映画『天気の子』の口コミ・レビュー

天気の子

[テンキノコ]
Weathering With You
2019年上映時間:114分
平均点:6.49 / 10(Review 84人) (点数分布表示)
公開開始日(2019-07-19)
公開終了日(2020-05-27)
ドラマSFラブストーリーファンタジーアニメ青春もの
新規登録(2019-05-05)【にゃお♪】さん
タイトル情報更新(2023-08-04)【イニシャルK】さん
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監督新海誠
醍醐虎汰朗森嶋帆高
森七菜天野陽菜
小栗旬須賀圭介
本田翼夏美
倍賞千恵子立花冨美
平泉成安井刑事
梶裕貴高井刑事
木村良平キムラ
神木隆之介立花瀧
上白石萌音宮水三葉
花澤香菜カナ
佐倉綾音アヤネ
野沢雅子占いオババ
柴田秀勝神主
島本須美間宮夫人
成田凌勅使河原克彦
悠木碧名取早耶香
谷花音宮水四葉
市ノ瀬加那佐々木巡査
羽鳥慎一
アリソン・ブリー夏美(英語吹き替え版)
原作新海誠
脚本新海誠
音楽RADWIMPS
作詞野田洋次郎「愛にできることはまだあるかい」「グランドエスケープ (Movie edit) feat.三浦透子」
作曲野田洋次郎「愛にできることはまだあるかい」「グランドエスケープ (Movie edit) feat.三浦透子」
主題歌RADWIMPS「愛にできることはまだあるかい」「グランドエスケープ (Movie edit) feat.三浦透子」
三浦透子「グランドエスケープ (Movie edit) feat.三浦透子」
製作市川南〔製作〕
東宝(「天気の子」製作委員会)
コミックス・ウェーブ・フィルム(「天気の子」製作委員会)
KADOKAWA(「天気の子」製作委員会)
企画川村元気
プロデューサー川村元気(プロデュース)
制作コミックス・ウェーブ・フィルム
配給東宝
作画田中将賀(キャラクターデザイン)
新海誠(絵コンテ/イメージボード)
米林宏昌(原画)
美術山本二三(気象神社絵画・天井画)
編集新海誠
録音山田陽(音響監督)
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💬口コミ一覧

84.和製ではあるが、これがアメリカンニューシネマ最新作!

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おら、はじめちゃんさん [DVD(邦画)] 10点(2023-04-24 02:48:08)
83.ネタバレ 君の名は。は大衆向けに無理矢理ハッピーエンドに持って行った感じで新海っぽくなくモヤモヤしたが、今回はちゃんとハッピーエンドの中にも新海らしい毒が効いていて非常に良かった。 設定自体は鳥居をくぐったら天気を操る力を得るなど全体的に良く言えばシンプル、悪く言えばくだらないという感じだが、それでも最終的にはこの物語にどっぷり引き込まれて感動してしまえるんだから新海誠監督の才能はやはり素晴らしいと思う。結末については賛否両論ありそうだが、奇麗ごとで片づけなかったこの映画の選択に共感する。
映画大好きっ子さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2020-10-12 22:26:17)
82.ネタバレ なんか有名なアーティストが曲担当してるとか、前作を大ヒットさせた監督が作ってるとか、
絵のクオリティが高いとか、テレビでよく見る俳優が声担当してたりしてるとか、そんなことは
どーでもいい。
ただこの映画の最大にして最悪な点を見つけた。
それは最後のカットからタイトルがでてエンドロールが流れ終わるまでの時間が圧倒的に短いことだ。
こんな短い時間じゃオレの目からドバドバ流れ落ちている涙がとてもじゃないが収まりきらない。
まあ・・・・そういう映画ですw
クワイガン人さん [映画館(邦画)] 10点(2019-09-02 18:12:30)
81.ネタバレ  元々、新海誠監督の、青臭く、痛々しい、青春恋愛ものは大好きで、今回はベタベタのド直球で、しかも監督の得意な、青い空と、白い雲と、天候の表現に、シンクロ度の上がったRADWINPSの楽曲で、メジャーになって資金も潤沢になればそりゃまあ気持ちの良い映画ができるだろうと、期待したところ、期待を裏切られず、しかも「監督が信じるであろう所のハッピーエンド」にすることに、ためらいがなくなって、実に気持ちの良い、イイ作品と思いました!(5回も観に行ってしまいました……まだ行くかも)

