映画『地獄の黙示録 特別完全版』の口コミ・レビュー

地獄の黙示録 特別完全版

[ジゴクノモクシロクトクベツカンゼンバン]
Apocalypse Now Redux
2001年上映時間:202分
平均点:6.56 / 10(Review 155人) (点数分布表示)
ドラマ戦争もの小説の映画化ロードムービー
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2023-08-12)【イニシャルK】さん
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監督フランシス・フォード・コッポラ
助監督ラリー・J・フランコ(第二助監督)
演出テリー・レナード(スタント・コーディネーター)
R・リー・アーメイ(軍事アドバイザー)
キャストマーロン・ブランド(男優)ウォルター・E・カーツ大佐
マーティン・シーン(男優)ベンジャミン・L・ウィラード大尉
ロバート・デュヴァル(男優)ビル・キルゴア大佐
フレデリック・フォレスト(男優)ジェイ・”シェフ”・ヒックス
アルバート・ホール(男優)チーフ・フィリップス
ラリー・フィッシュバーン(男優)タイロン・”クリーン”・ミラー
デニス・ホッパー(男優)フォト・ジャーナリスト
ハリソン・フォード〔1942年生〕(男優)ルーカス大佐
スコット・グレン(男優)リチャード・M・コルビー
コリーン・キャンプ(女優)プレイメイト
クリスチャン・マルカン(男優)ユベール・ドマレ
オーロール・クレマン(女優)ロクサンヌ・サロ
G・D・スプラドリン(男優)コーマン将軍
サム・ボトムズ(男優)ランス・B・ジョンソン
マーク・コッポラ(男優)AFRSのアナウンサー
フランシス・フォード・コッポラ(男優)TVクルーの監督(ノンクレジット)
R・リー・アーメイ(男優)ヘリコプターのパイロット(ノンクレジット)
ロマン・コッポラ(男優)
ヴィットリオ・ストラーロ(男優)TVの撮影マン
石田太郎ウォルター・E・カーツ大佐(日本語吹き替え版)
堀内賢雄ベンジャミン・L・ウィラード大尉(日本語吹き替え版)
菅生隆之ビル・キルゴア大佐(日本語吹き替え版)
内田直哉ジェイ・”シェフ”・ヒックス(日本語吹き替え版)
山野井仁チーフ・フィリップス(日本語吹き替え版)
金尾哲夫ユベール・ドマレ(日本語吹き替え版)
辻谷耕史ランス・B・ジョンソン(日本語吹き替え版)
高島雅羅ロクサンヌ・サロ(日本語吹き替え版)
糸博コーマン将軍(日本語吹き替え版)
中博史ジェリー(日本語吹き替え版)
稲葉実フォト・ジャーナリスト(日本語吹き替え版)
小森創介タイロン・”クリーン”・ミラー(日本語吹き替え版)
杉本ゆうプレイメイト(日本語吹き替え版)
星野充昭(日本語吹き替え版)
原作ジョセフ・コンラッド「闇の奥」(ノンクレジット)
脚本ジョン・ミリアス
フランシス・フォード・コッポラ
音楽カーマイン・コッポラ
フランシス・フォード・コッポラ
作曲リヒャルト・ワーグナー〔音楽〕"ワルキューレの騎行"(楽劇《ワルキューレ》第3幕より)
挿入曲ザ・ドアーズ"The End"
撮影ヴィットリオ・ストラーロ(撮影監督)
スティーヴン・H・ブラム(第二班撮影監督 )
キャレブ・デシャネル(挿入シーンの撮影監督)
ヒロ・ナリタ(挿入シーンのカメラ・オペレーター)
製作フランシス・フォード・コッポラ
フレッド・ルース(共同製作)
アーウィン・ヤブランス(製作者代表)
配給日本ヘラルド
特撮リチャード・O・ヘルマー(特殊効果)
美術ディーン・タヴォウラリス(プロダクション・デザイナー)
ウェイン・フィッツジェラルド(タイトル・デザイン)
アンジェロ・P・グレアム(アート・ディレクター)
編集ジェラルド・B・グリーンバーグ
フランシス・フォード・コッポラ
アーサー・コバーン(編集補佐)
リチャード・マークス[編集](編集スーパーバイザー)
ウォルター・マーチ
録音ウォルター・マーチ
字幕翻訳戸田奈津子
スタントテリー・レナード(ノンクレジット)
その他バリー・M・オズボーン(プロダクション・マネージャー)
エレノア・コッポラ(ドキュメンタリー・スーパーバイザー)
マーク・コッポラ(キャスティング・アシスタント)
ダグ・クレイボーン(ポスト・プロダクション・コーディネーター)
メリッサ・マシスン(エグゼクティブ・アシスタント)
フランシス・フォード・コッポラ(プレゼンター)
ジョー・エステヴェス(スタンド・イン〔ノンクレジット〕)
あらすじ
泥沼化したベトナム戦争。ウィラード大尉は極秘任務を命じられる。同じアメリカ軍のカーツ大佐を抹殺せよというのだ。カーツは突然戦線を離脱し、部下や原住民を率いてジャングルの奥地に「王国」を築いていると言う。模範的なアメリカ軍人だったカーツに何が起きたのか?ウィラードはカーツを求めて川を遡り、西洋人のモラルの荒廃を目撃する。「闇の奥」「聖杯伝説」など様々な古典文学を下敷きにした、“Apocalypse Now”つまり現代における(地獄でなく)黙示録(言葉でなく、イメージで伝えられるメッセージ)。
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💬口コミ一覧

