映画『風立ちぬ(2013)』の口コミ・レビュー(4ページ目)

風立ちぬ(2013)

[カゼタチヌ]
The Wind Rises
2013年上映時間:126分
平均点:6.54 / 10(Review 184人) (点数分布表示)
公開開始日(2013-07-20)
ドラマ戦争ものアニメ伝記ものロマンス漫画の映画化
新規登録(2013-05-14)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2025-07-03)【イニシャルK】さん
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監督宮崎駿
庵野秀明堀越二郎
瀧本美織里見菜穂子
西島秀俊本庄季郎
西村雅彦黒川
風間杜夫里見
竹下景子二郎の母
大竹しのぶ黒川夫人
志田未来堀越加代
國村隼服部
野村萬斎カプローニ
渋谷はるか
ジョセフ・ゴードン=レヴィット堀越二郎(英語吹き替え版)
エミリー・ブラント里見菜穂子(英語吹き替え版)
ジェニファー・グレイ黒川夫人(英語吹き替え版)
スタンリー・トゥッチカプローニ(英語吹き替え版)
メイ・ホイットマン堀越加代(英語吹き替え版)
マーティン・ショート黒川(英語吹き替え版)
ウィリアム・H・メイシー里見(英語吹き替え版)
ヴェルナー・ヘルツォークカストルプ(英語吹き替え版)
ジョン・クラシンスキー本庄季郎(英語吹き替え版)
イライジャ・ウッド曽根(英語吹き替え版)
原作宮崎駿「風立ちぬ」(原作掲載 月刊モデルグラフィックス)
脚本宮崎駿
音楽久石譲
作詞荒井由実「ひこうき雲」
西條八十「風」(訳詩)
作曲荒井由実「ひこうき雲」
ウェルナー・リヒャルト・ハイマン「Das gibt's nur einmal」(邦題「唯一度だけ」)
主題歌荒井由実「ひこうき雲」
撮影奥井敦(撮影監督)
製作奥田誠治(製作担当)
日本テレビ(「風立ちぬ」製作委員会)
電通(「風立ちぬ」製作委員会)
博報堂DYメディアパートナーズ(「風立ちぬ」製作委員会)
三菱商事(「風立ちぬ」製作委員会)
東宝(「風立ちぬ」製作委員会)
高井英幸(「風立ちぬ」製作委員会)
島谷能成(「風立ちぬ」製作委員会)
市川南〔製作〕(「風立ちぬ」製作委員会)
ウォルト・ディズニー・ジャパン(「風立ちぬ」製作委員会)
製作総指揮フランク・マーシャル(英語吹き替え版)
プロデューサー鈴木敏夫
川上量生(プロデューサー見習い)
制作星野康二
スタジオジブリ
配給東宝
作画高坂希太郎(作画監督)
米林宏昌(原画)
近藤勝也(原画)
友永和秀(原画)
本田雄(原画)
山下明彦(原画)
青山浩行(原画)
古屋勝悟(原画)
田中敦子〔作画〕(原画)
新井陽次郎(動画)
押山清高(原画)
美術武重洋二(美術監督)
保田道世(色彩設計)
高屋法子(ハーモニー処理)
編集瀬山武司
録音東北新社(音響制作協力)
東京テレビセンター(音響制作協力)
木村絵理子(アフレコ演出)
その他スタジオジブリ(提携)
日本テレビ(提携)
電通(提携)
博報堂DYメディアパートナーズ(提携)
三菱商事(提携)
東宝(提携)
堀辰雄(献辞)
久石譲(指揮・ピアノ)
IMAGICA(デジタルラボ)
鈴木敏夫(キャッチコピー【ノンクレジット】)
読売新聞社(特別協力)
あらすじ
零戦の設計者堀越二郎と作家堀辰雄をモデルに、美しい飛行機を製作したいという夢を抱き情熱を注ぐ青年と、彼が愛した女性との出会いと別れを、宮崎駿監督が自身の集大成として描く。青年が生きた大正から昭和の日本社会の様子を、大震災、避暑地の田園風景から、庶民の生活に至るまで、丹念かつ綿密に、そして、圧倒的な美しさで描いていく。第71回ゴールデングローブ賞外国語映画部門・第86回アカデミー賞長編アニメ部門にノミネート
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💬口コミ一覧

