映画『フォックスキャッチャー』の口コミ・レビュー

フォックスキャッチャー

[フォックスキャッチャー]
Foxcatcher
2014年上映時間:134分
平均点:6.64 / 10(Review 28人) (点数分布表示)
公開開始日(2015-02-14)
ドラマサスペンススポーツもの実話もの伝記もの
新規登録(2015-01-07)【TOSHI】さん
タイトル情報更新(2024-08-14)【にじばぶ】さん
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監督ベネット・ミラー
キャストスティーヴ・カレル(男優)ジョン・デュポン
チャニング・テイタム(男優)マーク・シュルツ
マーク・ラファロ(男優)デイヴ・シュルツ
シエナ・ミラー(女優)ナンシー・シュルツ
ヴァネッサ・レッドグレーヴ(女優)ジャン・デュポン
アンソニー・マイケル・ホール(男優)ジャック
ブレット・ライス(男優)フレッド・コール
飛田展男ジョン・デュポン(日本語吹き替え版)
山根舞ナンシー・シュルツ(日本語吹き替え版)
脚本E・マックス・フライ
ダン・ファターマン
撮影グレッグ・フレイザー
製作ベネット・ミラー
ジョン・キリク
配給ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
ロングライド
美術ジェス・ゴンコール(プロダクション・デザイン)
編集ジェイ・キャシディ
録音トム・フライシュマン
字幕翻訳稲田嵯裕里
その他スパイク・ジョーンズ(サンクス)
あらすじ
1980年代。ロス五輪レスリングの金メダリスト、マーク・シュルツ(チャニング・テイタム)は大富豪のジョン・デュポン(スティーヴ・カレル)が自ら率いるレスリングチーム「フォックスキャッチャー」に誘われて申し出を受ける。しかし、マークは次第にデュポンの強烈な支配欲を知る事となり、マークの兄で同じく金メダリストのデイヴ(マーク・ラファロ)がチームに加わり、やがて悲劇的な結末を迎える。
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💬口コミ一覧

28.ネタバレ デュポンとマークのトゥーマッチとも言える演技が映画全体の重苦しいトーンを演出していて素晴らしい。ただ、どこかで撃たれると分かっているので終始緊張。実話とはいえ封切り前のネタバレは如何なものかと思った次第。
kaaazさん [映画館(字幕)] 8点(2015-02-15 08:51:12)
27.ネタバレ ジョンは母に愛されたかったのだろう。
低俗と貶されたレスリングを母に認めてもらいたかった。
一生遊んで暮らせるほどの金と権力があり、何でも出来ることへの自惚れと幼稚な態度はその裏返しか。

マークを雇ったのも、金で買えない真の友達が欲しかったのだろう。
だが、母を見返すことを優先し、途中からマークを邪険にしてしまうのも、
所有物として見てないセレブ特有のものか。

デイヴも引き込むが、ジョンで憔悴したマークを気遣うばかりでますます擦れ違いが大きくなる。
認められないまま母は死に、チームも良い成績を残せず、
自分の手に入れたかったものが零れ落ちて、残されたものは孤独のみ。
自分の欲しかったもの全てをデイヴが持っていた嫉妬もあって、彼に銃を向けたのでは。

ジョン・デュポンのようなセレブでなくても、中流家庭出身の犯罪者が続発しているのは、
埋め尽くさんばかりの物に溢れている割に心が満たされない見栄と虚無感による、
物質主義と精神主義の衝突があるのかと。
寒々しく晴れることのない風景が先進国の空虚さを捉えているかのよう。

