映画『ファースト・マン』の口コミ・レビュー

ファースト・マン

[ファーストマン]
First Man
2018年上映時間:141分
平均点:6.59 / 10(Review 39人) (点数分布表示)
公開開始日(2019-02-08)
公開終了日(2019-07-03)
ドラマ実話もの伝記もの
新規登録(2018-12-10)【にゃお♪】さん
タイトル情報更新(2022-11-28)【TOSHI】さん
Amazonにて検索Googleにて検索Yahooにて検索
Twitterにて検索
ブログに映画情報を貼り付け
監督デイミアン・チャゼル
キャストライアン・ゴズリング(男優)ニール・アームストロング
クレア・フォイ(女優)ジャネット・アームストロング
ジェイソン・クラーク〔男優・1969年生〕(男優)エド・ホワイト
カイル・チャンドラー(男優)ディーク・スレイトン
コリー・ストール(男優)バズ・オルドリン
パトリック・フュジット(男優)エリオット・シー
クリストファー・アボット(男優)デビッド・スコット
キアラン・ハインズ(男優)ボブ・ギルルース
シェー・ウィガム(男優)ガス・グリソム
ルーカス・ハース(男優)マイク・コリンズ
イーサン・エンブリー(男優)ピート・コンラッド
ブライアン・ダーシー・ジェームズ(男優)ジョー・ウォーカー
ウィリアム・グレゴリー・リー(男優)ゴードン・クーパー
マシュー・グレイヴ(男優)チャック・イェーガー
内田夕夜ニール・アームストロング(日本語吹き替え版)
小林さやか〔声優・1970年生〕ジャネット・アームストロング(日本語吹き替え版)
坂詰貴之エド・ホワイト(日本語吹き替え版)
山路和弘ディーク・スレイトン(日本語吹き替え版)
魚建バズ・オルドリン(日本語吹き替え版)
脚本ジョシュ・シンガー
音楽ジャスティン・ハーウィッツ
作詞ボブ・ディラン“Don't Think Twice, It's Alright”
挿入曲ゴードン・マクレー“Oklahoma”
シャーロット・グリーンウッド“Oklahoma”
シャーリー・ジョーンズ〔女優・1934年生〕“Oklahoma”
撮影リヌス・サンドグレン
製作デイミアン・チャゼル
製作総指揮スティーヴン・スピルバーグ
ジョシュ・シンガー
配給東宝東和
特撮ダブル・ネガティブ社
美術ネイサン・クロウリー(プロダクション・デザイン)
衣装メアリー・ゾフレス
スポンサーリンク