 賛否の分かれるエンドについては、演出的に唐突感があるのはさておき(そこまでなるとは想像してなかったよ! という感じ)、このエゴイズムは1周回って、現代的に極めて正しい結末かなあと、私は非常に納得が行ったです。


 以下、かなりネタバレしますので、未見の方は注意。


--
 個人的にこの話って、ブラック企業の社畜の話かなあと思って見てしまったのですが(そのような演出も多々あるので)、だから、ヒロインが世の中を天気にするために命を投げ出す、というのは、某企業で過酷な業務で自殺したブラック企業の一従業員とかと同じだなあと。

 で、今の価値観では、そういうやり方は間違っている、という認識になっており、


「逃げればいいよ」


って言うんですが、それでも自分が逃げると「周りが迷惑する」とかの自己責任の呪いにかかって逃げられない人が現実にはあまりにも多く、この映画ではそれらの問題に対して明確に、


「(大切な)人1人の命の方が大切だ!」


と主張してるのがとても新しい、現代の理想的な「正しさ」に則った結末だなあと思いました。

--
 また、エンタメで、ヒーローとか自己犠牲とかを否定しつつ面白い話を作れるか? というジレンマがあるんですけど、この「天気の子」は「ヒーローや自己犠牲などなくても、恋愛ものなら面白いエンタメは作れる!」と言ってるところが革新的作品ではなかろうか?

--
 主人公の家とかの描写がないので感情移入しがたい、という感想はよく見ますが、幸か不幸か、私は、主人公みたいに逃げて、救われたような経験があるので、なんかよくわかるなあと思いながら観ておりました。最初にヒロインの部屋に主人公が訪れたときに、ヒロインが、

「そっか」

と一言だけ言って、何でもないことのように流してくれたことに主人公がどれほど救われただろうと思いましたし、元のところに戻ればすべて丸く収まるとわかっていても、戻りたくない、というのも、すごくよくわかります。

 「不登校」とか割と近い感じと思いますが、戻って学校に通えば周りは丸く収まるのでしょうが「そこに戻ることで私の心が死んでしまうことに対して何ら配慮はされないのでしょうか?」みたいな感じ。

 むしろ、最近、事件関係者の個人情報をわざわざ公開するのは非人道的なことではないか? という批判があり、この主人公の背景の話を明らかにするのも同様の下世話な野次馬根性的なところがあるかなーというのもあって、個人的には、あまり明らかにされなくてホッとした、という感じでした(よく見ると、回想エピソードや言葉の端々で結構色々語られてますが)。

--
 主人公は恩を受けた人に迷惑をかけまくる~云々については、そもそも健康で文化的な最低限度の生活すら満たされない境遇で恩義とかありえんし、私から見ると、主人公らって、どこからどう見てもガキんちょに過ぎないので、

「これくらいの迷惑くらい、どんと来い」

と言えるような世の中であると良いんだけどなあと思いました。

 それよりも「どうしても救わねばならない大切なものは何か?」を知らせて欲しい感じでしょうか(この作品はもちろん恋愛ものなので、それは「愛」になるに決まってるのですが)。

--
 この話で、個人的に唯一文句を付けるとしたら「終わりはもっとハッピーエンドにしてくれても良かった」というくらいでしょうか。

 東京が、あのような事態になったということは、大企業や官憲の地方移管が進んで地方で莫大な雇用が生まれ、実は、日本全土としては事件後の方が経済的に豊かになってても全然不思議ではない(笑)。

 唯一、須賀さんが、立派な事務所を持って職員も何人か雇えるようになって、事件後の方が経済的に豊かになった、悪いことばかりではなかったと、ささやかに主張してるくらいで、恋愛ものっていうものもあって悲壮感をぬぐい切れてないんですけど。

