映画『ガス人間第一号』の口コミ・レビュー

ガス人間第一号

[ガスニンゲンダイイチゴウ]
1960年上映時間:91分
平均点:6.60 / 10(Review 35人) (点数分布表示)
ドラマSFラブストーリーシリーズもの犯罪もの刑事もの特撮もの
新規登録(2003-11-09)【】さん
タイトル情報更新(2025-06-09)【イニシャルK】さん
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監督本多猪四郎
助監督梶田興治
中野昭慶
キャスト三橋達也(男優)岡本賢治
土屋嘉男(男優)ガス人間水野
八千草薫(女優)藤千代
佐多契子(女優)甲野京子
松村達雄(男優)池田
野村浩三(男優)川崎
田島義文(男優)田端警部
村上冬樹(男優)佐野博士
左卜全(男優)猫背の老人鼓師
堤康久(男優)相見巡査
山本廉(男優)西山
伊藤久哉(男優)田宮博士
小杉義男(男優)稲尾刑事
広瀬正一(男優)留置の看守
松本染升(男優)紋太夫
塩沢とき(女優)里代
山田巳之助(男優)葉山
佐々木孝丸(男優)警視庁幹部
三島耕(男優)藤田刑事
緒方燐作(男優)中谷巡査
岡豊(男優)観客の男
山田彰(男優)図書館の男
千葉一郎(男優)記者
向井淳一郎(男優)留置場の男
中村哲(男優)戸部
中島春雄(男優)サングラスの男
榊田敬二(男優)留置の看守1
橘正晃(男優)
大前亘(男優)
荒木保夫(男優)
東静子(女優)
脚本木村武
音楽宮内國郎
撮影小泉一
製作田中友幸
配給東宝
特撮円谷英二(特技監督)
有川貞昌(特殊技術 撮影)
向山宏(特殊技術 合成)
渡辺明(特殊技術 美術)
井上泰幸(特殊技術 美術助手)
岸田九一郎(特殊技術 照明)
美術清水喜代志
録音藤好昌生
照明高島利雄
その他東京現像所(現像)
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💬口コミ一覧

35. わたくしめの見るところ、これは東宝円谷ものの隠れた最高傑作のひとつ。地味だけれども、ほかにはちょっとない深い悲劇性があって、すばらしい。なんといっても八千草薫の凛とした美しさ、くわえて左卜全のおちぶれた哀愁.....。本多猪四郎監督の誠実な演出があいまって、結構でした。 のちテレビ番組『ウルトラQ』に転用されることになる宮内國郎の音楽も、なかなか結構でした。
goroさん [DVD(邦画)] 10点(2009-07-30 07:03:02)
👍 1
34.最先端の科学の“落とし子”である男と、没落した日本舞踊の家元の女。よくぞ、これほど奇怪なカップルを誕生させたものです。しかも「この二人vs日本の社会全体!」という構図にまで物語は広がってゆくのですが。僕としては、なぜか犯罪者であり社会の敵であるガス人間側を応援してしまうのです。それは、彼が貫き通そうとする“純愛”に、ほだされたから。 “たった二人だけでも戦っていこう”っていうのに、僕は弱い。彼は社会を混乱に陥れる加害者でありながら、でも科学の進歩の犠牲になった被害者でもある、また新しい人類の誕生と捉えばガス人間はマイノリティーであり、被差別Xメンってことになる。同情しちゃうんです、この純愛、成就して!と祈りたくなる。でも…。二人だけの舞踊の発表会の後、「僕達、負けるものか」の台詞…ああ、そして次に見せる八千草さんの、あの眼!なんとも残酷な物語を用意してくれたものです。
BUNYAさん 10点(2003-11-13 06:45:17)
👍 2
33.ネタバレ 終わった瞬間、思わず「おぉー!」と唸ってしまいました。滅びの美学をコンセプトにした哀しくも美しい一級品の恋愛映画で、「昔の特撮モノ=子どもだましのしょぼい映画」という偏見を根底から覆してくれました。
