映画『プラットフォーム』の口コミ・レビュー

プラットフォーム

[プラットフォーム]
The Platform
(El hoyo)
2019年スペイン上映時間:94分
平均点:5.78 / 10(Review 18人) (点数分布表示)
公開開始日(2021-01-29)
ホラーSFバイオレンス
新規登録(2020-12-31)【alian】さん
タイトル情報更新(2023-06-12)【Сакурай Тосио】さん
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監督ガルダー・ガステル=ウルティア
キャストイバン・マサゲ(男優)ゴレン
アントニア・サン・ファン(女優)イモギリ
ソリオン・エギレオル(男優)トリマガシ
配給クロックワークス
あらすじ
出入口の無い部屋が縦に連なっている施設。部屋の真ん中には大きな穴があり、食事はその穴を降りてくるプラットフォーム(台座)に乗せられている分のみ。下層に来る頃にはもう残っていない。  ルール1「1か月ごとに階層が入れ替わる」  ルール2「なんでも一つだけ持ち込める」  ルール3「食事を摂れるのはプラットフォームがある間だけ」 縦に凝縮されたこの仕組みを壊そうと、男は動き出す。
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💬口コミ一覧(7点検索) [全部]

7.ネタバレ  テーブルに乗せられた食事が降りて来るアイデアは、2008年のカナダ映画「華麗なる晩餐」ですでに使われている。
 最下層が333階層で、1階層の住人が2人だと、総人口は666で、ヨハネ黙示録に記載された獣の数字となる。
 「穴」が階層社会を暗喩しており、飢餓があるのは食糧が適切に分配されないから、上層階と下層階が連帯できないのは物理的な隔たりがあるのと、エゴイズムがあるからというメタファーは、露骨すぎて暗喩になっていない。

 主人公は最後には食糧分配のため、武器を持ってプラットフォームに乗り下層階に降りるが、皆を救うために始めたはずなのに、従わない人々を殺すことになる。現実世界では平等な分配を約束する共産主義の政府が成立したが、実はそれ自体が途方もない暴力だったわけで、全くシャレにならない。なおプラットフォームに乗れば最下層に行き、その後最上階まで上がれるではないかという意見もあるが、100階層以下は食料がないため、一人で降りるのは各階層ごとに命がけとなる。囚人が収容されるのは1階層以下で、0階層は従業員用なので、囚人が上がればどうなるかはわからない。

 1階層に住人は2人、子供はいないはずなのに、333階層に東洋人の少女が一人いた。最下層で少女はどうやって生き残ったのだろう。下層階では生きるため少女を殺して食っても不思議ではないのに、主人公は命がけで守り通したパンナコッタを少女に与える。食べ物を取り置くと懲罰される決まりで、主人公は猛暑か極寒で殺されることを覚悟したが、なぜか何も起きない。主人公はキリストを思わせる風貌をしている。キリストは神でありながら貧しい家に生まれ落ち、人々を救うため犠牲になったが、主人公は6階層から最下層に自ら下り、犠牲を覚悟でパンナコッタを施した。
 主人公は下層階で食料を奪おうとする者と格闘し、深手を負っていて、ここではすでに死んで幻影を見ているのだろう。プラットフォームは生存者のいない階層には停止しない決まりなのに、一番下だから停止したと考えれば辻褄は合う。さらにもう一つ下の階層があるように見え、そこで停止するが、そこには死んだはずのトリマガシがいて、主人公はともにあるはずのない出口に向かう。最下層に行けば出口に行けるなら皆がそうするので、これは現実でないとわかる。主人公は、この構造が下層民と子供を虐げており、無垢な子供を上に送り届けることで否定のメッセージとした、と言いたいのだろう。設定がおもしろいだけに、映画を創る前にオチくらい考えておけと私は言いたい。
高橋幸二さん [インターネット(字幕)] 7点(2025-05-08 22:43:42)
6.ネタバレ 非常に観念的な作品。

そもそもあり得ない設定なのですが、登場人物たちの「感情」は非常にリアルで、極限状態に置かれている彼らの「行動」はショッキングなものになりがち。
それらショッキングな部分を見どころにしないと映画として成り立たないので、アリではあるのですが、ちょっとグロい描写が多いため、人を選ぶ作品になってしまったかもしれません。

