映画『蜜蜂と遠雷』の口コミ・レビュー

蜜蜂と遠雷

[ミツバチトエンライ]
2019年上映時間:119分
平均点:5.34 / 10(Review 32人) (点数分布表示)
公開開始日(2019-10-04)
ドラマ青春もの音楽もの小説の映画化
新規登録(2019-09-30)【にゃお♪】さん
タイトル情報更新(2023-12-31)【イニシャルK】さん
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監督石川慶
キャスト松岡茉優(女優)栄伝亜夜
松坂桃李(男優)高島明石
森崎ウィン(男優)マサル・カルロス・レヴィ・アナトール
鈴鹿央士(男優)風間塵
臼田あさ美(女優)高島満智子
福島リラ(女優)ジェニファ・チャン
眞島秀和(男優)ピアノ修理職人の男
片桐はいり(女優)コンサート会場のクローク係
光石研(男優)菱沼忠明
平田満(男優)田久保寛
アンジェイ・ヒラ(男優)ナサニエル・シルヴァーバーグ
斉藤由貴(女優)嵯峨三枝子
鹿賀丈史(男優)小野寺昌幸
原作恩田陸「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎文庫)
脚本石川慶
坂口理子(脚本)(脚本協力)
音楽東京フィルハーモニー交響楽団(オーケストラ演奏)
製作市川南〔製作〕
木下直哉(共同製作)
東宝(「蜜蜂と遠雷」製作委員会)
木下グループ(「蜜蜂と遠雷」製作委員会)
博報堂(「蜜蜂と遠雷」製作委員会)
朝日新聞社(「蜜蜂と遠雷」製作委員会)
東宝映画(製作プロダクション)
プロデューサー山内章弘(エグゼクティブ・プロデューサー)
配給東宝
編集太田義則
石川慶
録音柴崎憲治(音響効果)
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💬口コミ一覧

32.ネタバレ 面白かった!

どこまでもどこまでもエッジの効いてる天才たちに
生活者の音楽が敗れたのが悔しかった。
でも彼らの音楽は鳥肌が立つ。

う~む、俺もオーケストラの生演奏でも聴きに行ってみようかな♪
トントさん [DVD(邦画)] 9点(2020-04-10 01:05:48)
31.ネタバレ 原作未読です。

幼い頃からピアノの英才教育を受けたサラブレッドの天才、生活者としてのピアノにこだわる努力家、七年前に突如姿を消し今回のコンテストで復活をかける天才少女、そして「ピアノの神」が残した異端児。この四者四様の若きピアニスト達がしのぎをけずる演奏場面を見れるだけでも眼福もの。いや耳福とでも言うべきか。面白い映画でした。私には楽器を奏でる才能はまるでありませんが、ピアノが弾けたらいいな、あんな風に弾いてみたいなと思わせられる作品でした。感情を乗せて表現できる道具があるって素晴らしいですよね。

個人的には最後の本戦の優勝者は栄伝亜夜、準優勝は風間塵、第三位はマサルでした。まあ盛り上がる順番に見せられたそのままの流れで魅せられてしまったというだけかも知れませんが。でも風間と栄伝の、自分の抱えている感情を全てぶつけきって粉々になるまで表現しきったようなあの激しい演奏には心が震えました。
カデンツァや本戦のようにそれぞれがそれぞれの趣の曲を演奏するのも良いんですが、同じ曲を別々のピアニストがどんなふうに表現するのかの違いなんかも見たかったですね。サントラ買おうかな。

映画としての映像の見せ方も良かった。演奏前に曲名紹介の字幕が入ったり、鹿賀丈史さん演じる指揮者の登場で、ちょうど英語で彼のことを「第2の刺客」と呼ばわっていた時にその字幕が彼の真下に出るように演出したり。
ただの音楽映画ではない、映像としての作り込み・奥の深さも感じられました。良作です。
TANTOさん [インターネット(邦画)] 8点(2021-07-28 19:51:13)
30.ネタバレ なかなかの意欲作であった。音楽特にピアノが好きな人には必見の一本。
3年に一度開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール(浜松国際ピアノコンクールがモデルになっている)。この大会の予選から本選の模様を、4人の若きピアニストを通じて描いている。

その4人とは。
栄伝亜夜(松岡茉優)20歳。かつて天才少女と呼ばれていたが、母の死をきっかけに活動を休止。今回7年ぶりの再起を期しての出場。
マサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)19歳。天才の評判高い。亜夜とは幼馴染。
風間塵(鈴鹿央士)16歳。ピアノの大家ホフマンに見いだされた無名の少年。強烈な才能を秘めている。
高島明石(松坂桃李)28歳。妻子持ちのサラリーマン。「生活者の音楽」を追求する。

