映画『バケモノの子』の口コミ・レビュー

バケモノの子

[バケモノノコ]
The Boy and The Beast
2015年上映時間:119分
平均点:5.54 / 10(Review 67人) (点数分布表示)
公開開始日(2015-07-11)
アドベンチャーファンタジーアニメモンスター映画
新規登録(2015-04-12)【DAIMETAL】さん
タイトル情報更新(2024-09-28)【イニシャルK】さん
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監督細田守
役所広司熊徹
宮﨑あおい九太(少年期)
染谷将太九太(青年期)
広瀬すず
山路和弘猪王山
宮野真守一郎彦(青年期)
山口勝平二郎丸(青年期)
長塚圭史九太の父
麻生久美子九太の母
黒木華一郎彦(少年期)
諸星すみれチコ
大野百花二郎丸(少年期)
津川雅彦宗師
リリー・フランキー百秋坊
大泉洋多々良
谷村美月
草村礼子賢者
中村正[声優]賢者
近石真介賢者
M・A・O(声優)
長克巳
牛山茂
岩崎ひろし
宇梶剛士
佐々木勝彦
小林正寛
田中要次
秋月成美
瀬戸麻沙美
悠木碧
宇山玲加
石上静香
松本花奈
井上肇
原作細田守
脚本細田守
奥寺佐渡子(脚本協力)
音楽高木正勝
北原京子(音楽プロデューサー)
作詞桜井和寿「Starting Over」
作曲桜井和寿「Starting Over」
編曲Mr.Children「Starting Over」
主題歌Mr.Children「Starting Over」
製作市川南〔製作〕
日本テレビ(THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS/製作幹事)
スタジオ地図(THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS/製作幹事)
KADOKAWA(THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS)
東宝(THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS)
電通(THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS)
読売テレビ(THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS)
企画スタジオ地図
プロデューサー川村元気
奥田誠治(ゼネラルプロデューサー)
制作スタジオ地図
スタジオカラー(制作協力)
東京現像所(制作協力)
配給東宝
作画細田守(キャラクターデザイン)
伊賀大介(キャラクターデザイン)
井上俊之(原画)
本田雄(原画)
高坂希太郎(原画)
田中敦子〔作画〕(原画)
高橋英樹[作画](原画)
小池健(原画)
山下高明(作画監督)
青山浩行(原画)
美術上條安里(美術設定)
男鹿和雄
武重洋二
高屋法子(ハーモニー)
衣装伊賀大介
編集西山茂
その他文化庁(助成)
丸山正雄(スペシャルサンクス)
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💬口コミ一覧

67.ネタバレ 妻投稿■
これは細田監督最高傑作かも知れない。何より体技格闘シーン、固い(≠硬い)動きが素晴らしい。最近のアニメの戦闘シーンは動きがやわらかすぎる。敢えて動きを固くしつつ素手と力と刀といった多様な姿勢で如何に相手の縄張りを崩し、攻撃を受け止め受け流し、止めの一発を決めるか(騙し合いではなく相手に合わせた戦い方の中で)…。その緊張感を少年ジャンプみたいな技名を繰り出して背景すっとばした世界で主人公跳躍するようなものではない、それこそ私が観客になったような視点で見て感じることができた。

内容について…(特に後半)これは間違いなく3.11後の日本をモチーフにしているのではないか。渋谷で沢山の車を持ち上げる黒い鯨は間違いなくあの恐ろしい津波のメタファーだ。故郷を失った人、大切な人にもう合うことができない人…その人がどう立ち直っていったら良いか真剣に考えた映画なのではないか。父親に反発する蓮の姿は、(原発)被災者に寄り添うふりをしながら自分たちのイデオロギーに利用するだけの連中への痛烈な批判、全てに絶望してしまうことに対し「(「そうじゃないよ」じゃなく)そう思ってしまったとしても大丈夫だよ」と抱きしめる楓の言葉、あの津波のような鯨を見て「死によって解決するしかない」と追い詰められる蓮、そして熊徹が刀となって蓮の体の中に入ることの意味。一人で戦っているんじゃない…という言葉。「蓮と熊徹の強くなることの意味」というテーマがそこに終着した時、私はこの作品は傑作だと思った。

