映画『ハクソー・リッジ』の口コミ・レビュー

ハクソー・リッジ

[ハクソーリッジ]
Hacksaw Ridge
2016年上映時間:139分
平均点:6.69 / 10(Review 36人) (点数分布表示)
公開開始日(2017-06-24)
アクションドラマ戦争もの実話もの
新規登録(2017-02-27)【にゃお♪】さん
タイトル情報更新(2017-11-24)【TOSHI】さん
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監督メル・ギブソン
キャストアンドリュー・ガーフィールド(男優)デズモンド・ドス
サム・ワーシントン(男優)グローヴァー大尉
ルーク・ブレイシー(男優)スミティ・ライカー
テリーサ・パーマー(女優)ドロシー・シュッテ
ヒューゴ・ウィービング(男優)トム・ドス
レイチェル・グリフィス(女優)バーサ・ドス
ヴィンス・ヴォーン(男優)ハウエル軍曹
脚本アンドリュー・ナイト
ロバート・シェンカン
撮影サイモン・ダガン
製作総指揮ローレンス・ベンダー
配給キノフィルムズ
衣装リジー・ガーディナー
編集ジョン・ギルバート[編集]
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💬口コミ一覧

36.「戦争」と「信仰」、人間が生み出したその二つの価値観は、まさしく人間という混沌の象徴だ。
本来、相容れぬはずの価値観を、同時に、「正義」だと掲げ続け、混乱と争乱を引き起こし続けてきたのが人類の歴史だろう。
その二つの価値観に板挟みにされた一人の人間における選択肢は、普通二つしかない。
ひたすらに「戦う」か、ひたすらに「避ける」かだ。
だがしかし、この映画の主人公は、そのどちらも選ばなかった。
「戦争」に対する覚悟と、「信仰」に対する揺るがない信念を貫き通し、ただひたすらに「救う」ことを選択した。
そう言葉で表すといかにも聖人君子的な綺麗事のように思える。
ただそれを実際の戦場で「実現」したということが、一体どれほど熾烈で残酷だったか、この映画は一点の曇りもない映像表現で描きつけている。

古今東西様々な戦争映画を観てきたけれど、この戦争映画の激しさと描き出されるテーマ性は、他のどの戦争映画とも異なっている。
それは、この映画が、一人の男の生い立ちとそれに伴う信念を深掘り、結果として彼が戦場でどのように闘い抜いたかを描き抜いたからだろう。
激しい戦争描写は、戦争映画史上においても屈指のものであったことは間違いない。だがそれ以上に、人間という生き物がそもそも孕む混沌と混乱の中で苦悩しつつ、傷つきつつ、それでも屈すること無く、自らが生きる意味を貫き通した不器用な人間の崇高な姿に衝撃を受けた。

アンドリュー・ガーフィールドが、良心的兵役拒否者としてアメリカ史上初の名誉勲章受賞者となった今作の主人公デズモンド・ドスを見事に演じきっている。
あの青瓢箪のような俳優が、あのメル・ギブソンの戦争映画に主演という情報を聞いた時は「大丈夫なのか?」と甚だ懐疑的だったけれど、鑑賞後には彼以外の適役は居なかったろうと思える。
ハンサムではあるがハリウッド俳優としては個性的な風貌の彼が、次々に大役をものにし、一躍トップスターへと上り詰めた要因は、類まれな演技力は勿論、彼自身が己の「個性」を貫き通してきたことに伴う魅力が、付加価値として備わっているからだと思う。

そして、監督メル・ギブソン。
彼自身の私生活における数々の醜聞やそれによって映画界から追放されかかっていたことについては、擁護する余地はないけれど、世評の通り映画監督としての力量が「本物」であることをまざまざと感じた。
アルコールに溺れ、暴力と暴言に走り、後悔と贖罪を繰り返す日々、そんなメル・ギブソン自身の人生模様は、今作のキーパーソンとなる主人公の父親像に表れている。