124.同様の仕事をしている者として感慨深く観させていただきました。映画でも登場した青写真はコピー機が無かった時代の産物で、1970年頃入社したての頃でも資料として見ることが出来ました。計算尺は電卓の無い時代は三角関数を計算するための必需品で、HPの高価な関数電卓を入手するまでは重宝しました。ドラフターの前はT定規、その前は定規で図面を書いていたのですね。話はそれますが、ポルシェ博士の初スポーツカーは手書きの曲線で、こんな美しい図面がよく書けたものだと驚いたことを記憶しています。資料の山をかかえ、手計算で構造設計をしていた頃がよみがえって、楽しく観させていただきました。 「ひこうき雲」は荒井由実のファースト・アルバムを買ったときから好きな曲です。
くだごんべさん [映画館(邦画)] 8点(2013-07-24 10:01:49)
👍 2
123.ネタバレ 宮崎監督としては、今までと違う手法の作品であることは間違いないです。
子供を意識していないためか、客が見たいものを見せるより想像させる描写が多く、夢のシーンを除いたらすごく普通の大人向け映画です。
情感あるシーン、盛り上がるであろうシーンも過剰にならず、ひっぱらずに早いテンポで物語は進みます。
言葉でメッセージらしきものを語ることもありません。
主人公の行動を見ていると、監督自身の自伝でもあるような感じがします。
途中で始まり、途中で終わるかのように余韻は感じませんが、すなわちそれが「生きること」でまだ先があるというメッセージのように思います。
2度3度見て味わい深く、子供にはよくわからんけど印象に残るような作品に思います。
宮崎監督が初めて大人の視点で映画を作ったということは、逆に子供向けの映画では主人公の2,3日の行動にベッタリつかないと子供はついていけないという手法の違いを見せてくれたことで勉強になりました。
声優、音響など宮崎監督ならではの試みもありますが、成功しているかは別として自分はこの考えは肯定します。
しかしヒロインの端正な顔はもう飽き飽きです。美人って人の数だけ細い美人やふっくらした美人やタレ目の美人もいるのに、ジブリ作品の美人は同じ役者が衣装を変えているだけのように見えてしまいます。
子供の描写はおそらく世界一なのに、絶世の美女となるとどの作品も同じ顔になってしまうのが、不満ではあります。
しかし単純に泣けたいうことでは語れない密度を持った作品であると思います。
何が起こっても状況を受け止めて行動している主人公の描写、悲惨な震災や戦争に対して不平不満を言わず(そういう描写は省かれている)一歩引いた目で「状況」として捉えて行動している描写自体がメッセージのように思います。
紙ヒコーキのシーンは実に映画的な名シーンだと思います。
どっぐすさん [映画館(邦画)] 8点(2013-07-24 02:21:03)
👍 1
122.大人の作品。ただ一途に想い、想われる事の美しさに溢れた作品だと思いました。大好きな飛行機と愛する菜穂子が二郎のすべて。戦争や震災はごっこ遊びの様なちょっとしたイベントであり、それ以上の意味は持ちません。少年の日の夢をひたすら無垢に追いかけ続ける。浮気が出来ない二郎にはこれしか無かったし、結果などどうでも良かったのです。飛行機のみならず二郎は生き方までが美しかった。ハウルだポニョだと昨今の作品には悉く失望させられておりましたが、ジブリの中では三本指に入る傑作です。もう一度観たいかと聞かれればもう観たくないのが本音ですが、劇中は鼻水を出しながら号泣してしまいました。ただ声が…いくらなんでも棒読み過ぎて違和感が最後まで拭えませんでした。
Kの紅茶さん [映画館(邦画)] 8点(2013-07-21 18:12:36)
👍 1
121.ネタバレ 実はジブリ作品を映画館で見るのはコレが初めてなアタシ、実在の人物をモデルにした「最もジブリらしくない」作品っていう触れ込みだったんでどうかなーと思ってたんだけど…最近のジブリ映画は最初に大風呂敷広げすぎちゃって後半迷走ってパターンが多かった割に、このお話はよくまとまってて終わり方もイイ感じだったわ。 堀辰雄の『風立ちぬ』は未読なんでわかんないけど、このお話は基本的には零戦開発者である堀越二郎の半生を追ったドキュメンタリーで、恋愛関係のみ小説『風立ちぬ』だと理解すればいいのかしら?? …ただただ美しい飛行機が作りたかっただけなのに結局それが戦争に利用されてしまうっていうやるせなさと、最愛の菜穂子を結核で亡くしてしまう絶望感、それでも彼女の言葉に従って「生きねば」という結論に達する姿勢…そのあたりがとってもよく伝わってきてアタシはウルッとしちゃったわ。 でも…零戦とか旭日旗とかが出てくるから韓国とか中国の人が過剰反応しそうで心配ね。 戦争を美化するのが目的の映画ではないってことをちゃんとわかってくれるといいんだけど…。 あと!荒井由実の大昔の歌「ひこうき雲」が、この映画のために作られたんじゃないかってくらいの奇跡的なハマリ具合でビックリ!! ほんとエンディングまでキレイにまとめたわねー。
梅桃さん [映画館(邦画)] 8点(2013-07-20 21:28:19)
👍 1
120.ネタバレ 堀越二郎は少年時代から海外の飛行機雑誌を読むほどの飛行機マニア。彼は夢で何度もイタリアの飛行機設計者カプローニ伯爵と邂逅する。この夢の内容ですが、恐らくカプローニ伯爵は主人公の憧れであり理想の男だったのだと思います。夢の中でカプローニ伯爵は「発明設計は戦争の道具を作るのではない、夢にかたちを与えるのだ!」と言い、彼の飛行機には爆弾の代わりに客間が乗っている。夢の中でカプローニ伯爵の飛行機に乗っている人は皆にっこり幸せそうに笑っている。彼は本当に純粋に飛行機という乗り物が好きなだけだった。
でもその技術は戦争に使用され、彼の設計した零戦は一機たりとも戻っては来なかった。戦争は根こそぎあらゆるものを奪い去った。それでもなお夢の中で菜穂子に「生きて……!」と言われ生きていく。この世が生き辛いのはどの時代でも当然のこと。それでも私達は生きなければいけないという強いメッセージを感じました。
基本的に零戦の誕生にまつわる話がメインで、菜穂子とのロマンスは短いですが、短い時を懸命に生きた二人はしっかりと描写されていたと思います。何より宮崎駿が主人公と菜穂子の初夜をちゃんと描写したことには驚きつつ感心しました。刹那的に生きた二人を描くには絶対に必要なシーンだったと思うので。
最も心配だった庵野秀明の演技も、まあハッキリ言って周りの役者さんに比べると下手なのですが、劇中の堀越二郎が"好青年だけど変人"と描写されているため、それほど気にはなりませんでした。
民朗さん [映画館(邦画)] 8点(2013-07-20 15:03:04)
👍 1
119.金曜ロードショーにて鑑賞。元々アニメはあまり好きではないのですが、最初から大人向けを意識した雰囲気で一度見始めると止められなくなってしまいました。