💬口コミ一覧

39.同監督の「セッション」が私にとっては嫌悪感しか残らなかったので、本作も期待していませんでした。が、これは傑作。ひたすら淡々と、地味にミッションを遂行していく主人公の姿がいい。特に、ものすごく静かに終わるラストシーンにはグッと来ます。どんな偉業をなし遂げた人の人生も、つぶさに観察すればこんなものかもしれません。まして凡人の私などは、ひたすら共感するばかり。
それに宇宙の描き方もすばらしい。閉塞感や緊張感、恐怖感がひしひしと伝わってきました。火星で農業まで始めてしまうマット・デイモンに、ぜひ見せてやりたい気がします。
おそらくこの監督は、世の中の通念のようなものをひっくり返して見せるのが得意または好きなのかなと。でも「セッション」の印象は変わりませんが。
眉山さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-03-11 04:21:06)
38.ネタバレ 「人類初の月面着陸を成し遂げた男の英雄譚」を期待して観ると肩透かしを喰らう。
そう言った点では、日本に於ける本作の宣伝の仕方には大いに疑問を感じている。
描かれているのは旦那さんがテストパイロットをしている一組の市井の夫婦の物語だ。
その描き方は多分に第一人称の視点が多く、この手の映画(ライトスタッフやアポロ13等)に有りがちな勇壮な音楽と共に主人公の様子を描写する、
劇映画らしい高揚感を誘うシーンは殆ど観られない。
恐らく監督さんは過去一連の宇宙開発物の映画を研究し新しい視点を盛り込みたかったのかと思うし、
本作に関してはその試みは充分以上に成功していると言えるだろう。
圧巻はアポロ計画の前に実施されたジェミニ計画の中で、本作の主人公であるニール・アームストロングが搭乗したジェミニ8号の描写。
それは記録映画として残されている「栄光に満ちた宇宙旅行」とは程遠いものだった。
空中分解しそうな位に手作り感満載の狭くて汚い宇宙船に乗り(乗ると言うよりは無理やり押し込められるに近い)、
宇宙船の内部は狭くて視界も限られ、華やかな宇宙開発での仕事場とはとても思えないものだった。
ましてや自分の尻の下では膨大な量のロケット燃料が炸裂している正に死と隣り合わせの環境。
発射時の振動や騒音は一般人の想像を遥かに越えており、そんな現場の状況を知ってか知らずか徹頭徹尾冷静に交信してくる地上管制官の声とのギャップがすさまじい。
アポロ計画に移行してからも派手な演出は一切無く、唯一カタルシスを感じるのは月面到達のシーン位だろうか。
それも殆どが無音であり、テルミンで奏でられる音楽も勇壮なものでは無く寂寥感を感じさせるもの。
慣れないと息が詰まりそうになる様な描き方だ。
亡くなった娘の形見を月面のクレーターに遺し一筋の涙を流すライアン・ゴズリングの描写が史実に沿ったものなのか真偽は判らないが、
ここに至るまで彼の寡黙な佇まいが徹底して描かれていたが故に、私に取っては十分有りな印象的なシーンだった。
極め付きは地球に帰還してからの描写。
着水シーンも、大統領と握手をするシーンも、パレードのシーンも何も無く、有るのは検疫所で黙って見つめ合う夫婦の姿のみ。
私には極めて感動的だった。
惜しむらくは、月面着陸前に当時の大統領が発した「米国の代表」と言う言葉を否定し、「我々は人類の代表」と正すシーンが無かった事。
これがあれば完璧だった。

余談 アポロ11号搭乗員で指令船に残るマイケル・コリンズを演じていた役者さん、「何処かで観た事あるな・・・」と思っていたら、
なんと「刑事ジョン・ブック 目撃者」で印象的な演技をしていた子役:ルーカス・ハースだった事が判り驚いた。 時間は皆に平等だ。
たくわんさん [映画館(字幕)] 9点(2019-02-11 13:15:04)
37.ネタバレ 人類史上かなり大きな出来事を可能な限り思い入れを排除して色をつけず淡々と描いた作品。一言でいうと地味だがそれがよい。
一つにはいわゆる「宇宙もの映画」というと大抵の場合遊園地の絶叫もののような恐怖を観客に与えるのが使命というかお約束的なところがあって、それにいろいろと「争い」「葛藤」など緊張感を高める要素がありつつも結局「感動的な」結末にたどり着くというのが常態化しているので、このように淡々と描かれていると却って新鮮な感じがするし、あくまで事実を下敷きにした物語としても真実味が増す(どれぐらい史実に近いのかは調べてみないと判定できないけれども)。主役の表情を押し殺した演技もよい(仲間が亡くなった時ですら取り乱して叫んだりしない)。最後に二人が一言も会話せず終わるところもよい。山ほど語ることはあったろうに。……一つだけちょっとだけ気になったのは、火災の場面。最後爆発があるとき外からのカメラに変わって少し煙が出てくるという演出はアニメなどで余りにもよくみかけるため(タイム〇〇〇とか)ちょっと気になった。船内で爆発して終わった方がよかった(と思うが、アメリカ人がタイム〇〇〇知ってるわけではなし……)。
空耳さん [インターネット(吹替)] 8点(2022-09-10 03:09:44)
36.正直、この映画を見る前までは月面着陸捏造説を信じていたので、どんな映画かと思って見ました。
今ですらロケット打ち上げが失敗することがあるのに、50年も前にとても成功したとは思えなかったのです。
そしてこの映画を見て、一つの結論が出ました。
やはり、人類は月に降り立っていたのだと。
そんな風に感じさせてくれる映画でした。
この映画を見終わって、調べずにはいられなくなり、いろいろと月面着陸について調べました。
実際に着陸、月に降り立つシーンは、ボヘミアンラプソディーばりに、
本当のシーンを再現しているということがわかりました。
これで十数年前にワシントンの国立航空宇宙博物館でさわった、月の石が本物だったんだとニンマリしました。
シネマファン55号さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-06-18 15:35:00)
35.悲しいことがあの裏にあったからこそ強いのか、空白の10分の説明になるのか。見てからずっと静かな感動に浸っていられます。初期のiPhoneほどの計算能力もなかったロケットに命を預けた男の挑戦。アポロ11前後の出来事は沢山映画化されていますので、どれも重要な歴史の一片で変わらない。