この作品は感動シーンと女子高生が喜びそうな格好可愛い男の子の活躍が目立つ。後ろの席10代の女の子は大喜びしてた。でもお涙頂戴場面とかわいい男の子登場させれば彼女は喜んだだろうか。そうじゃない。やっぱり九太も連も、熊徹もすごく格好いい奴なんだ。
はち-ご=さん [映画館(邦画)] 9点(2015-08-25 23:58:25)
66.ネタバレ 細田流アクションホームムービーの傑作。息子と育ての父親、素直なコミュニケーションをとれないもの同士が憎まれ口を叩きあいながらも最終的に支えあう道を選ぶ。そこへ至るまでの構成や綿密な伏線の回収が見事。特に終盤、館内で鼻水をすする音が響いていたのもその証明になるはずだ。ただ唯一残念なのは冒頭の九太。母親が亡くなって父親が出て行ったあととはいえ、9歳の子供が家を飛び出すほどに父親や葬儀を済ませた親戚を嫌う理由が理解できなかった。そのために、映画開始から修行の旅まで物語にのめりこめなかったのは残念だ。
はあさん [映画館(邦画)] 9点(2015-07-11 23:39:23)
65.長いこと映画見てるけど、こんなに期待して映画を見に行ったのは初めてだ。
点の辛い自分にとって、3作連続8点以上を付けることのできた監督なんて、これまで居なかったから。

そして今回で4作目。
結論から言うと、素晴らしいです。
夏休みエンタテイメント作品として、文句なしの出来。
普通なら、売れそうな題材思いついたら、周りの大人の事情もあって、前編後編どころか4部作5部作と引き延ばそうとするもんなのに、一気に一つの映画として見せてくれる。
そして、続編の可能性を全く残さないキッチリとした結末。
映画としての完成度もさることながら、その志の高さにも感激した。

とにかく、多くの人に見てもらいたい作品です。
できるだけ一人ではなく、親子、恋人、親友なんでもいいから仲の良い人と見に行って、映画見終わった後で語り合ってほしい。
たぶん、細田守監督の一番の狙いも、そこにあると思う。
まかださん [映画館(邦画)] 9点(2015-07-11 22:11:01)
64.序盤の流れや世界観が「千と千尋」を彷彿とさせて、
「あ、これ大丈夫かな…」と心配になったものの
結果的には杞憂で終わって良かった。

どちらも不器用で未熟な、師匠と弟子。
ふたりが共に成長をし、絆を紡いでいくお話。
その光景はなかなかに感動で、うるっときました。
話の筋道や展開がよく出来てて、意外性や伏線などもしっかり。
これが出来たのに、次作の「未来のミライ」はどうして…

声優ではなく、役所広司の「役者」としての幅の広さを見た気がする。
愛野弾丸さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2021-04-25 21:32:45)
63.いつもながら動きがすばらしい。9才の子が家出するというストーリーは確かにむちゃくちゃだが、そんなことをいったらバケモノの街があること事態がむちゃくちゃ。そのむちゃくちゃな設定の中での熊徹と九太の父子にも似たやりとりがすばらしい。涙こそ出なかったが、色々と考えさせられる映画でした、。
木村一号さん [地上波(邦画)] 8点(2016-07-23 22:32:11)
62.ネタバレ 熱い映画でした。伏線が幾重にも張り巡らされていて、すこしずつ回収されていきます。
ちょっと詰め込みすぎなのではないかと思うほど、カット割りも早く、展開も速いんですが、登場人物の背景を十分に説明するためには必要です。
最後の闘いとか、ちょっと分かりにくいとこあるんですけど、そういうのは良いんです。映画の批評とかね、細かいところはいいの。
父親が子供に残したいことって、極端に削ぎ落としてしまえば、熊徹がやってることなんだと思います。
文面にすると野暮なので書きませんが、僕はああいう風に子供に接したい。熱く育って欲しい。本音で感情でぶつかりたい。
子供に感謝したい。
Keytusさん [DVD(邦画)] 8点(2016-05-21 22:07:53)
61.ネタバレ 父親と子の物語としてはそうとう「出来ていた」のではないでしょうか。ずいぶん荒っぽくて、雑な物語運びも、父と子の関係ならでは、といいように解釈しようと思います。二人の父親がでてきますが、それぞれに切ない。繊細な父子関係。…いや、違う。熊徹のことが、ワタシはうらやましいんだ。「胸の中の剣に聞け」。それを、せがれの中に残すことができた熊徹がうらやましいんですよ。胸の中の剣=生きる指針。
なたねさん [DVD(邦画)] 8点(2016-03-27 08:48:22)
60.大人と子供の両方の目線で紡がれている、物語のバランス感覚が何しか珠玉である。