話は単純。予選から本選を丁寧に追うだけだから。映画というよりは、ドキュメンタリー番組を観ているかのような気分になってくる。石川監督の演出は全体に丁寧に行われているが、多少余計な部分もある。僕が時に気になったのは、幻想的な馬のシーンと片桐はいり演じるクロークの女性。はっきり言って蛇足。

本作のテーマを一言で表すと「才能とは何か」だと思う。4人のピアニストのうち、高島だけは普通の人で、あとの3人は明らかに天才。両者を隔てる圧倒的な壁が存在するのだ。映画はその残酷な真実を突き付ける。それもあって、高島を演じる松阪桃李がとても良かった。本選に進むことが出来なかった彼がインタビューに答えるシーンがとても印象的。演奏部分以外では一番の見せ場だろう。

僕はクラシック音楽には疎いので、彼らの演奏する楽曲の知識も無いし、ピアノのテクニック的なこともわからない。が、演奏シーンは充分以上の見応えと聴き応えがあって、あたかも自分がコンサートホールの中にいるかのような錯覚を呼び覚ます。その意味では、映画鑑賞料金がかなりお得に思えてしまう。

主演の亜夜のピアノ演奏を担当したのは河村尚子である。メイキング的に言うと、もちろん河村の演奏は撮影前にすべて録音済であり、それに後付けする形で松岡茉優が亜夜という役を作っていくわけだが、今回も松岡茉優は安定した演技力を示した。
ただ亜夜と高島の2人は良いとして、あとの2人の人物設定がかなり珍妙なことに違和感を覚えた。マサルは原作では、日系三世のペルー人の母とフランス人の貴族の血筋の父を持つという設定になっているようだが、それだと刺賀にわかりづらいからか、映画の中では単に「アメリカ人」となっていた。風間塵は、父親が養蜂の仕事で欧州を転々としているという設定。タイトルの「蜜蜂」はここから来ているのだが、彼は経済的にかなり貧しいのか、ボロボロの靴を履いているのはともかく、自宅にピアノすらない。音の出ない木製鍵盤で練習しているのだ。こうなると天才というよりは宇宙人という気がしてくる。「巨人の星」みたいな昔のスポコンマンガみたいな設定だな・・
キネマトさん [映画館(邦画)] 8点(2019-10-05 17:19:36)
👍 1
29.ネタバレ 原作未読。たぶん好き嫌いがはっきり分かれる作品かと思います。もっと審査員側の裏話があっても良かったかな。それと日系人以外の最終選考の登場人物も1人くらい触れた方が奥行きが出た。監督はポーランドで活躍してた人なのでポーランドの若手俳優も起用できたと思うが。主演の松岡芙優は大丈夫かなぁと思ったが逆にその不安定さがうまく役にあっていた。個人的には好きな女優ではない。この映画で特筆すべきはやはり新人の鈴鹿くん。何者かほとんど不明な人物なのに、一瞬で神童オーラが出るのは凄い。それと映像がとても美しく、この監督の別の作品も見てみたいと思いました。
いそろくさん [DVD(邦画)] 7点(2021-07-04 17:42:32)
28.ネタバレ <原作未読>これはなかなかの見応え。ピアノコンクールが舞台だがメインの4人は互いに刺激し合って、助け合ったりする。ライバルというよりピアノによって巡り合った友なんだな。残念ながら明石さんは最後まで進めなかったが、残った天才3人がそれぞれ自分との闘いに勝利することで生み出される音楽がそのまま圧巻のフィナーレとなる。ここまで来たら"優勝はあなたの想像にお任せしますEND"でも面白かったかもしれない、なんてことを思ったり。つまりみんなが勝者に映ったってことで、素晴らしい。
リーム555さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-08-11 23:40:51)
27.予告編に釣られ 鑑賞..いや~ 大人の演出、大人の映画でしたね~ 映像 撮影も なかなか上手い~ ただ 小説の映画化らしいですけど もう一歩 心に刺さるものがほしかったかな~ 主人公 亜夜 の覚醒も分かりにくかった..7点!
コナンが一番さん [DVD(邦画)] 7点(2020-07-19 11:20:09)
26.ネタバレ 架空のピアノコンクールを舞台にしつつも、一重に、演奏場面における厳密なリアリティとその臨場感を映像の中に最大限に引き出しつつ、それを「損なわない」ことに最重点を置いた作風だと言える。言ってしまえば本作はドキュメンタリにより近く、更に言えば「物語」ですらない。それを紡ぐのはギリギリ松坂桃李ぐらいなもんで、あとは森崎ウィンのフルートがどーたらのくだりを除けば、松岡茉優すらも演奏者でなければ殆ど傍観者でしかないという徹底ぶりである。確かに今作、映像は(演奏場面以外も含めて)文句無しに色々と実に素晴らしい出来であった(て褒めてみたら、これ撮影日本人じゃないのですね…)。