155.ネタバレ 原作というよりベースにしたと言うほうがいい「闇の奥」では、アフリカにおける帝国主義という西欧文明の欺瞞と廃退ぶりが描かれているが、映画では、半世紀以上後のアジアにおいて大国アメリカが正義の名の下に行った戦争の欺瞞と兵士の常軌を逸した精神を描いている。為政者が、自由を守る民主主義を守るといって、正義や大義を叫んでも、軍隊にとっては破壊と殺戮の手段でしかない。殺さなければ殺されるだけである。前半は戦争の狂気が圧倒的な迫力で描かれる。村を破壊しジャングルを焼き尽くす。遠くから見る者には美しく感じるほどの描き方だ。そして後半は人間の心の奥にある闇を浮き彫りにする。アメリカ兵の人間性の崩壊、フランス人入植者の屈折した言動、そして極めつけは、カーツ大佐が築いた驚愕の王国での蛮行だ。それらは、西欧的文明の常識では到底受け入れられない行為であり、観る者は、狂気の沙汰だと眉をひそめてしまうだろう。だが、反面、心のどこかで納得している自分もいることにふと気づくのだ。
パセリセージさん [DVD(字幕)] 10点(2012-04-23 22:19:15)
154.特別版になって、物語の意味がわかりやすくなったと思います。
TVC15さん [DVD(字幕)] 10点(2008-02-25 11:02:04)
153.ネタバレ ベトナム戦争の狂気を描いた傑作。模範的な軍人カーツが何故カンボジアの奥地に自分だけの「王国」を築いたのか? その理由はカーツのみ知っている。
カーツの狂気は、ベトナム戦争の狂気そのものかもしれない。
カーツの「王国」は消えても、ベトナム戦争の恐怖は消えずに残っている。
哀しみの王さん [地上波(字幕)] 10点(2006-01-06 08:04:31)
152.ネタバレ 初めて高校生のときにオリジナル版を見て以来何回となく繰り返して見た映画。
ドアーズとの出会いのきっかけでもあります。