誇りのある年の重ね方…が、出来ているか否かを問われると「スンマセン出来てません」としか言えない不甲斐無いオトナだが、その不甲斐無さの襟を正さねば遺憾なぁと、細田監督にやんわり説教されたような気がする。(監督、私より年下なのになぁ…ますます不甲斐無い)
aksweetさん [DVD(邦画)] 8点(2016-03-05 01:56:40)
59.ネタバレ どうせみんな細田守に釣られて観に来てるんだろ?と斜に構えながら観に行きましたが、本当に良かったです。

細田監督は人間の繊細な感情を描くのが上手いですね。
熊徹の元を離れ、一度は実父の元へ行くけれど、熊徹とは正反対の父親像と空白期間の溝に戸惑うシーンは良かった。
また、楓ちゃんに詰め寄るシーンでは、「絶対にキスするな!やめてくれ!細田監督なら無いよな?」って願いながら見て、結局しなかったのでホッとしました。(笑)繊細な感情を表現しているからこそ、もしあそこでキスとかいう、感情とかそっちのけの意味不明な行動を取っていたらこの映画の評価は最低でした・・・。笑

後半は純粋にバトルものになって、ちょっと荒っぽさが出てきましたが、終盤に至るまでじっくり人間ドラマをやってたので、とりあえずぶっ飛ばせ!って展開には、なんかすっきりしてました。

ちゃんと終わりに、実父との関係をほったらかしにしないし、人間界を忘れて化け物の世界で天下取るぜイエーイ!とかいう雑な展開ではなかったのが、僕的には満足でした。
強いて言うなら、楓ちゃんの事をもう少し掘り下げてもよかったかな?と思います。彼女も彼女なりの答えを見つけたんだと。


とにかく、すごく細かい粗探しをしなければ、純粋にすっきり楽しめる映画だと思います。
OKfilmsさん [映画館(邦画)] 8点(2015-08-14 23:56:04)
👍 1
58.ネタバレ 異世界に慣れるまでの前半はまあまあ面白かったが
後半、特にラストの展開はなんだかなぁといった具合で
声優のうまい下手以前に脚本がおかしい。
新作が出る度にどんどん評価の下がる珍しい監督。

↑こちらが以前書いた、3点のレビュー。

今テレビでやってるのを見たら、プロットはすごくいいじゃん、と。
ほんとこの人はいい脚本家と組めばパヤオは越せなくても
某エヴァの人とか某名前をきいてくる人には勝てると思うんだがね。
やたら説明口調で説明で終始してしまうのは
本人の力量もあるでしょうけれど、ほんと、惜しい。
広瀬すずの演技が一部で叩かれてますけど、
逆に言えばリリーフランキーとかリリーフランキーとか
リリーフランキーとかの演技は誰も文句を言わないレベルでさ。

とりあえず次公開の映画は見に行く予定ではあるので
あまり大きな期待はしないでおく、7点。

あ、一つだけ、戦いのラストはFF7のオマージュですか?
FF7で見たときも妙に変で印象的だったのでものすごーく似てると思う。
あとどうでもいいですが鯨の声がリゼロの白鯨と同じな件。

