映画『Z』の口コミ・レビュー

[ゼット]
Z
1969年アルジェリア上映時間:126分
平均点:8.32 / 10(Review 28人) (点数分布表示)
公開開始日(1970-11-21)
ドラマサスペンスミステリー政治もの歴史もの小説の映画化
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2017-07-15)【S&S】さん
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監督コスタ=ガヴラス
演出イヴァン・シフレ(スタント・コーディネーター)
キャストイヴ・モンタン(男優)Mr.Z
イレーネ・パパス(女優)エレーヌ
ジャン=ルイ・トランティニャン(男優)予審判事
ジャック・ペラン(男優)新聞記者
シャルル・デネ(男優)マニュエル
フランソワ・ペリエ(男優)検察官
ベルナール・フレッソン(男優)マット
マルセル・ボズフィ(男優)ガヤ
マガリ・ノエル(女優)ニックの妹
レナート・サルヴァトーリ(男優)ヤゴ
ジェラール・ダリュー(男優)
ジャン・ダステ(男優)イリヤ・コステ
ラウール・クタール(男優)英国人外科医(ノンクレジット)
ジャック・モノ検事総長(ノンクレジット)
黒沢良Mr.Z(日本語吹き替え版【TBS】)
西沢利明予審判事(日本語吹き替え版【TBS】)
古川登志夫新聞記者(日本語吹き替え版【TBS】)
大木民夫長官(日本語吹き替え版【TBS】)
西村知道検察官(日本語吹き替え版【TBS】)
中田浩二マット(日本語吹き替え版【TBS】)
安原義人マニュエル(日本語吹き替え版【TBS】)
飯塚昭三(日本語吹き替え版【TBS】)
広瀬正志ヤゴ(日本語吹き替え版【TBS】)
上田敏也(日本語吹き替え版【TBS】)
脚本ホルヘ・センプラン
コスタ=ガヴラス(ノンクレジット)
撮影ラウール・クタール
製作ジャック・ペラン
配給コロムビア・ピクチャーズ
あらすじ
平和主義思想の指導的立場にあるZ博士によって、軍事政権を批判する集会が開かれた。会場の外には多くの群集が集まり、機動隊が警備に当たっていた。演説を終え、会場から出てきた博士は突如乱入してきた車にはねられ、その後死亡する。警察は事故死として処理しようとするが、事件担当の予審判事は調査を進めるうちに、暗殺の疑いを強くしていく…。
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💬口コミ一覧