光と闇、暴力と救済が等しく混在する圧倒的な戦争映画。これはメル・ギブソンにしか描けまい。
鉄腕麗人さん [インターネット(字幕)] 9点(2017-11-18 18:45:31)
35.ネタバレ 恥ずかしながら、沖縄戦でこれほどの激戦地があったとは知りませんでした。前半は主人公のニヤケ顔が今ひとつ好きになれませんでしが、それも過酷な後半への伏線だったのでしょう。戦闘シーンはグロい遺体の数々もさることながら、とにかく敵との距離が近いので迫力があります。数々の戦争映画の中でも、これほど接近戦を描いたのは珍しいんじゃないでしょうか。
それはともかく、たしかに主人公の行為は間違いなく立派ですが、ちょっと〝盛りすぎ〟な感じがしないでもありません。激戦地とはいえ米軍側が圧倒的に有利だったことは間違いないので、その火力があってこそ活躍できたのかなという気がします。また本人はキリスト教的な戒律云々というより、もはや〝衛生兵ハイ〟のようなワーカホリック状態だったのかなと。主人公が日本兵にまでモルヒネを刺すシーンで思い出したのは、不謹慎ながら「モダンタイムズ」でした。
眉山さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-02-20 02:39:08)
👍 1
34.ネタバレ 実在の人物ではあるが今までにない主人公であることに見どころがあった。決して信念を曲げない姿は見ているこちらが心配になるぐらいだが最終的には全員を認めさせる姿は格好いい。銃を持つだけが戦いではないと実感させられる。ただ日本人のガムシャラ感は相変わらずだなと思った。
ぷるとっぷさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-06-03 17:46:30)
33.ネタバレ 良心的兵役拒否者としての信念から銃を手にすることを一切拒否、しかしながら衛生兵として多くの負傷兵の命を救った一人の男の姿を実話を基にして描いた戦争ドラマ。舞台となるのは第二次大戦中、日本国内では唯一大規模な地上戦が行われた激戦地・沖縄。監督は、私生活でいろいろと問題行動の多いメル・ギブソン。この人の思想信条や考え方、そして宗教観は個人的には嫌いなのですが、それでも映画監督としての才能はやっぱりピカイチなんですよねー。完成度は抜群に高いです、これ。前半、誰に何と言われようと銃を手にすることを一切拒否し、周りに迷惑をかけまくる主人公には同僚でもなんでもない観客の僕たちまでイライラさせるとこなんてホント巧い。「じゃあ兵隊に志願なんてするなよ!」と誰もが思うことでしょう。アンドリュー・ガーフィールドの頑固で変わり者キャラがばっちり嵌まっててなかなかナイスなキャスティングじゃないでしょうか。後半、壮絶な沖縄戦に突入してそんな頑固者の主人公が一転して英雄となり周りからの信頼を勝ち取ってゆくとこもカタルシスがヤバいです。なかなかよく出来た脚本と言えるでしょう。凄惨を極めた戦場描写も容赦がなく、地面にごろごろと転がっている無残な死体の中を自らの命を顧みずに走り抜けてゆく兵士たちからは一秒たりとも目が離せません。皮膚の焼けただれる臭いが今にも漂ってきそうな火炎放射器の炎、そこらへんに容赦なく散らかった剥き出しの内臓や千切れた手足、我先にと餌にありつく巨大なネズミたち…、リアリティに満ち溢れたそれらの描写には日本人としてとても胸に迫るものがあります。まあこの監督らしい一面的な描き方――例えば、襲ってくる日本兵が全員野蛮な狂信者として描かれているとことか、これを観たアメリカ人にまた原爆投下肯定論者が増えそう――は、相変わらずですけれども。それでも悔しいかな、日本人としてそんな微妙な部分も作品としての質が大幅にカバーしちゃってます。全編に貫かれるキリスト教礼賛描写も鼻につきますが、総合的な完成度はすこぶる高い戦争ドラマの秀作と言わざるを得ません。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 8点(2018-04-05 03:25:32)
32.ネタバレ 映画人として完全に終わったと思われていたメル・ギブソンが、彼を毛嫌いするハリウッドの住民たちをも納得させてオスカー大量ノミネートと2部門受賞という栄誉を勝ち取った作品こそが本作なのですが、なるほど、本作を観ればメル・ギブソンは映画を撮るという才能に溢れた人物であることがよく分かります。
主人公・デズモンドの人格を形成したものは何だったのか、また軍隊や社会は彼の主張にどう反応したのかが描かれる前半部分は簡潔ながら非常によくまとまっています。メル・ギブソンは実生活では信仰心の厚すぎる人物なのですが、本作では宗教という要素をバッサリと切り落とし、父と子の物語として再構築した辺りの見切りの良さも光っています。ヒューゴ・ウィーヴィング演じる父親は頑固で酒飲みで女房子供に暴力を振るう最低野郎なのですが、その一方で息子が軍刑務所に入れられて窮地に陥っていると知るや、自分のコネを使って何とか息子を助け出そうとする優しさも見せており、善悪では割り切れない複雑な人間性というものがきちんと表現できています。また、当初はデズモンドの信仰を理解できず、彼に対して辛く当たっていた戦友達が徐々に変化していく様も自然に表現されており、人間ドラマとして非常によくできています。
戦場はまさに地獄。そこら中に手足や内臓が散乱し、それらの周囲には血の海ができているという表現は、これまで見たどの映画よりも実際の戦場写真に近いものであり、まさにリアリティの塊となっているのですが、本作が特殊だと思うのが、このリアリティの極限の中に娯楽的な誇張を紛れ込ませているという点です。散乱する死体を左手で引っ掴んで盾のように構え、右手でマシンガンを乱射するという突飛な見せ場や、投げられた手りゅう弾を蹴り返す場面、また文字通り血の雨が降る場面などが登場するのですが、これがリアリティある戦場描写にちゃんと馴染んでいるのです。そもそも全体の構成自体も、史実では一定期間でなされた行為を本作では一夜の出来事として見せており、かなり無理のあるまとめ方をしてはいるのですが、これに違和感を覚えさせられない辺りが脚色や演出の妙なのでしょう。『ブレイブ・ハート』でも感じたのですが、メル・ギブソンはリアリティと虚構を混ぜるのが本当に巧い監督だと思います。