コメディ映画はあまり見ないのでスティーヴ・カレルに偏見はなく、厭世的な狂気を漂わせていたと思うし、
実際にレスリングまでこなしたテイタムとラファロの熱演は言うまでもない。
ただ、賞レースであまり盛り上がらないのは、
ただ事実を提示するだけで、心を掻き立てられないのが大きいのかもしれない。
Cinecdockeさん [映画館(字幕)] 7点(2015-02-15 18:23:09)
26.ネタバレ 実話がベースでありながら、サイコホラー映画の手触り。デュポンを演じたスティーブ・カレルの賜物か。
金持ちの変人がコカインとアルコールに溺れるとヤバいってことがよく判る作品だった。
こんさん99さん [映画館(字幕)] 8点(2015-02-21 22:33:43)
25.ネタバレ コメディ俳優のスティーブ・カレルがアカデミー賞にノミネートされたことが話題となっている本作。実在の事件を描いた陰鬱な雰囲気と、ひりつくような演技合戦が不気味に調和した1本になっている。

監督のベネット・ミラーの過去作品をみてみると、今は亡きP・S・ホフマンにアカデミー賞をもたらした「カポーティ」、そしてブラピ主演の野球ドラマ「マネー・ボール」がある。どちらも実在の人物にフォーカスした作品であり、もちろん本作でもその手腕を発揮している。

なぜ大企業の御曹司が、五輪のチャンピオンを殺したのか。結局その謎は明確には明らかにならない。しかし凶行に至ったデュポンの心境を、観客も一緒に推測できるような作りになっている点が面白い。

ドラマチックな脚色を排し、役者の演技でストーリーを引っ張っているのが素晴らしいところだ。
その空気感たるや、まるでサイコな恐ろしさを感じさせる出来であり、終始緊張を強いられる。

デュポンという男は、普通の人には理解できないほどの闇を心に秘めていたのだろう。欲しいものは何でも手に入るが、実は真の友達すらいないという特異な状況。母を愛する思いと、また認められたい(認めさせたい)という葛藤。

しかしながら何一つうまくはいかなかった。愛国心を共有する友人と、レスリングで結果を残したにも関わらず、結局母には永遠に認められなかったこと。その友人さえも、金で繋ぎ留めなければ側にはいてくれないこと。頂点に立つ男が、底辺の人々が持つような家庭を持っていなかったこと。
直接的なエピソードこそないが、デュポンの心が擦り切れ、ついには一線を越えてしまうまでが丁寧に描写されている。

また、天と地ほどの差がある人間が愛国心というキーワードで繋がるのも興味深い。彼らにとっての愛国心とは何か。
その名の通り国を思う気持ちには思えない。もしかしたら社会に適合できなかった彼らが、現実から逃れるために見つけた逃げ道だったのかもしれない。
デュポンと決別したシュルツ弟は、彼らの聖域であったレスリングを離れ、それでもなおUSAの声援を背に浴びる。焦燥や自己弁護、(彼らにとって)の愛国心を感じさせるラストまでも恐ろしく、最後まで気を抜くことができない。
サムサッカー・サムさん [映画館(字幕)] 8点(2015-02-25 13:47:26)
👍 2
24.面白かったです、というより、良く出来た映画でした。映画ファンなら見ておくべきです。ただ、繰り返し見たくなるかといえば、そうではありません。話自体がワクワクするような内容ではありませんから。
shoukanさん [映画館(字幕)] 7点(2015-02-28 00:11:30)
23.ネタバレ 「面白い映画」というより「良い映画」ですね。終始言葉少ないしっとりと落ち着いた雰囲気で、ちょいちょい強すぎないアクセントが入る。いかにも伝記ものという感じの大人向け作品です。
 レスリングを題材としていますが、戦略を練ってチームの皆で力を合わせて勝利!とかいうものでは全くなく、主役級3人による人間ドラマが9割です。よって、レスリングのルールが全くわからなくても無問題です。

