] 5点(2013-03-08 19:54:44)
👍 1
71.ネタバレ 事前情報はトレーラーのみ、法廷ものミステリーかなと思っていましたら違いまして、アルコール依存症の人の話で、たまたまパイロットで困難な状況を切り抜けただけなんですね。。。と簡単に言っていいかどうかわかりません。大舞台で告白して何となくハッピーエンド風味ではあるけど依存症と事故との関連性や判定がイマイチはっきりしないのですっきりしませんね、本作は実話と思っていたので調べてみたら違うみたいです、機種が下がるトラブルを元ネタとして使っただけで、実際には墜落して乗務員、乗客全員が犠牲になったとのことです。 印象に残っているのは癌患者と3人の会話シーンで、全てを物語っている気がしました。
ないとれいんさん [映画館(字幕)] 6点(2013-03-11 15:24:55)
70.ネタバレ 非常にキリスト教的価値観に基づいて作られている映画だったと思います。近年でも現代劇でこれだけ劇中に"God"という言葉が頻出する作品って少ないんじゃないでしょうか。この作品の根幹を為すテーマは「贖罪」だと思います。但し、主人公は熱心な(熱心過ぎてちょっと怖い)キリスト教徒の副操縦士を見舞った際に露骨にイヤーな顔をしていたり、ところどころで「神なんかいない」という旨の発言を繰り返したり明らかに無神論者です。少なくとも熱心なキリスト教徒ではない。そんな彼が最後の最後に罪の意識を告白して、罪を精算し、富も失い、人間的にも立派な男になりましたってオチをつけるんですから、物凄く乱暴な物語と言えると思います。非常に感動的ではありましたが。その辺りは別に私は特にキリスト教を信仰していないので非常に乗りづらかったです。
あと視覚的にもストーリー的にもキリスト教の話と意識させるように作られています。飛行機の墜落時にペンテコステ派の教会を破壊し、主人公は事故を経て一度は禁酒を決心する所などは特に分かり易い。共に暮らすウィップとニコールは楽園を追い出され罪を背負うこととなったアダムとイヴの明らかなメタファーでしょう。
まあそんなことは置いといても、クライマックスの泥酔状態となったウィップを素面に戻すトリックには劇場内は爆笑でしたし、序盤の飛行が墜落するか否かのド迫力のアクションはポール・グリーングラスの『ユナイテッド93』に匹敵するスリルでしたし、大変面白かった映画であることは確かと思います。なんかホント全てが丁寧ですよね、巨匠の仕事って感じ。この期にロバート・ゼメキスには是非とも実写の世界に戻ってきて欲しいと思います。
民朗さん [映画館(字幕)] 8点(2013-03-11 22:25:20)
👍 1
69.ネタバレ 英雄か、犯罪者か。どちらでもあり、どちらでもない。ただ言えるのは、弱い人間であるということ。現代人には様々な依存症があり、自分がそれであると認める事が治療への第一歩であるという事が言いたいにしても、それを飛行機墜落事故で表現するのは遠回りだったのでは。テーマをストレートに表現しても面白くないからひねったんだろうけど、前半と後半が全く別物のよう。作品全体のテーマがはっきりしない、あるいは誤解を招く結果になってしまうのは致し方ない。デンゼルワシントンの演技は相変わらず素晴らしいのだが。
ちゃかさん [映画館(字幕)] 6点(2013-03-13 15:25:37)
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【点数情報】

Review人数 88人
平均点数 6.41点
000.00%
100.00%
200.00%
311.14%
433.41%
51314.77%
63337.50%
72427.27%
8910.23%
944.55%
1011.14%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.80点 Review5人
2 ストーリー評価 6.50点 Review8人
3 鑑賞後の後味 6.50点 Review6人
4 音楽評価 6.75点 Review4人
5 感泣評価 4.75点 Review4人

【アカデミー賞 情報】

2012年 85回
主演男優賞デンゼル・ワシントン候補(ノミネート) 
脚本賞ジョン・ゲイティンズ候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2012年 70回
主演男優賞(ドラマ部門)デンゼル・ワシントン候補(ノミネート) 

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