復刻版をDVDで久しぶりに見てみたけど、やっぱりいいですね。
若いときは例のワーグナーの攻撃シーンまでが圧巻で後は不可解な尻つぼみの映画という印象がありましたが、改めて見てみると後半にいくほど凄みを増してくる奥深い映画だと思いました。どなたかも書いておられたがカーツ大佐を探し求めるこのウィラード大尉の旅は自分探しの旅なんですね。でも最後のカーツ殺しをどう考えたらいいのか難しいです。
ともかく全編にわたり映像の美しさは比類がないし、何度見ても飽きない映画です。
JUNKさん 10点(2004-06-21 06:23:58)
151.この映画は、ひとつの人間の本質を暴き出した映画だ。
カーツ大佐は戦場で地獄の恐怖と暴力を経験するうちに、それに伴う快感を知ってしまったのだ。ここで言う恐怖と暴力の快感とは、私達がホラー映画やボクシングの試合を見て喜ぶのにも顕著で、私達は実は恐怖や暴力が本能的には大好きなのだ。カーツ大佐は心の闇の奥に触れ、恐怖に魅了されてしまったのだ。この映画のテーマは原作のタイトルにも明白で、「Heart of Darkness」訳すと『闇の心』である。つまり、この映画は戦争に関しての哲学などではなく、人間の闇の心を暴き出す作品なのだ。きっと、カーツ大佐は自らの死が迫る恐怖感をも愉しんでいたのだろう。
runnershighさん 10点(2004-01-22 18:51:05)
👍 1
150.カーツ大佐はベトナムでの闘いで自分の中(アメリカ)に潜む偽善と嘘に気付いたのではないだろうか。
ベトナムの子供に予防注射をしたが、その子供達はベトナムの兵士により腕を切り落とされたと・・・。彼ら(ベトナム人)には恐怖は存在しない。狂気そのものである。偽善や自らの社会的地位と確立、或いは浅はかな思い上がりで戦場に来たアメリカ人兵士達とは“殺し合う”という意識が全く異なっていると痛感したのだろう。カーツの言う「恐怖を友にしなければいけない」とはそのことを指していると感じる。
人間の内にある暴力性を訴えかける戦争映画は腐るほど有るが、この作品はそんな単純なモノではない。闘うために必要な“恐怖と狂気をコントロールすることが出来る道義心”或いは“自由に対する欲望と精神的強さ”が自らに有るのかどうか、それをカーツは身をもって経験したのではないか。ベトナム兵士はそれを持ち合わせていた。しかしカーツ(アメリカ)は己の中にある恐怖に屈し、精神は分裂した。つまり敗北したのである。闇の心すなわち恐怖である。
この作品はベトナムが舞台では有るが、ソマリアやイラク等の中東におけるアメリカの関与にも十分に連動した内容である。それに対する批判と警告を指したコッポラによる独自の考えであり、偽善と虚による闘争心と本能を題材とした哲学なのだと思う。
あと、くれぐれも言っておきたいのは、通常版の方が断然優れているということ。完全版は無意味に話の流れが殺されている(例えばフランス人入植者のエピソード)。通常版は話の流れがスムーズで極上の編集がほどこされている。無意味に長いのは客の興味を削いでしまうし、気付かぬ内に集中力が散漫になりラストの余韻が薄らぐ。
おはようジングルさん [映画館(字幕)] 10点(2004-01-22 16:28:00)
👍 1
149.先に特別盤じゃない方を観ていたのとこの映画がなにを言いたいか説明を受けていたのでとても面白かったです。三時間をゆうに越える時間も気になりませんでした。ただ説明されないとわかりづらすぎるのがちょっとねえ…。
Keith Emersonさん 10点(2003-12-08 21:44:06)
148.映画としては破綻をきたしており、決してバランスの取れた映画ではないが、とんでもないものを見たという印象。映画が観客に投げかけるテーマの大きさ、深さに圧倒されてしまう。アジアへの畏れのようなものも、ここかしこに見える。この映画に対して「長い」という理由で低い点数つけてる人もいるけど、それでは批判したことにはならないよ。ましてや「眠かったから」なんてのは論外。ちゃんと体調整えてこんかい!
ひろみつさん 10点(2003-11-23 01:27:30)
👍 1
147.ネタバレ 私はこの映画が“マイ・ベスト・ムービー”なので、いくら未公開シーンが加わって長くなっても基本的に大歓迎です。伝説の7時間バージョンも死ぬまでに是非観たいと思うくらいです。ですが、やはりここは冷静にこの“特別完全版”で追加されたシーンについて検証したいと思います。
【要らないシーン】キルゴアのサーフボードを巡る追加エピソード~終始深刻な顔で独白していたウイラード大尉が唐突にこんなイタズラをして子供のように笑っているのは不自然です。中途半端に大尉のキャラを掘り下げるのは全体の雰囲気を損ねる危険有り。同様の理由で燃料とプレイメイトを交換するくだりも不必要。
