映画『菊豆/チュイトウ』の口コミ・レビュー(2ページ目)

菊豆/チュイトウ

[チュイトウ]
Ju Dou
(菊豆)
1990年上映時間:95分
平均点:6.62 / 10(Review 24人) (点数分布表示)
公開開始日(1990-04-21)
ドラマラブストーリー小説の映画化
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タイトル情報更新(2025-01-26)【イニシャルK】さん
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監督チャン・イーモウ
キャストコン・リー(女優)菊豆
小山茉美(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
富山敬(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
音楽チャオ・チーピン
撮影クー・チャンウェイ
製作徳間書店
製作総指揮徳間康快
配給大映
あらすじ
「跡継ぎ息子を産め!」といっては妻を虐待する不能で子供のない老人の三番目の妻となった菊豆(コン・リー)は自分の身を守るために別の男の子供を生もうと決意する。その男とは同じ家の中で奴隷同様にこき使われている老人の甥だった。菊豆が男の子を産むと親類縁者は老人の跡継ぎ誕生として盛大に祝福するが、それは真実を知っている老人の、甥と菊豆に対する醜い嫉妬と争いの始まりだった。そして男の子はすくすくと育っていく。1991年アカデミー賞外国映画部門受賞作。
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💬口コミ一覧

4.相変わらずチャン・イーモウの赤を基調とした色彩感覚は素晴らしいものがありますね。
話はなかなか波乱万丈的なものですが、それほど興味はそそられませんでした。
コン・リーはやはり綺麗なお姉さんでした。
にじばぶさん [ビデオ(字幕)] 5点(2007-11-07 17:36:04)
3.ネタバレ チャン・イーモウ監督の作り出す映像美は本当に凄い。いつもながら色使いの上手さ、赤、青、黄色と巧みに使いこなすその映像センス、これだけ赤、青、黄色の三色を上手く使いこなせるのは他には信号機ぐらいです。おっと、信号機のことよりもこの映画について触れないとまずい。コン・リー演じる菊豆がいたぶられる場面のあの美しさ、女性が男に暴力を受ける場面など本来は醜くて汚い、グロテスクなものなのに、この場面なんて何と言う美しいシーンだ!さほど多くは見たことがないので、よく解らないけど、下手なアダルトビデオのレイプシーン、SMシーンよりもずっとずっと美しく感じるから大したもんです。それも偏にコン・リーという女優の持っている美しさ、外見的なものだけでない内面的な美しさと両方とを持った女性としての美しさと感情的表現における演技力あればこそ見られる美しさ、女性が虐められる場面でこんなにも美しいのを私は今まで見たことがあったか?自分がやがて夫となる男に覗かれていることを知った時のあの表情の素晴らしさ、コン・リーあっての映画であることは少なくとも間違いないと私はこの映画を見て感じました。最後に二人の間に生まれてきたあの何とも憎たらしいガキといったらまるで何だか亀○兄弟でも見ているようでして、いや、本当に何だかあの息子の面構えといい、暴力的ふるまいといい、坊主頭な所までそっくりだ!それにしても本当にどの場面においても映像美が美しいのには流石、チャン・イーモウ監督だと思いました。
青観さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-05-31 11:16:45)
2.ネタバレ チャン・イーモウ監督の「菊豆/チュイトウ」のストーリーは、徹底的に悲惨です。
今までにも何本か、気が滅入るくらいの悲惨なストーリーの映画を観てきましたが、この映画はそんな中でも間違いなく、その悲惨ベスト5に入ります。

菊豆という若くて美しい人妻が、強欲で意地悪で不能で、年上の夫に苦しめられ、他の男性に愛されることで苦しさから逃れようとする物語です。
そこまでやるかというくらい、残酷で不幸で理不尽でやりきれないストーリーなのですが、とても美しい映像になっているのが特徴です。

原作の舞台は農村なのだそうですが、映画では染物屋になっています。
黄色や青や赤の長い反物が翻るシーンが数多く出てきて、実に印象的です。
これらの色鮮やかな布は、映画の中で効果的な大道具であると同時に、粋な小道具にもなっています。

残酷なのに、限りなく美しい映画というのはよくあるものです。
例えば、ジャンルは違いますが、「コックと泥棒、その妻と愛人」や「サスペリア」も同様でした。
やはり「赤」が美しい映画でしたから、「赤」というのはひとつの象徴なのかもしれません。
この「赤」から連想されるものは「血」とか「情熱」です。

菊豆の天青に対する想いは、年月が経っても全く薄れることなく燃えたぎったままでしたし、まるで"血の池"のような赤い染料のプールの中で溺れ死んでいく夫、ラストシーンの火事の炎など、到るところに「赤」のイメージがあり、まさにこの映画は「赤の映画」だなと思わせられました。

これでもか、これでもかというくらいの悲惨な終焉なのですが、後味が悪くないというのは驚きでした。
これはひとえに、チャン・イーモウ監督の演出の手腕だと思います。
dreamerさん [ビデオ(字幕)] 7点(2019-03-24 10:22:40)
1.ネタバレ 話が陰惨すぎて万人には全くおすすめできないけど、
やっぱり自分、チャン・イーモウ監督の初期作品好きなんだよな~。
リマスター化で現在(2025.12〜)リバイバル公開中。

まず画面に流れる光の表現:反射や逆光、斜光を活用したショットと
それを引き立たせる色の使い方。初鑑賞はウン十年前のビデオだったので
ほとんど感じなかった、抑圧からの解放を意味する「光」と、古い価値観や
道徳、悪い因習等を映し出す「闇」がスクリーンだとより映える。
合わせて原作では農村だった舞台を染物屋にしたオリジナル要素がまたいい。
後年「HERO(’02)」「LOVERS(’04)」で見受けられる色をモチーフにした
感情表現はこの頃から冴えている。中国映画界の検閲事情と、監督自身
まだ若手であったが為、どうしても隠喩や比喩に頼らざるを得ない苦肉の
策だったと思うのだけどそこが逆に観客の想像力を喚起させる効果がある。

もう一点、更に強烈な印象だったのは女優コン・リーの素晴らしさ。
彼の作品における「情念」を演じる事が出来たのは彼女だけだった
んだなぁ。チャン・ツィイーが及ばない(後釜で大変だっただろうに)
のは至極もっともな話。

ただ私が監督チャン・イーモウを評価できるのは女優コン・リーと
タッグを組んでいた「秋菊の物語('92)」まで。彼女との
関係性がマンネリになっていった事と合わせて、検閲等を
気にしない、名作家になった分なんか説明過多の感が
個人的には目につくんですよね。「これで観客は喜ぶよね」な感じ。
「初恋のきた道」「あの子を探して」('99)素敵な話なんだけど、ね。

今回のリバイバルは「赤いコーリャン('87)]、本作品と
「紅夢('92)」なので「初恋のきた道」しか知らないファンには
ぜひ鑑賞した上、陰鬱な気持ちで映画館を出てもらいたい。
ついでに極私的チャン・イーモウベストワン「秋菊の物語(’92)」、
リマスターお待ちしてます。 長文失礼しました。
Nbu2さん [映画館(字幕)] 8点(2025-01-26 18:05:43)
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 24人
平均点数 6.62点
014.17%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5416.67%
628.33%
71041.67%
8625.00%
914.17%
1000.00%

【アカデミー賞 情報】

1990年 63回
外国語映画賞 候補(ノミネート) 

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