映画『バーニング・オーシャン』の口コミ・レビュー

バーニング・オーシャン

[バーニングオーシャン]
Deepwater Horizon
2016年上映時間:107分
平均点:5.07 / 10(Review 27人) (点数分布表示)
公開開始日(2017-04-21)
アクションドラマサスペンスパニックもの実話もの
新規登録(2017-03-05)【にゃお♪】さん
タイトル情報更新(2024-10-14)【タコ太(ぺいぺい)】さん
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監督ピーター・バーグ
キャストマーク・ウォールバーグ(男優)マイク・ウィリアムズ
カート・ラッセル(男優)ジミー・ハレル
ジョン・マルコヴィッチ(男優)ドナルド・ヴィドリン
ディラン・オブライエン〔男優・1991年生〕(男優)ケイレブ・ハロウェイ
ケイト・ハドソン(女優)フェリシア・ウィリアムズ
イーサン・サプリー(男優)ジェイソン・アンダーソン
ピーター・バーグ(男優)スキップ氏
ジーナ・ロドリゲス(女優)アンドレア・フレイタス
森川智之マイク・ウィリアムズ(日本語吹き替え版)
田中正彦ジミー・ハレル(日本語吹き替え版)
樋浦勉ドナルド・ヴィドリン(日本語吹き替え版)
脚本マシュー・マイケル・カーナハン
音楽スティーヴ・ジャブロンスキー
撮影エンリケ・シャディアック
製作マーク・ヴァーラディアン
マーク・ウォールバーグ
製作総指揮ジェフ・スコール
配給KADOKAWA
特撮ILM/Industrial Light & Magic(視覚効果)
美術クリス・シーガーズ(プロダクション・デザイン)
編集コルビー・パーカー・Jr
録音ワイリー・ステイトマン
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💬口コミ一覧

27.人間が、「地球」を削り、築き上げてきた文明の上で被る災害のすべては、何がどうであれ「人災」と言えるのかもしれない。
この映画で描かれる実際に起こった“災害”にしても、もし人間以外の者が傍から見ていたならば、「自業自得」と断罪されても致し方あるまい。
ただ、たとえそうだとしても、生き抜くことに執着して、妻子の元へ戻ろうとする権利は誰にだってあり、そのために力を尽くすことこそが、我々人間の正しい在り方だと思う。
炎が燃え盛る海の上、ほんの数十分の間、それをやり遂げた“普通”の人間たちの、良いも悪いも人間らしい姿に胸を打たれた。

2010年にメキシコ湾沖で実際に発生した原油流出事故を描いた作品なので、良い意味でも悪い意味でも映画世界の表現は制限されている。
前述の通り、登場する人物は石油採掘施設で働く作業員をはじめとするごく普通の人々であり、絶体絶命の危機を奇跡的に打開するスーパーヒーローなどは存在するわけもない。

休暇が明け、至って日常的に現場業務に戻り、普通に就労する中で突如として事故が発生する。
マーク・ウォールバーグ演じる主人公は、献身的な言動をするけれど、決して過度ではなく、あくまでも現場の責任者の一人としての一般的な救出作業に留める。
一方、一応の悪役として存在するジョン・マルコヴィッチ演じる発注企業側の責任者も、分かりやすい悪人などではなく、自社の利益とその達成を任されている企業人としての役割を全うする“嫌われ役”程度に描かれる。
そういう展開的な派手さや、極端な人物描写が全くない分、事故そのものの原因と現実的な危険性が明確になり、とてもリアルだったと思う。
当たり前の光景を描きつつも、吹き出す炭酸飲料や、車のエンジントラブル、不吉な色のネクタイなど、ささやかな描写を連ねて、これから起こるであろう“不穏さ”をさり気なく表現した冒頭シーンも巧かった。

一方で、当然ながら特筆すべき劇的な展開が訪れないことも事実。
もしこの映画を、「災害パニック映画」として観てしまったならば、大いに肩透かしを食らうだろう。
冒頭からのストーリー展開はまさに災害パニック映画的だけれど、事実を描いている以上、似て非なるものと理解すべきだ。

故に、果たして商業映画として成立するほどの題材だったのかという疑問符は生じる。
マーク・ウォールバーグ、カート・ラッセル、ジョン・マルコヴィッチとスター競演のスペクタクル映画として宣伝したのであれば、物足りなさが残ることは否めない。