ドラマ「ザ・クラウン」でフィリップ王配がニールたちに会いガッカリするくだりがありますが、ニールたちの立場をこの映画の角度から窺い知れるのは貴重な機会です。(奇しくもクレア・フォイの次のシーズンのお話しでしたが。)

CGの消し忘れ?が一箇所あったような気がします、大きい画面でもう一度見てみたいです😊
HRM36さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-02-26 11:42:52)
34.ネタバレ いやいや、すごいね! いろんなところがすごいよ、ジェミニ計画・アポロ計画当時のものを再現してるだけでもスゴイ!(時代考証の面はちょっとアレなので詳しくはわからないのですが…w) 月面着陸の場面とか、ちょっとマジでスゲーーって(感心)まぁ近年の映像技術の進歩もあるとはモチロン思いますが、フィルム感もしっかり感じさせる配分の塩梅が素晴らしい。そして、の、ライアン・ゴズリングですよ。全般的に抑えた演技ながら静かな中にもしっかり「芯」のあるアームストロング船長を見事演じていたと思います。イヤーーー見応えあったなーーー、満足でゴザイマスハイ
Kanameさん [インターネット(字幕)] 8点(2019-12-06 22:22:58)
33.ネタバレ 客観的には6〜7点ぐらいなんだけど、ちょっとオマケして8点つけようと思います。
非常に抑えた演出で、ライアン・ゴズリングも内に秘めた表情をずっとしてて、夫婦もまた淡白で、
一つ一つのエピソードもわざとかと思うくらいさっぱりさせてる。
だから一歩間違うと退屈な映画になりかねないと思うけど、おそらくニール・アームストロングさんの人となりをリアルに描く意図としてこうなってるのかなと。
彼は自分を英雄視せず、常に周りの人のおかげで偉業がなされたと言っていたそうだから、そんな性格をシナリオに落とし込んでるのかもしれません。
本作で特筆すべきはやはりリアリズムで、宇宙へ飛び立つ船内での音、飛び交う光からの漆黒、まさにVR的な共体験が味わえました。
特に、宇宙船が途方もない勢いで回転を始め、気を失いそうになるシーンは、見てるこっちも死を覚悟する感覚を味わいました。
そして月面着陸のシーン。まだ誰も足を踏み入れたことのない地に最初の一歩を記す、その足跡の意味合いを強く感じました。
子供をなくす辛い経験から始まって、未踏の地で存在意義を見出すという感じですかね。
宇宙ものは、SFロマンな描写になりがちですが、本作はそういう訳でもなく、
外宇宙へ向かっていきながら家族とかパーソナルな、内なる心象へとオーバーラップしていて、
それによって宇宙開発の意義がより際立っているように感じました。
あろえりーなさん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-08-04 20:50:01)
32.ネタバレ IMAXにて鑑賞。セッションの監督ということもあり、少し身構えて臨んだが、想像していた以上に手堅い映画だった。