しかし、映像に引き出されたそのクオリティの大部分は、もともと音楽演奏が持つ素晴らしさそのものだと言って過言ではない。とどのつまり、本作の感動はコンサートを直に鑑賞したときのそれと全く変わらないのだ。もちろん、音源だけを聴取する場合よりは遥かにリアルな感覚を得られるだろう。しかしそもそも本作には、描くべき物語と表現すべき深遠な音楽観が存在した筈だ。映像作品としての映画に本来求められるのは、映像と音楽、そして物語の調和による世界観・価値観の表出であるべきだと、私は信じて止まない。

映像にせよ音楽にせよ、それぞれの素晴らしさは確実に備えている作品である。特にいちクラシック音楽ファンとして、それを感じ取れることの価値は大いに認めよう。いま一歩、表現者としてその先を見据えて欲しいのだ。
Yuki2Invyさん [DVD(邦画)] 7点(2020-05-04 17:17:15)
25.「才能」を持つ者と持たざる者、その境界を描いた話が好きだ。
無論、私自身には特別な才能などなくて、「天才」なんて存在はあまりにも縁遠いものだけれど、物語を通じて、彼らが辿り着く境地に触れ、その視界の一端を垣間見れたとき、何とも芳醇な気持ちになることができる。
そこには、嫉妬や諦観、拭い去れない羨望も入り混じり、かつて自分自身が心から「才能」を欲した過ぎた日々のことも思い出させる。

恩田陸のベストセラーを知らぬまま、本作の予告編を観たのだが、瞬間的に「ああコレは好きなやつだ」と思えた。そして、主演は松岡茉優。そりゃあ観ないわけにはいくまいと思った。

人物たちの背景描写を最低限度にとどめ、本編の大半をコンクールの数日間における若きピアニストたちの「共鳴」で描き連ねた構成は潔く、この物語が持つ性質に対して真摯だったと思う。
主人公をはじめ、メインで描かれる4人がどういう人生を歩み、どういう葛藤を現在進行系で抱えているのかが、非常に気になるし、その描写があったとしてもとてもドラマチックに映し出されていたと思うが、それらを排し、彼らの人生模様そのものを「音楽」で伝えようとしたことは、この映画の在り方として圧倒的に正しく、原作の本質を捉えていたのだろうと思う。

原作は未読だが、恐らく相当に映画化が難しい題材であり、文体であったろうことは想像に難くない。
そもそもがチャレンジングな映画企画だったと思うので、もっと偏った独善的な踏み込みを見せることができれば、更に特別な映画になり得たんじゃないかとも思うけれど、それはあまりにもリスキーなことだろう。
それでも、若い演者たちを中心に、「音楽」そのものの多面的な表現に挑み、映画作品としてきちんと成立させてみせたことは、称賛に値するし、ちゃんと面白かった。
特に、主演の松岡茉優の存在感と佇まいはやはり素晴らしく、クライマックスの「演奏」は、それが「演技」であることを忘れさせるくらいに圧巻だった。

勿論、私自身はピアノなんて弾けるはずもないが、劇場の手すりに置いた手が、鍵盤を打つかのように小刻みに反応していた。
そういう反応を引き出す「音楽」をスクリーンに映し出せた時点で、本作は映画としての価値を示していると思う。


