1.ネタバレ ラノベっぽいタイトルですね。こんなタイトルにピン!と来て、サクッと楽しみたい欲求は満たされるでしょう。タイトル通りタイムループモノで、"上司"とあるように会社の人間関係モノでもありました。 月曜から始まって、日曜日の先が、また同じ月曜日…この月曜スタートの一週間というのが、まさに会社の物語らしい区切りです。そして舞台となる広告代理店にとって無茶な企画を仕上げるために、密室と言える事務所で、泊り掛けで仕事をする修羅場の一週間となっています。
いち早くループに気が付いた後輩2人組が、先輩であり主人公の吉川にループのことを伝え、彼女が気が付いたところから物語は動き出します。この、主人公を挟んで後輩2人、先輩2人(他に部長と事務員さんがいる)という板挟みな立場で、後輩と手を組んで、先輩にループを気付かせるという設定が、会社版"死亡遊戯"みたいで興味を沸かせます。ループを脱する方法は、タイトルにあるように結論ありきです。CMにもあるプレゼンはこの映画の醍醐味です。…と、ここで終わればスッキリ・サッパリ。…でもちょっとストレート過ぎるかなぁって思うところですが、映画はそこで終わらず、もうひと捻りあります。
この入り口は面白かったです。会社の上下の縦のラインで解決を目指していたところ、無関係と思われた横のラインが絡まってくる…王道だけど良い展開でした。今まで相手にしていなかった人物の重要性。会社の序列から、自分の中で勝手に創ってしまう上下関係。吉川は取引先の大手企業に転職を控えていて、その中で勝手に、零細企業である今の会社の同僚たちを、自分より才能の劣るものに見ていたことに気が付くんですね。脱ループと自分の将来を天秤に掛けた葛藤も良かったです。 「崎野くん、センス悪いでしょ~、苦労してない?」上司からそう思われている崎野のぶら下げたニンジンと無茶な要求に、一喜一憂していた自分を顧みて、改めて自分の職場環境と立場を見つめ直す吉川。良いですね。
とても興味深く、グイグイ引き込まれる映画で、後半はホロリとさせる展開でしたが、少しばかり惜しい点が目立ってしまいました。 こんなタイトルなのに、ループの脱出方法がアレで、何か論点をズラされた感を感じてしまいました。そもそも“部長が緑色のアレを付けたために、その週にループが起きた"という推論に、まとまりの良さを感じていまたのに、実はそうではなかった!ってことで…"だったらそもそも、なぜこの一週間?"という疑問が、有耶無耶になってしまった感があります。82分とそんなに長くない映画ですが、もっと短い簡素な話に、後半別な話をくっ付けて引き延ばした感がありました。 また密室で繰り広げられるタイムループ物語なら、とことん密室(&屋上)で終わらせて、木本事務所は映像化しないほうが、スマートだったかな?って思います。それを言ったら吉川の事故と怪我もってなりますが…彼女を出せば、マニアがニヤリとするだろうって意図が感じられて… 期待通り面白い映画でした。そして映画はまだまだ面白いものが出来る!目指せ第二のカメ止め!って、気概も感じさせます。それと同時に、結構このハードルって、高いんだなぁ…とも感じました。 【K&K】さん [DVD(邦画)] 6点(2025-05-18 14:22:59) |