映画『偽りなき者』の口コミ・レビュー(2ページ目)

偽りなき者

[イツワリナキモノ]
The Hunt
(Jagten)
2012年デンマーク上映時間:115分
平均点:7.48 / 10(Review 27人) (点数分布表示)
公開開始日(2013-03-16)
ドラマ
新規登録(2013-03-21)【Carrot Rope】さん
タイトル情報更新(2019-06-30)【Olias】さん
Amazonにて検索Googleにて検索Yahooにて検索
Twitterにて検索
ブログに映画情報を貼り付け
監督トマス・ヴィンターベア
キャストマッツ・ミケルセン(男優)ルーカス
トマス・ボー・ラーセン(男優)テオ
脚本トマス・ヴィンターベア
トビアス・リンホルム
撮影シャルロッテ・ブルース・クリステンセン
字幕翻訳松浦美奈
スポンサーリンク

💬口コミ一覧

7.本作はデンマーク産の映画で、話されているのもデンマーク語(一部英語もあり)です。
デンマークという国の特色として、手厚い医療や教育などのサービスが行き届いていることがあります(資金は高額な税金によるものなのですが)。
その「世界一幸せ」と称される国の一区画で「子どもが大人に性的虐待をされた」という事実は、人々にとっては憎むべき、廃絶すべき対象でしょう。
事実、デンマークでは1997年に男性の幼稚園教諭が幼稚園児に性的な虐待を行って逮捕されたという事件が発生しています。
その後、デンマークでは幼児教育に携わる男の先生が、非常に少なくなったそうです。
おぞましい事件が発生すれば、大人たちはそれをコミュニティから除外し、蔑み、二度とこんな事件が起こらないようにする・・・それは確かに致し方のない、当然のことだと思います
しかし、この映画の主人公は全くの無実なのです。
彼に対する仕打ちはとても理不尽で、恐ろしいものでした。
肉体的にも精神的にも主人公が追い詰められているのを観るのは、とても辛いものがありました。
この映画で恐ろしかったのは、大人が子どもの嘘を信じる過程です。
嘘をついた女の子の証言には変なところもあるし、女の子自身も大変なことになっていることに気づき嘘を告白したりもします。
しかし、それでも大人は女の子のことばをとことん信じようとするのです。
それは「性的虐待」というタブーに触れる、とても具体的に言いにくい出来事であることも原因です。
そして、母親が女の子に「優しいことば」をかけてあげるシーンに、自分はゾッとしました。
これを言ってしまえば、もう真実のことばは母親には届かないと、絶望的な気分になったのです。
下手なホラー映画よりも恐怖を感じた作品でした。
ヒナタカさん [映画館(字幕)] 7点(2013-04-22 00:50:38)
👍 3
6.ネタバレ  映画として非常に完成度が高く、見ごたえがあります。
 相手が児童であれば、男女問わず誰にでも起こりうる事案。とても強いメッセージ性をはらむ作品。
 犯罪というものは、たとえ無罪と司法が結論づけても、容疑をかけられただけで世間とは切り離されてしまうものなのですね。
 しかも、いつ、どこで、自分に容疑がかかるのか。この映画を見る限り、交通事故より予測が難しいと思いました。
 自然災害であれば、みんな人生が一変してしまいますが、冤罪は自分ひとりだけが人生を狂わされます。比較できるものではありませんが、よほど辛いかもしれません。
 最後まで目が釘付けになったのは久しぶりです。本来であれば9点、もしくは10点の価値のある映画かもしれません。
 ですが、私にとって映画は娯楽であり、エンターテイメント。やはり映画という媒体を使う以上、あやふやな結末はちょっと受け入れがたいものがあります。
 ラスト10分、場面が切り替わり、突然の祝賀ムード。祝ってもらっているのはルーカスの息子ですが、ルーカスが住民から受け入れらているのが伝わってきます。あれ?容疑は晴れたのか?でもテオの奥さんはいないし。しかもあろうことか銃で狙撃されるルーカス。
 ・・・・・もしかして住民たちのルーカスへの疑惑は晴れていないんじゃ・・・。月日が経ったようだから、そろそろ許してやるかみたいな?う~ん、わからん。その結論を見ている私たちのご想像にお任せしちゃっているのだとしたら、そーゆースタンスは好きじゃない。
 事の発端となったクララ。先入観で住民を扇動した園長。誘導尋問をした園長の知人。おそらくクララの狂言であろうことに最後気付いたにもかかわらず、それを住民たちに打ち明けてはいないであろうテオ。その妻。犬を殺し、窓に石を投げた人間。スーパーの店長。スーパーでルーカスを蹴り、缶をぶつけルーカスに怪我をさせた若いにーちゃん。
 このひとたちみーんなに、罰を与えるか、涙ながらの謝罪をさせないと、私のような人間は全然すっきりできないのです。
 ルーカス、あんたも最初から全力で否定しなさいよ。
 なにかってーと、『あなたはどう思う?』のスタンス。それやってる人のスタンスだから!自分から疑われるよーなことしなさんな。
たきたてさん [DVD(字幕)] 6点(2023-06-08 04:14:26)
5.ネタバレ 愛犬が殺されたことで完全ハッピーエンドの希望は絶たれたが、せめて白黒はっきりつけて欲しいと。結果はありがちなグレー。グレーは疲れる。作品としては正しいのであろうがグレーは疲れるのです。ルーカスは強いルーカスは負けないルーカスはイカレない。イカレていくのは村人である。私はルーカスを応援した。
i borgさん [地上波(字幕)] 6点(2015-05-03 14:24:36)
👍 1
4.とっても怖い映画。
でも映画としての面白みはあまりない
aimihcimuimさん [DVD(字幕)] 6点(2014-08-20 01:44:49)
3.ネタバレ こういう強制的な映画はだめである。ドキュメンリー映画でももっと詩的自由はある。とはいえ、あの憎らしい子供の演技があまりにも素晴らしい。求愛表現がはねつけられたと感じたあの子供は、なんと「プライド」護持の嘘へと動いた。
ひと3さん [ビデオ(字幕)] 6点(2014-03-15 23:14:15)
2.点数が高かったので期待して見たが、それほどでもなかった。