インターステラーに影響を受けたと思われる、CGになるべく頼らないフィルムの映像は、手ブレが激しい場面も多いが、フィルム独特のざらつきも相俟って1960年代のアナログな雰囲気を上手く作れていたと思う。劇中に登場する飛行機や宇宙船の、現代からすると極めてチープで古めかしい計器が衝撃で激しく唸るシーンや暗く狭い操縦室に閉じこめられるシーンの恐怖感は素晴らしかった。IMAXだと手ブレが激しい場面も逆に臨場感があって、そこまで悪印象はなかった。ボーンシリーズ等で手ブレ映像に慣れていれば、本作のそれも特に問題ないとは思う。ダンケルクに続く体感型の映画であると個人的には思っていて、ロケット飛行シーンなどは大画面・大音響のIMAX環境で鑑賞するといいと思う。

物語は淡々としているが、それでいてツボを押さえた造りだった。アポロに乗り込む場面の緊張感と高揚感は素晴らしかったし、クライマックスの月面での涙や奥さんとの再会シーンも、多くを語らず、役者の目と表情で語らせる演出は非常に好みだ。言葉はなくとも娘や奥さんへの愛情が伝わってくる。
華やかな歴史と思われがちな宇宙開発競争や月面着陸だが、本作は非常にシビアな目線で描いている。莫大な予算を注ぎ込みながら、犠牲を出しながらも、国家が宇宙開発をを続けるのには、東西冷戦でのソ連側への対抗意識が背景にあった。60年代は東西冷戦が最も先鋭化した時代でもあり、宇宙開発でソ連の後塵を拝するばかりで、何としても宇宙開発競争でソ連よりも先に偉業を打ち立てようと、轟々たる非難もなぎ倒して突き進んでいくアメリカの狂気を本作から感じることができた。主人公ニールも幼い娘の死や同僚の死によって喪失感を抱えており、その喪失感を埋め合わせようと、危険な任務にのめり込んでいく。ニールの狂気とアメリカの狂気がリンクするように映画が作られていて、興味深かった。そして辿り着いた、寂しく侘しい月面で、ニールは亡くなった娘に会えたのだろうか。もしくは娘への愛を月に置いていくことができたのだろうか。解釈は観客に任されているが、こういうハードボイルドな演出が目立つ秀作だった。
nakashiさん [映画館(字幕)] 8点(2019-02-14 13:26:11)
31.これは褒めているのだが、想像よりもずっと陰鬱で、地味な映画だった。
人類史に残る「偉業」と共存していた“心の傷”と“孤独”。光と闇を等しく抱えたまま、「偉大な一歩」を残した“最初の男”の人生そのものを、俯瞰するようなシビアな目線で、リアルに映し出していた。

「アポロ計画」を題材にした映画作品といえば、筆頭として挙げられるのは「アポロ13」だろう。絶望的なトラブル(=ミッション失敗)からの奇跡的な生還を描き、王道的な感動で世界を包み込んだ1995年の傑作は今尚色褪せない。
普通に考えれば、歴史的成功をおさめた「アポロ11号」を描いた今作は、「アポロ13」以上の“大感動”を与えてくれそうなものだ。
だがしかし、その安易な想定は全くの見当はずれだった。「失敗」を描いた「アポロ13」の華々しい達成感に対して、「成功」を描いた今作がこれほどまでに重く苦しい映画に仕上がっているとは。
その意外な後味が、何とも興味深かった。

ただ、よくよく考えれば、その苦々しい後味は至極当然のことだ。なぜなら今作は、デイミアン・チャゼル監督の映画なのだから。
「セッション」、「ラ・ラ・ランド」と立て続けに、映画的な熱量と、人間のほとばしる情念に溢れた作品を生み出し、一躍ハリウッドのトップに駆け上がったこの若き名匠が、ストレートに感動的な伝記映画など撮るわけがないのだ。
「人類史上初の月面着陸」という偉業を描くのではなく、ニール・アームストロングという現代の偉人の半生と、彼のインサイドを深く深く抉り出すようなアプローチにより、この映画は極めて繊細で、危うさを秘めた作品に仕上がっている。