【良かったシーン】フランス人農園のエピソード~説明的ではあるが、ベトナム戦争という背景を理解するためには、カーツの苦悩を理解するには必要。同様の理由でカーツがベトナム戦争における米兵の任務期間の問題などを糾弾する書簡を大尉が読むシーンも理解を助けてくれる。
トマシーノさん [DVD(字幕)] 10点(2003-09-25 14:45:54)
👍 1
146.オリジナルは中学生時代にビデオで初見。カーツの存在意義は?プレイメイトはどうなったの?疑問点多々。この度、特別完全版を映画館で観た。カーツの存在も何もかも面白いようによくわかる。わかりやすい映画になったことに加えて、シネスコで観れたことと少なからず自分の理解力が増していたことが要因か。
上海魔人さん 10点(2003-06-22 11:46:21)
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145.堪能しました。3時間超の上映時間中、どっぷりとこの映画の世界に浸かってしまいました。サイケ、ジミヘン、ドラッグ等の要素が混ざり合ったベトナム戦争の猥雑な雰囲気って、当時を知らない僕にとってすごく鮮烈です。でも、好き嫌いの分かれる映画でしょうね。
ハナーさん 10点(2003-02-27 01:11:57)
144.恐ろしいほどに生々しく、物語自体が今でも息づいている感じ。過去を描いたようで現代までも見透かした印象があるのは、真理をついているからだろうと思う。マーロン・ブランドの契約違反によるダイエット不足は欠点だけども、それを補うほどのエネルギーを感じた。オリジナル版は対して好きではなかったけれど、これは最高。
カンダラッキーさん 10点(2002-10-29 15:07:00)
143.
ハッチさん 10点(2002-08-15 20:24:25)
142.映画史上に燦然と輝く傑作。3時間半、まったく退屈しませんでした。CGにはない実写の迫力に体が震え、重厚なテーマに胸を打たれました。この作品を見てしまうと、最近の他のハリウッド戦争映画が全て偽善であるとわかります。「ひとたび戦争が起こってしまえば、善も悪も無くなってしまう。戦場の人間全てに狂気が伝染していく」という、戦争の狂気を主題に置いたストーリーは時にショッキングな描写を伴い、見る人を選ぶことになりますが、それだけに重く深い。ハリウッドの資本と監督の芸術性が見事に融合した稀有な例。今後これを超える作品が作られることがあるのだろうか…。未見の方も、凄惨描写への嫌悪感を乗り越えれば、最高の映画的興奮を得ることが出来ると思います。
安濃耕二さん 10点(2002-05-26 00:45:36)
👍 1
141.Reviewになってませんが。。。オリジナルを観たのは、小6の時。。。全然解りませんでした。(このときは、70mmで観ていると思う。)「何だ、この映画、解らないけど、すごい。。。」それから、ビデオで観る事、十数回。戸田奈津子さんの「字幕の中に人生」を読んだり、DVDでエンディングの問題点へのコッポラのコメントを観たり、ベトナム戦争や当時の背景をよく解っていない私は、立花隆さんの「解読 地獄の黙示録」を読んで、その後DVDで2回オリジナル(字幕は間違ったまま)を観て、特別完全版にのぞみました。実に約20年ぶりに劇場で観る「地獄の黙示録」は、あっという間の3時間半、素晴らしい映画でした。ウィラードと一緒に自分探しの旅を体験できる良い映画に生まれ変わってました。特に、キルゴアの登場シーン、タイムなどを朗読するカーツ、フレンチプランテーション、オリジナルにはなかった性表現、これら今回復活した映像は、この映画を解りやすく、最高のベトナム戦争映画にしてくれました。しかし、解らなかった私を、解るようしてくれた立花さんの本、そしてこの特別完全版、この映画は、私の中で、キューブリックの「2001年宇宙の旅」と列ぶ、素晴らしい作品だと思います。はやく特別完全版のDVDが出て欲しい。
つくるさん 10点(2002-03-24 12:55:32)
140.ベトナム戦争の無意味さ、惨さ、虚しさを如実に表した素晴らし映画だと思う。そして映像の美しさ、CGで作られた映像を見慣れた人達にとってはものすごく新鮮に映るのではないでしょうか。戦争に対する思いが最後にウィラード大尉が言った言葉に詰められていると思う。これからはこの「特別完全版」がオリジナルになるでしょう。
風と共にサリエリさん 10点(2002-02-27 18:58:46)
139.ネタバレ ここは特別完全版のレビューを書くところだけど、私が今回観たのはファイナルカット版。オリジナル版と特別&FCの違いは明確だけど、特別とFCの違いって、プレイメイトのその後くらいかなぁ。FCは長過ぎる特別の短い板ってイメージだから、どれ観るか迷ったら特別かオリが良いかも?