天才ピアニストの一人を演じた森崎ウィン、誰だっけなーと思ったら、「レディ・プレイヤー1」の「俺はガンダムで行く」の彼だったか。流石はスピルバーグに抜擢されただけあって、フレッシュながらも安定した存在感を放っていたな。
鉄腕麗人さん [映画館(邦画)] 7点(2019-10-08 22:37:25)
24.ネタバレ コンクール会場内の描写以外をほぼ全面的に排除したストイックな姿勢が、そのままコンクールに立ち向かうピアニスト達の視点と重なり、作品に一本の筋を通している。私生活的な部分のあれこれみたいなのが極力最小限なのがいい。また、全体的に台詞が少ない中に(少ないからこそ)、各役者の役作りもなかなか頑張っていると思う(斉藤由貴のみ、ステレオタイプな人格設定でちょっと浮いているが)。結局は音楽頼みなのではないかなどと斜めに見てしまう要素はありながらも、それを押し戻すほどの作品としてのパワーがある。ただし、心象風景描写や回想インサートの入れ方がちょっと雑なのは気になりました。あと、ラストの順位発表なんてものがなければ、もっと良かったと思います。
Oliasさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-11-08 02:44:07)
23.ネタバレ 原作未読のせいか、よく意味のわからないシーンがありましたが、良作だと思います。一次予選で落ちた女性で感じの悪い人が一人いた以外は、コンテスタントがお互いを認め合い、助け合い、高めあっていき、成長していくのが印象的でした。
私はこの映画のことを全然知りませんでしたが、テレビドラマの「ドラゴン桜」で鈴鹿央士くんの演技があまりにすばらしく、鈴鹿くんの過去作を探して、ここにたどり着きました、鈴鹿くん、エンドロールで(新人)と書かれるくらい無名の俳優さんだったようですが、この作品もすばらしかったです。彼の今後に期待しています。投稿時点で、この作品のキャストに鈴鹿くんが載っていないので、ぜひ掲載してください。
チョコレクターさん [インターネット(邦画)] 6点(2021-07-09 18:52:20)
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22.ネタバレ 1600本メモリアルレビュー。ピアノに人生を捧げた若者たちのスポコン。熟練ピアニストたちの競演。静かで熱い戦いだけど、人物の個性がちょっと弱いかな。
獅子-平常心さん [DVD(邦画)] 6点(2020-11-01 05:43:34)
21.ネタバレ 邦画には珍しい映像主義的映画で少し驚いた。原作は未読だけど二段組みの分厚い小説だったと思うので、映画化に際してかなりの情報をそぎ落としたのだろう。
映像で語ることに徹底しており、登場人物を深彫りし具体的には描いていないため、結局どういう人物だったのか分かりづらく、クライマックスである最終審査でもそこまでのカタルシスは得られなかったが、感情や考えをベラベラじゃべったり、モノローグや説明台詞満載で映像にも凝っていない平凡な作品よりはマシ。今後も注目の監督さんだと思った。
鈴鹿央士は新人とは思えない演技っぷり。そしてやっぱり松岡茉優は良いぞ。無理だと思うけど、「アマデウス」みたいに役者が実際に鍵盤叩いてたら、海外に出しても恥ずかしくない映画になっていただろうなぁ。
ピアノ演奏のイメージ映像として、「ヱヴァQ」と同様馬が用いられていたけど、何か元ネタがあるのか?
連続ドラマで観てみたいな~。
eurekaさん [DVD(邦画)] 6点(2020-10-11 20:26:09)
20.ネタバレ 原作は未読ではあるが、作者とテーマから想像するに、重厚で読み応えがある一方で物語の世界観に引き込まれるのは想像に難くない。音の映像化に挑んだ作品ではあるが、実際に演奏しているわけではないというのが致命的な弱点である。それでも、最後までコンクールを中心に音を映像化したのは評価できる。音楽的な感性は持ち合わせてないけど、最後の順位はちょっと納得いかない。
いっちぃさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-11 16:33:15)
19.松岡茉優かわいい(そこかよ!)
彼女じゃなかったらたぶん観てなかった

4人のピアニストはそれぞれ敵対視するのではなく、
お互い高め合って昇華していく存在なのが面白いなと思った。
まぁでもドシロートにはピアノ(ピアニスト)のスゴさは、
伝わりにくく、共感しにくく、なんとなく雰囲気しか分からなかった。