一人の男を描いたストーリーテリングの中で刻み付けられたのは、明確な「死」と「喪失」の連続だった。
幼い娘を亡くし、志を共にした仲間を亡くし、ミッションに向き合い、緊張と恐怖が深まると共に、主人公は盲目的な使命感と際立つ孤独感に苛まれる。その様は、誰よりも勇敢ではあるが、何とも心もとなく見え、痛々しさすら感じる。
そんな彼の生き様を映画を通じて追想することで、50年前の偉大な冒険が、いかに危険で絶望的なものだったかを思い知った。

ラストシーン、地球に帰還した主人公ニール・アームストロングは、感染予防のため隔離された部屋のガラス越しに妻と再会する。
今生の別れを覚悟した夫婦の再会シーンなのだから、もっとわかりやすく感動的に描けたはずだが、ここも極めて抑えたトーンで描き出される。
それは、月に辿り着き帰還したことで、この二人が抱え続けてきた喪失感が、少しずつ埋まり始めたことを噛み締めているようにも見えるし、全く逆に、一度離れ始めた心と心はもはや簡単に重なり合うことは無いということを示しているようにも見える。(因みにこの夫妻は38年の結婚生活を経て離婚しているそうだ)

ふと思う。苦々しく、辛らつな後味の正体は、あまりに普遍的な或る夫婦の物語だったのではないかと。
鉄腕麗人さん [映画館(字幕)] 8点(2019-02-11 21:47:02)
30.ネタバレ アポロ11号が月面着陸に成功するまで何人ものパイロットが亡くなっていることは知らなかった。というか関心がなかったのかも。月面着陸は当時10歳の少年だった自分がリアルタイムで見ていて無事帰還することが分かっていたこともあり、エンディングとしては少々期待はずれだった。娘のブレスレット(?)を月に置いてきたのは本当かな?
kaaazさん [映画館(字幕)] 8点(2019-02-10 10:56:38)
スポンサーリンク
29.「セッション」「ラ・ラ・ランド」とミュージカル、音楽系の素晴らしい作品を連発してきたチャゼル監督。
その最新作は人類史に残る英雄を1人の人間として描いた良作でした。
本作の主人公であるニール・アームストロング。
人類史上初めて月面に降り立った英雄という評価が1人歩きしているようでもありますが、
そんな彼も仕事を離れると妻や子どもがいる、いち家庭人。その喜びや悲しみ、
国家を挙げてのプロジェクトの主人公である彼にかかる非常な重圧。その人間ドラマに想像以上に軸足が置かれた作品。
彼と家族の関係や、妻や子ども達が彼を宇宙に送り出す際にかかるストレスなど・・・。
家族のパートの際に多用される不安定にぶれる映像。見やすくはないですがその意図は分かるような気がする。
しかし時間と残り燃料との闘いでもあった終盤の月面着陸と神々しい月面シーンは見応え十分。音楽も実に効果的に作用しています。