最初から静かな流れと空想描写が多く、かなり意味深な雰囲気を醸し出しています。カプローニの「飛行機は美しくて残酷な夢だ」というセリフの答えを二郎自身が開発した自分の飛行機をもって、「出かけていったパイロットは誰も帰ってこなかった」という形で観客に語ります。受け手の感受性によって異なる答えが出てきそうな意味深な問いかけで深いです。また、全体的に多くを語らない作風も素晴らしくて「結核」や「山で療養」など、モノを知っている人にはより深く考察ができる作りになっている点も素晴らしかったです。少々異質に感じた主人公のセリフ周りと感情の無さも、これはこれで慣れれば”多くを語らない”という作風には合っていたように感じました。

堀達雄の「風立ちぬ」は読んでいませんが、あの時代特有の死の病(結核)を題材にした重たい小説です。彼らの悲しい生き様を宮崎アニメ風に美しい部分だけをかいつまんで見せてくれたことは評価に値するかもしれません。ただ、今の時代の女性には「旦那さんに美しい部分だけ見せて、彼の為に自分自身(菜穂子)が身を引くシーン」はほとんど理解不能かもしれません。
問題はゼロ戦の設計士、堀越二郎の物語です。堀越二郎の歴史の中に菜穂子を落とし込んだせいで、飛行機への情熱と妻への深い愛情が両立しなくなってしまったように感じました。また物語上は二郎が大きな失敗をして逃避という形で軽井沢につながっていきますが、軽井沢での流れが冗長で時間を割いた割りに菜穂子との恋愛要素がウマく流れていなかったように感じました。もう少し二人が心を通い合わせる丁寧な描写があれば良かったのですが、これを紙飛行機のやり取りでやってしまった点がイマイチでした。あと、ドイツ人カストルプとの会話もイマイチ浮いており、ほとんどカットしても良かったような状態になってしまっています。(時代背景を組んだ形でかなり深いことは言っているんですけどね・・)