事実を歪曲する必要は全く無いけれど、例えばクリント・イーストウッドが旅客機の不時着事故を映画化した「ハドソン川の奇跡」のように、事故後の当事者たちの葛藤や人生模様まで描きこまれていたならば、今作はもっと良い映画になっていたと思う。
まあそういう“行儀のいい”ドラマ描写を極力避けて、石油プラントの大爆発炎上シーンに心血を注ぐあたりに、ピーター・バーグ監督の“らしさ”を感じるけれど。
鉄腕麗人さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-11-04 23:10:19)
26.ネタバレ この映画も実話ベースやったんやね。海上採掘場爆発シーンはさすがに凄い。これ助かるのか?の連続で、ヤバい。ラストは実在の人々の映像と亡くなった方々の映像が出る。パトリオットデイほどは心はふるえなかったけど、やっぱ悲しい気持ちにはなりました。
なにわ君さん [インターネット(字幕)] 7点(2018-01-12 21:35:18)
25.ネタバレ いやあ、凄まじい。テレビで観てこう思うんだから劇場で観た人は震えあがっただろう。当時は事故の報道が連日されていたが環境面での話題の印象しかなく恥ずかしながら11人の死者が出ていたことも知らなかった。

どういう事故が起こるかコーラを使って説明されてもやっぱり専門家でもないしわからないところもあるのだが、不穏な雰囲気はビンビン伝わる。あれよあれよという間に取り返しのつかないことになっていく描写は見事だ。事故のことを知っているもんだから油まみれになっていく作業員に「早く逃げろ」と思わず言いたくなる。何とかしようとする作業員の行動も空しく起こるべくして起こる大惨事。その描写が本当に凄まじい。多くの大作でこういう映像は観慣れていると思っていたが爆発が起こる度に「うわあ」と声が出てしまう。「ローン・サバイバー」でもそうだったがこの監督は痛々しい描写が妙に上手い。カート・ラッセルが爆発で吹っ飛んでいく描写も凄まじいが足に刺さったガラス片を抜くところなど「あ~、痛い痛い…」と今回は映画を観ながらよく声が出た。家で観たから大いに声が出せましたよ!

事故が起こったけど手がつけられないし逃げるしかない!もうこれに尽きる。人間ドラマは希薄だがとってつけたようなドラマばかり見せられてもと思うしある意味潔いか。それにしても環境面で影響がある仕事でこういう杜撰な管理がされていてはたまらない。希望的観測が許されない仕事は石油採掘だけではない。いや、他人事ではないな。一人一人が自分の仕事はきっちりやらなきゃいけない、至極当然のことを思いましたよ。
さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-10-24 01:17:10)
24.ネタバレ 爆発が起きてからの人的被害の描写は実に痛々しかったです。
とにかく炎の海という印象。爆発しまくってた。
実話を元にしているとのことで、パニックアクションものにしていくのか
シリアス感動ものにしていくのかなかなかバランスが難しい作品だったなと思います。
あろえりーなさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-08 17:56:00)
23.ネタバレ あくまでパニックアクションとしては、後半の爆発炎上+脱出シーンもかなり迫力がありましたし、全体としてもそこそこ大作映画なワリに(前段が長すぎるとかも無く)良好なテンポとコンパクトなサイズでワクワクドキドキとお手軽に楽しく観切ることが出来ました。娯楽映画としては全然好かったと思いますね(まあ、実際の事故の顛末を描いている…という意味ではそれで好いのか?とも少しだけ思いますが、今作はソコにコンセプトを置いてはいなかった…と思うコトにして…)。

ただ一点だけ、やはり事故に至る経緯は少し説明不足で分かり難いのと、あとは事故発生の正に「その時」(=負圧テスト実行中)明らかに一番のキーパーソン(=そーいう雰囲気をプンプン醸してた)な筈のマーク・ウォールバーグにせよカート・ラッセルにせよ、どちらも現場(指揮所)に居なかったとゆーのはどーいうコトなのでしょうか?(ワタシ何か見落としてます?)どっちにせよ、肝心なテストをやるんだったら(+多少なりとも不安が有るのだったら)自分が居る時にやるよーに段取るべきではないでしょーか。誤解を恐れずに言えばリーダーとしてはちょっと意識低いな…とも思ってしまいましたかね(まあソコら辺も含めて、人物像の描き込みも総じて軽め…という作品ではあるのですケド)。
Yuki2Invyさん [インターネット(字幕)] 6点(2022-04-22 10:26:59)
22.爆発シーンは迫力満点。
吹きあがる油もリアルでしたし、炎が凄い。
脱出するまではドキドキでした。