作中にも描かれたように批判も巻き起こった、当時のアメリカが宇宙開発に注ぎ込んだ莫大な予算。
時は冷戦真っ只中。米ソが先を急ぐように加熱する宇宙開発競争の陰で命を落とした仲間たち。大変な思いをさせた家族。
様々な犠牲の末に偉業を成し遂げた彼に笑顔はなく、無事帰還して歓喜の輪に包まれたり、成功を称える記者会見の場でもなく
台詞も無い妻と2人きりのひっそりとしたラストもまた本作を象徴していたと思います。
とらやさん [映画館(字幕)] 8点(2019-02-08 17:28:45)
28.ネタバレ ニール・アームストロングといえば最初に月に降り立ったアポロ計画の船長であり、人類初の偉業を成し遂げた人物である。わたしにとってそれ以上でも以下でもなかったアームストロングその人について、この映画は丁寧に誠実に実像に迫ってくれています。ほんとに目から鱗というか、ああそうだよねえ宇宙飛行士もその家族も一個人としては普通の人間だものねえ。月になんぞ行くのは、そう、命がけだものね。それまでの実験で何人もの同僚を失ってきたアームストロングが屈託なくミッションに挑めるわけがないですね。
娘に始まり、幾多の喪失を体験してきたアームストロングを演じるR・ゴズリングが、その痛みと覚悟を常に顔に刻んでの名演を見せます。なのでニール・アームストロング氏を極めて等身大の近しい存在に感じながら観ることができました。
英雄として持ち上げて騒ぐのは外野の勝手。決死の覚悟で打ち上げに赴く乗員もその家族も、高揚感などみじんもない演出でした。ロケットにむかう際の音楽も葬式のよう。いや、これがリアルでしょう。考えたことも無くて衝撃でした。
ニール・アームストロングが歴史に名を刻んだのは、たまたまお鉢が回ってきたから。事故さえなければ教科書に載るのは別の人間の名前だったのかもしれない。そもそも、何のための死なのか。大国同士のつばぜり合いのとばっちりで死んだと考えるのは余りにつらい。
あまり饒舌ではなかったらしいアームストロング氏本人の胸中は察するに余りあります・・。
tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-08-27 23:04:23)
27.ネタバレ 人類初の月面着陸を果たしたアポロ11号と宇宙飛行士たち、なのに地味でエンターテイメント性はほぼ無し。失敗した「アポロ13」とは違い過ぎてびっくりした。
なぜアームストロング船長役にライアン・ゴズリングがキャスティングなのかよーくわかりました。
華々しいヒーローじゃなくて苦悩の人という感じで描かれているわけだからね。語らずともその複雑な内面を演じるゴズリングなんです。
ソビエトに遅れをとり、なにがなんでも月には先に行く、これがあれだけの犠牲者を出す原因のひとつとも思われ、「白人が月に行く」スピーチはインパクトがあり、いよいよ月面着陸というシーンでは「カプリコン1」が浮かび、今まで観た宇宙へ行く映画のなかでは最も考えさせられる映画だったことは確かです。
描き方を大きく変えたことで成功はしてると思います、でもスピード感とハラハラ感と爽快感を味わいたい人には期待外れな作品だと思います。
ところでゴズリングがはっちゃけてる主演映画ってないのかな??
envyさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-12-19 14:34:14)
26.ネタバレ 佳作。いい映画だけど、派手さがなくて地味な感じ。【ネタバレ注意】「アポロ13」が(ほんとうは物静からしい)ジム・ラベルをひょうきんな人物に変えたり、現実の出来事を脚色して盛り上げていたのに対し、こちらはかなり現実よりのドキュメンタリーとして作られている印象。嘘くさくないという意味では、落ち着いて鑑賞できるけれど、全体的にはやはり地味。
mohnoさん [インターネット(字幕)] 7点(2019-10-20 21:37:47)
25.ネタバレ 期待のディミアン・チャゼル監督作。

宇宙飛行士の実話ものと言えば、「ライトスタッフ」「アポロ13」など。
(変わったとこでいえば「ロケットボーイズ」※飛行士ではない)
月面着陸が作り話だったという「カプリコン1」というサスペンスもあるが・・