ガス人間になってしまった水野が、藤千代の表現する美に魅かれ、藤千代自身にも魅かれ、そんな彼の一途な思いに命をかけて応える藤千代のすさまじい生き様。とても深い人間ドラマでありながら、不思議と重苦しさは感じられません。そしてラストのインパクトある締めくくり方! この独特のクオリティーは、現代の感覚や技術だけでは決してマネすることができない、当時の空気感・時代性からしか生み出せないような気がします。
また、舞台に立つ人間にとって、自分の芸に惚れ込んでくれる人というのは、自分自身を愛してくれる人以上に大切に思えることがあります。一流の舞台人を輝かせ続けたいという理由から犯罪を繰り返す水野の思いは、最後まで彼女と運命を共にした爺やの気持ちに通じるものがあり、舞台に生きる人なら少なからず理解・共感できると思います(踊りの家元という設定はそこまで狙ったわけではないと思いますが)。

自分が知っている八千草薫は「やさしい感じの上品なおばさん」というイメージでしたが、若い頃は、あんな目力のある凛とした女性(を演じることができる役者)だったことに驚きでした。
ramoさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-12 21:04:00)
👍 1
32.ネタバレ トンデモな題名に興味そそられての鑑賞。オープニングから「これは当たりかも」寄せた期待を裏切られる事無く最後まで一気に見終えました。破滅に向かって突き進む八千草薫と土屋嘉男の恋模様を黙って見守り最期まで付き従う左卜全、3人共々忘れ難い名演です。変身の件は添え物に見えて別にガス人間で無くてもいいような気がしますが、模倣犯が続出する事に対して警察が抹殺決断に至る展開は見事で、やはり必要なキャラクターだったのだと思います。時間が経って湧いてくるツッコミどころも鑑賞中には八千草薫の凛とした女性像の前にはカケラも浮かびませんでした。題名とのギャップが激しい名作です。
The Grey Heronさん [インターネット(邦画)] 8点(2020-07-05 01:57:51)
👍 2
31.ネタバレ メロドラマにしたことで東宝特撮の変身人間もの3作では一番できがいいと思います。特殊能力を持った人間がその能力を社会のためではなく個人的欲望に使ったらどうなるかを、落ちぶれた舞踊家元への恋慕とからめたドラマ部が絶品です。昭和特撮になくてはならない土屋嘉男氏の代表作でしょう。彼の警察などへの不敵な態度と家元への献身的振る舞いの対比、若い八千草さんの美貌と悲しげな風情も、夜の場面の多い画の中で非常に印象的です。二人で社会を相手に戦う勢いのガス人間に対し家元はもはや生きる気力もなく、ガス人間には明かさずに心中を選びます。滅びの美学に満ちています。
クリプトポネさん [DVD(邦画)] 8点(2020-05-17 15:42:28)
👍 1
30.ネタバレ 【ガス人間の犯罪】①彼の能力からして、銀行強盗に拳銃を発砲したり、殺しをする必要はない。失神させればよい。②ガス化しても声を出したり、札束を持てるのが不思議。③車で逃げる必要ないし、ましてや警察に追われて藤千代の家に行くなよ。④予告電話と殺害までした模倣犯の動機不明。
【水野】①体格不十分でパイロットの夢破れる。博士に実験に協力すればパイロットになれると説得される。騙されて怪物にされ、博士を殺害。②人生に絶望するものの能力に目覚める。③藤千代に恋するが、不器用で金銭で歓心を買うというアプローチ。殺人は平気で、恋だけが生きる希望。
【藤千代】没落した舞踏の家元。水野から金銭を融通してもらう。お金で元一門の者を雇い発表会を開こうとするが、水野との関係を知られ、元一門の者は去る。水野が全てを捨て、殺人までするほど愛してくれていることを知る。自身が人生に失望していることもあり、共感が愛に。しかし怪物かつ殺人者である彼と幸せに暮すことは不可能。愛の成就のために一緒に死ぬことを決意。結婚の約束をし、発表会終了後に無理心中。