 もうちょっと大人というものの狡さやしぶとさを信じて、楽観的に描いてくれると嬉しいなあ、という感じでした。


 以上です(長文失礼)。
simさん [映画館(邦画)] 10点(2019-08-25 23:17:43)
👍 1
80.ネタバレ 「君の名を」のヒットに味をしめて、もっと観客にすり寄ったものになってるのかと思ったら、まるで逆だった。
愛とは身勝手なもの。エゴである。但し、生半可なエゴじゃない、
この女ともう一度遭えるなら世界が滅亡したってかまわないというくらいの本気のエゴ。
そんな身勝手な愛に観客はとまどったろう。

あの雲の下に行きたい。
しかし走っても走っても届きそうで届かない。
子供の頃にそんなこと思いながら走った記憶がある。
私は泣きました。「君の名は」よりはるかに。

絵は花火の描き方。
こんな美しくすごい花火は初めてみました。
なに表してるんだかわからないような大根監督の打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?とは雲泥の差でした。


音楽とのシンクロ率も前作に勝るとも劣らない鳥肌が立つ出来。
うさぎさん [映画館(吹替)] 10点(2019-07-22 19:12:55)
79.前作の「君の名は」よりもはるかに面白かった。雨や雨の街という陰鬱になりがちなモノがひたすら美しく表現されていることにただただ舌を巻くばかりだった。一昔前のアニメならこんな結末はあり得なかったと思うが、そういう驚きも含めて、現代日本を代表する傑作だと思った。ただ個人的には、要所で挿入されるJ-POPが邪魔だった。もっと静謐にやってくれたら10点つけてた。
すらりんさん [インターネット(邦画)] 9点(2025-06-26 19:11:53)
78.ネタバレ 余談ですが、直前まで『秋刀魚の味』という1962年製作の古い映画を観ていたので、改めて映像や文化の違いに驚かされます。

かなり有名な映画で老若男女問わず観られる内容、そして物議を醸しそうなそのストーリーに様々な意見があることはとりあえず脇におきます。その上で、良かった。

私は穂高と同じく愛する人のためなら天気なんてどうなってもいいと思う側の人間ですが、一方で自分が何の関係もない第三者であれば、人一人の犠牲で済むなら雨を止ませて欲しいと思う人間でもあります。そしてそれは多分穂高も同じだろう。彼も、自分と陽菜の世界さえ守られれば他はどうでもいいという人間なので。同じ人間でも立場によって取る手段が変わってくる。そういうもんだ、そう思った。

ラスト、元々世界なんて狂ってるんだから穂高のせいじゃないと須賀さんに励まされるも、陽菜の祈る姿を見て、やはり世界を変えたのは自分たちだ、確かに自分たちのしたことによって今の自分たちがあるんだと確認した穂高。
そう思いたい気持ちもわかるが、私なら須賀さん理論に乗っかるなぁ。天気なんてどうしようもないものの責任なんて取りたくない。