28.とことんリアリズムを追求し、ポリティカルな題材を敢えて中心的に描き、どんな難しい内容でもしっかりとエンターテイメント性を忘れないコンスタンチン=コスタ・ガブラスの文句なしの代表作。最近じゃ「マッド・シティ」とかハリウッドに渡って映画を撮ってるガブラスですが、私が高く評価しているのは「ミッシング」まで。もちろん、近年の作品も亜流の社会派エンターテイメントと異なり、ヒーローが誰一人たりとも存在しない世界観を基調とし、独特のドキュメンタリー的手法からキャラクター描写をし、それでいてガブラス特有のブラックさは最近には無い。そんなフィーリングが見事に爆発しているのは本作品であり、過去にアカデミー外国語映画賞を受賞した作品の中でも、かなりの上位にランクインしてもおかしくない映画ではなかろうか。1人の反体制派の議員を沈めるために行われる人々の妨害工作。それが挙句の果てには殺人にまで発展し得るという狂ったような構図をクールな視点から描ききった、文句なしの傑作。
チャーリーさん 10点(2002-05-21 20:11:43)
27.最高水準の政治映画。客観的な事実描写、鮮やかなカメラワーク、無駄のないストーリー展開、そして衝撃のラスト。完全無欠の傑作。
Xさん 10点(2002-11-03 08:49:15)
26.音楽のミキス テオドラキスが獄中で書き上げた音楽ということもあって、他の映画にはただならぬ気迫というかもうキレの良さがいい意味でおかしいんですよね。彼の主張が音楽にすべて凝縮されています。僕もモンタンみたいに、この映画を見たときは棍棒でぶんなぐられたような衝撃を覚えました。一般の人には社会主義だの、アバンギャルドだの、なんだの、そういう話は学者や知識人がするものだという概念のようなものをこうやって娯楽映画のようなものにして、普通の人にもわかりやすく、かつ重く描いていて、この監督を尊敬してしまいます。
通りすがりさん 10点(2002-12-24 15:29:44)
25.うひゃあー。嬉しい、他の人がやはりそういう高い評価をしていたことが。大学生のときに夜中に一人で見てました。あまりの衝撃のラストと映画の内容の深さに感激して、映画マニアの両親に話したら、「あれはいいでしょう」と二人が言ったことを覚えています。もうずいぶんまえなので細かい描写ははっきり覚えていないのですが、アメリカ映画しか見たことのなかった私に開眼させてくれたような映画でした。
みんみんさん 10点(2003-01-30 18:10:53)
24.モンタンの出番少ない。記者がなんとなくブルース・ジョンストンぽい。後味悪。
kettさん 8点(2003-04-04 00:49:50)
23.↓みんみんさんの気持ちわかります。やっぱり一人で見ていて、見終わってからしばらく足腰が立ちませんでした。映画は色々と幅広く見てきていたつもりでしたがすごいショックでした。政治+サスペンスの大傑作です。
サボてんさん 9点(2003-05-10 00:54:36)
22.社会派色を色濃くそしてリアルに描写しつつも、いかにもバレバレな陰謀やどこにでも都合良く出入りするキーマンの記者など、リアルとは程遠い描写も随所に見られる。しかし最後まで見ればそれらがすべて確信犯的に作られていることが解かる。映画は見せるものというのを前提に、シリアスにそしてコミカルにブラックユーモアを効かせた良作です。
R&Aさん 8点(2003-11-25 17:59:49)
👍 1
21.役者としてのイヴ・モンタンが好きだったのもあって、最初にこの作品を深夜放送で見たときから、最も好きな作品になったと言ってもいいかもしれない。
①事件が起こるまで。②事件が起こって調査に乗り出すまで。③調査開始からクライマックスまで。
と、大別して3つに分けることができるのだが、後半以降、特に③辺りから、アドレナリンが最大限に分泌される。
常に冷静で、思想に囚われずに客観性を重視しながら聞き取り調査を進めていく検事が、ある段階に来て、思わず口を滑らせ、
記録担当係に再確認される辺り、ユーモアのセンスがキラリと光ると共に、心理描写としても非常にうまい。
そしてエンドロール間際の最後の語りは何度見ても鳥肌モノだ。
あむさん [地上波(吹替)] 10点(2003-12-21 19:30:53)
20.僕はわりとサスペンス映画ってのは登場人物が多すぎたり、途中で話が掴めなくなったりするんで苦手なんですけど、これは良かったですね。ただ、エンターテイメントに徹したところに逆になんか引いた。政治がらみで凄くヘビーな内容なのに、そのせいでちょっと軽くなった感あり。
