映画『妖星ゴラス』の口コミ・レビュー

妖星ゴラス

[ヨウセイゴラス]
GORATH
1962年上映時間:88分
平均点:6.66 / 10(Review 38人) (点数分布表示)
公開開始日(1962-03-21)
SFパニックもの特撮もの小説の映画化モンスター映画
新規登録(2003-10-10)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2025-06-09)【イニシャルK】さん
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監督本多猪四郎
助監督梶田興治
キャスト池部良(男優)田沢(宇宙物理学会博士)
久保明(男優)金井達麿(鳳号パイロット)
白川由美(女優)園田智子
水野久美(女優)野村滝子
上原謙(男優)河野(宇宙物理学会博士)
志村喬(男優)園田謙介
河津清三郎(男優)多田蔵相
平田昭彦(男優)遠藤(鳳号艇長)
田崎潤(男優)園田(隼号艇長)
佐原健二(男優)斎木(鳳号副長)
太刀川寛(男優)若林(鳳号パイロット)
緒方燐作(男優)機関員
三島耕(男優)真田技師
天本英世(男優)キャバレーの客
堺左千夫(男優)医者
小沢栄太郎(男優)木南法相
西村晃(男優)村田宇宙省長官
荒木保夫(男優)観測員
沢村いき雄(男優)運転手
山田彰(男優)機関員
野村浩三(男優)観測員
西條康彦(男優)通信員
佐多契子(女優)秘書
佐々木孝丸(男優)関総理大臣
二瓶正也(男優)伊東(鳳号乗員)
桐野洋雄(男優)真鍋英夫(隼号副長)
榊田敬二(男優)政府関係者
池谷三郎(男優)アナウンサー
古谷敏(男優)
勝本圭一郎(男優)
加藤茂雄(男優)
オスマン・ユセフ(男優)
岡豊(男優)南極基地作業員
岡部正(男優)
向井淳一郎(男優)
大前亘(男優)鳳号計算員
宇野晃司(男優)新聞記者
千葉一郎(男優)
吉頂寺晃(男優)
松本染升(男優)
東静子(女優)
原作丘美丈二郎「妖星ゴラス」
脚本木村武
撮影小泉一
製作田中友幸
配給東宝
特撮円谷英二(特技監督)
中野昭慶(特殊技術 助監督)
有川貞昌(特殊技術 撮影)
富岡素敬(特殊技術 撮影)
鶴見孝夫(特殊技術 撮影助手)
川北紘一(特殊技術 撮影助手)
向山宏(特殊技術 合成)
渡辺明(特殊技術 美術)
井上泰幸(特殊技術 美術助手)
岸田九一郎(特殊技術 照明)
美術北猛夫
安部輝明
安丸信行(石膏)
録音下永尚(整音)
照明高島利雄
スーツアクター手塚勝巳マグマ
中島春雄マグマ
その他東京現像所(現像)
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💬口コミ一覧

38.今や大半の人が生まれる前の映画。
今見れば、いろいろ突っ込みどころはあるけど、
戦後17年でこんな作品ができたのはある意味驚き。
日本にこれからの夢と可能性があった時代。
元気と知恵と全世界が協力すれば地球も動かせる
という事で、いい映画じゃないですか。
衝突する惑星を原子爆弾なんぞでぶっ壊すより
ずっといい。時代と科学は進んだが、人の心は後退していないか
と思わせる映画でした。
SHOGOさん [インターネット(邦画)] 10点(2024-12-22 04:10:35)
👍 3