でも、爆発の仕組みも理解できなかったし、人間関係も魅力が薄い。
名優出演なのに勿体なく感じました。
たんぽぽさん [CS・衛星(吹替)] 6点(2020-06-09 18:09:05)
21.ネタバレ 同年2016年に公開されたパトリオットデイと同じピーターバーグ&マークウォールバーグコンビによる実話物。

映画終盤に実際の当事者などの映像が流れ、また犠牲者の写真と名前が出て追悼が行われるとこなんかは全く同じフォーマットで、その既視感がすごごすぎます。
ここはもうちょい変えてもよかったんじゃないでしょうか。

扱う内容が違うだけでコンセプトとフォーマットがほぼ同じ映画となると純粋に映画としてどっちが面白いか…という事になるわけですが、こちらは爆発するまでが無駄に長い上に爆発してからはイマイチ何が起きてるのかわかりづらく、しかも爆発して脱出したらそれで映画終了…なので話の面白さとしてはイマイチ。
あちらに軍配が上がる事になってしまいます。

それはさておき、このメキシコ湾の原油流出事故について、日本ではそのあとの原油流出についてはいろいろ報道されていたものの、とっかかりとなった採掘基地の爆発炎上については「採掘基地での事故により原油が流出し」と1行で片付けられてほとんど詳細が報道されていませんでした。
ところが(考えてみれば当たり前なんですが)その採掘基地で実際に事故に巻き込まれた人にとって見れば人生の一大事件なわけで、一般には事故があったという一行で片付けられている事件もその当事者にとっては大事件である、という当たり前の事実に気づかせてくれたという意味では貴重な発見をもたらしてくれた映画だと言えなくもありません。
あばれて万歳さん [インターネット(吹替)] 6点(2019-12-20 15:34:49)
20.ネタバレ 実際に起こった海底石油採掘施設での爆発事故を基に、そこにいた様々な人々のドラマを迫力のアクションシーン満載で送るエンタメ作品。存分にお金をかけたであろう爆発シーンは抜群の安定感で、それだけでそこそこ観ていられる作品に仕上がっていたと思います。特に主人公が火の海と化した石油施設内をただ出口を求めて彷徨うシーンなんて、見ているだけで汗が滲んできそう。実話という重みが充分に効いています。ただ、反対に肝心のドラマ部分がいただけない。なんかエンタメ映画としてのツボをことごとく外しちゃっているから最後までいまいち盛り上がりに欠けるんですよね、これ。実話を基にしていても見せ方次第でいくらでも面白くなるはずなのに、惜しい。全体的にこの監督らしい力技な印象。でもまあ、この監督お得意の見ていて鼻につくアメリカ礼賛描写はけっこう控え目だったんで、ちょっぴりおまけの6点で。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 6点(2018-02-25 22:57:34)
19.実話ってのに、弱いのよね~~~。
とか言いたくなるのも大抵は、映画化に向けうまくアレンジしている場合であって、事実というものにあまり縛られると、映画は苦しくなってきます。本作も、こんな事故がありました、脱出しました、あ、言い忘れてたけど11人も亡くなったんです、という大枠に縛られてしまって。その制約内で、確かに凄まじい作品に仕上げてきているのですが、反面、観ている間スペクタクルシーンを待ち焦がれている不謹慎な自分に、居心地の悪さを感じたり。
人間があまり描けていない、という批判、まー実際そうなんだから仕方がない。いやこれだって、実話という制約内で、何とか登場人物を印象付け、何とかドラマを作ろうとしているのですが・・・こういう路線で行くんだったらいっそ、「メカ」をもっと描けばいいのにね。などと思うのは、これは個人的な好みかも知れませんが。ディープウォーター・ホライゾンという、メカに埋め尽くされた、独特の舞台。到着したマーク・ウォールバーグがあちこちに顔を出して、他の登場人物たちを我々に紹介していく形になるのだけど、それと同じくらい、この「メカ」たちを、我々に紹介してくれればいいのにな、ってなことを思いました。
圧倒的な機械群が、圧倒的に破壊され、作業員たちに圧倒的に襲い掛かってくる恐怖。それをもっと、描いて欲しかったなあ。
鱗歌さん [ブルーレイ(吹替)] 6点(2018-01-02 11:27:18)
18.なんてセンスのない邦題…。
TERUさん [地上波(吹替)] 5点(2025-02-05 16:27:24)
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17.泥水噴出シーンや爆破シーンに気合を入れまくったのは分かりますが、途中からは同じような噴火と爆風の繰り返しで、「一体この構造物は何回爆発するのか?」「それ以前に、さっきの結果はどこがどうなったのか?」という疑問を持たざるをえなくなります。それと、すでに指摘されていますが、限られた区画内が舞台なのに、その構造や位置関係の提示にまったく配慮がなされていないのは致命的です。今起こっている危機が、どこにどのように影響するのかも分かりません。それを考えると、すごく今さらだけど、「タイタニック」なんかも、この辺の「見せ方」が上手かったんだなあ。
Oliasさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-12-12 00:25:36)
👍 1
16.事故のことはまったく記憶にありません。やたらと派手に炎上していましたが、何がどうなってこうなったのか、状況がよくわからず。まあ要するにマルコヴィッチが悪いということなのでしょう。
危機に直面すると人間の本性が出るもので、その点においてマーク・ウォールバーグは必要十分にカッコよかった。パニック映画の定番的な活躍ぶりですが。
で、作品ではまったく描かれていませんでしたが、気になるのはその後のメキシコ湾の様子。どの程度環境汚染が進んだのか、生態系にどれだけ影響が出たのか、経済産業への打撃はどうなのか。いずれもゼロではないでしょうが、あまり大々的に報じられることもなかったように思います。
もちろん懸命な浄化作業などもあったのでしょうが、もしかしたら、地球の自浄作用のようなものが相応に働いたのかなと。そこに期待するようなことを言ったら、一部の方々に猛烈に怒られそうですが。
眉山さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-12-09 01:30:58)
15.ネタバレ 2010年に起きたメキシコ湾原油流失事故の原因となった原油掘削施設の爆発事故の実話映画化。この手の実話災害映画の王道のパターンのストーリーテリングなので既視感が強いが、さすがに爆発炎上の映像は「どうやって撮影したんだろう?」と唸るほどの迫力はある。しかしドラマ性というかマーク・ウォールバーグとカート・ラッセルおよびジョン・マルコヴィッチ以外の登場キャラへの掘り込みが浅くて誰が誰だか判らないのは弱いところです。一般人には馴染みがない石油採掘が重要なテーマなので、その仕組みや工程をもっと判りやすく描いて欲しかったところです。尺も短めで同種の映画に比べてコンパクトにまとめられているのは良いとしても、その分こういった説明不足感がつきまとってしまう逆効果はあります。爆発が起こってからの経過も、施設のそばに停泊している作業船内の対応が同時に見せられますが、その映像がディープ・ホライズン内なのか作業船の対応なのか区別がつきにくいところでした。とかくハリウッド映画はこういう実話ものでもヒーローを誕生させる方向に持ってゆくのが常套手段ですけど、その後に米国史上最悪となった原油流失と事故の責任についてはほとんどスルーしてしまっているのは、なんだかなあと思ってしまいます。いくら死者が11人出て生存者も大変な目に遭ったと言っても、この事故はやはり人災でブリティッシュ・ペトロリアム社や現場の従業員に最大の責任があることは確かなんですからね。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-12-06 23:34:25)
14.『チリ33人 希望の軌跡』と比較して、この事故については全くと言っていいほど記憶がなく、その時点で「真相を探る」という興味関心は無いわけだが、映像的な迫力はあってパニックモノとしてはそれなりの出来だとは思う。が、物語の方がイマイチなので全体的には盛り上がりに欠ける。
東京50km圏道路地図さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-11-28 22:44:25)
13.安全の確保は,何にも勝るんだなぁと思いましたが,「安全・安心」と言われると「ん?」と思ってしまう.
ワクチンや工事では,安全の確保はできても,安心の確保はできない.
あきぴー@武蔵国さん [インターネット(吹替)] 5点(2021-10-30 19:29:58)
12.ネタバレ 主人公らしき人(マイク)はいるが、ヒーロー然とはしていない。なるほど事故の起きそうな職場だと思わせる前振りだけど、ダイブ長いなあ。実話ベースに不謹慎なのですが、大規模な火事場見物をしたという印象。
なたねさん [DVD(字幕)] 5点(2017-12-03 11:25:49)
11.ネタバレ DVDで観てもその映像の迫力は半端ない!映画史上最大のセットも圧巻。ほんとよくまぁ~こんなもん作ったもんだと感心です。ただ往年の名作、「タワーリングインフェルノ」や「ポセイドンアドベンチャー」などと比べると、どうしても人間ドラマの希薄さを感じずにはいられません。実話だから仕方ないのかもしれませんが、だったらもっとしっかりとリサーチをして、実際の彼ら彼女らの魅力を引き出し、多少の味付けぐらいはしても良かったんじゃないかな。特に主人公の奥さん。事故を知ってからの彼女の見せ方がどうも今一つ胸に響いてこない。電話を掛けて真相を知るというシンプルなシーンだからこそ、もっと彼女の心の内側に迫るような演出をしてほしかったな。あとその他の人たちが全くもって、え!?誰だっけ?状態で、そのせいで散漫な印象が残ってしまいました。