話題作だからというわけではないが、数回見直したこの映画。今回で少し、整理できた気がします。
TANTOさん [インターネット(邦画)] 9点(2022-11-13 13:19:57)
77.ネタバレ 新海誠の作品において「人間」は脇役なので、あくまで主役は「自然」です。光や、風や、雲の動きを見なければならないし、天体の軌道と運行(たとえば隕石の衝突)、細菌による発酵や腐敗(たとえば口噛み酒)、そして人間をふくめた生き物たちの生理現象(たとえば意思に反して零れ落ちる涙)のほうを見なければならない。個々人が自分の意志でやっていることに、さほどの意味はありません。そもそも人間に出来ることはほとんど無いし、せいぜい自然の変化に波長を合わせて生きていくことしかできない。
そもそも人間が「異常気象」と呼んでいるものは、長い地球の歴史のなかでみれば微細な変化でしかありません。人間の力を使って局所的な天候を一時的に変えたとしても、それは「ガイアのホメオスタシス」によって引き戻されます。新海誠の作品は、過激なくらいに唯物主義的です。「彼岸/此岸」という言葉が出てきますが、これも精神論的な概念ではありません。死んだ人間は「魂」となって天に昇るのではなく、むしろ「物質」に戻って大気中に還元されるという発想です。
社会も狂っているし、自然も狂っている。暴力やブラック労働が社会にはびこり、自然が温暖化で異常気象になったりするのは、人間のせいかもしれないし、そうではないのかもしれない。でも、もはや誰のせいかを問うても仕方がないし、与えられた運命だと思って受け止めていくしかない。もともと世界は狂っているのだし、ピンチの先回りをしても効果はない。ピストルがあっても社会は変えられないし、天に祈っても自然を変えることはできない。人間に出来ることは限られている。主人公のふたりに出来ることは「狂った世界のなかでも自分たちが生きていけますように」と祈ることだけです。そこから先は、世界のためでも死者のためでもなく、ただ自分自身のために祈るしかありません。この物語が、いわゆる「セカイ系」とは真逆の構造になっているのが分かります。
自然現象の変異を描いたサイエンスフィクションは、おりしも酷暑や豪雨や新型ウィルスなどの話題がトップニュースになっている現状にもリンクして、とても同時代的なリアリティを感じさせます。とくに今回の作品は、前作の「君の名は」の世界観をさらに推し進めて、いっそう過激になっている。ここまで唯物主義的な表現に取り組んでいる作家は、世界的にもほとんど例がないだろうと思います。実写でやるのはほとんど不可能だし、だからこそアニメーションで表現することに意義がある。その非凡さを最大限に評価します。
まいかさん [地上波(邦画)] 9点(2021-01-07 18:29:57)
76.ネタバレ いや~、良かったなぁ。

少年のころを思い出しました。
いやいや、それじゃいけないんですよね。
おじさんも頑張りますぞ!

音楽が最高!
トントさん [DVD(邦画)] 9点(2020-08-14 22:10:55)
75.ネタバレ これは…。新海監督、本気出しましたね。全力フルスイングの中二病映画じゃないですか。この映画をどう語ればいいのかわかりませんが、印象的だったセリフをひとつ。「大丈夫ですか。あなた、いま、泣いてますよ」。
なたねさん [DVD(邦画)] 9点(2020-07-05 22:57:10)
😂 1
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74.ネタバレ 新型コロナが映画業界にもたらした恐らく唯一の恩恵は、新作の相次ぐ公開延期のために旧作の再上映の機会が出来たことでしょう。今回、どうしても都合が付かずに見に行けなかった「天気の子」を劇場で見ることができました。結果は・・・見て大正解でした。個人的には「君の名は。」より傑作だと思いました(「君の名は。」は7点付けました)。「天気の子」のほうが断然感情移入できました。「君の名は。」では特に泣くということはなかったけれど、こちらはラスト近くウルっときましたね。