37.円谷特撮の集大成的作品として永遠に記憶に留めておきたい逸品。今、仮にこの作品をリメイクしたとして、果たしてオリジナルを超えるほどのテイストが残せるだろうか。40年も前に創られた映画ということもあって、特撮がチャチという意見もあるようだが、それは古典を読んで“古い!”と言っているようなもので、映画芸術の基本が解かっていない証拠。確かにテクノロジーは進歩したが、しかし現状ではそれを生かせていないばかりか、むしろ後退しているのではないかとさえ思えるだけに、かつてないほどの大胆な発想とアイデアで、これだけのスケール感を伴った作品を創造するのは、今の技術力をもってしても到底不可能だと信じて疑わない。新しい技術をどれだけ膨らませて、それ以上のものを生み出せるかがポイントで、誰でもが達成できるものではない。要はテクノロジーと言うよりも工夫とセンスが問題となってくる訳で、やはりある特殊な能力が必要不可欠となってくる。そういう意味でも円谷特撮の“画作り・見せ場作り”の巧さは、やはり天性のものだと言え、他の追随を許さない。本篇では、日々接近してくる暗赤色のゴラスの姿を、世界各地から遠景で捉えたショットの不気味さや、美しい紋様で弧を描く土星の輪が徐々に歪んで、ゴラスに吸い寄せられるシーンなどは実にリアルであり、息を呑むような美しさを感じてしまうほど。探査ロケットや周囲の星々が一瞬にして消滅していく視覚効果や、津波や地割れといった天変地異のスペクタクルなど、全編が見せ場と言ってもいい程のサービスぶりで、円谷英二は当時の技術をフルに生かして見事なエンターティンメント仕上げた訳だが、単なるマニア向けだけの作品でない事はご覧いただければ解かると思う。
ドラえもんさん 10点(2003-11-06 11:29:45)
👍 4
36.ネタバレ なんて勇敢なのだろう!と、思う。接近する巨大妖星を前にして、「地球ごと避けてしまえ!」っていう劇中の人類もそうだが、それ以上に、1962年という時代にこれほど大規模で大胆なSF大作を作ってしまう当時の日本映画界の心意気に対して、心の底から勇敢だと思う。そして尚、その映画世界の秀逸さに驚く。特撮は明らかにミニチュアであるが、その精巧さと芸術性にはCG全盛の現在であっても舌を巻くしかない。突如として南極に現れる怪獣、結局のところ意図が不可解な主人公の記憶喪失、ジェット噴射で地球の軌道を変えるという設定自体、本来なら突っ込みたくなる破天荒なアイデアのすべてが、ひとつの完成された映画の中で違和感なく息づいている。「今度は北極の海にジェット噴射を作って軌道を戻さなきゃ!」ああ、素晴らしい。
鉄腕麗人さん [DVD(邦画)] 9点(2004-05-19 01:48:56)
35.ネタバレ 妖星ゴラス。このなんとも不思議な題名が興味をそそります。
黒色矮星が地球を直撃して人類が絶滅の危機を迎える。これを官民一体となって大作戦で回避する。ただそれだけなんですが、この映画は今となっては知る人ぞ知るマニア映画になってます。後の日本や世界のSFやマニアに多大な影響を与えました。
宇宙から天体が地球を直撃する危機の映画は昔から有って、今なら、小惑星の「アルマゲドン」、ブラックホールの「さよならジュピター」当たりが代表作ですかね。また、官民一体となって対策する点は、ある意味「日本沈没」や「ゴジラ-1.0」のご先祖さまとも言えましょう。ただ、本作が異彩を放っているのは、危機天体を破壊するのではなく、地球を動かして逃げる、という1点です。地球を動かす、この考え自体は映画界にははるか昔からあったようで、膨大なエネルギーを必要とするから実際には無理という常識的な考えから単純に採られなかったんですが、この映画はそれをやっちゃった。コロンブスの卵、これこそ、センス・オブ・ワンダーです。その後、様々なSF作家が真似をしてます。「トップをねらえ2」なんて、地球ごと質量兵器にしてますものね。2024年には、アメリカの議員さんが、地球温暖化対策として地球を外側に動かそうなんて真面目な提案をしたそうです(阿呆だな~、というのが議会の反応で・・・アメリカって素晴らしい)。