タイトルが謎
愛野弾丸さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-09-16 22:35:05)
18.ネタバレ 映画化の際には、「映像化不可能と言われた…」というアオリがありました。確かに、小説で表現された主要ピアニストたちの天才性が実際の音を聞かせてしまうと、途端に陳腐になってしまうのではないかという危惧があったと思います。私は幸いというか残念というか、音楽の審美眼を持たないので、「どの演奏も良かった」程度の感想にしかなりません。音楽の良しあしを分かる方の評価を聞いてみたいです。本編のストーリーについては、原作通り、ライバルたちがお互いを刺激しあう展開はキチンとあって盛り上がりましたが、前記の理由に加え、審査員たちのリアクションがなんとも淡白で曖昧なために、順位の結果に納得できませんでした(ここも原作の通りなのですが)。特に風間塵に関して語ってほしかったです。この人物が台風の目なはずなので。
次郎丸三郎さん [DVD(邦画)] 6点(2020-06-06 13:52:10)
17.まず脚本が弱い。べつの脚本家を立てるべきだったと思います。物語として何を伝えようとしているのかが最後まで見えませんでした。
映像は非常に美しいですが、映像そのものが何かを語れていたかといえば、かなり疑問です。「生活者の音楽」とか「世界が鳴っている」とか「世界が祝福している」といったことが、セリフとして語られることはあっても、映像じたいによって説得的に表現されることはありませんでした。「生活者」にかんしていえば、映像的には、松坂桃李よりも、むしろ眞島秀和のほうがはるかに「生活者」を感じさせました。
ムーンメドレーを連弾したときに、二人がどのような「月」のイマジネーションを飛翔させたのか。それも映像で語られることはありません。ただ二人の手と表情が映されただけです。「春と修羅」を演奏するときに、それぞれのピアニストは何を表現しようと試みたのか。それも映像としては何ひとつ語られません。やはり演者の手と表情が映されただけです。そもそも宮沢賢治の「春と修羅」の世界は何ひとつ映像化されていません。プロコフィエフやバルトークの協奏曲の演奏場面でも、描かれるのは演奏者の表情と聴衆の反応ばかりで、そもそも作曲家と演奏者が何を描こうとしたかはまったく見えてきません。
これでは「音楽を映画にした」とは言えないと思います。この映画自体が「世界が鳴っている」ことを十分に体現できていない。
音楽映画としての意義は、いかに「いい音楽を聴かせたかどうか」ではなく、いかに「映像で音楽を見せたかどうか」に求められるはずです。いい音楽を聴かせるだけなら、プロの奏者に演奏させれば済むことです。音楽映画であるためには、音楽がイメージとして観客に共有されなければなりません。演奏場面で手と表情を映すだけなら、普通のコンサート映像と同じです。顔だけ俳優に置き換えたにすぎません。
それぞれのピアニストが、どんな困難を、どのようにして乗り越えたのかも、映画を見ただけではほとんど理解できません。「蜜蜂」と「遠雷」が作品の表題である必然性も、映画を見ただけでは何も伝わりませんでした。「雨と馬」に至っては、まったくもって意味不明でした。これでは、たんに原作を読んだ人のためのイメージダイジェストでしかありません。映画を見ただけで「蜜蜂」が“天賦(ギフト)”を意味すると理解できる人は皆無でしょう。まして、スローモーションの「雨と馬」が、原体験としての“ギャロップのリズム”だと理解するのは絶対に不可能です。「雨と馬」のもったいぶった映像を流す暇があったら、「蜜蜂」と「遠雷」の意味の対比をもっと明確に示すべきだったでしょう。
扱き下ろすほどひどい作品ではありませんが、ポーランドの映画大学に学んだエリートの作品と期待しただけに、長いミュージックビデオのような内容には肩透かしを喰らいました。
まいかさん [映画館(邦画)] 6点(2019-10-30 19:59:20)
👍 2
16.ネタバレ 原作読了直後に本作を即鑑賞、直木賞&本屋大賞のダブル受賞作品というだけで購入(電子版)し1年ほど寝かせてました。予備知識がゼロだったのでさくっとあらすじを調べてピアノコンクールが題材で映画化されていると知り音楽題材ならサントラもあるんじゃない?とサブスクでDLして聞きながら読みました、こういうの読書の仕方は楽しかったです。サブスクが初めて良いなと思いました。

こちらの現時点の平均点は「5.35」だったので期待はしていませんでしたが、もう少し頑張って欲しかったというのが正直な感想です。
予想はしていたものの、僕が感動していた場面がほぼ入っていなかったのが残念でした、工夫してうまいこと落とし込んだ部分も多かったんですけどね。
やっぱり登場人物が多くて全般薄くなってしまった感じがします、原作原理主義ではありませんが、先に映画を見ていたら原作は塩漬けのままだったかもしれません、もっとベタで良いと思うんですよね。
塵役は藤田真央さんと牛田智大さんを足して2で割った感じを想像していました、どんな配役か楽しみだったんですが、鈴鹿さんがとても良かったですね、初出演と言うのが驚きました。というかこの人俳優さんだったんですね(僕が情弱すぎなんですけどね。。。)