 マーク、デイヴ、デュポンの3人はレスリングを通して繋がる。それは互いにとって有益なものとなるはずが、心のすれ違いによって真逆の結果を生む。世界一を望むマーク、家族(マーク含む)の幸せを願うデイヴ、自分の居場所を見出したいデュポン・・・その全てが叶わない悲劇。もしそれぞれがもうちょっと上手く関連しあえれば、きっと最強のチームになっていただろうし、全員が幸せになれたのでしょう。なんともやるせないというか、もの悲しい結末です。
53羽の孔雀さん [映画館(字幕)] 7点(2015-03-02 16:15:16)
22.ネタバレ 展開が遅くてさすがに疲れてしまった。登場人物の内面はしっかりと伝わってくるし、場の緊張感をヒシヒシと感じることができた。でも、もう一度見たいと思えないほど疲れてしまいました。相変わらずベネット・ミラーの映画は会話が重要なんですが、『マネーボール』のような娯楽性はなく、ただただ重たい展開が続くので大変。よくできた映画だとは思うんですが…。
カニばさみさん [映画館(字幕)] 6点(2015-03-19 13:45:34)
21.ネタバレ 自己承認欲求が肥大した人間が、妬みのあまり自分の持ち得ぬ物を持っている男を殺害してしまうという悲しいお話でした。地位も名誉も金も、家柄すら文句のつけようがない御曹司。しかし誰からも尊敬されていないばかりが、セレブ特有の傲慢さと幼稚な性格が小馬鹿にされています。そんな人間が人望を金で買おうとしたのが悲劇のきっかけ。困窮した金メダリストを金で引っ張って自分のレスリングチームを作り、コーチに就任する。人生の導き手となったはずが誰も尊敬してくれない。そりゃそうです。泥臭い部分は他人任せ。自分は気まぐれで練習に付き合ったり付き合わなかったり。そもそもレスリングに関しては素人。逆に泥臭い部分を一手に引き受け、人望のある副コーチが徐々に眩しくて見ていられなくなり・・。実際は金を基礎に主従関係しか築けない御曹司に対し、唯一対等の立場で接していたのがこの副コーチ。友達として付き合うべき男なのですが。実話ベースと言いつつ、実際はかなり時系列などをいじってあるそうなので、あくまで映画のストーリーとしてはこの点数。
kirieさん [映画館(字幕)] 6点(2015-04-19 11:20:41)
20.ネタバレ 約10ヶ月ぶり2度目観賞。オリンピックを目指すトップレスラー兄弟と狂気の大富豪の関わりを実話に基づいて描く。爽やかなスポコンとは程遠い、終始不気味な雰囲気を醸し出す。その中で名優たちの好演が光る。狂気を含む凄味を押し出したスティーブ・カレルの存在感は秀逸。マーク・ラファロも包容力のある良き兄を体当たり熱演。悩める弟役のチャニング・テイタムの造り上げた肉体はまるでレバンナ、面構えはまるでドカベンだ。自分が鍛え上げたチーム、フォックス・キャッチャーを自分の手で握り潰す。哀愁漂う末路の虚しさよ。
獅子-平常心さん [映画館(字幕)] 6点(2015-04-19 22:22:00)
19.映画全体の雰囲気がとにかく暗く、トーンも静かで終始重い空気が流れていました。主演3人の演技も圧巻で、テイタムとラファロはもう本物のレスラーにしか見えませんでした。スティーブ・カレルも見終った後デュポンの写真・映像を見ましたが、そっくりすぎてびっくり。内容が内容なだけに何回も見られる映画ではありませんが、非常に完成度の高い良くできた映画だと思いました。
素晴らしき哉、映画!さん [映画館(字幕)] 7点(2015-04-21 11:58:34)
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18.ネタバレ ○さすがにラストは残酷だが、五輪で映画のピークを迎えると思わせながら嫉妬が招く悲劇というミスリードは何とも素晴らしかった。○スティーヴ・カレルのコメディイメージがいい前振りとなり怪演が引き立っている。ラファロ、テイタムももちろん素晴らしかったが。
TOSHIさん [映画館(字幕)] 7点(2015-05-17 16:07:54)
17.ネタバレ 憎まれ役たるジョン・デュポンが最高すぎます。そもそも根性がネジ曲がっている上に、自分は権力者だから何をやっても許されるという妙な自信もあって、やりたい放題が止まりません。デュポン本人に似せるためのガチガチの特殊メイクによりその顔は能面のように固まり、表情が読めなくなっていることもこの人物の恐ろしさの表現に貢献しており、莫大な富と権力を持つ異常者が何にキレるか分からないという緊張感が全編を貫いています。