それと、自分がバケモノであれば「バケモノの子」だなんては言わないよねっていう。
だから「バケモノの子」なんだな、いいタイトルやん。
にんじんさん [地上波(邦画)] 7点(2019-07-08 08:25:47)
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57.細田守監督の作品は本当にハズレがない。
単純な娯楽映画としても楽しめる。

過去の作品が抜群に良かったのでハードルは高いが、期待にはしっかり応えてくれる。
バッジョさん [地上波(邦画)] 7点(2018-06-10 08:45:30)
56.随分と酷評が目立つ様ですが、私はまあまあ楽しめました。
監督作品の中では、「時かけ」が群を抜いていますが、他の3作品の中では一番良かったと思います。
どこに惹かれたのかはっきりとはわかりませんが、恐らく私が、自分の父親を、嫌悪や哀れみの対象としてしか認識できない人間だから、なのかも知れません。
マー君さん [DVD(邦画)] 7点(2017-09-17 12:00:20)
55.人間の世界に居場所を失った少年と、バケモノとの交流を描くのだけど、その二人のやりとりを描いていればよいものを、さらに同居人を二人配置し、こやつらに何かと説明をさせる。そりゃ、説明すれば映画はわかりやすくなるでしょう。いやそれよりも、主人公たちの内面を、陰ながらもちゃんと把握して理解してくれている人たちがいる、ということ。誰かが逐一、自分のことを理解してくれている、という安心感。それは何とも居心地がよく、居心地が良すぎるが故に、観ててかえって居心地の悪い思いをしてしまう。軟弱過ぎるではないか・・・。
実際のところ、子供とこの作品を観ていても、画面に対してまず子供の反応があり、遅れて説明ゼリフがやってくる。明らかに余計なんですね。もうちょっとくらい、観る側を信用してもいいのでは。
逆に言えばそれだけ素晴らしい、人を引き付けるに充分のアニメーションでもある訳で。丹念に描かれる前半に、暴走気味の後半。目が離せません。
鱗歌さん [DVD(邦画)] 7点(2016-06-17 21:02:06)
54.ネタバレ 熊徹がたまらなくいとおしい。アニメーションなので、想像力を形にするのが楽しさ。だからこのようなイリュージョン対決も悪くないね。しかし、最後に師弟対決を見たかったのは、僕だけだろうか?それにしてもポスト宮崎駿も見えてきたことだし、ジブリの残してきた作品たちも寂しくないね♪
トントさん [DVD(邦画)] 7点(2016-05-06 01:03:50)
53.親は子と共に育つ!互が互を支え合い補い合い成長していく。親子の物語、ここに極まる!素晴らしい。

一筋縄ではいかない生き物「人間」。何を考え何をするのか危なっかしい。まさにこの世の”バケモノ”だ。特に情緒不安定な思春期は、そのバケモノの兆候が現れやすくなる。渋谷という街を舞台に選んだのは、そこがバケモノの巣窟の象徴だからだろう。

この作品自体は「白鯨」をベースに、他の作品の影響やオマージュを反映していて、オリジナリティが薄味に感じてしまう。がしかし、アニメーションという技法と今伝えたいテーマとが見事に融合し、たとえ見たことのあるような作風でも、こうして出来上がったモノとして提供されると、そこはやはりしっかりと受け止めなければならないだろう。古今東西これだけ多くの作品があるのだから、似てしまうのは仕方ないでしょ。その上で最終的にどれだけ心に響いたか、どれだけ魂を揺さぶられたか、肝心なのはそこでしょ。私は十分響いたし、揺さぶられましたよ。