読み進めながら映像化は難しそうだなと感じました、電子書籍なので体感的分量は不明ですが2冊分ぐらいのボリュームだったと思います。大幅カット(整理)しないと詰め込めないだろうし、そもそも僕も含めた多くの人がクラシック音楽そのものを批評出る耳をもってないし、音楽家の技量や表現力の絶対的基準も無いので演奏で勝負するのは難しいだろうなと思いました、だって批評部分やキャストがが考えてる事が文字で起こしてあるんだもの、このあたりの映像表現に期待したんですが少し物足りなさを感じました。

のだめカンタービレのコミック版からのにわか&なんちゃってクラシックファンです。
年に1回ぐらいはコンサートに行きたいなと思っているんですが中国嫁が全く興味が無いので行けていなくて残念です、クルマでクラシックをたまに流してゆるりと洗脳中です、ハミングしたりするから結構馴染んで来て居るはずw

オーケストラの「生」の音を是非聞いて欲しい。聞くというか肌で感じて欲しい、ヘッドホンやステレオで聞く名盤よりも、地元オケの響きは録音音源を超高級なシステムでならして感じられ無い生音独特の心地よさがあります。
とはいえ個人的には曲の良さが支配的で演奏の良さ等は正直わかりません、解釈の違いはヘビロテした作品だと違うのは分りますがどちらが良いとかはわからなくて、どちらかというと聞きなれた方に軍配が上がっちゃいます。
僕専属のクラシックソムリエ(ゴリマッチョ)の同僚が、ロック好きだからクライバーがきっと合うよと貸してくれたんですが違いが全く分からずピンと来なくて、自宅にあったCDを調べてみたらクライバーの指揮で同じものでしたw
ないとれいんさん [インターネット(字幕)] 5点(2025-04-23 11:33:07)
15.片桐はいりさんの出番の少なさ(のわりに、期待通りの存在感)
斉藤由貴の英語に驚きました

さてヒロインの再生がメインなのでしょうけれど、焦点がいろいろなところに散らばりまとまりに欠けていると思った。
天才同士が言っている「こう聞こえるでしょう」っていうのが苦手・・・
HRM36さん [インターネット(邦画)] 5点(2023-09-11 23:24:11)
14.原作未読

オーケストラの響きは素晴らしかった。
ピアノ演奏を通してのスケールの大きさ、個性のぶつかりも見どころ。

私は森崎ウィンさんのマサル役が良かった。
キラキラした瞳がピアニストを夢見る青年に見えた。

しかし、もったいないもうちょっとなのに・・映画として魅せて欲しいと感じる所あり。
栄伝母子のピアノ連弾は、ピアノ教室の宣伝映像みたいで笑顔だけどちょっとよそよそしい。
そんな訳で、成長した栄伝役の松岡さんの深い演技とかみ合っていかない。

ひとりひとりのキャラクターを自分の中で深めようと集中すると、その瞬間ぱっと綺麗な映像で次に切り替わるので、どこに力点置けば良いのか迷う。

馬のシーンは原作にあるそうですが、一番のがっかりだった。
どうして急に?
せっかくお話しに乗れたところだったのに。
そして、片桐はいりさんはもっと良いところで使って欲しかった。

いろいろ不満も書きましたが、素敵な作品になれる要素が多いと感じたから。
これからは人物の内面に焦点を当てて、セリフで説明ではなく、脚本と演技とカメラワークと編集で勝負して欲しい。
期待を込めて辛口のレビューにいたしました。
たんぽぽさん [インターネット(邦画)] 5点(2022-12-23 15:03:06)
👍 1
13.原作がかなり面白かったので、期待しての鑑賞。
だが、物語の起伏が無くなった感じで少し残念な作品となっている。音学系は基本的に好きだがこちらに響いてくる感じが少ない。ピアノ(やオーケストラ)の音のみを重視して作る意図は分かるが、結果的には肝心のところが引き立たなかったかもしれない。
そもそも映画館で観ていないので絶対的には評価しにくいが、惜しいとは思う。
simpleさん [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-11-12 23:08:46)
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【点数情報】

Review人数 32人
平均点数 5.34点
000.00%
113.12%
226.25%
300.00%
4721.88%
5618.75%
6825.00%
7515.62%
826.25%
913.12%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 5.50点 Review2人
3 鑑賞後の後味 6.50点 Review2人
4 音楽評価 7.50点 Review2人
5 感泣評価 Review0人

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