よくよく考えてみれば、ジョン・デュポンは気の毒な人です。セレブパーティーでの立ち居振る舞いや、選手に向けての演説を見れば、決してバカではないことはわかります。普通の家に生まれついていれば程々に生きることもできたのでしょうが、彼は全米屈指の名門に生まれてしまった。最高でなければ許されない環境に生まれついてしまった凡人。上からはバカ扱いされ、下からは心にもないおべんちゃらばかり言われて50年も生きていれば、おかしくなっても不思議ではありません。
そんな中で出会ったのがマーク・シュルツでした。兄のデーブばかりが持て囃され、金メダル獲得という最高の結果を残しているにも関わらず金銭的にも人間的にも恵まれない境遇にいる孤独なアスリート。人間的な欠陥を抱えるジョンとマークは、出会うや否や、共依存の関係となります。ジョンによる破格のオファーは、「自分は能力と実績に見合った評価を受けていない」というマークの不満を解消するものだったし、そんなマークがスポーツ振興を掲げるジョンの主張に心酔したことは、ジョンの自己承認欲求を満たしました。もしかしたら、ジョンが心からの尊敬を受けたのは人生で初めてのことだったのかもしれません。
しかし、ダメ人間の二人では厳しい競技の世界で勝ち続けることができませんでした。スポーツファンの域を出ていないジョンは指導者になれなかったし、マークは自発的に物事を考えることができず、指導者不在でトレーニングが進みません。どうしようもなくなって呼ばれたのが兄・デーブですが、デーブはすぐにマークの支えとなり、ジョンとマークの依存関係は崩壊します。これがデーブ殺害のきっかけとなったようです。
問題は、映画としての面白みに欠けていたこと。存命中の関係者がいるため事実関係への配慮が随所に感じられ、映画としてのイベント作りが不足していました。雰囲気作りは良かっただけに、もう少し面白ければ。
ザ・チャンバラさん [ブルーレイ(吹替)] 6点(2015-09-25 18:38:10)
16.ネタバレ 話題のデュポン氏は特殊メイクし過ぎて表情がわからなくなってしまっていると思います。射殺に至るまでの張りつめた緊張のようなものもなく、ただ淡々と2時間が過ぎていく感じ。丁寧でまじめな作風ですが面白くないです。
DAIMETALさん [DVD(吹替)] 2点(2015-10-16 06:46:32)
15.非常に地味な映画です。地味が故に監督の手腕が問われます。その難問をベネット・ミラーは見事にクリアしてくれた。淡々と物語が進む中にきっちりと登場人物たちの内面を、丁寧に丁寧に、これでもかというくらい丁寧に描ききった。なのでどっぷりと感情移入することができ、常に緊迫感を維持しながら鑑賞することが出来た。ジョン・デュポンを演じたスティーヴ・カレル。どこを見ているのかよく分からない生気のない視線はとても印象深く、まるで機械人形のようだ。おかげでラストの発砲にいたるまで気が抜けませんでした。ほんと、見事な演技には脱帽です。ジョン・デュポンという人物ですが、彼が抱えていた闇は、多くの人達の中にあるものだと思う。他人事ではなく、写鏡のようで正直怖くなりました。明日は我が身かと。偉大な兄の存在にジレンマを抱えるマークもまた、他人事ではなかったです。この映画は非常に地味で、観る人によって評価は分かれると思います。ただ私は登場人物たちと怖いくらいシンクロ出来てしまったので、この点数を付けました。あと、テーマ曲のピアノの旋律も淡々としていて効果倍増でしたね。
Dream kerokeroさん [DVD(字幕)] 8点(2015-10-25 08:34:39)
14.そろそろ面白くなるのかなぁと辛抱強く待っていたけど
とうとう面白くないまま映画が終わってしまった。。
aimihcimuimさん [DVD(字幕)] 5点(2015-12-22 22:43:10)
13.ネタバレ スティーブ・カレルだとは気づかないまま見終わった。ビックリ! 彼の化けっぷりに加点したい気もしましたが、どうしても作品が嫌なので、この点です。まぁ、カレルが演技で醸し出している雰囲気が上手だということなのでしょうが、それがあまりにも気味悪いのです。