前半の徹底した破壊映像は相変わらず、40年経った今でも凄いと感じさせる映像。戦闘中にサーフィンさせる異常性。自分が命じたナパームのせいで波が消える自業自得。咄嗟にキルゴアのボードを盗むウィラードがおちゃめ。ここから部下たちと仲良くなるかと思ったら、ブラインド下ろすウィラード。ボード返せと執拗に追うキルゴアのヘリが可笑しい。
オリジナルが独立したエピソードを繋げた感があったのを、特別編は連続性を持って観ることが出来たと思う。ボードの件、プレイメイトの件。彼女たち、あの騒動のあと、あんな大変な目に合ってたなんて思わなかった。
ストーリー上もそうだけど、ベトナム戦争は第一次インドシナ戦争から続くものだって認識させられるフランス人入植者たち。まるで開拓時代のようなゆっくりした彼らの暮らし。そしてカーツの王国は純粋で無知な原住民を支配する大航海時代のような雰囲気。

いつの時代も白人は戦争と宗教で現地の人の生活や文化をメチャクチャにしてきた。
ウィラードが最初に観た近代兵器を駆使した戦場。キルゴア大佐の部隊が襲った村には死屍累々。女も子供も死んでいる。嬉々として“死のカード”を死体に置くキルゴア。
宗教色の強いカーツの王国でも死体が転がっている。彼らがどうして殺されたか解らないが、見せしめなのか木に吊るされた死体も。カーツの王国の壁に書かれた『our motto:apocalypse now(今こそがこの世の終わり。それが我々の座右の銘。)』。そしてカーツ暗殺と王国の爆撃命令。

コッポラも良く解らなくなったって言うこの映画の着地点が、近年まで続いたベトナム戦争の歴史に、白人による支配の歴史を重ねて観せて、狂人と英雄の違いは、裁く側の立場が見て“健全か不健全か”でしかない。カーツを裁く立場はアメリカ軍。だけど現地の兵士、住民、敵、はたまた神の視点で観ると、キルゴアとカーツの行動は同じである。
コレが着地点だとすると、最後は王国への無差別爆撃で締めて、最初に戻って無限ループ、いわゆる無限地獄こそが- apocalypse now –な気がする。
だからドアーズの“The End”で始まる。
話を広げすぎて畳めなかったから、ベトナム戦争に絞ったオリジナル版。一旦深呼吸して、当初の構想でまとめてみた特別完全版。って棲み分けだろうか?
地獄の黙示録で燃え尽きた感のあるコッポラ。カーツを殺して武器を捨てて…って特別完全版以降の爆撃のない静かなラストは、この映画に色んなものを吸い取られたコッポラの、この無限地獄から開放されたい感の現れな気がする。
K&Kさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2022-10-02 19:38:39)
138.ネタバレ 再見。
この映画を「ヴェトナム戦争」を描いたものと見るか、「カーツ大佐抹殺」の物語として見るかで受け取り方はまったく違うものになるだろう。

ウィラードの下に付いた部下(と俺ら視聴者)たちはヴェトナムの惨々たる光景を眼に焼き付け、何度も似たような光景を見て慣れきったウィラードにはヴェトナムの狂気や惨禍など気にしている余裕はない。

ワルキューレ騎行とともにヘリが村を焼き払うシーンのスペクタクルと残虐さ、そしてマーロン・ブランドの人殺しまくってるような強烈な演技を見るだけでも価値がある。

冒頭からこの映画はヘリ、ヘリ、ヘリが飛び交い火炎を吹きまくる。
うっそうとした森を横切るヘリ、不気味なローターの金切音、森は猛烈な煙とともに爆炎に包まれる。軽快な音楽とともに、まるで楽しむように森に火を投げ込むのだ。

