映画『永遠と一日』の口コミ・レビュー

永遠と一日

[エイエントイチニチ]
ETERNITY AND A DAY
(MIA EONIOTITA KE MIA MERA)
1998年ギリシア上映時間:134分
平均点:6.30 / 10(Review 33人) (点数分布表示)
ドラマ
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2014-05-26)【ESPERANZA】さん
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監督テオ・アンゲロプロス
キャストブルーノ・ガンツ(男優)アレクサンドレ
ファブリッツィオ・ベンティヴォリオ(男優)詩人
脚本テオ・アンゲロプロス
ペトロス・マルカリス(脚本協力)
トニーノ・グエッラ(脚本協力)
ジョルジオ・シルヴァーニ(脚本協力)
音楽エレニ・カラインドロウ
撮影ヨルゴス・アルヴァニティス
アンドレアス・シナノス
製作テオ・アンゲロプロス
ジョルジオ・シルヴァーニ
配給フランス映画社
美術ヨルゴス・パッツァス
編集ヤニス・チッチョプロス
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💬口コミ一覧

33.必ずしもアンゲロプロスの映画なら何でも肯定する者じゃないけど、この作品だけは心の底から感動し、たぶん一生忘れられないだろうな。いつもは大文字の「歴史」が否応なく「個人」の運命を翻弄する…てな図式性=観念性が鼻につくところもなきにしもあらず。が、ここではひとりの知識人の内面の「孤独」だけが、きわめてヴィヴィッドに、そして人間的な共感を込めて描かれている。特に、主人公の初老の男が、去りゆく難民の少年に「もう少し一緒にいてくれ!」とすがる場面で胸が張り裂けそうになった…。先入観なしで見てください。ほんと、素直に”良い”映画ですから。
やましんの巻さん 10点(2003-07-15 14:51:24)
32.ネタバレ  純粋に、映像、台詞、音楽の美しさに心を打たれ、映画に登場する多くの孤独な人間の翳のある美しさを素敵だと感じた。バスに乗り込んできた孤独な求道者たちが、何より印象に残る。最後にさす一瞬の光が切ない。
アイカワさん 10点(2003-06-22 13:31:29)
31.カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲ったというあまりにも理不尽な理由で観るのを決めた映画ですが、これがすっごくよかった。人生最後の一日を迎え その日をアルバニア系の難民の子供と過ごした主人公は、それらを通じて奥さんの愛というものに気付く。ピアノの曲とゆっくり動くシーンが、主人公にとっての最後の‘時間’をより鮮明に浮かび上がらせているのもまたいいですね。所々で挿入される奥さんとの回想シーンも、素晴らしい。主人公は、最初は奥さんにそっけない態度をとってたけど、徐々に愛するようになる。そして、最後はそれが永遠と続く。なんか、僕はこの主人公に共感が持てるなあ。とにかく、これは他人にも観るのを勧めたいほど非常に素晴らしい映画です。滅多に感動しない僕が感動してしまいましたから。
ネクセルさん 10点(2002-09-17 12:06:07)
30.ネタバレ テーマはもちろん「人間の孤独。
詩人、詩人の妻、詩人の母、そして、不法入国の少年、
それぞれの孤独が澄んだ美しい映像とセンチメンタルな音楽の中で響きあう。
誰の孤独に自分を重ねるか?
知り合いの女性は、詩人の妻、と言っていた。
私の場合は、もちろん、「亡命者」、いつでもよそ者、という
詩人の孤独が自分と重なってつらい。
こんな映画には感動できないほうが幸せなのだろう。
人間は一人では生きられない。
しかし人間は一人で生まれて一人で死んでゆく。
人間の言葉は不完全だ。
二人の人間が同じ場所を占めることはできない。
だから人間は孤独だ。
人は死ぬ。人は孤独だ。
人はわかりあえない。
これらは人間の条件であり、どうにもならないことだ。
だから、この地点が出発点なのだ。
だから、人は生きようとする。
群れて、協力してなにかを成し遂げようとする。
なんとか近づき、わかりあおうとする。
どんなに幸せそうに見えても、
人はどうしようもなく孤独なことがある。
仲間に囲まれて幸せそうに見えた詩人の妻の孤独は、
残された手紙によって「発見」される。
そして、(自分だけではなくて)誰もが孤独だ、
ということを普通よりも強く認識するものが、
誰かをほんの少しだけ幸せにすることができる?
のかもしれない。
妻の孤独を知り、少年の孤独を知り、
母の孤独を知った詩人は、
病院にはゆかない、と決め、「言葉」で妻を取り戻す、と言う。
彼は残された命をどう使うのか?
ラストシーンはお約束どおりとはいえ、やはり号泣ものだ。
映画は詩人の救済を予感させる形で終わる。
でも、その「希望」はどうしてこんなに苦いのだろう?
xr4000さん [DVD(字幕)] 9点(2005-05-24 22:30:19)
29.生きていく怖さと死に向かう怖さが出会って、静かで優しい思いが染みてきた気がしました。ブルーノ・ガンツの笑い顔がしあわせそうに悲しくて、こんな笑顔はひさしぶりに見たような気がします。最後まで名無しのままの少年の笑い顔とともに悲しいけれど癒されてしまいます。アンゲロプロスの映画に出会えて幸せです。苦しいほどのリグレット。逝く前に耳に響いてくるのは誰が自分を呼ぶ声なんでしょうね。
omutさん 9点(2003-07-15 02:38:34)
28.寝る映画が必ずしも駄目映画でないことを教えてくれた作品。映画館で2回観ました(一度目は半分で寝ました)。詩とコート(外套)の映画です。映画そのものが哀愁たっぷりの詩のようなもので、芸術性が本当に高い。すばらしい。そして、なぜかコートを着た人が大勢出てくる。ブルーノ・ガンツの黒いコート姿は、彼のマジの私服らしいです。アンゲロプロス監督に「そのまま出てくれ。」って言われたのだとか。男の子が焚き火を囲んで「ォォ、セリム」と黄昏れるシーンは新手の催眠術かと思いましたが、一番鮮烈に頭に焼きついたのもこのシーン。
クーさん 9点(2003-03-23 06:07:35)
27.ネタバレ 政治的要素はあまりなく、2時間強の長さのため、アンゲロプロスの中では取っつき易い方。
それでも初見時は長回しや難解な台詞の数々でしんどかった。
エレニ・カラインドルーの音楽と時空を跳躍した撮り方が頭から離れず、数年後再見したら秀作と再評価。