配役の中では須賀啓介役の小栗旬さんが、今年急逝してしまった藤原啓治さんを思い起こさせる声色で素晴らしかったです。
あと、仕事で散々通った新宿の景色が懐かしかったです。
MASSさん [映画館(邦画)] 9点(2020-06-27 20:18:48)
73.公開開始時には何も言ってなかった小学生の息子が今頃になって「見たい」と言い出したので、一緒に見に行ったのですが(むしろ当初興味を示していた娘は欠席)、映画が始まってみると、劇中に、最近息子が興味津々のオカルト雑誌『ムー』が登場(ホント、血は争えませぬ・・・)。さてはコレが息子の目当てであったかと、映画が終わって彼を問い詰めると「いや、まさか『ムー』が出てくるなんて、知らんかってん」とのこと。それだけならまだしも、続けて彼が言うには「でも、『君の名は。』にもちょっとだけ『ムー』出てきたで」。ってオイオイ、オマエはいつからそんなムー的都市伝説を語るようになったんだ? ⇒でもこれは事実なんです、ハイ。『君の名は。』にも、床に伏せて置かれた『ムー』誌が、一瞬だけ登場します。息子曰く、「見てたらたまたま見つけた」とのこと。トホホ。
前置き長くなりましたスミマセン。それにしても、前作に続いてまた、心をチクチクと刺すような映画を作ってきますねえ。災害にあうことなく生き続ける者たちは、災害にあって死んいった人々に対し、何ができるのか、同情だけはしつつも結局は忘れ去って日常を送るだけじゃないのか、という問いを前作では突きつけられたように感じたのですが、本作ではさらにストレートに、我々の原罪を糾弾しているかのようです。「今の我々のぬるま湯のような生活は、不公平の上に成り立ってるんじゃないのか、誰かの犠牲の上になりたっているんじゃないのか、それをみんな分かっていながらノホホンと分かってないフリをしてるんじゃないか」という、痛烈な問い。突き刺さるなあ。
作品は例によってスピード感があり、これは、間を省略したような断片的なシーンを積み重ねる構成によるもので、「もうちょっと間をとってじっくり描くシーンも見たいなあ」と感じなくもないんですけどね。でも、このやや軽い語り口であっても、登場人物たちを印象的に描くことでちゃんと物語を盛り上げていくし、クライマックスの主人公が走るシーンへと繋がっていくのが、いいんですねえ。ここはあくまで、走り「続ける」。その姿の持つ魅力。
舞台となっているのが、雨が降り続く東京の街。異常気象ってのは、騒ぎすぎるのもどうかと思いつつもやはり、我々にとって昨今の大きな不安となっていることは事実。その中で、雨、水、といったものがアニメーションの中で巧みに取り入れられていて(「風」はあまり出てこない作品ですが)、印象に残ります。その雨の中のネオンサイン、あるいは雲が切れて太陽が顔を出す、光の描写もまた印象的。一方、日が差さない「暗さ」をアニメでどう描くか、ってのは、少し難しいところがありますねえ。
鱗歌さん [映画館(邦画)] 9点(2019-09-28 00:25:51)
👍 1
72.ネタバレ 極めて純粋なボーイミーツガールという点では、大ヒット作である前作と何ら相違はありません。また、2人の恋の障害が、恋敵等の対人ではなく、人智が及ばね天災に由来することや、それを意思の力で乗り越えて行く部分も。瀧くん三葉さんがゲスト出演していることも含めて『君の名は。』と本作は、テーマや世界観を共有する姉妹作品(または二部作)と捉えて良さそうです。ただし優等生タイプの『君の名は。』と比較すると、本作は随分不良と言えるでしょう。主人公は家出し、拳銃を人 に向け、警察に追われ、きっと所得税も払っていません(苦笑)。高い倫理観を求められ、教育的であることを是とし、損得勘定が優先される今日のご時世からは、まるでかけ離れています。要するに行儀が良くないのです。しかし、だからこそ、私は本作を支持します。”古き良き”なんて概念はそもそも幻想ですし、懐古趣味は持ち合わせていないつもりですが、かつて存在した”ある種の奔放さ”には、確実に意味があったと考えます。それはドラマにおいてリアリティより優先されること。物語の本質を際立たせる効果です。法を犯してでも、世界を壊してでも、守りたい人がいる。その強烈なメッセージを前にして、リアリティ云々だとか、理性や正義がどうかなんて、些細な事ではないですか。少なくとも、アンパンチに注文をつけるより、花形満がスポーツカーを乗り回しても笑って済ませられる方が、遥かに健全な娯楽の在り方だとも思います。何より、大人になることを恐れる子供が増えている最中、早く大人になりたい子供が主人公なんて、どんなに素敵なことでしょう。今回は小4次女に付き合って劇場鑑賞しましたが、特大の当たりを引いた気分です。『君の名は。』も素晴らしかったですが、私の中ではイレギュラー扱いでした。そろそろ新海監督を本気で認めなくてはいけないようです。
目隠シストさん [映画館(邦画)] 9点(2019-08-17 21:23:09)
71.『天気の子』私は好きです。