ザ・チャンバラさん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2018-01-05 20:15:17)
👍 1
31.実際の出来事を基にしているため、ストーリーにドラマが少ないんですね。これがフィクションなら、もう少し演出を加えて、ドラマチックになるのでしょう。でも、映像はすごいですね。迫力がありますし、スリル満点。戦争映画を楽しむ、と言っては不謹慎かもしれませんが、戦闘シーンの出来はとっても良いです。
shoukanさん [映画館(字幕)] 8点(2017-07-07 23:28:14)
30.ネタバレ 周りがどれだけ過酷な状況であったとしても、個人の経験はあくまで自分自身が選ぶのだ、そして自分が望むように生きるには、強い信念が必要だ。という、まさに宗教めいたメッセージが込められていたように思うし、そのメッセージは根底で「暴力脱獄(Cool Hand Luke)」に通じるものがあると思った。衛生兵として武器も持たずにひたすらに傷ついた兵士(敵、味方関係なく)を助ける姿はとても尊いものに見えた。それにしてもハクソー・リッジを登った後に始まる戦闘の凄まじさは特筆に値する。オスカー受賞も納得の音響がとにかく物凄く、迫力ある映像と相まって、迫力がありすぎて劇中涙が出てしまった。(そこに至るまでの演出が割と抑えられているので、ギャップがすごい。)迫力がありすぎて涙が出るというのは個人的に初めての経験であった。どんどんとやられる日本人兵を見るにつけ日本人である我々の気持ちは複雑になるだろうが、どちらもまさに必死で、やらなければやられる世界であるということがその血みどろの画面から伝わってくるし、徹底的にやりきった戦闘演出は逆に戦争を憎んで人を憎まずという姿勢を感じさせた。(視点を返せば、我々の祖先は日本を守るためにこんなに壮絶に戦ったのだと見ることもできる。)一方、最後の最後に1、2カット、明らかにCG(合成?)とみられるシーンがあり、そこで冷めてしまったのが残念だ。とはいえ、上映時間も全く気にならないほどの緊張感が貫かれた作品。とにかくその音響を体験するためにも劇場で見た方が良いと思う。
rain on meさん [映画館(字幕)] 8点(2017-07-04 22:34:56)
29.ネタバレ 良作。
多くの敵を倒した者 = 英雄、と思っていた価値観を揺さぶられた。
戦争映画では突撃兵や狙撃兵が印象に残るが、今回は「衛生兵」に焦点が当たってて斬新。
主人公ドスの『ライフルを握らない』という一貫した信念が伝わり感心した。
その信念のバックボーンである幼少期のエピソードも交えられていて説得力あり。
凄惨な現場で、こんなにも多くの命を助けたのは奇跡的。
カジノ愛さん [映画館(字幕)] 8点(2017-07-01 19:44:44)
28.ネタバレ 非常に満足度の高い作品。
衛生兵として圧倒的な信頼を得たあと、あれだけデズモンドを邪魔もの扱いしていた上官が、「彼なしには戦えない」と、デズモンドの祈りが終わるまで待つシーンは何か崇高ですらあった。
味方であろうと敵であろうと救える命はすべて救いたいという迷いのなさが観る者の心を打つし、日本人としても救われる思いがした。
戦闘シーンも目を背けたくなるほど完成度が高く、「プライベート・ライアン」にも引けを取らない迫真性があり、出兵に至るまでのドラマも長すぎず、バランスが取れている。
メル・ギブソンは名監督の評判が高いが、本作は引くところは引いて、ゴリ押しせずにまとめられていると感じた。いや、いい映画。
roadster316さん [DVD(字幕)] 7点(2025-01-16 10:27:11)
27.この勇気には価値がある。
TERUさん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-11-27 22:01:33)
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26.子どもの頃に兄弟ゲンカで危うく人を殺めそうになった、とか、動脈と静脈の区別すらつかないけれどたまたま止血がうまくいって人を救った、とか、そういうエピソードが後の展開への下地を作ってたりして、数々のエピソードが網の目のように伏線になってます。父親の存在なんかも、そうですね。
で、そういう伏線が織り込まれてはいるのですが・・・にもかかわらず、主人公の主張がいささか極端に過ぎるせいか、正直、これらのせっかくのエピソード群が、彼の言動にあまりうまく繋がっていないような気がします。この主人公像を描くには、もっと強い印象を残すエピソードが必要なのでは?
とか思うのも途中まで。後半、これでもかと続く戦闘シーンと、負傷兵の救出を続ける彼の姿には圧倒されます。戦闘の描写にちゃんとストーリー性を持たせた丁寧な描写も、その強い印象に大きく貢献しています。もっとも、テンポが良すぎる部分もあって、やや要領が良すぎるのでは、と思えたりもするのですが、そこはそれ、あくまでヒーロー映画ということで。
彼はついに銃を手にするのか、それとも最後まで銃を拒否し突けるのか、というサスペンス。
それにしても日本兵のガタイが少々良すぎるのは、これは最後まで違和感を感じてしまったのですが・・・一種のサバイバル映画ですから、「敵は強そうでないといけない」ってことなんですかねえ。しょうがないんですかねえ。
鱗歌さん [DVD(字幕)] 7点(2019-10-07 21:16:51)
👍 1
25.ネタバレ 「良心的兵役拒否者」という戦争映画としては異色のテーマで、実話がベースになっている作品。
敬虔なクリスチャンで知られるメル・ギブソン監督らしい着眼点だ。

