映画『ザ・メニュー』のいいねされた口コミ・レビュー

ザ・メニュー

[ザメニュー]
The Menu
2022年上映時間:107分
平均点:6.29 / 10(Review 17人) (点数分布表示)
公開開始日(2022-11-18)
サスペンスミステリーグルメもの
新規登録(2022-11-07)【にゃお♪】さん
タイトル情報更新(2022-12-20)【Cinecdocke】さん
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監督マーク・マイロッド
キャストレイフ・ファインズ(男優)ジュリアン・スローヴィク
アニヤ・テイラー=ジョイ(女優)マーゴ
ニコラス・ホルト(男優)タイラー
ホン・チャウ(女優)エルサ
ジャネット・マクティア(女優)リリアン
リード・バーニー(男優)リチャード
ジョン・レグイザモ(男優)
製作アダム・マッケイ
ウィル・フェレル
配給ウォルト・ディズニー・ジャパン
あらすじ
超一流のシェフが最高の料理を振舞うことで知られる孤島のレストラン。マーゴはタイラーに誘われ、セレブが集い滅多に予約も取れないというその店を訪れる。グルメオタクのタイラーはシェフのスローヴィクに心酔しており、運ばれてくる料理に我を忘れて感動しきり。しかし、マーゴはシェフの言動やスタッフの雰囲気から違和感を感じて行く。拘り抜いたメニューの一つひとつが密かに意味するものとは?
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💬口コミ一覧

5.ネタバレ 大相撲における最上位階級、横綱。またの名を日下開山。その地位はまさに神に匹敵します。成績優秀な力士を横綱に推挙するために開かれるのが横綱審議委員会で、必ずと言っていいほど出でくるフレーズが「心技体」であります。横綱に求められる3要素。頂点に君臨する力士に「技」と「体」が必要なのはよく分かります。しかし「心」って何でしょう。いわゆる品格でしょうか。基準が曖昧でいまいちピンと来ません。「技」と「体」があれば充分では?そんな風に考えていた時期が私にはありました。でもこれは見当違い。大切なのは横綱の重圧に耐えうる「心の強さ」でした。すみません。前置きが長くなりました。本作は超高級レストランで「神」と崇められるシェフがプレッシャーに押し潰され狂ったお話。
特にタチが悪いのが他責思考です。私を悩ませた周りが悪い。美食文化にはうんざりだ。何なら犯罪者まで一緒に排除してしまえ。しかるに「技」は超一流。ゆえにカリスマ性を発揮し弟子(信奉者)を巻き込んでの自爆テロを許してしまいました。これは横綱審議委員会、失礼、オーナーに見る目が無かったというしかありません。やはり一流、いや超一流は「心技体」を兼ね揃えなくてはいけません。
ヒロインの脱出劇について。機転を利かせ見事に窮地を脱した主人公ですが、救われたのは彼女だけではない気がします。他でもない、テロ首謀者であるシェフも救われたのではないか。彼自身認めるように、この自爆テロに彼女は関係ありません。殺される理由もなければ、殺されるのを承諾してもいない。そんな者を殺していいはずがありません。狂っていてもシェフに分別は残っていました。だから彼は甘んじて彼女のスペシャルオーダー(チーズバーガーのテイクアウト)を受け入れたのです。ある意味では「渡りに船」の提案で、船にて脱出。地獄行きは覚悟しても、後悔は少ない方がいいでしょうから。ハンバーガー屋から神ポジションのシェフへ登り詰めた男。大出世ですが、幸せになれるとは限りません。適材適所で人は輝く。人生はなんと難しいのでしょう。ところで新横綱となる大の里。異例のスピード出世ですが心技体は満たされていますでしょうか?(すいません。話の調子で書いたまでで他意はありません。応援しています。頑張ってください。)
「リアリティ?何それ美味しいの?」なファンタジー仕様ですが、そこは寓話と割り切れば問題ありません。話題作『教皇選挙』でも存在感を発揮しているレイフ・ファインズの怪演を愉しむ映画でもあります。
目隠シストさん [インターネット(字幕)] 6点(2025-06-28 08:16:34)
👍 1
4.こんなディナーは食いたくない。
TERUさん [インターネット(字幕)] 3点(2024-11-04 19:47:25)
👍 1
3.ネタバレ 「料理」というものを突き詰めた結果、たどり着くのは果たして、“奉仕”だろうか、“芸術”だろうか。いや、“狂気”だった。
人間にとって不可欠なプロセスである「食事」を対象にして、更にその欲求を高め、娯楽性を生み、古くから享楽の境地にまで達した「料理」には、元来人を狂乱させる要素を多分に孕んでいるものなのかもしれない。

何のために料理をするのか、誰のために料理をするのか。
いつしかそれを見失ったまま、その“行為”を極限まで追い求め、高め抜いた結果、そこに群がる高慢と強欲の餌食となってしまった一人のシェフによる、狂気的な芸術と奉仕。
それは一見すると、究極的な“逆恨み”による復讐劇のようにも見えるけれど、本作が最終的に描き出したものは、もっと達観していて、もっとイカれた、至高の料理人による「表現」であった。
彼にとっては、自分自身の料理に群がり渦巻く愚かな人間たちの“業”そのものと、それに対する怒りや悲しみや絶望が、もはや料理を彩るための“スパイス”や“隠し味”にしか捉えられなかったのだろう。