猫が妙に漫画チックに描写されてて
“これは青春の夢物語だよ” という寓話宣言だと思った。
だから、この映画には現実との不整合や歪曲
非常識やご都合主義、ゆらぎ、曖昧さ、雑味がある。
寓話的な映画で思い出すのは
『ストリート・オブ・ファイヤー』
『ブルース・ブラザーズ』
『ブレードランナー』
『ベイビー・ドライバー』
どれも、ロックンロールやR&B、アンドロイドの夢物語で
ボーイ・ミーツ・ガール と逃亡の映画。
強力な絵力 (えぢから) と音楽で、グイグイ持って行く。
主人公は、気恥ずかしいまでに子供っぽく一途で無鉄砲。

『天気の子』も思春期少年のデタラメな夢物語。
方程式に則った前作より、自由で人間らしく素敵だった。

ネット上のレビューは共感できる出来ないが極端に分かれている。
常識や構造にこだわる大人には聴こえない (響かない)
《モスキート音》みたいな映画だなぁと(笑)
今もどこか夢見て生きている人にだけ伝わる映画だと感じた。

宮崎駿監督も初期の頃は
「アニメーションは子供のものだ」と言っていた。
新海監督には、思春期の若者たちに向けて作り続けて欲しい。
あの光り輝く世界は、大人にはもったいないから...

明日も“雨ときどき晴れ”でよろしく。
墨石亜乱さん [映画館(邦画)] 9点(2019-07-31 19:24:48)
70.梅雨明けした週末、それに合わせるように封切りされていた本作を観に行く。
正直なところ“期待”は半々といったところだった。
新海誠監督の前作「君の名は。」はちょっと異常なレベルの社会的大ヒットとなり、これを受けての次作は、否が応でも注目を集めることは必至で、それは「独善的」なこのアニメーション監督の作風にいい意味でも悪い意味でも影響を与えるだろうと思えた。
案の定、公開前からちょっと節操がないくらいの企業タイアップの乱れ打ちが目立ち、注目度と製作資金の潤沢さを感じる反面、あらゆるしがらみに覆われた相当に自由の利かない映画製作になったのではないかと危惧していた。

酷評も辞さない構えで鑑賞に至ったのだけれど、その危惧は全くの杞憂だった。
善し悪しはまず別としても、そこで繰り広げられたのは、前作以上、いや過去作のどれよりも“独善的”で“独りよがり”な新海誠監督の「セカイ観」全開の映画世界だった。
危惧された不自由さはむしろ皆無だったと言っていい。美しすぎる精巧なアニメーションは無論健在だが、その美しさと表裏一体の生々しくリアルな描写が観る者の心情をじわじわと抉ってくる。
現実の具体的な企業名や商品名が作中の至るところで映し出され、「現実感」を効果的に演出していた。そう、節操なく思われた企業タイアップだったが、監督と製作陣はそれを最大限に活かし、アニメ世界の重要なファクターとして表現してみせている。

タイトル「天気の子」が表すとおり、この国のあらゆる「天気」を表現したアニメーションはあまりにも美しく、それだけでこの映画の価値は揺るがないとすら思える。
しかし、この映画で表された美しさは、いびつで残酷だ。
主人公の少年少女たちは、この美しい世界の“底”で、文字通りに生命をすり減らしながら、喜びと希望を見出そうと奔走する。
それは決して安直な綺麗事ではなく、心身ともに追い詰めされた彼らがギリギリのところで保とうとした生きる「意味」だった。

この映画が描き出したストーリーテリング、そして主人公たちの帰着に対して、受け入れられない人は多いだろう。
彼らの「選択」は極めて破滅的な行為であることは間違いなく、想像よりもずっとカオスで狂気的な映画である。

セカイの“しくみ”も“理り”も関係ない。
彼らは、あまりにも無責任に、あまりにも独善的に、そして「確信」をもって、「大丈夫だ」と言い切る。
ならば、それがすべてだ。
世紀の“わがまま”を押し通す、若い生命の猛々しさと瑞々しさ、最高密度の「青臭さ」に、少なくとも僕は、涙が止まらなかった。

