映画『静かなる決闘』の口コミ・レビュー(2ページ目)

静かなる決闘

[シズカナルケットウ]
The Quiet Duel
1949年上映時間:95分
平均点:6.37 / 10(Review 27人) (点数分布表示)
ドラマ戦争もの医学ものモノクロ映画戯曲(舞台劇)の映画化
新規登録(2003-10-08)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2021-01-11)【イニシャルK】さん
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監督黒澤明
キャスト三船敏郎(男優)藤崎恭二
志村喬(男優)藤崎孝之輔
三條美紀(女優)松木美佐緒
千石規子(女優)峯岸るい
中北千枝子(女優)中田多樹子
植村謙二郎(男優)中田龍夫
山口勇(男優)野坂巡査
町田博子(女優)今井看護婦
宮島健一(男優)骨董屋
須藤恒子(女優)アッペの母
原作菊田一夫「堕胎医」
脚本黒澤明
谷口千吉
音楽伊福部昭
撮影相坂操一
企画本木荘二郎
配給大映
編集辻井正則
録音須田武雄(録音助手)
照明柴田恒吉
あらすじ
軍医の藤崎は、野戦病院で中田上等兵の手術中、不注意で自らの指を傷つける。中田の一命は救われるが、藤崎は、中田の梅毒に感染する。終戦後、藤崎は、父の病院で外科医として働くが、藤崎の梅毒は、当時唯一の治療法だったサルバンサンでは完治していない。藤崎は、父や徴兵前に婚約した松木には、梅毒に感染したことを伏せ、一方的に松木との結婚を拒んでいる。六年間待ち続けた婚約者が、何か隠していることに納得しない松木。ある日、藤崎が自分でサルバンサンを注射していることを、看護助手の峰岸に知られる…。
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💬口コミ一覧

7.感染症という題材とともに、一人の医師の苦悩と葛藤を描いたヒューマニズム溢れた作品。
ストーリーの内容を顧みれば、「静かなる決闘」はとてもいいタイトルだと思うし、
主人公の誠実なキャラもいいんだけど、三船はちょっと激情型のイメージが強く、
多少の違和感を覚えてしまう。それでも映像演出面において目を見張るシーンが用意され、
黒澤の真骨頂は十分伝わるのではないかと。主人公のキャラと相反する看護婦役、
千石規子の好演が光る佳作。
MAHITOさん [DVD(邦画)] 6点(2012-06-22 08:24:15)
6.ネタバレ 三船敏郎さん演じる正義感燃える医師と千石規子さん演じる見習い看護師の5分近い長回しセリフのやりとりには圧巻でした。
梅毒って怖かったんですね。
感想が書きづらい映画ですが見ごたえ十分です。
西部劇みたいなタイトルで誤解されそうですね。
クロエさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-01-06 02:54:58)
5.原作が演劇だけに無駄のないしっかりとした構成で、梅毒を扱っていることもとても画期的だ。ただ主人公に三船敏郎を配したのはどうだったのだろうか。堅い雰囲気はどうもイメージ的に合わないように思う。それに比べ看護婦峯岸るいを演じる千石規子には好感が持てる。
ESPERANZAさん [DVD(邦画)] 5点(2013-05-26 22:01:43)
4.ネタバレ 本格的な医療ドラマ。
黒澤が大映時代に撮った映画はハズレが多いが、この「静かなる決闘」はかなりの力作。
医療ヒューマニズムは「赤ひげ」にも受け継がれる。

“音”の映画。雨音、車、ガラスの割れる、人々の叫び、叫び、叫び、「リンゴの唄」の音。
この映画の“決闘”とは、病との、己自身との闘い、対照的な二人の男たちの対比を描いた闘い。
雨と不協和音から始まるオープニング、第二次大戦下へ。
野戦病院、疲れ切った医者たち。雨の音が緊張を持続させる。

静かな三船。戦場ではまだ梅毒の兆候が出ない。
戦場から帰った戦後、愛するが故に結婚を諦めるしかない苦しみ。立ち聞きしてしまった衝撃。壁で踊る女の絵のヌード、花。

酒瓶を振り回そうとするのを止める一瞬。酒瓶を投げようとするのを女の悲鳴が止める。中の酒を震える手で注ぎ溢れさせる。この時から男の破滅は予告されていた。

ハーモニカの音色で笑顔になる人々の表情。欲望を爆発させる三船の一人語り。ドン引きして泣くしかない千石規子。

廊下で対峙する二人の男。看護婦のビンタに力のない反応。ガラスをブチ割り、絶望に沈む姿。
すかあふえいすさん [DVD(邦画)] 8点(2014-12-15 22:48:48)
3.ネタバレ  三船敏郎って人は、こういった物静かで知的な男性を演じても上手いんだなぁ……と、再確認。
 ただ、野性味の強い人物を演じた際に受ける「凄い」という印象に比べると、やや薄味な「上手い」という印象になってしまったのが、寂しいところでしょうか。