最後まで静かな流れと空想描写で意味深な流れを作った割に、結局はよく判らずに終わってしまったような作品です。実際、あの時代は結核が流行った時代だし、戦争や震災など、彼らのように短い幸せを噛みしめて生きた人たちもたくさんいたハズです。随所に素晴らしい描写・表現があっただけに本当に惜しい、名作に一歩届かずといった作品でした。(ただ、もう一度落ち着いてスクリーンで見てみようとは思っています)
アラジン2014さん [地上波(邦画)] 7点(2021-08-28 12:42:06)
118.庵野の声がひどーーーいです。
最初の一言を聞いた瞬間吐き気がしました。
監督なぜ、庵野なんだーー!
菜穂子の電車での疲れ果てて猫背になっているところで泣きました。
エンドロールを聴きながらも涙がでてきました。
庵野じゃなければ・・・・ 残念
へまちさん [DVD(邦画)] 7点(2017-12-01 23:46:00)
👍 1
117.もの凄い映像美。ただただ圧巻。とにかく凄すぎる。アニメの底力を見せつけられたような気がした。宮崎映画は今まではルパン三世以外はどうも受けつけなかったのだがこの作品は違っていた。二郎の声優が良い。淡々と進むストーリーにマッチしていた。菜穂子の「来て」と言うシーンも良かった。もしその続きが描かれていたら完璧な映画になっていただろう。二郎と菜穂子にはもう限られた時間しか残されていなかった。ふたりはそれを充分に知っていた。だからこそ普通の夫婦と同じように二郎は妻の側でタバコを吸い、当たり前のように仕事に打ち込んだのである。死に繋がる結核に抗うかのように。ふたりの愛は刹那だからこそ自由で傲慢なのである。
イサオマンさん [地上波(邦画)] 7点(2016-01-06 22:28:22)
116.小説「風立ちぬ」「菜穂子」を読んでから観賞。久々に傑作のジブリ作品が来たと思いました。伝統の飛行描写も素晴らしいの一言ですが、やはり印象深いのは後半の恋愛要素が濃くなる部分。同じリアル寄りな作品でも、「耳をすませば」は幸せを感じますが、こちらは、切なさを味わえる。小説の重要な展開(サナトリウムからの脱走など)を上手く筋に織り込んだと感じます。菜穂子さんが気の毒と思うほど作品の評価が上がってしまう厄介さがあります。唯一の欠点は二郎の声がすごい変なこと。最終盤でようやく違和感が薄れました。
次郎丸三郎さん [DVD(邦画)] 7点(2015-12-06 18:49:50)
115.ネタバレ 零戦を製作する物語かと思ってたら、恋愛もの。それも女性の激しい情熱、まさに花と開く一瞬にすべてをかける、しかも自由な感情表現を表しにくい時代に。それを前面に出すと、官能的・扇情的になり、衰弱していくところでお涙ちょうだいになる。そこを駿さん、大好きな空の話で全体に覆い隠す。全年齢向けにね。もちろん大好きな空に手抜きはしない。

