《改行表示》 1.カブトガニで、もう全然問題ないので、誰かこういう映画をマジメに作ってくれないもんですかねえ。ゾンビは今でもマジメに人に襲い掛かってくるのに、動物モノは、何かと言うとふざけてしまいがち。今やパロディとしてしか成立しないんだろうか。大好きだったジャンルなのに。 まず前兆のような怪しい事件が頻発して、やがてパニックが拡大して、できれば最後は一軒家に閉じこもってもらえれば言うことなし。と言えば『鳥』ですが、その正統な後継者(?)たる『巨大クモ軍団の襲撃』もいい。『巨大生物の島』ですら、我慢できちゃう。 ラストでどうパニックが収まるか、というのにも無上のカタルシスがあって、『ジョーズ』は勿論の事、『スウォーム』などもいいし、何なら『殺人魚フライングキラー』だって。ただし『スクワーム』はノーコメント。『テンタクルズ』は、こりゃどうなんですかね(カタルシスを感じて欲しいという、気持ちだけは伝わってくるが・・・)。 まだまだ素晴らしい映画がたくさんあって、確かに今さらこのジャンルを新たに、マジメに作る必要性は薄いのかも知れないし、単に「撮影に使う生き物を殺さない」でこのテの映画を作るのが、面倒臭いのかも知れない。 で、この映画。一応、鯨の死骸が見つかる、などという前兆の事件があって、やがてパニックが広がったりもして、感触としては悪くないし、主人公の少年が車いすに乗っている、というヒネリも加えています。カブトガニは所詮CG、だとこちらも思いながら割り切って見てるし、そもそも所詮カブトガニ、なので、ほどほどのCGでもあまり違和感ありません。ただし、ラジコンみたいに走り回るんじゃなくって、もう少し生き物らしい動きはできないものか、、、と言っても、どういう動きが「カブトガニらしい襲い方」なのか、私も知りません。 攻撃方法は、エイリアンのフェイスハガーと基本的に一緒。これもパロディということなのか、でもその繰り返しだけではちょっと寂しい。一人、股間を襲われているというオチで、笑わなきゃいけなかったんだろうか。 カブトガニのくせに何かモゴモゴとつぶやいており、これじゃあまるでキラートマトやんか、と思った人がこの邦題を考えたのかもしれない。 いずれにしても、主人公の車いすが全く物語に貢献しないまま、終盤は唐突に巨大ロボットでの戦いとなって、「世界の人々は知らんけれど少なくとも日本人はこういうのが好きなんでしょ」と言わんばかりなのが、図星ではあるけれど、でもそれを、ここで、このタイミングで、見たい訳じゃないんだけどなあ。。。 ふざけようがパロディであろうが、別にいいんですけど、もう少しだけでもマジメ路線の方に針を振っていただかないと、これでは「悪ふざけ」にしか、なりませぬ。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 4点(2025-05-18 09:59:31) |