人間が抱え込んだ負のオーラがこの映画には充満してる感じです。それがウソっぽく劇的な表現ではなく、極めてリアルに平凡な日常を静かに包み込んでいるかのような表現で「おい、ちょっと空気読んどかないとヤバイ気がするんだけど…」という、ギリギリセーフ的な、鈍感で気づかないフリしたい人には「気にすんな」レベルで展開されます。それが気味悪いと同時に、この映画が一体どこへ向かっているのか分からない、かったるい展開でもあります。観ている人の運まで吸い取ってしまうかのようなマイナスオーラをビンビン感じて、とても嫌でした。

デュポンの母親が元凶で、ジョン・デュポンは悲しい被害者なんでしょうが、同情できはするものの、助けたり寄り添ったりしたくならない気味悪さが、とにかく強い。チャニング・テイタムがダメになっていく姿も静かに陰鬱。

銃を片手にぶら下げて練習場へやってきて天井撃ち抜くシーン、「もしかしてデュポンの男娼に?」と思ってしまうテラスのバリカンとマリファナのシーン、兄がカメラの前でデュポンへの敬意の言葉を強要されるシーン、去ったマークとデュポンが抱き合うカットで終わる売名ビデオ…じんわりと、でも暴力的に嫌な気分でした。心が弱る映画は好きになれないです。
だみおさん [DVD(字幕)] 3点(2015-12-24 23:14:11)
12.ネタバレ 人間なら誰しもが抱く、承認欲求、自分が何者でもないことへの不安。社会、他者、物に対する依存。
デイヴはマークを庇護の下に置き、マークは理想である兄を追い続けた。デュポンの母は名誉に捕らわれた。
デュポンは母の影に支配され続けていた。そして、マークに対しては自分と同じもの(何者かの庇護の下にいる)を重ね合わせ、自分が持っていないカリスマ性を持つデイヴに対しては憧れを抱いていた。社会、母、デイヴという存在に捕らえられ、また自分もマークを庇護し捕らえようとしていた。
自分の下を離れるマーク。自分自身であるマークを失ってしまったデュポンはついに憧れの、理想の自分であるデイヴを殺してしまう。ついに支配、人間という生き物の輪廻から抜け出すことは出来なかった。
何かを常に捕らえるかのような客観的なカメラ視点が終始続く物語の中で、何者の視点でもないマーク自身の主観ショットで自ら柵に囲まれたリングに向かうマークはこの映画で唯一独立した存在、人間ではない何かに成り得たようにみえた。
ちゃじじさん [DVD(字幕)] 8点(2015-12-31 21:19:33)
👍 1
11.ネタバレ 1980年代、レスリングの世界で揃って金メダルを手に入れたシュルツ兄弟。だが、私生活でも家族に恵まれ次のオリンピックに向けて精力的に活動する兄デイブとは対照的に、弟マークは長いスランプに喘いでいた。そんなマークにある日、とある男から連絡が入る。男の名は、ジョン・デュボン。アメリカ屈指の大財閥の御曹司だった。何よりもレスリングを愛するデュボンは、レスリングを下等なスポーツだと切り捨てる母親に反発するかのように、「君が金メダルを取れるように支援したい。必要なものは何でも揃える。私のチームに加わってくれ」とマークに依頼してくるのだった。優秀な兄を少しでも見返したいと願うマークは彼の依頼を快諾する。訪れた彼の屋敷で、「フォックスキャッチャー」というチームを立ち上げたマークだったが、次第にデュポンの歪んだ野心が彼の心を蝕んでゆく……。実際にあった金メダリスト射殺事件を元に、心に闇を抱えたアスリートたちの葛藤を終始淡々と見つめたヒューマン・ドラマ。金メダリストとして華々しく活躍する兄と、その陰で同じく金メダリストでありながら鬱屈した毎日を送る弟、そんな2人に忍び寄る怪しげな大富豪。実在した人物をリアルに演じた新旧個性派俳優の競演は確かに見応えありました。