Keith Emersonさん 7点(2004-02-11 03:34:56)
19.ギリシャでの実話を元にした作品で、ギリシャでは上映禁止だったそうです。公開当時の社会的意義は認めるけれど、純粋に映画としてはどうかな?と思う所もありました。どうも警察の人間の描き方が単調な気がして・・・。あの、証言しようとして頭を殴られた男の描かれ方は好きなんですけどね。でもやはりラストシーンは衝撃的。そうか、だから「Z」なのか・・・。
ぐるぐるさん 7点(2004-02-11 18:25:49)
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18.「ダラスの熱い日」と続けてみた。どちらも実話をベースに脚色を加えた暗殺モノ政治サスペンスだが、ダラスの方がやや上かな。ストーリーはまあまあ楽しめるのはずなのに、モンタン以外の役者陣の存在感が皆薄いので、彼が死んでからは作品の軸が定まらず、ちょっと退屈する。
東京50km圏道路地図さん 5点(2004-02-12 01:48:44)
17.ネタバレ 1969年、フランス。まさに政治の季節。そんな時代に、実話を元に、政治的な謀殺や反政府運動をテーマに撮られた映画と聞いただけで、重苦しくイデオロギーバリバリの作品かと思うが、観た印象は全く異なる。誇張された政府側の人々の言動は、ある種コミカルですらあり、素直に演技の妙を味わえる。演出面でも、テンポのよい展開の中に、唐突に挿入されるフラッシュバックがアクセントとなり、心地よい緊張感でストーリーを引っ張っていく。特に音楽が秀逸で、冒頭から独特な作品世界の構築になくてはならない要素として機能している。権力が張り巡らせる罠の恐怖を描いていながら、決して主張を押し付けるのではなく、むしろ楽しんで見られる傑作。後半は判事のヒロイックな奮闘を中心に据え、ハッピーエンドを期待させるが、あっさりそれを裏切るラストが重い余韻を残す。全編に溢れる、熱い政治の時代を象徴するかのような太陽の光が、逆に現実の冷たさを際立たせている。
眠い悪魔さん 8点(2004-03-01 02:09:48)
16.恐るべし国家権力、その圧力がとてもわかりやすく描かれていた。非常にサスペンスチック。
スルフィスタさん 9点(2004-03-01 21:56:54)
15.ネタバレ 脚本・演出・撮影・音楽・キャスト、全てが素晴らしい。自分の欲を満たすために、相容れない主義・主張を国家権力を駆使して抹殺しようとする権力者達。身の危険に動じないイブ・モンタンや、検事に良心を問われてそれに起訴で応えたジャン・ルイ・トランティニャンの静かな怒りと気迫(渋すぎる)に、信念を持った人間の強さを感じた。ラストで実話を元にした作品のせいか、国家の力が個人の力よりも圧倒的に優位だという絶望的な現実を見せつけられる中での僅かな希望、ナレーションの『Z』の意味が胸に響いた。
The Grey Heronさん 10点(2004-05-26 22:31:51)
👍 1
14.宗教と王室を守ることを第一義とする右翼体制の政府、警察国家、統治国家に対するコスタ・ガヴラスの批判的思想が生み出した作品であり、また、この作品の歴史的背景には驚嘆させられるしかないのだが、そんな思想より、背景よりも、この演出力である。独特な音楽も大きな魅力の一つであるが、群を抜いているのはカメラワーク。これほどまでに大胆で滑らかな動のカメラを私は知らない。ショットが短く複雑で、クロースアップも多用しているのに疲れさせることなくそれぞれのショットが流麗に繋がっている。モンタージュ技法を応用したフラッシュバックも過不足ない情報量が詰め込まれ、過去の出来事や心象を見事に伝えてくる。これはもう、とっくに政治作品云々を超えた「映画」であろう。細部に至るまでのリアリズムが貫かれているわけではないが、判事と同じく観客も中立の立場から作品に参加させる意図と、演出力によって敢えて行われる軽量化により、魅きつけられてしまう。映画の持ち得る力や魅力が分かり易く詰まった大傑作である。
stroheimさん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-09-24 12:46:32)
13.ネタバレ 前知識なくいきなり観たので、まさかこれほどまでに思想的・政治的な作品だとは思わず、面食らった。