前半は主人公デズモンド・ドスの育った家庭(特に第一次大戦でのPTSDを抱えた父親との確執)や、後に結婚するに至る恋人とのエピソードを語り、
中盤ではデズモンドが愛国心から兵役を志願する一方で「決して銃に触れない」と宣言したことから惹起される上官や仲間からの迫害にも決して屈しない姿を描き、終盤では衛生兵としての戦場での大活躍が描かれるという安定した展開。

不謹慎の誹りを恐れずに言えば、監督得意のグロ描写に期待して鑑賞したのだが、リアルな戦場描写は期待通りだった。
ハクソー・リッジ(日本では前田高地と呼んでいたらしい)での上陸戦のシーンは、最前線での白兵戦の凄惨さを見事に再現している。
白煙で視界の悪い戦場で、いきなり機関銃の雨にさらされ、訳も分からないまま次々と死にゆく米兵たち。
鉄兜ごと頭を撃ち抜かれたり、爆発で手足をもぎ取られたり、その地獄絵図の中を駆け回る衛生兵はモルヒネを打つことくらいしかできないという凄惨なシーンがこれでもかと続く。
実際、極限状態に置かれた皇国・日本兵の捨て身の攻撃は、米兵にとって脅威であったに違いない。

劣勢のなか一度撤退を決めた米軍にあって、ただ一人戦場に残り「神様、どうかあともう1人助けさせてください」と、まだ敵の銃弾が飛び交う中、息のある兵士を次々と救出し続けるデズモンド。そうして(驚くべきことに日本兵も含め)数十人もの命を救ったデズモンドは、最後は真の英雄として讃えられる。

「戦争」という合法的な殺人を目的とする非人道的な場面にあって「汝殺すなかれ」とのキリスト教の教えをどう実践するべきなのか、という問いに対する一つの答えが本作なのだろう。
しかし、他のレビュアーも指摘しているとおり、主人公がなぜあれほどまでに頑なに信念を貫けたのか。多くは特定の信仰をもたない日本人にはなかなか理解しづらいだろう。

