映画『ドライブ・マイ・カー』の口コミ・レビュー(3ページ目)

ドライブ・マイ・カー

[ドライブマイカー]
Drive My Car
2021年上映時間:179分
平均点:6.69 / 10(Review 48人) (点数分布表示)
公開開始日(2021-08-20)
公開終了日(2022-02-18)
ドラマ小説の映画化
新規登録(2021-07-18)【にゃお♪】さん
タイトル情報更新(2024-04-12)【まいか】さん
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監督濱口竜介
助監督大江崇允(監督補)
キャスト西島秀俊(男優)家福悠介
三浦透子(女優)渡利みさき
霧島れいか(女優)家福音
岡田将生(男優)高槻耕史
原作村上春樹「ドライブ・マイ・カー」(短編小説集「女のいない男たち」所収)(文春文庫刊)
脚本濱口竜介
大江崇允
音楽石橋英子
撮影四宮秀俊
製作ビターズ・エンド(製作幹事/「ドライブ・マイ・カー」製作委員会)
朝日新聞社(「ドライブ・マイ・カー」製作委員会)
配給ビターズ・エンド
あらすじ
家福とその妻は人も羨む仲睦まじい俳優夫婦だったが、幼児の愛娘が呆気なく亡くなった後に夫婦共にキャリアと夫婦関係の調整と模索を迫られる。共に成長していくつもりだった妻までが志半ばで病魔に倒れてから2年が過ぎ、チェーホフの「ワーニャ伯父さん」を多言語で演じる国際演劇祭のプロデューサーとして広島に赴いた家福は亡き妻の昔の共演者の高槻を主演に抜擢し、家福と高槻は家福の亡き妻が自分には見せなかった面を仕事後に語り合う近しい関係になる。また、亡き娘と同じ年に北海道で生まれた影のある若い女性が”ベテラン”運転手として瀬戸内海の小島にある家福の仮住居と広島の仕事場の間の送迎をすることになった。
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💬口コミ一覧