地球移動は制作当時、できる限り計算して、可能と考えてやったというのですが、まあ素人目に考えても無茶な嘘です。動かすエネルギーをたった二年でどこからどう持ってくるのか。核爆発でさえ毎秒5個爆発させて数万年のオーダーがいるのです。これ、ちょっと無理。
映画的な嘘は一杯あります。黒色矮星なんて、現在の宇宙には一つもないと考えられてます。白色矮星が冷えると黒色矮星が理論上存在可能ですが、冷えるのに現在の宇宙が過ごした時間以上を必要とするし、よしんば実在したと言っても、一切の電磁波を発しないので、現在の科学でもほぼ観測不能です。技術的にも、隼号・鳳号は単段式ですから、地上から直接宇宙に出ることはできません。それに、地球が現在の軌道からほんの少し動けばそれだけで、別にゴラスが近づかなくとも地上は大災害。これらは黒色矮星を除いて製作当時にもわかってたことですが、映画の嘘だからと強行したらしい。
でも、いいですね、そんな大嘘ついても、科学を信じる、未来を信じる、国際社会を信じる、当時のイノセントな世相が良く出てます。いい時代だったんですねえ。私はこの映画の雰囲気が好きです。だって、製作1962年ですよ。戦後17年でこれをやった。人類の宇宙飛行が実現したのは、ガガーリンの1961年。その翌年にこれですよ。高度経済成長なんかまだ先の話、その時代にこれを作った、その心意気や良し、です。
ただ、その~、制作技術が追いついていない。この6年後にキューブリックが出してきたのが「2001年宇宙の旅」です。ええと・・・
あと、東宝の悪い癖も出てる。クランクアップ直前に、せっかく円谷が絡むのならと上層部がねじ込んできた怪獣マグマ。監督や脚本が最後まで大反対したのに、結局入れられちゃった。海外版では全カットされているそうだから、意味なし登場なのは普通にわかりますよね。ちなみにマグマの登場するシーンは本来の監督ではなく、円谷英二が演出したそうです。また、マグマの操演の一人に、ゴジラ俳優の中島さんがいるそうで、マニアは喜んでますが、蛇足は蛇足。はるか昔に見たときも、今見直してみてもやっぱり蛇足感は否めません。オトナの事情で金井役の役者を最終盤まで登場させる便法として記憶喪失にさせたのも意味はありませんね。
ただ、悪い映画ではありません。テンポはいいですし、役者もみんながみんな上手いわけではないですが、当時の人気俳優が特撮映画を真面目にやってます。しかも、妖星ゴラスは周辺を探っていくと、いくらでも面白いエピソードが出てくる不思議な映画です。ラスト水没シーンは、実際に川にセットを沈めて撮ったけど、未だにそれが荒川か利根川か論争があるとか。作中のジェットビートルはウルトラマンに流用されたのか、金型だけ流用されたのか、とか。いつまでも楽しめる不思議な映画としか言いようがないです。私は推しますよ、この映画。
えんでばーさん [映画館(邦画)] 8点(2025-01-08 20:43:15)
👍 1
34.ネタバレ ああなんだろう、この爽快感は!これほどまでに観終わって楽しかった映画は無いぞ!!いや、家族や友だちと一緒に観ながら、お腹を抱えて笑ったり、シーンひとつひとつにツッコミを入れることがどれほど楽しいことか。決してバカにしているわけでは無いけれど、SF映画としては先駆けのこの時代では、工事用ヘルメットをかぶって宇宙に行くのがイメージの限界だったのかな。この6年後に作られた「2001年宇宙の旅」や「猿の惑星」は、きっとこの映画が出発点だったに違いない、コンセプトが一緒の「メランコリア」はきっとこの映画を観て制作を決意したに違いない、そう思いたい私でした。
ソフィーの洗濯物さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-11-02 19:37:12)