世の中の不平等、階層、富を享受する人間たちと飢餓に苦しむ人間たち、搾取する側とされる側。それらへの問題提起と、そこに置かれた人間のエゴイズム、生物として生き残るための殺し合い、足の引っ張り合い、侮蔑。
救いは宗教にはなく、心ある主人公ですら原罪を犯す。そこに批判的なメッセージは見当たらない。

原罪を犯しながらも、子どもを見つけるため、主人公と黒人の相棒は命を尽くす。

最下層で見つけた子どもは、「良心」のメタファー。

そして彼らは最上階へ「良心」を届け、役目を終えて死んでいく。

解釈はある程度観客側にまかされており、形而下的な描写で形而上的なテーマを描いているので、観客にきちんと伝わるのかはちょっと疑問に思いました。

深遠なテーマを冒険的・実験的に描いていてとても面白い作品ではあります。ぜひたくさんの人に観てもらいたい作品ですね。
りりらっちさん [インターネット(字幕)] 7点(2024-10-26 12:33:53)
5.物語の舞台にはかなり限定的な要素しか存在しません。
メタファーにしては設定が明確。

それなのにドキドキハラハラが止まらなかった。
驚かせるためのシーンはないように思えたし、
物理的にも精神的にも閉塞的な状況に没入し
まるで当事者のように緊張していたからだろうと思います。