梅雨明けのタイミングで観に行って、なんと“梅雨明けしない”顛末には面食らったが、今、この国の夏に観なければ、あまりに勿体ない映画だ。
鉄腕麗人さん [映画館(邦画)] 9点(2019-07-26 23:22:01)
👍 2
69.ネタバレ 大好きな女の子一人のために国家権力や自然の神秘と戦う事を全肯定。新海監督版、天空の城ラピュタかな。
ラピュタが観てる自分をワクワクさせる冒険活劇だったのに対し、この作品はパズーみたいな行動力が無かった過去の自分を思い出させる。
バカみたいなオカルト話が信じられて、また会いたい気持ちだけで、常識的に万に一つの可能性もないことに突っ走れる帆高。
ファンタジックな現象は大抵科学的に説明がつくし、そもそもそんな話に真面目に耳を貸さず、ハナから信じない自分。
この映画を見る自分はもう若くなく、帆高ではなく圭介の気分。老刑事が言う「大丈夫ですか、あなた今、泣いてますよ」が刺さる。
女の子一人の為に東京が水没したのには驚いた。バルス!自己犠牲の真逆。でもこれが悪いとは思えない。
おととしまで、今の日本のほぼ全ての人が、24時間マスクをしないと外出できない世の中が来るなんて、誰が想像したろうか?
こんなとんでもない世の中になっても、アッケラカンと映画見てるんだから、きっと東京が水没しても何とかなってるんだよきっと。
スマホで何でも解る時代、世界情勢とかリアルタイムに分かるようになってきたけど、
そんな世の中のこと心配するより、自分が大切に思う人をもっと大事にしよう。と思えたりしました。
はい、自分で書いていて全然作品レビューじゃないなと思います。
K&Kさん [地上波(邦画)] 8点(2021-03-27 01:59:34)
👍 1
68.クサイ!青春クサイ!そして中二病的! でもそれがいい。新海作品らしい映像美とこのクサさ。やっぱ好きです。
ひたむきでまっすぐで、ベタなストーリなんだけど、心を洗われるような気がします。
エンターテインメントってやっぱこうじゃなくちゃ、まっすぐ愚直に青春!
Keytusさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2020-10-17 01:58:51)
67.映画館で観たときは消化不良に終わったが、
自宅での再視聴でその良さに気付いた。
子どもから大人になる過程で誰もが経験する
理性と感情のアンバランスの中にだけ存在できる
「かけがいのないもの」が見事に映像化されている。
煮タマゴさん [インターネット(邦画)] 8点(2020-06-08 01:34:06)
👍 1
66.ネタバレ ぎゃははははっ。

《ネタバレ》

気色が悪いとしか言いようがない音楽とか絵柄のセンスだが、ラストの「もっと自分を肯定しなさいっ」メッセージがすべてを吹き飛ばす。こんな物語はこれまで日本になかった。あらゆるエピソードもわざと大雑把に描いておいて、骨太の論理構築力によってすべてをぶっ飛ばす! ええどええど新海誠。これからも悲しみなんぞ描かんといてくれ。このまま行けるとこまで突っ走れ!
アンギラスさん [映画館(邦画)] 8点(2019-10-06 22:38:00)
65.ここの評価が低かったんで期待はしていなかったが、いや、なかなか面白かった。
100%晴れ女の設定の段階でリアリティは求めていなかったし、これはSF映画なんだからこの程度のことはファンタジーとして受け入れられました。
大好きな人がいて、もう会えないかもしれない。でも、すべてを犠牲にしても会いたい。
映画の王道ですね。あとは、好みの問題です。
変えたかった過去があって、「一瞬でも会えるなら、すべてを捨てる覚悟」を持てなかった人たちが、映画の中にそれを求めてしまうんだろうと思います
私もその1人です。
木村一号さん [映画館(邦画)] 8点(2019-08-17 23:41:31)
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【点数情報】

Review人数 84人
平均点数 6.49点
000.00%
100.00%
211.19%
333.57%
467.14%
51416.67%
62529.76%
71011.90%
81011.90%
91011.90%
1055.95%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.00点 Review6人
2 ストーリー評価 5.90点 Review11人
3 鑑賞後の後味 6.90点 Review10人
4 音楽評価 6.30点 Review10人
5 感泣評価 5.80点 Review10人

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