妻に先立たれ、自らも死を目前にした老詩人の魂の彷徨。
アルバニア難民の少年の強かさと未来への眼差し。
交錯する生と死。
"永遠"になった過去と新しい"一日"を刻み始める現在。
難しく考える必要はない。
これは新しく生まれ変わった詩人の物語だ。
Cinecdockeさん [地上波(字幕)] 8点(2015-09-06 15:33:02)
26.「時とは、浜辺で石遊びをする子供」、「明日は“永遠と一日”」。美しい言葉と映像に心がしびれていくのがわかりました。男の子役もすばらしかったです。
HRM36さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-09-01 08:37:11)
25.ネタバレ この監督が紹介され出したころの作品は、叙事詩と抒情詩が拮抗しているようなところに魅力があったんだけど、どうもこのころから抒情詩のほうへ傾斜していっていて、なんかもう一つ固い芯がほしいところ。叙事詩的な部分の映像のほうがいい。横一列の車、横一列の警官。十名ほどの人がぞろぞろ歩くってのは、もうこの人のサインみたいなシーン。結婚式の場面などは、またかと思うがやっぱりいい(この人はミュージカル監督なんだと思ってる)。そして水辺ということ、海、川、港、ここらへんは抒情詩的な題材だけど。国境の金網にぶら下がる人々、死体置き場の階上から見下ろす人々、つまりどれも“人々”の映像がいいんだ。そもそも“無言の無名の人々”っていうのが、叙事詩的なんだろうな。いつも一縷の希望を託すようなラストだったのだが、今回の朽ちたテラスでの幻影のダンスってのは、この人にしては退嬰的な気がした。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 8点(2008-12-10 12:13:05)
24.画面に集中して観ていないと話の筋が分からなくなるようなアンゲロプロス作品の中でも、これは比較的分かり易かったので良かったです。言葉を買う詩人の話をする主人公の語り口や、亡き妻との想い出が巧みに交錯する辺りの演出は見事としか言いようがありません。彼にとってはこの一日が一瞬の時間であり、また永遠でも有り得る。この映画をもう一回最初から観るには根気がいるけど、長い長いワンシーンの中で完全に見届けることの出来なかった細部までまたじっくり見直したいです。それにしてもギリシャのバスって面白い構造をしていますね、一度乗ってみたくなりました。
かんたーたさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-14 18:47:47)
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23.永遠とは全てを包括し総括した絶対的な概念であるはずなのに、同時に絶望的に曖昧で不確定で、具体に寄らない卑怯で狡猾な逃げの表現でもある。永遠とは不確定と不毛と矛盾の総体だと思う。永遠というプログラムには脆弱性があって、それを埋めてくれるアップデートはないのです。老人の最後の一日。永遠の通過点の1つに過ぎない一日。だけれど時に、極度に限定された一日の質量は永遠のそれに匹敵するのだ、とこの映画は提示する。それは厳しく優しい矛盾、永遠が持つ脆弱性でした。老人の最後の一日、だけれどそこには紛れもない永遠がありました。優しく穏やかな「永遠」という澄んだ混沌がありました。
ひのとさん 8点(2004-11-21 12:03:28)
22.1ショットずつが非常に長いんですけど、カメラはあんまりアングルを固定せずに、ゆるやかに移動やズームを繰り返して、一種独特の時間感覚があります。そうやって描かれる、ある一日。同じ一日でも違う人の目には違うように映るというのは、まあ当り前の事ではあるのですけど、改めて気づかされます。そういう時間の多重性が「永遠」でもあるのでしょうか。
鱗歌さん 8点(2003-09-12 21:46:26)
21.この人物設定をハリウッドで製作していたら、もっとてんこもりのドラマチックさに、お涙頂戴の映画を作っていたでしょう。しかし観終えて何年後までも深い印象を残すのはこちらでしょうね。ラストのワンカットは凄い。
るーすさん 8点(2003-01-26 23:15:09)
20.切ない雰囲気や音楽はとても好きなのですが・・・どうも退屈してしまいますね。テオの作品を4本も続けてみたからなのかもしれませんが。
トナカイさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-02-09 23:16:11)
19.長回しのカメラ、虚実の入り混じった展開に飽きた部分もあるが、終わってみれば滝のように涙が流れた。孤独な年寄りの出てくる映画にはヨワイ。
mimiさん 7点(2004-02-08 20:25:06)
18.ネタバレ  明日の時の長さは 永遠と一日 すてきでした。 
jamiさん 7点(2003-11-09 00:07:53)
17.この系統の作品を初めて見る人は(間違いなく)眠くなるかも?睡眠薬その1:長回しが結構多いけれども、それはタルコフスキーのそれとは違い、嫌になる(トイレに立てる)ほどではないと思います(笑)その2:さらに、台詞の無い場面も多用されていますが、それぞれ印象的で、後から(ここがミソ)じわじわ来る感じです。「明日の時の長さは?」「永遠と一日・・・」私は結構好きです。
クロマスさん 7点(2002-12-30 02:50:10)
16.ヨーロッパ映画特有の、すごく雰囲気のきれいな映画だと思いました。私がまだまだ幼いせいかストーリーが雰囲気に食われてるような気が少ししたけど、ガンツが素敵なので個人的に大満足です。「言葉」が大きく関わってるので、現地の言葉の響きを知ってるともっと楽しめるんだろうな...
ジャガーさん 7点(2002-09-23 23:49:12)
15.テオ・アンゲロプロス監督作品はこの作品を観るまで「霧の中の風景」しか観てない私が言うのも何だけどその映像の美しさやら長回しなどはこの監督が詩人であると言われる理由であると見ていて感じることが出来る。一方で見ていてもけして、つまらないことはないが、もう一度、見たいか?て聞かれると私には見たいとは言えないし、「霧の中の風景」のように感動もしなかった。そういう意味では高い点数を付けるのはためらってしまいます。ただ映像の美しい映画は嫌いでないし、低い評価を与えることも出来ない。何とも評価の難しい映画であると共に、美しい映像、静かな中に人生に対する厳しさ、老いていくことの辛さ、そういうものが全て描かれているような言葉なんかなくても映像の力だけで見せてしまうという監督の映像的なセンスというものはここでもまた感じることが出来た。
青観さん [ビデオ(字幕)] 6点(2010-02-21 18:37:39)
14.いきなり「時間とは、浜辺で石遊びをする子供」ときた。最後は「明日の時間は“永遠と一日”」ときた。哲学的であり詩的である。そして難解である。時間の境界が取り払われ現在と過去が同じ画面上に映される。亡き妻が言うところの「私の日」、そして19世紀の世界が主人公の最後の1日である現在の中に現れる。明らかに現在とされるシーンにも恐怖をイメージ化したような国境シーンや不法滞在の少年を取り締まる警察の劇的な登場の仕方など、随所に幻想性を覗かせている。難解と書いたが、こういった映像にある醍醐味はじゅうぶんに楽しめる。そこに難解さは無い。意味を求めなければいいのだ。しかし意味を求めざるを得ないような映像であることも確かで、それでも映像に関しては全然いいとしても、発せられた「言葉」には、ただ詩的な映像を増幅させるためだけではなく、やっぱり必ずそこには意味があり、映画に没頭する傍らに意味を模索する自分がいて、時間と共に疲れてきてしまうのだ。重要な「言葉」が一つ二つならいいのだが。また無視できればいいのだが、なまじ映像が美しく、また考えるにはとっておきの静かな間が多いので無視できないのだ。だから映像における感動があっても常に消化不良感が伴う。
R&Aさん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-07-06 19:07:55)
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【点数情報】

Review人数 33人
平均点数 6.30点
013.03%
113.03%
213.03%
326.06%
426.06%
5515.15%
639.09%
7515.15%
8721.21%
939.09%
1039.09%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 Review0人
3 鑑賞後の後味 Review0人
4 音楽評価 8.00点 Review1人
5 感泣評価 Review0人

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