8.原作既読。あの短編がこんなふうに広がるんだ、という思いと、春樹っぽいようなぽくないような。
三浦透子さんがやっぱりいいですね。淡々とした表情とセリフにも情念が滲む感じが、ラスト近い雪のシーンまで続いていました。
だからこそ、ラストがよく飲み込めず、、、、あれ必要でしたか?
ハクリキコさん [映画館(邦画)] 6点(2023-07-02 01:27:57)
7.ネタバレ 主人公の西島秀俊は舞台役者兼舞台演出家。その妻の霧島れいかは人気脚本家。主人公が主に仕事の移動で使う自動車にフォーカスし、その中や周辺で起こる、クリエーター夫婦の少し風変わりな日常や、思いがけない出来事など、エンターテインメントの題材にはあまりならないような事柄を、ごく自然に、あまり狙った感を出さずに、細かいところまで繊細に描いていくというような作品。映像も特別美しい風景があるわけではないのですが、現代日本の変哲のない風景が、しっとりと落とし込まれていて、心が落ち着く感じがします。文学的な雰囲気が醸し出されていて嫌いじゃないです。ただ、雰囲気は嫌いじゃないだけに、作品の着地点が今一つというか、主人公の感情に深いところで共感することはなく、大きく心動かされるものがないまま、終わってしまったなという感想です。原作があることをほとんど意識しないで見ていましたが、村上春樹原作と言われると、まあ、わからないでもない気もします。後半、三浦透子が主人公のマイ・カーのドライバーとなり、主人公との交流が描かれていくのですが、「三浦透子が運転がとても巧い」という設定があってもいいとは思いますが、それが強調され過ぎていて、そこだけは、少し不自然さを感じてしまいましたかね。
camusonさん [インターネット(字幕)] 6点(2023-07-05 19:27:45)
6.ネタバレ 妻と娘を失い孤独に生きてきた舞台俳優と彼にドライバーとして雇われることになった若い女性。ともに生きづらさを抱えていた2人の交流を終始淡々と描いたヒューマン・ドラマ。原作は泣く子も黙る世界的大作家、村上春樹。基となった短編集はまだ読んでないんですけど、主人公たちが交わすセリフをちょっと聞くだけで「あぁ、これはもう完全に村上春樹だなぁ」と思わせるところが凄い。妻が亡くなる前の長いプロローグとも呼べるシーンで、主人公が妻とセックスしながらひたすら意味不明な会話を交わすところなんてまさにそう。片想い中の女子高生が好きな男の子の家にたびたび空き巣に入って最終的には人を殺す話をしながらエッチするってどんな夫婦やねん(笑)。その後、本編が始まってからも登場人物が交わす会話も全く同じ。よく言えば哲学的で深いのにどこかお洒落、悪く言えば空疎で薄っぺらく全編気持ちの悪いナルシズムに満ちている。やはり村上春樹の小説は映像化には不向きなんじゃないかと思わせたものの、中盤からは不思議とこのわざとらしいセリフ回しに心地良さを感じている自分がいました。それはおそらく、主人公たちが現在取り組んでいる多言語舞台という前衛的な劇中劇が功を奏しているからなんでしょうね。舞台稽古をしている俳優たちがそのまま私生活にまで影響を引きずっているというこのメタ構造が、この不自然なセリフ回しを巧く中和している。なかなか考えられた演出と言っていい。内容の方も、村上文学の主要テーマである喪失感からの再生が多面的に描かれており、深い。前述した、さまざまな言語が入り乱れる演出でチェーホフの戯曲を再演しようという舞台の稽古と、心に傷を負った若いドライバーとの繊細な交流を二重写しのように描いたところは称賛に値すると思います。同じテーマをそれぞれ違うアプローチで描いていたものがラストでぴったり重なったのが感動的ですらありました。喪失感を抱えて生きている自分たちの苦悩がほんの少しだけ浄化された、それだけでこの先も生きていける――。心地良いラストの余韻に自分は観てよかったと思えました。カセットに録音された今は亡き妻ともう不可能となってしまった会話を交わす主人公の声を、ただ静かに聞き続ける若い女性とか、なんて切ない構図なんだろう。ただ、不満点も幾つか。まず冒頭、妻が亡くなるまでのあの長いプロローグは正直いらない。中盤の高槻との会話への伏線として必要だったのでしょうけど、それも回想シーンなりの別の描き方があったはず。あの40分はばっさりカットしても良かったのでは。とは言え、人と人とが永遠に分かり合えないことの切なさを美しく描いた上質の物語でした。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 7点(2023-07-10 09:11:19)
👍 2
5.読了後鑑賞。50Pの短編がなぜ3時間必要かと思いきや良作。
TERUさん [インターネット(邦画)] 7点(2023-07-16 14:02:31)
4.ネタバレ さして中身のある映画ではないし、かりに「喪失の苦しみから立ち直る話」だとしても、チェーホフをなぞったキリスト教的な価値観の物語を現代の日本人が本気で作ってるとも思えない(欧米の観客は真に受けてるのかしら?)。とはいえ、それでも面白く観れてしまうのは事実。それは、ひとつにはサスペンス劇としての面白さだと思います。つまり、スリルや謎解きが物語の動機になってるのですね。
結末をネタバレすると、(前作「寝ても覚めても」では震災前と震災後で世界の見え方が変わったのに対し)この映画では岡田将生が「空き巣殺し」の話をした瞬間に世界の見え方が変わり、西島秀俊と岡田将生の立場が逆転して、他人に演じさせていた主人公がみずから演じる立場へと追い込まれ、自分の本心を引きずり出すように強いられるのですね。そして、序盤の「何が真実なのか」という謎に対して「すべてが真実」という予想外の解答が示される。つまり、本当と嘘を区別してたのは自分自身であって、嘘はほかならぬ自分自身の中にあったという話。演じさせる人間のほうに嘘があって、演じる人間には噓などなかったというオチです(これは東出昌大と唐田えりかの隠喩ともいえる)。
この物語にはたして3時間の上映時間が必要なのか分からないけど、不思議と飽きることはありません。それはサスペンス劇としての興味や緊張感のせいでもあるし、役者の演技をドキュメンタリーのように追う濱口竜介の演出手法のせいかもしれない(長回しを多用してるわけではなく、きっちりカットを繋いでるのだけど、それでもドキュメンタリーのように観れてしまいます)。冒頭30分ぐらいのところで、ようやくオープニングクレジットが出てくるのも斬新で「ああここから物語が始まるんだな」と思わせられるけど、そこから先の、かなりの割合を占める車の走行シーンや演劇の稽古シーンも含めて、長いことは苦痛になりません。そこに濱口竜介の稀有な非凡さがあると思う。石橋英子の音楽もカッコよかったです。
まいかさん [インターネット(邦画)] 8点(2024-04-09 23:07:59)
👍 1
3.ネタバレ 有名作家の原作でしかも大きな賞を取った映画、ということにつられて、家族みんなで見に行った意識高い系一家の悲劇は結構あったでしょう。あのシーンの必要性は感じられなかったですね。少なくとも、それを匂わす描写くらいに抑えて欲しかった。大人でさえ、直視に耐えられない人もいたのでは無いでしょうか。私のように。という訳で、登場人物の心理や葛藤は伝わり、胸を打ちました。主人公たちの表情や言葉、そして淡々とした映像が醸し出す、行き場の無いこもった負の雰囲気も、何故か心地よさが感じられて、やはり賞をを取るだけのことはあるなぁと思います。まあ、とは言っても、あのシーンはねぇ。
戸沢一平さん [インターネット(邦画)] 7点(2024-07-06 16:47:43)
2.ネタバレ 普段より小説は嗜みませんが村上春樹という文学に触れた気分です。
人生の傷を新たな人と出会いの中で再生していく人間ドラマが美しく官能的で重厚さがあります。
心の渦や闇は誰にでもありますからね。表現が鋭利でリアルだ。そして味があって癖の強いマニュアル車の魅力やドライブ愛の表現は好印象です。