33.ネタバレ 本多猪四郎、円谷英二両監督によるSFパニック映画。長らくなかなか見る機会に恵まれなかった東宝特撮映画の一本だが、ようやく見ることができた。巨大隕石が地球に向かっていてこのままだと激突するかもしれないというのは「アルマゲドン」や「ディープ・インパクト」と全く同じなのだが、あれらのように隕石を破壊しにいくのではなく地球の軌道を変えてしまうという発想が素晴らしく、また荒唐無稽とも思えるその方法が説得力を持って描かれており、なかなか面白いし、その発想だけでハリウッド大作であるさっき挙げた二本にはじゅうぶん勝っていると思う。特撮のミニチュアワークもよく、今のCGでは出せないような魅力を感じることができ、まさにこれが円谷英二の特撮映画だ。脚本的には唐突な怪獣の登場(本当になんの前触れもなく登場し、あっけなく倒される。ちなみに当初は予定になかったらしい。)や、久保明がゴラスの影響で記憶喪失となる展開が中途半端に終わっている感があるなど難もなくはないが、まあ大目に見よう。出演者も東宝特撮映画常連の久保明や志村喬などに加え、主演が池部良だったり、小沢栄太郎や西村晃といった東宝特撮映画ではなじみの薄い名優も出演していて豪華である。さっき書いたように脚本的にはアレな部分も多いが、間違いなく「アルマゲドン」や「ディープ・インパクト」よりも面白かった。
イニシャルKさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-10-18 16:26:53)
32.ネタバレ この映画、35年くらい前にテレビで観ました。子供の頃の心象だけのレビューだけど記憶違いがあってもお許しください。
ゴラスに接近した宇宙船のパイロットがなぜか心神喪失状態になっていた。煮えたぎったようなゴラスの赤茶色の表面が視覚的に催眠効果を持っていたのか、あるいは怖いけど目を逸らすことが躊躇われるくらいゴラスが美しく、魅入られて心がアッチに行ってしまったのか。子供心には分からなかった。
南極の曇天の空をバックに画面右側から「ウルトラマン」のジェットビートルが凄いスピードで進入して来て、レーザー光線を発射する。標的は「ウルトラQ」に出ていたトドラだ。このジェットビートルが「ウルトラマン」のそれより格段に機動性が良く、しかもレーザー光線が強力で、簡単にトドラをやっつけたことに驚いた。その曇天の空と力強く白色の軌跡を描くレーザーのコントラストの鮮やかだったこと! 「ウルトラQ」「ウルトラマン」が後年の作品なので、この映画がオリジナル出演ですね。良いものは何度も使う円谷プロ。
ゴラスが地球に最接近する瞬間の主役は、南極の基地の壁に掛かった時計の秒針だった。最接近の時が近づく。時計を見上げるスタッフ。地球に接近するゴラス。人事を尽くして天命を待つ。秒針が12を指す直前から、2秒、3秒と過ぎるあたりまで体を硬くして見守った。数秒という時間にあれほどの緊迫感を詰め込んだ演出は秀逸。ラストの台詞は地球の軌道を元に戻すために「さあ、これからが大変だ」って感じだったと思う。
余談だけど、これを書いていて改めて気付いたのは、忘れている部分も多いけど、覚えているシーンやカットは自分でも驚くほど鮮明に記憶している(と思い込んでいる?)こと。それってある意味、財産だと思うのです。大人の視線で見直して記憶を上書きしたくない作品ってありますよね。
もうひとつ余談。小学校の高学年だった自分は、観終わった後に3歳年上の兄に「あんなことやっても、大気圏の中で空気が対流するだけじゃないか」と言った。兄も「あっ、そうか」って言ってた。ホントのところはどうなんだろう?