特にコンプレックスの塊のような主人公マークと、金と地位だけはあるもののその心には歪んだ虚栄心しか存在しない大富豪デュポンとの共依存関係――そこには幾分か同性愛の要素をも感じさせる――は非常に興味深いものがあり、社会に蔓延る悲劇はこうして生まれるのだと納得させる説得力には戦慄させられるものがあります。これぞ、実話を元にした作品の醍醐味だろう。ただ残念ながら、事実に寄り添いすぎたその演出手法はあまりにも淡々とし過ぎていて〝冗長で退屈〟と批判されても仕方ないと僕は感じてしまいました。徹底的に事実を再現した演出だからこそ、この社会の不条理を残酷に浮き彫りにしている(一番善人だった人が悲劇に見舞われる)とは思うのですが、映画として人を惹き込む最低限の面白さがもう少し欲しかった。最後に訪れる悲劇にしたって、どうしてそうなったのかという因果律を見る人それぞれの解釈にあまりにも委ねすぎていてちょっと肩透かし。主演俳優陣の抑えた熱演が良かっただけに残念です。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 5点(2016-01-11 00:59:34)
10.ネタバレ 富める者がその気になれば人間だって買えてしまう。恐ろしいのは買われる者だけでなく、富む側もまた何かを失うという点。
冷静な視線を評価します。富貴な者の孤独を表す丁寧で繊細な描写。静けさに溢れるシーンにもどこかしら破滅を予兆させるような印象を受けて飽きがきません。上質な映画ですね。
病気の犬さん [DVD(字幕)] 6点(2016-06-27 17:21:07)
9.高評価を聞き、鑑賞..う~ん、シリアスに真面目に描いているのは良いのだが..観ていて、とても 暗~く なってしまう 映画..どこが高評価なのか、分からない..共感も、感動も、まったく無し.. アメリカのスポーツもの って、どこか うさん臭くて、好きになれない..本作で言えば、レスリングをしている人たち(役者?)が、強く見えないし、練習風景、試合シーンが嘘っぽい..全然スポーツ選手独特のオーラが出てない..残念...
コナンが一番さん [DVD(字幕)] 6点(2016-07-21 21:43:32)
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マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 28人
平均点数 6.64点
000.00%
100.00%
213.57%
313.57%
400.00%
527.14%
6828.57%
7932.14%
8517.86%
900.00%
1027.14%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 7.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 7.50点 Review2人
4 音楽評価 7.00点 Review2人
5 感泣評価 7.00点 Review1人

【アカデミー賞 情報】

2014年 87回
主演男優賞スティーヴ・カレル候補(ノミネート) 
助演男優賞マーク・ラファロ候補(ノミネート) 
監督賞ベネット・ミラー候補(ノミネート) 
脚本賞E・マックス・フライ候補(ノミネート) 
脚本賞ダン・ファターマン候補(ノミネート) 
メイクアップ&ヘアスタイリング賞 候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2014年 72回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)スティーヴ・カレル候補(ノミネート) 
助演男優賞マーク・ラファロ候補(ノミネート) 

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