この作品は、自信を失ったアメリカが月面着陸成功させたのは俺たちだ!という
意味なのでしょうか?それとも、そろそろ2人目の月面着陸を、ということだろうか?
チャゼル監督得意の音楽を使えない無音の月面着陸。それが逆にいい音になってる。
彼の作品の中では、異色の一作になるかもしれないね。
トントさん [DVD(字幕)] 7点(2019-07-07 22:31:07)
24.ネタバレ 体感する映画。狭い窓とヘルメットにより極度に視界が制限された閉塞感が、しっかりと伝わってくる。一方で、聴覚は敏感となり、金属の軋みとエンジンの轟音によって不安感は極度に高まる。主人公のアップの多様と手ブレの烈しさは集中力を欠く部分にもつながるが、主人公の世界を体感させる意図だろう。次々と命を落としていく仲間たちの姿を背に、テスト飛行に挑み続ける過酷さとともに、家庭には素直に寄り添えない主人公の内面も描かれている。
カワウソの聞耳さん [映画館(字幕)] 7点(2019-03-01 15:23:26)
23.ネタバレ なるほど。 こういうタイプの映画だったわけね。 勝手に『ライトスタッフ』的なモノを期待してたから、「コレじゃない感」が無くはないけど、決して悪い映画ではなかった。
娘を亡くしたことをきっかけとしてその悲しみに取り込まれ、端から見れば、まるで自らの死を望むかのように危険な任務に淡々と取り組む主人公に対しては、感情移入は難しいものの、理解してあげたいという気持ちにはさせられる。
月面着陸という想像を絶する危険な任務を遂行した人物。 『ファーストマン』。 人類にとっては偉大な英雄も、主人公自身にとっては、「結果的に最初の人になったに過ぎない」という程度の認識だったのだろうか? と思わせるような妻(演じるクレアフォイ、イイね)とのラストシーンも良かった。
チャップリ君さん [映画館(字幕)] 7点(2019-02-17 10:33:09)
22.アームストロング船長のドキュメンタリー寄りの映画
宇宙開発の大変さや、冷戦時代の開発競争、家族や同僚(ライバルでもある)との関係も丁寧に描かれていると思う。
ただ、実話がもとになっているだけに、話は淡々と進むし、派手さもない。
落ち着いてみられる佳作ですね。
何で今この映画が作られたのか、その背景を考えたくなる。
おとばんさん [映画館(字幕)] 7点(2019-02-12 22:33:46)
21.ソ連との宇宙開発競争の焦りから決して万全ではない状態で月面着陸に挑んだんだという事が詳しく描かれており、様々な打ち上げ失敗などの事故による犠牲の数々がありながら、それでも突き進んで行く感じがヤバいし、命をかけてまでも挑んで行く宇宙飛行士達はどういう精神状態なのかとても興味深く“体験“する事が出来た。

それにしても、宇宙空間で宇宙船が制御不能に陥って回転し続けるってほんと凄い恐怖だと思った。
ヴレアさん [映画館(字幕)] 7点(2019-02-12 00:23:53)
20.アームストロング船長の名前こそ一昔前の教科書等で取り上げられて知名度は抜群ですが
その成功の裏には色々な危険、葛藤が有った事を描いてます。というか、そこだけがテーマでしょうか。
しかし、当時の科学技術というのは当時の感覚でどの程度信頼出来る物だったのでしょうか。
大気圏を出るまでの機体の振動とか衝撃とか揺れとか、あれでロケットは故障しなかったのかと。
とてもじゃないが私には乗る度胸は無い。
月面着陸の訓練機も全然制御出来ず墜落してるし。あれでよく月まで行くと決断したもんだ。

本当は月になんか行ってないんじゃないの?と少し真面目に思ってしまった(笑)
大治郎さん [映画館(字幕)] 7点(2019-02-11 23:43:42)
スポンサーリンク
マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 39人
平均点数 6.59点
000.00%
100.00%
212.56%
312.56%
412.56%
537.69%
61128.21%
71128.21%
8923.08%
925.13%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 6.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review1人
4 音楽評価 6.00点 Review1人
5 感泣評価 Review0人

【アカデミー賞 情報】

2018年 91回
視覚効果賞 受賞 
音響効果賞 候補(ノミネート) 
音響賞 候補(ノミネート) 
美術賞ネイサン・クロウリー候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2018年 76回
助演女優賞クレア・フォイ候補(ノミネート) 
作曲賞ジャスティン・ハーウィッツ受賞 

■ ヘルプ