アンドレ・タカシさん [地上波(邦画)] 8点(2009-03-18 03:49:47)
👍 1
31.ネタバレ 「恐怖の大王」が降ってきた!!。■
そんな時、ハリウッドでは「大王」をコッパ微塵とすることに終始し、
我が東宝映画陣は巨大な噴射口をおったてて、地球を避難させてしまった!。
なんて東洋的な発想と西洋的な発想の衝突なんだろうか。
このギャップを東洋医学と西洋医学の違いに投影して考察するとおもしろいと思った。
「恐怖の大王」という病巣が体内に巣食った時、西洋医学は摘出手術や薬物療法という
形で治癒を目指す。その行為は病巣への攻撃となる。
一方、東宝陣が施こした東洋医学的処置は鍼灸や漢方など患者の自己免疫力を高めて
病巣というマイナス要素からの悪影響を減少することにある。それは自己変革による解決を意味する。
「自己」と「敵」という存在がある場合、西洋は「敵への一方的な攻撃」をしかけ、東洋は「自己変革による敵との共存」をめざしているように思える。この問題解決コンセプトの違いこそが「アルマゲドン」「ディープインパクト」のハリウッド的思考と我が「妖星ゴラス」による東宝・東洋的思考の違いであるのだ。
そこには敗戦を経験し、東京裁判を経験し、アメリカからの日本国憲法を遵守し、民主
主義、資本主義の洗礼の中、自己変革をなしてナンバー2までのし上がった日本の歴史
があり、一方、目の上のたんこぶをことごとく攻撃し、自国の権力を増大させていった
国の歴史感がでーんと横たわっているのです。ハリウッドは敵から逃げることをけっし
て良しとしない。共産主義からも、テロ国家からも、勿論、異星人からの攻撃にも、大
統領が戦闘機に乗って攻撃を仕掛けるぐらいなのですから。
自分らが内的変貌を遂げて局面をヤリ過ごすという屈辱的な危機管理は到底受け入れられないのです。でも僕ら日本人という歴史を持った者(少なくともワタクシ)は、南極に巨大な噴火口を作って「大王」をヤリ過ごす地道で途方もない努力に、どうしょうもなくロマンを感じてしまうのです。神道を基本とし、大陸からの仏教を受け入れ、キリスト的文化も受け入れ、民主主義・資本主義を取り入れ、その折々での自己の最適化を柔軟になしえてきた血がどうしようもなく騒ぐのです。
ストレートな差障り要因への攻撃という陽なエネルギーよりも、南極に大規模土木工事をやり遂げる忍耐力をワタクシは断固支持致します!
マーク・レスターさん [DVD(字幕)] 8点(2005-06-09 22:38:35)
👍 3 😂 1
30.今の洗練されたCGではけして出せないプリミティブな迫力と、理屈を無視した地球をどけちゃえ計画。
このチープさがわがSF!
じいちゃんの「地球も動いたしいい正月だな」を、壮大なる名せりふとして残したい。
あにさきすRさん 8点(2005-01-18 01:32:11)
29.ネタバレ 「もし、地球に小惑星がぶつかりそうになったどうしますかあ?」
「はーい、核爆弾仕掛けて木っ端微塵にしまあす」がアメリカくん。「僕はぁ、地球にでっかいロケット付けて小惑星から逃げちゃいます」が日本くん。ともに、性格がよく表れたお答えですね~。
南極の大氷原を埋め尽くす無数のロケットエンジン。そこからいっせいにそそり立つ炎の柱・・・おいおいそんなことしちゃ南極の氷が溶けてエラいことに、などと突っ込んではいけません。これは、科学の進歩がそのまま人類の幸福な未来につながることを信じることができた時代を物語る、貴重な映像モニュメントなのです。科学技術を平和のために使うことで、人類は一つになれる・・・当時、多くの人々が胸に抱いたであろう「希望」を、澄み切った南極の青空のように、ここまで一点の曇りもなく映像化できた円谷英二は、やはり黒澤・小津らと並び立つ、日本映画が世界に誇る「宝」だったとしか言いようがありません。
それと、惑星攻略に向かう宇宙飛行士が、出発前夜に乱痴気騒ぎをするのは、ディープでもアルマゲでもお約束でしたが、そのルーツもこの映画にあります(と、思う)。あの、音頭だかドドンパだかよくわからんあの歌。いいな~あれ。氷川きよしあたりがリメイクで歌ってくれんかしらん。
東京サンダさん 8点(2004-01-22 17:00:52)
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28.ネタバレ 凄過ぎます! “ジェット噴射で地球の軌道を外して、彗星をよける”って発想の時点であっぱれです。勿論、SFXは幼稚ですが、これが子供の頃に夢中になった作品なんだと思うと感慨深いです。円谷作品らしく、南極に怪獣を登場させるところは凄い。しかしどう見ても首が上向いて折れてる気が・・・・・?「くびが!くびがちゃんと頭まで入ってへんでぇ!」でも凄いです。あとびっくりしたのは、無重力の中で急ぎ足で歩く宇宙服の乗組員たち。当時としては、無重力を表現するのに苦労したんでしょう。そのぎこちなさに感動。でも最後はあっさりよけて博士の一言。「元の軌道上に戻さなくちゃ大変なことになる。ははは!」だって。何でも北極に同じジェット噴射を付けてまたやるんだとか。凄過ぎ!