ま結局は、凄い映像を観る!ただそれだけの体験アトラクションみたいなもんですね。不謹慎ですが・・・(^_^;)
Dream kerokeroさん [DVD(字幕)] 5点(2017-09-30 23:04:31)
👍 1
10.ネタバレ  実話ベースなゆえに八方美人的なパニック映画。あちこちバランス良く描こうとした事が、散漫でそこそこな印象の作品に繋がっちゃった、みたいな。

 10歳の子供の作文や、よく振ったコーラの缶によって石油採掘施設の仕組について判りやすく説明してゆく冒頭部分は良かったと思います。
 ところが、いざ事故が起こりますよ、って段になると、結局判りづらいものになってしまって。泥水と石油の関係、コンクリートテストの、そのコンクリートがどこにどう作用しているのか、圧力が設備にどうかかってゆくのか、どういう状況、過程によって最悪の事故に至ってゆくのか、そこはあまりよく判らないっていう。この映画、実は説明下手じゃね?みたいな。

 差し挟まれるドラマも中途半端。主人公の奥さんや、紅一点の彼氏の存在、ラストの家族を失った人達の描写、会社の責任、それらをハッキリ描きたいのか描きたくないのか、どっちなのさ!って状態。

 火災のシーンこそは圧倒的な迫力をもって描かれますが、その中でのドラマなんてのはもはやダイジェスト。何しろ状況が状況なだけに、そしてそれ以上に事実であるがゆえに、ガチャガチャとした映像の羅列状態。その上なんだか呑気に思えてしまう部分(メイン2人が事故に気付くの遅すぎじゃね?)が映画のテンションをヘンに歪めてたりして。

 で、迫力ある事故シーン、なんて言ってると最後にエンドロールで実際の犠牲者の方々の生前の姿が描かれて、そういう不謹慎な事思っちゃいけませんよ、みたいに釘刺されて、一体どう見りゃいいのさ、って。
 切り捨てるべきところ、もっとじっくり描くべきところ、それをもっとハッキリさせるべきだったんじゃないかと思います。

 冒頭が映像の無い証言音声で、だけれどもその音声が本編の流れに対してあまり有効になっておらず、『ハドソン川の奇跡』がいかに上手い映画だったかを思い知らせてくれるような映画ではありました。
あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 5点(2017-05-03 20:55:44)
9.ネタバレ 指令室で口論している主人公らのシーンで、ガラス窓の外側から彼らを捉えたショットに切り替わり、音声がオフになる。
ふと挿入される作業員らからの視点に何やら不穏な感覚を煽られる。

劇中の登場人物は事故が起こる事を知っていないが、観客側は知っている。
事故発生まではこの焦らしのサスペンスで引き込まれ、
シャワー中のカート・ラッセルを襲う爆発の衝撃の強烈さに震撼する。

位置関係の提示も、ほとんど黒い影と化した人物の把握もままならず、揺れに揺れるカメラもきついが、
噴出する泥水流に吹き飛ばされたり、火炎の中を逃げ惑うキャストなど、危険で過酷なショットからは撮影の苦労が偲ばれる。

海中に飛び込んだものの、様々な落下物が水中にも降り注いでくる。『プライベート・ライアン』の再来のような恐怖感を体感した。
ユーカラさん [映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2017-05-02 13:48:14)
8.ネタバレ ドラマが希薄で、実話ものという以上に感動のない残念な仕上がり。パニック映画に欠かせない自己犠牲の見せ場は主要でないキャストが唐突に担っており、主人公は活躍の場面がない。爆発や救助シーンも、十分な伏線が張られておらず、緊張のないまま淡々と進んでいく。採掘を急ぐ上層部と現場との板挟みに合う、現場監督のカート・ラッセルを主人公に据えた方が、映画としての魅力は高くなったであろう。
カワウソの聞耳さん [映画館(字幕)] 5点(2017-04-24 14:23:20)
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【点数情報】

Review人数 27人
平均点数 5.07点
000.00%
100.00%
200.00%
3311.11%
4414.81%
51140.74%
6622.22%
7311.11%
800.00%
900.00%
1000.00%

【アカデミー賞 情報】

2016年 89回
視覚効果賞 候補(ノミネート) 
音響効果賞ワイリー・ステイトマン候補(ノミネート)(音響編集賞)

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