 戦前の家族制度とか良妻賢母とかを実感できない人には、菜穂子の愛の凄まじさが伝わらないのでは?
ぐっちーさん [地上波(邦画)] 7点(2015-08-10 11:54:20)
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114.ネタバレ  いろいろ批判のあった映画だったので結局映画館には行きませんでした。
 病人のそばでたばこを吸うのはどうかとか、主人公が棒読みだとか、「風立ちぬ」が描けてないとか、戦争賛美だとか、今考えれば全く当たっていない、どうでもいい議論でした。たばこも、あまり感情的でない主人公の声も、「風立ちぬ」のタイトルも、荒井由実の歌も、夢との重ね合わせも、全てがこの映画の要素であって、欠けていいものはありません。最初から映画館に行くべきでした。
海牛大夫さん [地上波(邦画)] 7点(2015-03-30 22:37:24)
113.たしかになんか解りにくいまま、美しいまま進んでしまい、そして終わってしまう。あの戦争の悲惨な結末は分かってるのだからその虚しさを訴えたかったのか。もちろんそうではない。宮崎氏はそんなありふれたことはしない。また逆にこの映画をあの戦争の賛美につながっている、社会への見方が甘い、などといつも通りの人々がうるさく言うのもまったくピントがずれている。最近になって初めてこの作品を観たが、そういう見方の軽さは私にもわかった。ではいったい何がこの映画のテーマなのだろう。何が中心だと、一言でいえるものがあるのだろうか。あるとすればそれは何だろう。
宮崎氏はやはり自分から描く。人の想いから離れず、人々が生きる周りを丁寧に描く。飛行機への情熱と彼女への愛を細やかに描き、そこから離れない。そしてそこから見える限りでの時代を描く。ここに流れているテーマのようなものは、「死」とか「人間のはかなさ」のようなことだと思う。そしてそれはもしかして、自分の死を意識し、人々への弱々しい自分の愛に初めて気づいた宮崎の悲しみかもしれない。そんな気がした。
さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-02-26 21:30:18)
👍 1
112.主人公と菜穂子のロマンスの思わずウルっとくるシーンと陳腐でお寒いシーンのアンバランス感が印象的です。実在の人物がモデルということですが、マニアックで純粋で行動的で熱い主人公のキャラクターの現実感の希薄さに、ファンタジーではないのに宮崎駿っぽさを感じます。
ProPaceさん [地上波(邦画)] 7点(2015-02-22 09:32:21)
111.ネタバレ カプローニが面白い。少年時代の主人公はカプローニに憧れるが、彼の作る飛行機はごちゃごちゃしてて全然美しくない。そのあと、主人公が作ったのは、その対極にあるような、物事の装飾をそぎ落としたシンプルな形状の戦闘機。カプローニの飛行機はまるで、監督宮崎駿自身が作ってきた娯楽作品であり、最後のゼロ戦はこの映画の比喩のようにも映る。でもゼロ戦はラストでは美しいながらも、人々を死へと追いやる凶器となる・・・。創造性と人間性の、なんというか危険な諸刃の部分を見せつけられた気分。それは、心が通い合っているようで全く身勝手な二郎と菜穂子の夫婦にも言える。他人が共に暮らすと言うことの困難と、でもそれが奇跡のようなバランスで可能になることの美しさ。難病夫婦ものという古今東西使い果たした陳腐なネタを陳腐なまま、この物語の中核においてしまう大胆さ。とにかく、とても恐ろしい作品であり、最後の最後に宮崎駿は、観衆を突き放して1人で遠~~い世界に行ってしまった感じ。ああ、でも自分はカプローニ、嫌いじゃないんだよなあ・・・。この映画でもどうみても一番人間らしく魅力的なキャラクターだった。いまの時代、必要なのは二郎じゃなくてカプローニだと思うのだけれど・・・。
ころりさんさん [地上波(邦画)] 7点(2015-02-21 23:42:08)
110.ネタバレ * 大人向けだった。子供は見ても予備知識が足らず混乱するかも知れない。スライス・オブ・ライフの見せ方としてもテンポが展開が早いので、進行が親切であるとは言えない感はある。
* 職人として尊敬する職人を描きたいという思いが伝わってきた。
* タバコについては特に意見なし (昭和の刑事ドラマでも部署内はモクモクしてるもんだし、それと同じようなものだと思う)。
* 作中、主人公の字がエリートなのに下手なのが嬉しかった (私も字が下手なので)。
* 庵野秀明の声については、「一つのことだけにずっとのめり込んできた人間の話し方」として、あまり違和感は感じなかった。
* ただ、大人向けストーリーをジブリが、というか、宮崎駿が脚本する力量としてはこの辺が限界なのだろうか、とは思った。
アインシュタインと同じく、戦争のために技術開発したわけでなくとも、人が死ぬ道具として使われる第一線で活躍する超一流プロフェッショナルの戸惑いは伝わってきた。
* ちなみに堀越二郎の設計技術は後に本邦初の国産旅客機YS-11に生かされる。
* 音楽は今回も久石譲だが、これといって記憶に残る音楽は無かった。そういうオーダーなのかな?