イマジンさん 8点(2003-08-11 12:11:24)
27.ネタバレ 今映画館で上映してたので見てきました。
本作品、蛇足と言われている怪獣マグマのシーンですが、怪獣を入れることにより子供にも見てもらおうという上層部の判断にまんまと引っかかった一家がありました。我が家です。僕が小学生のころ、もちろん年代的にレンタルですが、東宝映画の怪獣物として親父が借りてきたのです。
当然ながら怪獣が出てくるシーンが少なくて、小学生にはあまり楽しめなかったです。細かいところは覚えてなかったけど、ところどころは覚えてて、ポッドでゴラス調査に行くシーンや、津波のシーンは覚えてましたね。

さて、今回改めて見直して、冒頭から60年代のSFだなぁという感じをひしひしと感じました。
宇宙船内が明らかに重力が一定方向に効いていて、というかどうみても外の様子を確認する方法が潜水艦じゃねーか!というツッコミを心の中でしながら見てました。
バンザイを叫ぶシーンが多いのは昭和感がかなりしましたし、若い宇宙飛行士らが”青春”を感じる歌を歌いながら勝手に乗ったヘリで移動するシーン(あんなに勝手に使っちゃ絶対怒られるだろw)などは昭和の青春映画?というのがこんな感じなのかなという雰囲気を味わっていました。
しかしこの映画の時代設定は80年代のようで、60年代から見れば、80年代ぐらいになれば有人土星探査も可能と思われていたんでしょうねぇ。いまだに月面に行くのでも精いっぱい、火星なんてまだまだ先の話ですからね。まあ有人探査が進まないのは技術的な面よりは予算的な面が強いですが。

それはともかく、巨大隕石を壊すか避けるかの2択なら、避けるを選択するというのがまた日本映画らしいなという感じでした。
公転軌道がずれればそれだけでものすごい影響が出ると思うのですが、まるで移動する道路をちょっと高速から下道に変えた感じで「これから元の軌道に戻さなきゃなー」と軽い感じで終わっていくのがほほえましかったです。

あと南極で基地を作るのも、作業者が南極とは思えないぐらいの軽装(寒さ対策をしている服装ではあるものの、冬の札幌ぐらいの服装にしか見えなかった)だったりと、見ていくとツッコミどころはまだまだ増えていきますが、そういうのも含めて楽しむのがこの映画の楽しみ方なのかなと思いました。
あと、最後に水没した東京を上の方から眺めて「これから復興しなきゃな!」と軽く終わるのですが、これって東京タワーから見てる?水没してるのにどうやって入ったん?なども見ていて面白かった場面でした。

総じて「おおらか」な映画だなと思ってみてました。
こんなとんでもないことをしっかりと真面目に作って、ちゃんと見れる映画にしたのはすごいなと思ました。
ただ、やることが「南極に基地を作って、ちょっとしたトラブル(怪獣も含む)を対処しつつあとは祈るだけ」なので、展開的にはちょっと退屈でしたが。
まあ全体的に楽しめました
みーちゃんさん [映画館(邦画)] 7点(2025-01-20 14:09:57)
👍 1
26.ネタバレ 1962年の映画。まだアポロ11号も月に行ってはいない。だから野暮なツッコミはナシなのです。特撮場面が現代のCGによるそれよりもリアルさでは比較にならないのも当たり前。だけどミニチュアによるシーンには芸術的にすら思える美しさがありました。演出と演技もそのオーバーアクトさがビンテージ感すら感じて、個人的には味わい深かったです。でも政治家とマスコミの描写に時代差を全然感じなかったのは…それが普遍的なものだからなのか、それとも進歩していないからなのか…。

あと、俺が「アッ!」と思ったのは宇宙から地球を見る視点での【光る南極】の場面と、南極上空を戦闘機(ジェットビートル)が飛ぶシーンで背景に立ち並ぶピンク色の光の筋。ものすごい【エヴァ感】を感じてちょっと興奮しました(笑)。それと土星の輪がゴラスに吸い込まれていく場面はSFゴコロを刺激されて良かったです。