【恭子】最初は藤千代の美しさに嫉妬していたが、次第に2人の恋に同情的に。藤千代に水野を説得して無茶をしないよう、又発表会を辞めるよう勧告。
【感想】隠れた名作。草深の庵、月光、蛍、鬼の面をつけた踊り、そして美女登場。道具立てが素晴らしく、美しい絵物語を見るよう。拳銃をぶっぱなす派手な銀行強盗で幕が開くが、中盤でガス人間の正体は明かされ、サスペンス要素は失せて、以後は恋愛物語に。水野の愛の大きさと暴走に戸惑う藤千代。男の正体と、本当に心から愛されていると知ってからの女の葛藤が見どころ。犠牲者達への責任も感じている筈。どうしようもない恋の行方は爆死という悲劇で終わる。日本的情緒たっぷりな結末。常識破りの恋である。じょうしき-し(死)=じょうき(情鬼)これは冗談で「情鬼=水野」。水野の人間性や葛藤があまり描かれていないのが残念。あまりにも自己中心的で、不敵な振る舞いをするので、共感しづらい。殺人は仕方なく犯す設定にすべきだったろう。警察の爆破装置のスイッチを外しておいたのは若い刑事だろう。それにしても藤千代はどうやって警察の計画をあらかじめ知ったのか?爺やを巻きこんだのはどうしてか。全てを知っている爺やの最後の演技に注目。全ては「古い家の没落」を象徴している。
よしのぶさん [ビデオ(邦画)] 8点(2010-06-05 18:47:27)
👍 1
29.ネタバレ 本田猪四郎が撮った東宝特撮映画の傑作であると同時にクライム・サスペンスとしても一級の作品。若き日の八千草薫の美しさには見惚れてしまいますが、彼女の演技も他の東宝特撮映画のヒロインとはレベルの違いが際立っています。ガス人間は銀行強盗をくり返して犯行のたびに殺人を犯しているのだから普通の人間なら死刑間違いなしなのですが、「世間ではガス人間のせいにした横領や窃盗が多発している」という警察の嘆きが描かれ、ガス人間が存在すること自体が社会の秩序を乱しているので抹殺しなければならないというロジックが説得力を持って描かれていて感心しました。モンスターになってしまった男の苦悩と生きる希望がここまで切なく観る者の心を揺さぶるのも、土屋嘉男の名演のなせる技でしょう。当時の映画では『正義の味方』みたいに描かれることが多い新聞記者が、下品で軽薄な連中として描かれているのが面白いですね。
S&Sさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-12-11 02:20:11)
👍 1
28.ネタバレ ガス人間?何やタイトルだけ見ると下手なB級SFホラーものかと思うが、とんでもない。これは明らかに恋愛映画だ!それもそこらの生温い恋愛ものなんかとは全く違う。人間の持っている矛盾、身勝手さが描かれている。あの博士の自己満足の為だけに犠牲にされてガス人間となってしまった水野(土屋嘉男)の怒り、その怒りの先が自分をこのようなガス人間へと変貌させてしまった博士を殺し、そして、自分をまるで何かの見世物のような眼でしか見ることの出来ない周りの者への怒り、その怒りが観ていてもよく解るし、誰だって、水野と同じ立場になったとしたらきっとそうする筈です。そんな中で出会った一人の女性、八千草薫演じる藤千代との恋、自分がもう普通の人間でないことを知り、それを藤千代にもばらすあの牢屋の場面、藤千代の水野に対する思いが伝わる最後の能の場面、観客の汚い野次にも屈することなくガス人間である水野の為に藤千代が踊りを見せる場面、そんな踊りの横で黙々と太鼓を鳴らす左卜全の老人の姿もやたらと悲しい。例え、恋する相手がガス人間だろうと最後の最後まで踊りを辞めずに死んでいった藤千代こそ本物の人間とてしの愛情を感じることが出来る。タイトルだけでつまらない作品だと決め付けて見ない人がいるのではないかと思いますが、これは間違いなく人間ドラマとして、また恋愛ものとして見応え十分の作品です。個人的感想としては出来ることなら藤千代とあの老人の二人だけでも最後は助けて欲しかった。いや、ガス人間となってしまった水野も元の普通の人間に戻って藤千代と目出度く結ばれてくれたらと願うし、心からあの二人が結ばれることを望んで見ていた。その点が残念ではあるが、それでも素晴らしい映画に間違いはないと思う。最後にもう少しだけ言わせてもらうと、あの歌舞伎の場面、能の音楽を聞いてたら川島雄三監督の「しとやかな獣」が観たくなってしまった。