そこから男の回想が始まる。脳裏にこびりつくベトナムでの地獄。写真の女性は妻だろうか?煙草、酒、枕には護身用の銃。
シーリングファンが連想させるヘリ。パンツ一丁で酒をあおり、踊り狂い、ガラスにぶつかって血を流す。

そんな男に依頼される裏切り者の抹殺。酔いつぶれた男に、雨のようなシャワーを浴びせて目を覚まさせる。

劇中最大の見せ場である「ワルキューレ騎行」の場面。
サーフィンをするために敵を村ごと吹き飛ばすシーンは強烈だ。爽快感と人間の狂気をいっぺんに見せ付けられる。どうしてキルゴア大佐が主人公じゃねえんだっ!!!!!

その後の完全版における狂気100%な場面の連続も凄まじすぎてドン引き。
プレイメイトたちとの乱痴気騒ぎ、船で密林をひたすら進み続ける疲労感、捕虜たちに下す残酷な決断、無秩序状態の兵士たちが繰り広げる地獄の光景。
リボンて…考えただけでもゾッとする。女の方が痛いんだぜ。

カーツ王国ワールドは凄すぎ。何千人も人殺してそうな凄みを感じさせるマーロン・ブランドの存在感。怖ええよ。
煙が渦巻く魔窟、祭りに興じる人々、暗闇の中から問いかけを繰り返すカーツ。

軍人として任務を遂行する!泥の河が、建物の暗闇が主人公の姿を包み隠す。雷鳴の閃光、牛を鉈で屠殺するように、返り血を浴びて。残された書類、集まる群衆を睨み付け去っていく。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-12-15 21:36:46)
137.劇場版は残念な評価でしたが完全版で180度評価が変わりました。サーフボード、プレイメイト、フランス農園の追加シーンがとても素晴らしい余韻を残してます。これらの長くて完成された”絶対に必要であったであろうシーン”を削除してしまった劇場版は、明らかに編集ミス&イミフな映画の代表になってしまっています。「ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録」からもその辺の混乱は見て取れますが、おそらく監督自身も映画の完成形がまだまとまっていない中で編集したんだろうと思われます。追加シーン(多少のシーン入れ替え等)のおかげで、ロードムービー・哲学ムービーとしてもかなりの完成度に生まれ変わったと思います。

賛否が分かれるフランス農園のシーンですが、私はこのシーンが大好きです。政治的な立場や国柄による意識の違いなど、割と詳細に会話してくれることで映画がより哲学的で分かり易いものになったと感じました。副次的ですがロクサンヌの美しいシーンも堪能できますし、これからやってくる「この世の地獄」へ向かうにふさわしい追加シーンだったと思います。
また、確かに全く必要がないプレイメイトとの情事のシーンに関しても、あの雨の雰囲気、何もかもが壊れてしまっているようなあの雰囲気は捨てがたいです。サーファーのランスが壊れていくのもこの頃からで、ベトナム戦争の虚しさを感じさせます。エンディングの全カットに関しては「全て殲滅せよ」というメモとの整合性を考えると違和感を感じますが、まあ、評価には影響しない程度です。

名作ですが大人になってから感じるべき映画だと思います。なかなか人にはお勧めしにくい映画ですが、私にとっては年に一度は鑑賞するマイベストムービーです。(劇場版は見ませんが)
アラジン2014さん [DVD(字幕)] 9点(2014-09-04 17:06:26)
136.ベトナム戦争を描いた映画は数あれど、古典をベースに戦場を神話のように描いた本作は、その他のベトナム戦争映画とは一線を画すね。ただただ描かれる「狂気」。だけど、それが美しい、たまらん、ぞくぞくっとする!!戦争に行って機関銃を乱射し、人を殺しまくりたくなる。そんな気持ちにさせる映画です。
映画省次官さん [DVD(字幕)] 9点(2011-09-15 00:40:37)
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【点数情報】

Review人数 155人
平均点数 6.56点
021.29%
131.94%
231.94%
363.87%
4117.10%
52818.06%
61912.26%
72314.84%
82516.13%
91912.26%
101610.32%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.27点 Review11人
2 ストーリー評価 7.26点 Review15人
3 鑑賞後の後味 6.93点 Review16人
4 音楽評価 7.64点 Review14人
5 感泣評価 3.00点 Review4人

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