ただ一つ苦言を。みんなのおかげで闇に飲み込まれないで済んだ。みたいなこと言ってたけどさ、あの時手首見たからじゃん。お守りの、楓のおかげじゃん。そこだけは首をかしげてしまいました。
Dream kerokeroさん [DVD(邦画)] 7点(2016-03-05 04:05:21)
52.ネタバレ 一郎彦が暴走したあたりから物語に自然な流れのようなものが失われて、胡散臭さが匂ってしまい、物語に入り込めなくなってしまった。おまけにこれまでの細田作品と比べると新鮮さが欠けている。それでも十分に良い作品だとは思うけれど、ついついハードルをあげてみてしまうから、期待との落差でがっかり感は否めない。
ばかぽんさん [映画館(邦画)] 7点(2015-09-06 22:59:55)
51.ネタバレ 千と千尋の神隠しのような前半は、テンポも良くて、都合良すぎる展開をも黙らせるほどでしたが、人間界に戻ったときの偶然の連続は流石に「いくら何でも…」と思いますね。たどり着いた経緯の省略は仕方ないとしても、突然「白鯨」を読んでいたり、楓がすぐにあんなに献身的になるのは鼻に付きます。それと、一郎彦は鯨の姿を知らないで育ったはずだから、文字を読めただけでは姿は具現化できないはずなんですが。……それとも、鯨は九太が作り出した闇ということなのかな? ということは、九太は自分自身の闇のみならず相手の闇をも増幅させ暴れさせてしまうほどの迷惑なガキということになってしまいますが。。。最後の締め方は良かったので、鯨に拘らずに後半の展開をもう少し練って欲しかったです。
Banjojoさん [映画館(邦画)] 7点(2015-08-24 23:01:06)
50.ネタバレ なんかジブリに似てきてね?
【激バレ注意】
前は輪郭線がもっと太かったような。あと絵柄とかなんとなく。気のせいかな? 真似してほしくねーんだが。
だって今回で話作りのセンスがパヤオよりも数段劣ることがはっきりしたし。

この話で出てくる「人間のみが作る心の闇」というのがよくわからない。バケモノやバケモノの世界がどういうものかもよくわからない。結果、胸にストンと落ちないので面白いだけで終わる。感動には程遠い。当然観客の心の内に化学変化なぞ起きようがない。そんなの後継者とは呼べない。

闇とは何か。私が無理くり解釈すると、「親族内の関係性だの「こうであるべき」といった同調圧力に屈することでその人独自の好奇心だの攻撃的センスだのを自ら抑圧してしまい、内側に爆発の種を作ってしまうこと」を言ってるんじゃねーかと思う。対してバケモノの世界とは、そうした抑圧が薄い、本当の自分を素直にさらけ出してもいいかもしんない(だって周囲もそうだから)世界のことね。昔の下町にはあったかもしんない場所。

完全性を目指すことは才能を持つ中でも一部の者にしかできないんで、たとえ自分を抑制できても全的な才能がなければやがて闇を暴発させてしまうことになるんだけれども、できない同士で互いに補い合えばもっと高みに行けるかもしんないよ、とかいうことを言ってるわけだ結論としては。違うかな?

でも私に言わせりゃ、それじゃあ凡庸なんだ凡庸。宗教に入って「ともだち代」さえ払えば幸せになれますよと言ってるのとほぼ同じじゃねーか。そんなのダメだ。

確かに現実の日本じゃ欲望を抑圧してマネキンと化すゲームがいたるところで行われているが、それによってできた「心の闇」は、絶対的不利な立場の者に対する「イジメ」によって発散されているのだ。実行の中心にいるのは間違いなく宗教である。そこに問題意識がなければ本当に優れた創作者とはいえない(肯定してはならない)。

パヤオが偉いのは、そうした陥穽に陥ることを(おそらく意識的に)回避して、別の次元へと昇華させるという力技(?)ができたからだ。社会、自分、他者(集団意識)によって作られるどうしようもないトリレンマを、ブレイク・スルーできるような気にさせてくれたわけね。んで、多くの観客の心の闇を解放したと。

前作から続いている、作品を貫く鬱のトーンは、突き抜けられない作者の鬱と同期してるんじゃねーかという気がする。ムチャクチャやって宗教や集団意識なんぞ蹴飛ばしてしまえばいいと思う。才能あるんだから、着地点は自分の身勝手すぎる欲望の果てに置けばよいのだ。判断するのは観客に任せておけ。おれが読み取っちゃる。