しかし本作は、人間にとって信仰とは、信念とは、本当の勇気とは、そして真の強さとは……と様々考えさせられる良作である。
田吾作さん [インターネット(字幕)] 7点(2019-06-05 17:51:18)
24.ネタバレ 実話が元という割に見ごたえのある内容だった。【ネタバレ注意】仲間のイジメはともかく、上司が「命令が聞けなければ除隊しろ」と親切さをみせていたのがよい。ある程度予想できた展開とはいえ中盤からのデズモンドの活躍がよかった。アンドリュー・ガーフィールドの“やせっぽち”感もよい。最後にデズモンドを追い詰めて崖までいく日本軍は、それまでになぜ登る手段を潰さなかったのかとは思ったが(縄梯子なんて油かけて燃やすだけじゃないのか?)、史実なのかもしれないし、戦闘の厳しさを描写したいのだろうが、そこまで過激、かつ長いものが必要だっただろうかとも思うが、全体としては小さなこと。インタビュー映像で締めくくったのもよかった。
mohnoさん [インターネット(字幕)] 7点(2019-01-15 13:09:49)
23.ネタバレ 良心的兵役拒否者のことは聞いたことがありましたが、具体的にどんなものなのかは今回初めて知るに至りました。言ってることは至極真っ当なのですが、聞いているほう(軍隊の仲間)からすると「俺たち全員のことを真顔でバカにしているのか?全否定か?」そんなレベルです。そういった意味ではリアリティに欠けていて「a true story」と前書きが無かったら真面目に見ることができなかったかもしれません。(真実とはこういうものなのでしょうが、軍隊内部で「戦争したくありませんでありますっ!(ビシ)」は、頭湧いてんのかコイツ?としか思えませんでした・・)

そもそも実際問題、主人公のような人物は一定数存在するものと思われますが、ほとんどの場合が戦争弱者のごとく早い段階で死亡してしまっているように感じます。バッターボックスにバットを持たずに立つようなもので、ほとんどの場合が秒殺で終わるものと思われます。今回のデズモンドに関してはたまたまラッキーだっただけですよね。

全体のプロットは手堅くまとまっていましたが、映画としては見た後に高得点が出にくい感じを受けました。全体が駆け足過ぎてご都合主義な感じに見えてしまったのかもしれません。ただ細かな部分は非常によく表現されていて、子供時代から偉業を成すまでの半生を2時間で過不足なく描いています。これは本当に上手いと思いました。やはりメル・ギブソンは監督に向いています。もちろん役者としても一流でしたが監督をやらせると格別です。古典的になりすぎず、かつ先鋭的なこともやり過ぎない。映画制作のことがよく判ってるなぁと感心します。メルギブには監督分野でもう少し活躍していただきたいです。
アラジン2014さん [インターネット(字幕)] 7点(2018-08-07 10:26:29)
22.ネタバレ 考えるに、現役映画監督の中で戦争映画を撮るのがいちばん上手いのは、メル・ギブソンなのかもしれません。リアリティーやストーリーテリングの巧みさではスピルバーグやイーストウッドの方が勝っていますが、臨場感と巧妙な脚色と観る者を引きずり込まずにはいられないヒロイズムに関しては、文句なしで当代一でしょう。とは言え、これだけバッタバッタと日本兵が殺される(アメリカ兵も負けず劣らずの大損害ですが)シーンが連続すると、さすがに気分が悪くなってしまいます。そして凝り性のギブソンのことですから、人体損壊シーンが多いことにも辟易させられます。個人的には『プライベート・ライアン』の“ブラッディ・オマハ”の方がはるかにショックを受けましたけど、スピルバーグの方が見せ方については巧みだったんでしょうね。監督がこの人だからと警戒した宗教色は、さほど気になりませんでした。同じ部隊のアメリカ人からも異常視されるぐらいですから、このデズモンド・ドスという人の信条は日本人の私らには理解できるはずもありません。でも「この人は狂信者ではなく、普通の若者だったんだよ」ということを前面に押し出したかったギブソンの演出意図は、それなりに成功したんじゃないでしょうか。しかし銃は握らなかったといっても戦争そのものは否定せずに、自ら志願して戦場に赴くんですから、やはりこの宗教観を理解するのは難しいです。『ヨーク軍曹』を撮ったハワード・ホークスが生きていたら、この映画を観てどういう感想を持ったか想像してみると面白いです。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-05-16 23:48:17)
21.ネタバレ 誰より臆病で優しい兵隊さん、太平洋戦争の凄惨な沖縄最激戦地を駆ける。その武器は銃ではなくて、もやい結びの命綱とモルヒネ針、地をはう絨毯。ベホマ…ドラクエの僧侶的存在。あと一人、もう一人助けてたもうせ。優男は米軍一勇敢な衛生兵。良作。
獅子-平常心さん [DVD(字幕)] 7点(2018-02-20 18:57:15)
20.ネタバレ 気が重くて観るのをためらっていた宿題作を観賞。M・ギブソンお得意のグロな描写も想定内。で、何とも暗澹とさせられる内容で。。。A・ガーフィールドは適役でした。