なによりキャスティングが力強い。
西島秀俊はもちろんのこと、岡田の迫真の演技、三浦透子にいたっては興味を持ってSMBCのCMを繰り返し見てましたw(これはこれでよい)

最後の韓国のラストはいろいろ推測できますね。
私なりの解釈は家福と同棲を始めたわけではなく、彼女のルーツだと思いますね。
赤のサーブ900に乗っているのは譲り受けたか。それだけの関係でしょう。いずれにしても新しい人生を明るく歩み始めている感があります。
mighty guardさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2024-07-25 18:38:38)
1.ネタバレ 村上春樹の短編小説がベースになっているとの事で、登場人物が皆淡々としているが、それがだんだん心地よくなってくるのが正に村上ワールド。そこにチェーホフの戯曲を前面に押し出すことによって、多分、原作は読んでいないのであくまでも多分、そのことで原作小説よりも主人公家福の苦悩がより深く表現されているのではないかと想像すると、本作は映画として大成功だったのではないかと思う。チェーホフのテキストを口にすると自分自身が引きずり出されると語る主人公。妻の死によって、罪悪感を含む喪失感を抱えることになった彼にとっては、自分自身を引きずり出す行為が必要だった。前に進むためには。専属ドライバーの女子も家福と同じ心の傷を持ち、車中でカセットテープを聞き共にチェーホフに触れることによって、同じく自分自身が引きずり出される感覚に陥ったのだろう。二人は決して恋仲なんかになるわけではなく、互いの傷を交換し、自分たちは大丈夫だと確認し合う。身近な人を亡くした時、そこに居るはずの場所がぽっかり空いてしまった時、「喪失感」という新たな感情が生まれ、それは空いてしまった場所を埋めるかのようにそこに居座る。言いたかった言葉、伝えたかった感情を向ける相手がいなくなると、その言葉や感情は宙ぶらりんとなり、喪失感と一緒に仲良くいつまでも残ってしまうのだろう。自分自身を引きずり出し、悲しみや辛さを認め、今世は絶えて生き抜くしかない。そんな人生観はとてつもなく切ないが、逆にあっけらかんとしていて物凄く前向きだ。ドライバー女子の最後の表情は、それまで見たことのない柔らかな微笑で、ああ前進したんだなと思える素敵なラストシーンになっている。
ちゃかさん [インターネット(邦画)] 8点(2024-12-19 18:29:51)
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マーク説明
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 48人
平均点数 6.69点
012.08%
100.00%
200.00%
324.17%
400.00%
548.33%
6918.75%
71837.50%
81122.92%
936.25%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 7.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review2人
4 音楽評価 9.00点 Review1人
5 感泣評価 Review0人

【アカデミー賞 情報】

2021年 94回
作品賞 候補(ノミネート) 
監督賞濱口竜介候補(ノミネート) 
脚色賞濱口竜介候補(ノミネート) 
脚色賞大江崇允候補(ノミネート) 
外国語映画賞 受賞(国際長編映画賞)

【ゴールデングローブ賞 情報】

2021年 79回
外国語映画賞 受賞(非英語映画賞)

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