デンマークでは性犯罪に関して、被害者側が告訴する・しないというシステムは無いのだろうか。
日本にはこのシステム(親告罪)があるせいで、残酷な仕打ちをした加害者が罰せられないことがある。被害を受けても警察に言わない女性もいるため、立件数も少ない。
日本の性犯罪の認知件数はわずかであるが、レイプ被害を受けた女性のうち、警察に訴えたのはわずか4%である。(この数字はある統計からのデータだが、泣き寝入りする女性は9割以上というのが日本のレイプ被害に関して、関係者に一致する見解である)
この数字は世界的に見ても圧倒的に低く、立件されていない犯罪も入れれば、他の先進国並(かそれ以上)の犯罪発生率となる。決して日本は、性犯罪が少ない国ではない。

実際に、自分の実家の近くでも小学生女児が高校生の男に性的虐待をされ、子宮を切除する事態になったが、親が告訴をしなかった為その男は野放しになっている。そのような男が再犯する可能性は高いのではないか。このような面でも、日本は女性が生きにくい国である。
この作品で描かれるように、加害者とされる男性の主張を聞かずに逮捕するのも良くないが、日本のように被害者が泣き寝入りしなければいけない国も悲惨だ。

その他印象に残ったのは、親の罪を子どもにまで求めないのが日本とは違って良いな、ということと、疑惑が晴れたらすぐにコミュニティに受け入れられるのも日本と違うな、ということ。
ムラ社会日本は、不祥事は家族ぐるみで非難され、一度良くないレッテルを貼られた者は社会復帰が難しい。デンマークのような国と日本のような国、どちらが生きやすいかは人それぞれだと思うが、自分はデンマークのようなシステムの方がよい。
Sugarbetterさん [DVD(字幕)] 6点(2014-01-26 00:06:22)
1.ネタバレ まず劇中の園長に関して、知性によらず嫌悪感だけで全否定に至るような態度は知的生物たる人類の一員として恥ずかしい。責任者として児童と保護者に申し訳ないという思いで頭が一杯なのか、客観的にどうすべきかが全く見えていないらしいのも組織の管理者としては不適格である。自分の感情処理が最優先になっているにもかかわらず、本人は他人のためと思っているのだろうから始末が悪い。さらに周辺を動員して攻撃対象を孤立させるやり方は卑劣で悪辣であり、これも当人の本性が表に出たのだろうと思われる。これで責任感が強く良心的な人物などと思われているとすれば腹立たしい。
また児童の父親は、要は自分の子が嘘つき扱いされたことに反発したのだろうから主人公の訴え方はかなりまずい。せっかく直接話す機会が得られたのだから、淡々と経過を説明してあとは判断を任せればよかっただろう。親馬鹿はまだ仕方ないとしても、主人公までが感情に訴えるしか能がないのでは全く共感できず、こいつはバカかと呆れるだけである。なお主人公の支援者も基本的には情で動いていたように見えており、その点では対立勢力と同類と思われる。客観的な視点の持てる人物が劇中にいない(裁判所を除く)のは見ていて非常に苛立たしい。
そのほか自分の罪悪感を他人に転嫁して憎悪するタイプの人間もいたかも知れないが、何にせよ大多数の周辺住民は、特に切実な動機もなく自分なりの検証もせず態度保留するわけでもなく単に付和雷同で叩いていただけと思われる。日本の映画なら“これだから田舎は困る”で終わってしまいそうな話だが、外国映画のため素直に普遍的な問題として受け取ってもらえるのは幸いである。

以上、どうせ人間というのはこの程度のものであり、理性的な話が通用するなどと考えない方がいいのは世界共通のことらしい。こんな世の中に生きているよりも、おれはやってない、お前ら全員呪ってやる、と叫んで衆人環視の前で自決して果てれば、関係者全員に一生残る心の傷を負わせて復讐できるだろうが、ただし主人公には息子がいるのでそういう破滅的なことはできないわけである。
なお点数は個人的趣味の問題であまり高くできないが、客観的な評価としてはここの平均点(自分のを除く)に納得する。ストーリーが初めから主人公を追い込む方向で組まれているのは制作側の都合優先に思われなくもないが、映像が美しいのは印象に残った。
かっぱ堰さん [DVD(字幕)] 5点(2014-06-11 20:28:33)
👍 1
スポンサーリンク
スポンサーリンク
マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 27人
平均点数 7.48点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
513.70%
6518.52%
7829.63%
8829.63%
9311.11%
1027.41%

【アカデミー賞 情報】

2013年 86回
外国語映画賞 候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2013年 71回
外国語映画賞 候補(ノミネート) 

■ ヘルプ