予備知識が無くて逆に良かったのが、後半で唐突に表れる巨大生物マグマのシーン。結構ビックリしました(笑)。取ってつけたような怪獣登場はオトナの事情だったのでしょうねぇ。そして人類の生き残りのために容赦なくブチ殺される…合掌。

しかし…地球にこの技術があったのならば、『ウルトラセブン』で地球に衝突しそうだったペガッサシティも生き残れたのに…と思うのでありました。
幻覚@蛇プニョさん [インターネット(邦画)] 7点(2021-04-14 01:58:17)
👍 1
25.ネタバレ 巷では珍作扱いされて愛されてる映画ですね。
すごくいいところもあるんですよ。
地球を動かすって言うアイディア、地上パートの特撮(宇宙は今見ると厳しい)。
一番いいと思ったのがゴラスは避けられてもどうしても津波は避けられなく、被害をゼロにするのではなく最小限にするっていう展開。
池辺良が最善を尽くしてる感が良く出てた。
宇宙飛行士の記憶喪失とか個人的なエピソードはいらなかったなぁ。
そんなドラマチックなわけでもないのでグダグダ感をかもし出してしまった。
まぁあのトドほどではないですけど。
ラストの妙な前向き加減は現代を生きる我々も見習わなくては。
CBパークビューさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-20 09:17:53)
24.ネタバレ これも昔テレビで見て以来。覚えていたのは「南極に基地を作って地球を動かす」ということと、怪獣マグマが出てくることくらい。改めて見たら、かなりまじめに作ってあります。地球を動かすのに660億メガトン必要だという計算は、正確なのだそうな。それを基に大法螺をでっち上げるのは愉快です。この映画はそうした地に足のついたところがあるのがいい。最初の隼号の犠牲もありそうですし、そのあとの予算をめぐってのやりとりなど、全然SFではありませんが、「現実らしさ」にひと役買っています。それに乗じて(?)細かい部分がけっこういい加減だったりするのには、笑ってしまいますが。人間ドラマが足りないと感じたのか記憶喪失が扱われていますが、全体から浮いた感じがします。水野久美の彼氏も誰だかよくわからないし。もしかしたらマグマ登場のためカットされた部分があって、そこでなにがしかのドラマが展開していたのかもしれませんが、そこまではわかりません。なんにせよ、もう少し時間があれば補足できたと思いますが、当時は二本立て興行が基本でしたから、限界だったのでしょう。こういうところでは常識を越えられなかったか。
クライマックスには東京が大津波に襲われるのですが、3.11以降にこれを見ると、いずれこんなことが現実に起こるかもしれないと不安になります。しかし危機が去ったあとは、みんな拍子抜けするほど気楽で、街の再建に意欲を燃やしています。現在の日本にもこうした意気があればいいと思いますが。そういう点では、現在こそ見る価値があるかもしれません。ただ、本作の基本は「科学の力で自然災害を回避する(人間の知恵と科学の勝利)」ということですから、それを考えると複雑ですが……。ちなみにゴラスは彗星でも隕石でもなく、黒色矮星というものだそうです。
アングロファイルさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-14 21:26:25)
23.ネタバレ なるほど!謎の隕石がやってくる。地球が危ない。ようし、そうなる前に地球の方から逃げれば良いのさみたいな発想は果たして本当にそれで良いのか?とさえ感じてしまうけど、それを良い具合に生かした作品としてなかなか面白く見られる。まるで任侠ものでも見ているかのようなキャストにちょっと戸惑いを感じさせるものの、話のテンポも良くて楽しむことが出来る。ところで計算機って表示される数が決まっているということをこの映画の中でも教えてくれている。そのシーンを見て、もしも、宝くじで一等当った場合、一日一万円ずつ使ったとしてとこんなせこい計算をしたくなる私に比べたらこの映画はかなりスケールが大きい。内容だけでなく、役者の顔ぶれのスケールの大きさも今の日本映画ではとても太刀打ちできないほどのものを感じる。所々で突っ込み入れたくなるほどちょっと矛盾した感じもなくもないが、それでも下手なハリウッド大作よりはずっと面白い。限りなく8点に近い7点ということで最後にもう少しだけ言わせて貰うと、やはりどの俳優、特に男優陣の顔ぶれの豪華さは凄い。