戦争は誰も幸せにはしない。
kaaazさん [インターネット(字幕)] 7点(2018-02-11 02:09:02)
19.ネタバレ 戦地に行くまでが思っていたより長いけど、この前半は重要。恋人と離れ、結婚式に出られず、いじめに遭い、上司から帰れと言われても、自分の信念を曲げず、認めさせたのはなかなかできないことです。ハクソーの戦いはアメリカも無茶な戦略を立てていたんだなと、戦争とはどちらも多くの犠牲を払ってしまうものなんだと思いました。
Banjojoさん [映画館(字幕)] 7点(2017-11-08 00:14:31)
18.ネタバレ 戦う相手が日本人、しかもその描き方が、致し方ないとは言え悪の権下に徹した描き方となっており正直違和感を感じざるを得なかったが、ここを突っ込み始めると戦争物は議論に終わりが見えなくなるので割り切って鑑賞。
本作を観て最も意外だったのは、メル・ギブソンの映像表現方法がよい意味で「角が取れた」事。
「ブレイブハート」や「アポカリプト」そして「パッション」で、彼が痛そうな・辛そうな描写が大得意である事は良く判っていた。
そんな彼が「地獄の戦場」と呼ばれた沖縄戦が舞台となる戦争映画を監督する作品だ、私は途中で気が滅入らない様に気合を入れて劇場に赴いた。
そんな本作、確かに人体損壊描写は鬱病になってしまいそうな位にテンコ盛りだが、過去作品に見られた「痛いぞ~」「辛いぞ~」と言うネチッこさの有る演出は影を潜め、沖縄戦が如何に過酷な状況だったのかをリアリティを伴って実感出来る為の「冷静なもの」となっていた。
主演のアンドリュー・ガーフィールドは線の細さは相変わらずだが、「沈黙」と言い本作と言い、独特の芯の強さを感じる良い役者になったと思う。
俳優陣で意外だったのはヴィンス・ヴォーン、不真面目な役しか演じていないイメージが強く本作でも登場した当初は訓練教官の鬼軍曹役にもの凄い違和感を感じたのだが、実は演技の幅が広いのかなかなかのはまり役だったと思う。
TVシリーズ「ザ・パシフィック」を観てから本作を観ると、より興味深く鑑賞出来ると思うでお勧めします。
たくわんさん [映画館(字幕)] 7点(2017-07-10 13:05:41)
17.戦闘シーンはかなりエグイが、こうゆう事が現実に起きていたんだろうなぁと実感。主人公の「もう一人…」の精神に感銘を受けました。正に裸一貫で戦場に足を踏み入れた男の勇気と信念のお話です。
tonaoさん [映画館(字幕)] 7点(2017-07-06 11:48:09)
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【点数情報】

Review人数 36人
平均点数 6.69点
000.00%
100.00%
212.78%
300.00%
400.00%
5513.89%
6513.89%
71747.22%
8719.44%
912.78%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.00点 Review3人
2 ストーリー評価 6.50点 Review4人
3 鑑賞後の後味 6.25点 Review4人
4 音楽評価 6.00点 Review3人
5 感泣評価 5.00点 Review3人

【アカデミー賞 情報】

2016年 89回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演男優賞アンドリュー・ガーフィールド候補(ノミネート) 
監督賞メル・ギブソン候補(ノミネート) 
音響賞ケヴィン・オコンネル[録音]受賞 
音響賞 候補(ノミネート) 
編集賞ジョン・ギルバート[編集]受賞 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2016年 74回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)アンドリュー・ガーフィールド候補(ノミネート) 
監督賞メル・ギブソン候補(ノミネート) 

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