* 結婚式を上げるシーン、とか、もう、ナオコ絡みのシーンがもう、落涙することが多くて、オレはこの作品、一応スキです。
よこやまゆうきさん [地上波(邦画)] 7点(2015-02-21 22:48:44)
👍 1
109.監督が完全に開き直っている印象を受けました。最後はやはり自分の作りたい、見たい映画で終わりたかったのだと思います。「紅の豚」以来、久しぶりに心に響く良い映画でした。
Junkerさん [DVD(邦画)] 7点(2014-11-01 15:50:10)
👍 3
108.ネタバレ 細部までこだわった絵の美しさは、さすがジブリといった感じ。見終わった後の胸が痛くなるほどの余韻は久々です。賛否両論ありますが、タバコは時代描写のひとつで、あまり深い意味はないと思うんです。私は純愛が描けていると感じましたし、感動しました。ただ映画としては、物足りなかった印象です。
Keytusさん [DVD(邦画)] 7点(2014-08-17 03:13:45)
107.ネタバレ この映画は初めは期待していた。それはゼロ戦がいかに凄いものであったかを知っているからだ。しかし、それは描かれていないという。だから映画館へは行かなかった。DVDを見た。やはりゼロ戦はただのかざりだった。しかし、最後の彼女の言葉に涙した。ゼロ戦でマイナス3である。しかし物語は10点だ。監督が描きたかったのはよき日本の品の良い人間像だ。確かに最近のマナーの悪さは目に余る。私はグリーン車に乗るのだが、よく見かけるのが両腕を広げて座っている人だ。年老いた人もである。自分さえ良ければよいように見える。監督の気持ちがわかる。
matanさん [DVD(邦画)] 7点(2014-07-02 08:01:00)
106.ネタバレ 不思議な映画。話は端折られ、わかり辛いところも多々あるが、そんなことはあまり気にならない。一途な男の一途な映画でした。
プランクトンさん [映画館(邦画)] 7点(2014-02-11 23:31:14)
105.ネタバレ この映画の試写で宮崎監督は涙し引退を決意したという。「風立ちぬ」は、これまでの活劇やその時々の考えを映像化してきた宮崎監督が撮った最初で最後の極私的作品だと思います。
人間なんて矛盾に満ちたいきもので、褒めそやされる宮崎監督だって勿論そう。その"矛盾だらけの生き方"をありのままにさらけ出し、「(それでも)生きねば」と肯定している。
彼女が肺病やみなのに、隣で煙草を吸う、その彼女もキスしたら伝染してしまうかもしれないのにキスをせがむ。大好きだから一緒にいたいのに仕事が楽しくて逢いにもいかない。療養所で治さないといけないのに、逢いたいから抜けだす。お腹の空いた子供に施しをする一方で、性能のいい飛行機を作る欲望に勝てず若者を死地に送る手助けをしてしまう…。
宮崎監督も戦争は嫌いだといいつつ戦闘機を始め軍用兵器が大好き。そういった矛盾する自分を肯定し作品として発表してしまったら、もう何を作っても一面的な描き方しかできない。そういう意味で今回の引退宣言は至極当然かもと思いました。
庵野秀明の声もアニメ声でない、ある意味作品に花を添えるものではなく、これもまた自分勝手な(自分を変えられない)声。アニメ声に慣れたアニメ好きのファンには、容認しがたいものでしょうが、主人公の自分勝手さを表現するのにこれほど適した声はないと思います。
ただ、そんな極私的感情の発露的な映画が万人に受ける訳もなく、賛否両論なのは当然の事。だれも自分の生き方を矛盾したものなどと思いたくないし。
それでもあえてこの作品を発表した宮崎監督は改めてすごいと思うし、それを決断させた鈴木プロデューサーの手腕は更にすごいと思いました。
観客を想定しない、裸の宮崎駿そのものがこの作品に描かれている、そう感じました。
heeさん [映画館(邦画)] 7点(2013-09-28 08:36:51)
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【点数情報】

Review人数 184人
平均点数 6.54点
042.17%
110.54%
221.09%
384.35%
4179.24%
5179.24%
63116.85%
73921.20%
83720.11%
9137.07%
10158.15%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.27点 Review18人
2 ストーリー評価 6.10点 Review29人
3 鑑賞後の後味 7.19点 Review31人
4 音楽評価 7.68点 Review29人
5 感泣評価 6.39点 Review28人

【アカデミー賞 情報】

2013年 86回
長編アニメーション賞鈴木敏夫候補(ノミネート) 
長編アニメーション賞宮崎駿候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2013年 71回
外国語映画賞 候補(ノミネート) 

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