青観さん [DVD(邦画)] 7点(2011-01-10 15:46:03)
22.ネタバレ でっかい星が衝突しそうだから、地球の軌道変えようぜっていう逆転の無邪気な発想。
ミニチュア等の視覚効果は抜群で、今日本でリメイクしても絶対これよりショボイものしかできないだろう。脚本のヘッポコっぷりや、無駄に出てくる謎の怪獣やら、内容がどうしょうもないトコロも憎めない。90 分ないし。
しかし、現代邦画は、めっきりいい感じのSFをとらなくなってしまったなー。ちょっと前に日本沈没リメイクしてたけど、そういうんじゃなくてさ。
すべからさん [DVD(邦画)] 7点(2010-06-15 23:48:58)
21.ケチをつけたくない程の真面目な作りと、職人魂を見せてもらった。
オニール大佐さん [DVD(邦画)] 7点(2008-10-20 19:48:38)
20.ネタバレ 皆様に可成り不評を買っている(終盤になって何の前フリも無く唐突に出現する)あの怪獣は果たして”アザラシ”なのでありましょうか??コレは飽くまで私見ですが、ひょっとしてアレは”セイウチ”なのではありますまいか。よく見ると何やら立派な牙が二本生えているような気がするのは私だけでしょうか。今後の検証が待たれるトコロです。
へちょちょさん 7点(2004-10-08 20:15:07)
😂 1
19.「地球最後の日」より、巨大彗星などが地球に激突するというSF映画は今までに何作かあります。この映画の良いところは、安易に核の威力で恒星そのものを爆破しようというのではなく、地球そのものを移動して激突を避けるというところです。これはムチャというより逆転の発想と受け取りたい。しかも米ソの緊張が高まる時代背景の中、国連を通じ世界がその持てる科学力を結集し、人類の危機を回避するという斬新かつ希望に満ちたテーマ性。このように強く訴えるものがあるならば、時代を感じさせなくはない演出も特撮もおおめに見てしまいます。しかし残念なのは、突如現われ基地を破壊する怪獣マグマの登場シーン。これはイタダケナイ(-2)。怪獣ブームということもあり、きっと会社のトップから出せの命令が下ったのでしょう。円谷英二氏にしてみれば心底悔しかったに違いなく、大人向けSF映画の名作となりえただけに残念な作品です。
光りやまねこさん 7点(2004-06-17 11:10:03)
👍 2
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マーク説明
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 38人
平均点数 6.66点
000.00%
100.00%
200.00%
312.63%
425.26%
5615.79%
6718.42%
71128.95%
8821.05%
912.63%
1025.26%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.50点 Review2人
2 ストーリー評価 6.00点 Review3人
3 鑑賞後の後味 6.66点 Review3人
4 音楽評価 6.50点 Review2人
5 感泣評価 6.00点 Review2人

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