シェフの絶望と狂気は、彼と彼の料理を妄信的に信奉するすべてのスタッフ、そしてさらにはゲストたちにも伝染していく。
料理、そして食事の本質を見失い、“高額な美食”というステータスに執着する人間たちが、このレストランに来る前からそもそも抱えていた虚無感と闇が、ラストの“デザート”を迎える頃には充満していたように思える。

そして最終的には、ゲストも含め、レストラン内に残った全員がこの“メニュー”の終着を心から望んでいたようにすら見えた。
劇中シェフ自身からも言及されている通り、“メニュー”による理不尽や暴力に対して、客たちは結託していくらでも抗い闘うことができたはずだが、彼らは「美食」というレッテルにただ支配され、殆ど抵抗らしい抵抗をすることもなく盲目的に受け入れてしまっている。
その虚栄心に満ちた客たちの無理解と浅はかさこそ、このシェフが狂気に殉じた起因なのだろう。

そうしたすべての顛末を、達観した強い眼差しで眺めながら、冷めたチーズバーガーを頬張るアニャ・テイラー=ジョイの表情が堪らない。
アニャ・テイラー=ジョイが主演としてメインを張った時点で、彼女がこの地獄絵図を生き残ることはある意味必然(「スプリット」の“ビースト”から生き延びたのだから)だったろうが、相変わらずの眼力でシェフと観客を魅了している。

主演女優をはじめ、配役とそれぞれの演技も素晴らしかった。
狂気の料理人を体現しきったレイフ・ファインズは、彼の芳醇なキャリアにおいても特筆すべき印象的な演技を見せ、劇中のレストランのみならず、本作そのものを支配していたと思う。
個人的に長らくファンのバイプレイヤー、ジョン・レグイザモの安定した存在感、ベトナム系女優ホン・チャウのおぞましい立ち位置も見事だった。
彼らを筆頭に、様々な人種が混在するレストラン内の面々がこの世界の縮図を表していたのだとも思う。
そして、実はシェフよりもよっぽどサイコパスだったグルメマニアを演じたニコラス・ホルトのキャスティングも抜群にハマっていた。

冒頭のスタッフの宿舎を案内するシーンでの「燃え尽きることはないのか?」というゲストの何気ない発言だったり、「シェフは死と戯れる」、「すべてを受け入れて赦すのです」といった序盤の様々な台詞回しが、“メニュー”の伏線となっていくストーリーテリングも見事。
鉄腕麗人さん [インターネット(字幕)] 9点(2023-09-16 23:45:12)
👍 1
2.ネタバレ すごく変わったテイストのサイコパス奇譚であります。
供される高級料理の華美なこと、セレブ客らの装い、日常世間と切り離された島という隔絶空間、と舞台装置は満点。こういうのは徐々になんか変、となっていくのがセオリーですけど(ミッドサマーのように)、本作はアニヤ・テイラー=ジョイの目線を借りてシェフの「やべえ奴」具合がわりと早めに露見します。
レイフ・ファインズシェフは初手からかなりの居丈高でクセが強いなどというレベルをはるかに超えてて、なかなかの高サイコ度。アニヤの連れの男がシェフに心酔する塩梅も気色悪く、我々もヒロイン同様げんなりできるようになっています。
崇めるシェフに酷いイジメを受けて自死する哀れな男をニコラス・ホルトが表情も絶妙に演じます。”怒りのデスロード”のニュークスなんですね、彼。どうしたって重なってしまうわ。
かなり粗く、力技で押してくる脚本なので細部はあちこちおざなりではあります。設定に矛盾が生じるほどでない、ギリギリのところ。ですけども、シェフが復讐のために呼んだメンツをもっとキレイに揃えてほしいですよね。浮気された妻や映画スターのマネージャーらはちょっと殺られる資格(?)に足りない感じ。映画スターに至っては”つまんない映画に主演したから”という同情を禁じ得ない理由です(笑)。「俺は監督じゃない!」って叫んでたけど、そりゃそう言いたくもなるよね。
tottokoさん [映画館(字幕)] 6点(2022-12-09 17:23:22)
👍 1
1.ネタバレ 以下、ネタバレあるので御注意を。

変形版の「そして誰もいなくなった」ってとこですかね。
尺もそう長くはないし、サスペンス・スリラーとしてはなかなか引き付けるところがあって飽きないのですけど、ミステリーとしては成立していないので、最後まで観てドッチラケという感じでした。
結局、シェフの病的な完ぺき主義が、この異常な話のすべての理由だったなんてちょっと説得力がなさすぎでしょ。

こういう話なら、「そして・・・」と同じように徐々に登場人物を退場させ、最後にシェフと一対一で対峙したマーゴが「お持ち帰り作戦」を発動させ、無事生き残る、というような筋のほうが盛り上がったろうに。

アニヤ・テイラー=ジョイがかなり魅力的で、多用される彼女のアップを見ているだけでも満足度高いのでプラス1点しときます。
Northwoodさん [映画館(字幕)] 6点(2022-11-23 00:25:29)
👍 1
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 17人
平均点数 6.29点
000.00%
100.00%
200.00%
315.88%
4211.76%
515.88%
6741.18%
715.88%
8317.65%
9211.76%
1000.00%

【ゴールデングローブ賞 情報】

2022年 80回
主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)アニヤ・テイラー=ジョイ候補(ノミネート) 
主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)レイフ・ファインズ候補(ノミネート) 

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