しかし、とてもスピーディな作品で、苦もなく観ることができた。
その時点で既に傑出した作品だ。

主演のイヴ・モンタンは、中盤であっさり殺されてしまい、これまた面食らった。
これで主演とは。

それにしても、イヴ・モンタンって、こんなに長身だったっけなぁ。
スーツ姿でユラユラと歩く姿が、とても威圧感がある。
すごい存在感だ。
にじばぶさん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-01-21 21:04:02)
12.ネタバレ 優れた映画作品には、3つのE、すなわち「3E」が備わっていると言います。その3Eというのは、「Educational(教育的で)」、「Enlightening(啓蒙的で)」、「Entertainment(面白い)」の3つです。その観点から言うと本作は、まさにこの3つの要素が備わった傑作中の傑作であると言えます。演説場での暴動と、議員が暗殺される一連のシーンの緊張感とダイナミズムは本当に素晴らしい!そして真実を追い求める予審判事と事件を収束させようとする国家権力の息をもつかせぬ闘い!国名こそ上げていないものの、当時のギリシャの軍事政権を批判した内容となっており、事実に即した悲惨な結末が待っていても、やはりこの作品には大いなる希望を見いだす事が出来ます。それは、真実はどれほど覆い隠そうとしてもいつか必ず暴かれるものであり、自由はいくら抑圧しようともいつか必ず人々の身に宿るという、この世の真理を雄弁に語っているからです。
あろえりーなさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-05-25 23:55:57)
11.ネタバレ 保守とか革新とか、右とか左とか、今ではもうどーでもよくなってきたけど(現にソ連なんてとっくの昔に消滅してしまったけど)、それでも全然古さを感じさせない作品。権力の陰謀というテーマそのものは平凡であるにも関わらず、切り口が非常に斬新で、フランス映画独特のシニカルな味が全編にわたって良く効いている。途中でストーリーの軸足を野党議員から予審判事に移していったところに、作り手のセンスの良さが窺える。あえてケチをつけるとすれば、こん棒で一発殴っただけであんな風になるのかなと思うんだけど、まあ実際にあった事件をモデルにしてるらしいので・・・。それにその辺はあまり本質的ではないし、ということで納得。バシリコスの原作を読みたいと思ってさんざん探したけれど、絶版になっているらしく結局見当たらず。残念。
鳥居甲斐守さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-06-08 19:20:27)
10.ネタバレ 「正義が勝てない」社会の恐ろしさを描いている映画ですね。途中までは、J・L・トランティニャン演じる予審判事が権力の陰謀を痛快なまでに暴き立てる政治サスペンスなのですが、予審判事が要人を告訴してからラストに至る展開こそがこの映画が伝えたい事であると言っても良い位重いです・・・・・。

 最後の締めくくりの素晴らしさ、格好良さは特筆に値します(やや、プロパガンダ映画的ではありますが)。
TMさん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-19 19:41:45)
9.ネタバレ 非常によくできた政治サスペンス
2時間飽きずに引き付けられる映画はそうざらにあるものじゃないが、これはその1本だろう。

暗殺事件までの異様な雰囲気、そして事件後の展開。
ときどき入るフラッシュバックや音楽、余計なシーンがほとんどないカットなど、随所がうまく作られている。

そして後半に判事が猛然と追い込みをかける。
孤高のヒーロー的に次々要人を告訴していくのは圧巻。
そして満足して終わろうかというところであのニュースのラストで絶望へと追い落とされる。
しかしこれが現実だともいえる。

全体のテンポがよく、うまくまとまった秀作。


最後に
これを「左翼はもっと頑張らねば」的に読んでいる人が(ここにはいないようだが)巷には多かったりもするのだが、それはこの映画を根本的に取り違えている気がする。
監督が批判しているのは「全体による圧制」であって、右とか左とかの話ではない。
あえて右左でいいたいならば、いまどき政府の弾圧とか起きるわけもなく、「第四の権力」マスメディアが主力を左翼が牛耳っており、ちょっと危ないことを言うと「軍国主義、戦争賛美、危険人物」的な取り扱いを受ける(実際それで大臣の首が飛ぶこともままある)この日本で、「全体」の側に立っているのは一体どっちかを考えてみて欲しい。実際、言論弾圧法案である人権擁護法は左翼の側から出されているのだし。
さらに言えば、この監督は次に共産主義を痛烈に批判する映画を撮っている。そして今ある共産主義国(中国とか北朝鮮とか)を応援しているのは左右どちらだろうか。
θさん [地上波(字幕)] 10点(2008-08-14 23:15:35)
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マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 28人
平均点数 8.32点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
513.57%
613.57%
7828.57%
8414.29%
9621.43%
10828.57%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 8.50点 Review2人
3 鑑賞後の後味 9.00点 Review2人
4 音楽評価 9.50点 Review2人
5 感泣評価 Review0人

【アカデミー賞 情報】

1969年 42回
作品賞 候補(ノミネート) 
監督賞コスタ=ガヴラス候補(ノミネート) 
脚色賞ホルヘ・センプラン候補(ノミネート) 
脚色賞コスタ=ガヴラス候補(ノミネート) 
編集賞 受賞 
外国語映画賞 受賞 

【ゴールデングローブ賞 情報】

1969年 27回
外国語映画賞 受賞 

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