 本作の白眉としては、やはり「主人公の恭二が看護婦を相手に、心情を吐露する場面」が挙げられますね。
 それまで溜めに溜め込んだ想いを、一気に爆発させた感があり、圧倒されました。
 徹底的に善人であり続けた彼が「破廉恥な男の、穢れた血液」と言い捨てて、椅子を蹴り付ける様も、衝撃的。
 そんな人間らしい感情の発露も、すぐに収まって、再び元の「献身的な医者」に戻る姿には、感服の念を抱くと同時に、何処か物悲しさすらも感じられて、非常に味わい深い名場面となっていました。

 その後、梅毒の恐ろしさを更に思い知らせるように、あるいは観客の溜飲を下げるかのように「主人公に病原体を感染させた元凶」に罰が当たる展開になったりもする訳ですが、これに関しては、正直蛇足にも思えましたね。
 勿論、こういったシーンがあるからこそ、エンタメとして成立するのだという事は理解出来るし「観客の望むものを提供する」という目線を持ち合わせている辺りが黒澤監督の凄さだとは思うのですが、いくら何でも「主人公の目の前で、彼を不幸にした元凶が更に不幸になる」というのは、都合が良過ぎるんじゃないかなと。
 そもそも、彼と再会したのも、彼の妻を担当する事になったのも偶然な訳だから「破滅するのを見せ付ける為に、わざわざ再登場させたのだ」という強すぎる作為を感じてしまい、今一つノリ切れませんでした。

 観客としては、最後まで婚約者の女性に真実を明かさなかったという主人公の選択に対しても、疑問符を抱かずにはいられない訳ですが、これに関してはラストシーンにて
「アイツはね、ただ自分より不幸な人間の傍で、希望を取り戻そうとしているだけですよ」
 と主人公の父に語らせる形で、彼を全肯定せずに終わってみせた為、さほど気にならず。

 推測になるのですが、彼の選択は「彼女を思いやっての事」という理由だけでなく「愛する人に、自分が梅毒であると知られたくない」という自尊心も大きく作用していたように感じられるのですよね。
 本当に彼女の幸せだけを考えるなら、やはり告白すべきだったと思いますし、それが出来なかったのは何故かと考えると、どうしてもそんな結論になってしまいます。
 つまり、彼女に告白しなかった事を自らの「罪」として考えているからこそ、罪滅ぼしの為に「聖者」と呼ばれるような、献身的な医者になれたのじゃないかな、と思う次第です。

「人間って、俯いて歩いたらダメですよ。ちゃんと胸を張って、上を向いて」
 という励ましの言葉は、看護婦さんに対する優しさだけでなく、主人公が自らに言い聞かせる気持ちもあったがゆえに、生まれた代物なのでしょうね。
 全体的に暗い雰囲気の映画であった中で、最後は前向きな、希望を感じさせるメッセージと共に完結してくれた辺りは、何やら救われる思いがしました。
ゆきさん [DVD(邦画)] 6点(2016-09-15 21:18:30)
2.ネタバレ 黒澤監督の医者映画第2弾。

今回は理性対欲望という、男なら非常に共感の多い映画だ。
こんな映画は平成になっても映画を観続けた自分が、未だかつてお目にかかってない。
でも文学では頻繁に取り上げられる題材だ。

黒澤監督は分かりやすく、話にダレがなく、一気に見せてくるので、楽しみやすい。
看護婦の千石規子が魅力たっぷり。
どこか有働アナに似ている。

さわやかなラストに救われる。
トントさん [ビデオ(邦画)] 8点(2018-05-09 07:49:53)
1.医者としての使命、一人の男としての欲求。
その葛藤が克明に伝わってくる。

一方で黒澤は男女の恋愛を描くのは苦手とみえる。
にじばぶさん [CS・衛星(邦画)] 5点(2020-10-11 20:22:37)
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 27人
平均点数 6.37点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
4414.81%
5622.22%
6725.93%
727.41%
8414.81%
927.41%
1027.41%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.66点 Review3人
2 ストーリー評価 8.33点 Review3人
3 鑑賞後の後味 7.66点 Review3人
4 音楽評価 7.00点 Review3人
5 感泣評価 7.66点 Review3人

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