ちょっと書きすぎたかな。ま、一緒に見たハリウッドの大作より10倍おもしろかったことは事実だけどね。
アンギラスさん [映画館(邦画)] 7点(2015-07-30 08:21:30)
😂 1
49.ネタバレ なんでしょうか、細田守監督の映画を観るときに気になってしまう違和感は。鑑賞後に考えてみたのですが、リアリティを追及した画作りをしているのにも関わらず、後半(と言いますかクライマックス)になるに従って、「細かいことはどうでもいいんだよ!」というばかりに物語の推進力だけで、強引に収束させてしまうからなんだなと言う結論に一応は至りました。
本作では前半の九太と熊徹が師弟関係を築いていく過程はとても良かったです。互いに互いを刺激し合うという理想の師弟関係だし、キャラクターの造形や世界観の構成にはリアリティを持たせるために努力したであろう箇所が山ほどあるし、そういう画を観ているだけで楽しかった。
これが後半からクライマックスにかけて崩壊していく。一郎彦が闇に囚われてしまって追いかけてくるのですが、急にクジラの形となって追いかけてくる。クジラになる意味は分かるけど(メルヴィルの『白鯨』、モヴィ・ディックはもう一人の自分の象徴という訳。私は『白鯨』はそういう作品じゃないと思いますが。)、物語上それは九太が図書館で『白鯨』を読んでいたのですから、九太側の話であって、一郎彦がクジラの形となるストーリー上の必要性は何もない。あるのは脚本家(細田守監督が兼任)の「まあそういうことだから観客も勝手に補完してね」という単なる甘えだけだ。熊徹が自身を付喪神に転生させることで九太の助けに駆けつける展開自体は別にいいのですが、そこでまた心の剣とかいう非常に抽象的な武器として出てくる。ここも同じく物語上の意味は分かる。ひとりでも生きていけると考えていた九太の心に、師匠である熊徹が親として彼を支えるという感動的なシーンだ。でもその心の剣が一郎彦に刺さるから何故物語がすべて解決するかという理由づけはまたもや放り出されている。
その様な勝手な脚本の都合に反して、説明口調な部分もとても多い。特にヒロインが終盤で演説口調で話し始めたのにはゲッソリしました。どちらにしても観客を少々舐めて映画を作っているのはないかと思えてしまう隙が多い作品でした。
民朗さん [映画館(邦画)] 7点(2015-07-27 20:43:41)
👍 1
48.ネタバレ 師匠と弟子二人並んでの、一風変わった型稽古の情景モンタージュが前半の山だ。
少年がひたすら模倣することによって次第に上達していく様が、
ロングショット主体でレイアウトされた動きの変化の中から表れてくる。
そこには二者の動きが次第にシンクロしていくアクション映画、舞踊映画の快感があり、
アニメーションによる誇張(スピード・タイミング)の醍醐味がある。

キャラクターにはあえて影をつけない平板な絵柄を採用し、その分
部屋の内外を駆け回っての喧嘩や、卵かけご飯の食事など
アニメーションならではの動きの楽しさを充実させ、
一方で人物の表情のアップでは瞳の潤いを細やかに揺らす繊細な演出を施し、息吹を与える。
モブシーンの動画を含め、特に前半はよく頑張っている。

今回のクレジットでは細田単独の脚本だが、台詞が削り切れていないのは児童向けを意識したためか。
ラストでの回想シーンも少し親切すぎる。

トレードマーク的な青空と白い入道雲は決めのカットにはしっかりと登場していてそれなりに印象的だが。
ユーカラさん [映画館(邦画)] 7点(2015-07-18 16:18:26)
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マーク説明
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★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 67人
平均点数 5.54点
011.49%
100.00%
222.99%
357.46%
41217.91%
51217.91%
61319.40%
71319.40%
868.96%
934.48%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.42点 Review7人
2 ストーリー評価 5.72点 Review11人
3 鑑賞後の後味 5.90点 Review10人
4 音楽評価 5.50点 Review8人
5 感泣評価 5.25点 Review8人

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