舞台要素が少ないからこそ
登場人物の様々な価値観が鮮明に描かれます。
誰に共感するのか、自分ならどう立ち回るのか、観る人次第で
もしかすると緊張よりも苛立ちや絶望を覚えることもあり、
するとラストの感じ方が全然違うのかな。
等等考えていると、語りすぎないラストが良かったと思えてきました。
えりまきとかげさん [インターネット(字幕)] 7点(2023-02-09 17:45:20)
4.ネタバレ 最初は映画キューブのような理不尽な場所に閉じ込められて地獄を見る映画のような雰囲気。ただ、同部屋の住民は2人だけだし、仕掛けと言えば、毎日、天井から降りてくるとっちらかった食べ物なんで、序盤はちょっと冗長に感じました。しかし、次第にこれはそーゆうタイプの映画ではなく、何らかの(例えば世界の縮図とか宗教の)メタファー的な映画やなーって感じるようになり、それにつれて、徐々に展開もエグくなっていき、目が離せなくなり、後半の下階層に降りるくだりなんかはドキドキして観てしまいました。特に。50階以降の階層のエグさや恐ろしさは、ヤバかったです。でもこーゆうタイプの映画って、最後に納得できた試しがあんまないってゆーか、この映画も最後、それで?って感じで、その辺はまたかーってなっちゃいました。
なにわ君さん [インターネット(吹替)] 7点(2022-08-05 21:59:44)
3.ネタバレ ここは何処までも限りなくそそり立つビルの48階層。何処にも出口のないその小さな部屋の中央には、食卓がすっぽり入りそうな大きな穴があいている。その穴から上を見上げれば、ここと同じような部屋が何処までも続き、下を見れば同じような部屋が何処までも続いている。そして各階層には、男女も年齢もバラバラな二人の人間。彼らは皆、その“とき”を心待ちにしていた。一日に一度、豪華な食事が並んだ食卓が上の階層から順に下へ下へと降りてくるのだ。当然、下の階層になればなるほど、食卓は食べ残しばかりとなり、100層を越えた辺りになればそこに食事が残っていることはほとんどなかった――。48階層で目覚めたゴレンは、同居人のトリマガシと名乗る怪しい中年男とともにここで暮らし始める。一か月ごとにそれぞれ住む階層が変わるというこの施設。上の階層の食べ残しをいただきながら、ゴレンはやがてここへ来て一か月が過ぎようとしていることを知るのだった。そしてある日、彼とトリマガシは違和感を抱きながら目を覚ます。気が付くと、彼らはなんと171階層に移動させられていたのだ。もはやここまで来ると食べ残しはほとんど残っていない。飢えと不安感から二人はやがて、底知れぬ狂気へと囚われ始めるのだった……。理屈では到底説明できない不条理な事態に陥ってしまった人々の極限状況を禍々しく描き出すシチュエーション・スリラー。まあ同分野の名作『キューブ』がヒットして以来、散々作られてきたアイデア一発勝負の低予算スリラーなんですけど、目の付け所が良かったのか、けっこう面白かったですね、これ。上の階層からの食べ残しをひたすら待ち続けるというこの設定だけで90分持たせたのは凄い。最初は豪華で美味しそうだったであろう食事が、どの階層でも全く美味しそうに見えない、そればかりかほぼ残飯と変わらないと言う描写が悪趣味すぎて大変グッド(笑)。下の階層の人々が極限の飢餓状態からカニバリズムに走るというのもベタながらアリ。また、死んだ同居人たちが主人公の幻覚として現れるシーンもけっこうセンスを感じました。ただ、本作の惜しい点は、肝心のメタファーが分かりやすすぎるところ。先進国と発展途上国、そして最貧国のそれぞれの経済格差からくる搾取構造を描いてるんでしょうけど、それが単純すぎて自分は物足りないものを感じてしまいました。いつだって犠牲になるのは弱い立場にいる子供たちだ、先進国はこの現実から目を逸らすなという最後のメッセージは、余りに説教臭くて好きじゃないです。とは言え、映像的には抜群にセンスが良く、アイデア一発勝負ながらストーリーの見せ方も巧く、映画としての完成度は普通に高い。この監督の次作に期待!
かたゆきさん [DVD(字幕)] 7点(2022-07-30 03:31:10)
👍 2
2.ネタバレ 娯楽作品として普通に楽しめました。
確かに、謎が解明されていないし色々と疑問もあるのですが、
あまり深く考えることなく、人間達がくりなす騒乱をただ眺めてるだけで存分に面白い。
社会の縮図とかいうよりも、単なる実験場みたいなものかな、
側から見て楽しんでいる観客がいたりして。
なかなかグロシーンやお下劣なシーンもあり、こういうとき自分だったらどうしよう、、、
と考えながら見ると尚のこと面白いです。
あろえりーなさん [インターネット(字幕)] 7点(2021-07-20 15:38:43)
1.ネタバレ ぱっと見「CUBE」のようなシチュエーションスリラーのような感じも見受けられますが、上下無限に続く階層と謎原理で昇降する台座(プラットフォーム)の存在でこの作品が現実とは異なる世界だということがわかります。
劇中、散々聖書の一節が言及されているようにどこか哲学的。と言うより宗教的な隠喩が多く感じられる本作。
資本主義、と言うより人間社会全体の構図、絶対的な力を持つ管理者(神)、そして管理者の生み出した秩序の中でしか生きられない各階層の人々。
自助努力でどうにかなる場合もありますが、結局立場、状況など時の運。ある時は下層の者を見下し、またある時は上層の者を呪う。
その構図を変えようと大それた野望を持つも(ドン・キホーテのように)、結局現実はより闇深きモノであった。そして欲望のままに生きることを勧める最初のルームメイトの幻影はさながら人間を堕落させた悪魔の如し。
他者のことなどどうでもいい。極限の状態では自分が生きることが第一(現に劇中、「第五の戒(汝殺すなかれ)を破ったな」とセリフにある通り)。そんな極限の状態において、普通であれば真っ先に淘汰されるであろう矮小そして純真無垢な存在(子ども)を、上(天界)へ返すこと=キリストによる救済とダブらせているのだと思います。
、、、などと難しいことを色々と考えるのですが、そんな小難しいことに気を留めなくとも、次々に変わるルームメイトと状況、一体この建造物の構造はどうなっているのか?上/下はどうなっているのか?といった魅力的な謎や、所々に挿入される残虐描写など、ほぼ変わり映えのしないシチュエーションの中とても楽しめる作品だと思います。
クリムゾン・キングさん [インターネット(字幕)] 7点(2021-07-01 16:11:22)
👍 1
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 18人
平均点数 5.78点
000.00%
100.00%
200.00%
3316.67%
4316.67%
500.00%
6316.67%
7738.89%
8211.11%
900.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.00点 Review1人
2 ストーリー評価 8.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review1人
4 音楽評価 8.00点 Review1人
5 感泣評価 Review0人

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