青観さん [DVD(邦画)] 8点(2008-02-17 13:26:45)
👍 2
27.「美女と液体人間」、「電送人間」では警察と変身人間の攻防を中心に描かれていたが、この「ガス人間第一号」は、それよりも実験台にされてガス人間になってしまった男と彼を愛する一人の女の悲しいラブストーリーに重点が置かれており、深い人間ドラマが描かれる秀作になっている。正直言ってここまで深い内容だともはや完全に大人向けの恋愛映画である。考えてみれば本多猪四郎監督は最初の本格的な空想特撮映画である「ゴジラ」でも芹沢博士と山根恵美子の悲恋(一応、三角関係ではあるが。)を描いており、ここにこの監督の本質があるのだなと改めて感じる。それにしてもラストシーンは思わず泣けてきた。出演者の中ではガス人間水野を演じた土屋嘉男、特撮作品には珍しい八千草薫はもちろんだが、藤千代に仕える爺やを演じた左卜全がとくに素晴らしく、彼の演技がよりいっそうこの映画の完成度を高めているといっても過言ではないだろう。
イニシャルKさん [DVD(邦画)] 8点(2007-12-27 01:52:19)
👍 5
26.ガス人間、確かに悪い奴なんだけど、俺は彼に同情しちゃったなあ。ラスト「たった二人で戦って行こう!」なんて台詞言うトコ、逆にクールでカッコ良かったし。こういうシチュエーションに俺は弱いんです、ハイ。この頃の八千草薫ってむきたてつるつるのゆで卵みたいな顔してて(←いや冗談じゃなく本当に!)すっごく綺麗ですね。
放浪紳士チャーリーさん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-26 10:45:54)
👍 2
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25.正直なところ、この映画の場合、僕はタイトルのインパクトだけでほとんど圧倒されている。“ガス人間第一号”って、まさしくそのまんまなんだけれど、なんて潔くてオシャレな表題なんだろうと。そして、そのタイトルから滲み出る“B級科学映画”という雰囲気をさらりとかわして、繰り広げられる哀しい男の哀しい運命の物語に、予想に反した感慨深さが残る。若かりし故・三橋達也の男臭さ、美しい八千草薫の憂いに魅了されることも間違いない。
ところで、こういう映画がもし同じ時代にハリウッドで作られていたとしたら、間違いなく現在においてリメイクされているだろう。それをしない(むしろ出来ない)日本映画界は、やはり当時に比べて、特に娯楽映画の部分での進歩が無いというよりも後退が著しいのだと思う。
鉄腕麗人さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-07 03:01:32)
👍 2
24.ネタバレ うーん…。いい映画を観た感はあるんだけど、それは土屋嘉男と八千草薫がイイ芝居をしていたからで、ちょっと俺の思っていた【東宝科学怪人モノ】とは違ったんですよねぇ。と。文句を言いつつも、マッドサイエンティストに人体実験をされた結果【肉体の変容とともに精神も変容していった男の悲劇】というクローネンバーグ的ホラー悲劇を見れたのでヨシとします。

そして…八千草薫綺麗すぎワロス (;´Д`)ハァハァ
幻覚@蛇プニョさん [インターネット(邦画)] 7点(2021-05-21 00:46:54)
23.ネタバレ 五日市街道を横道に逸れ、山中にひっそりと佇むお屋敷。
夜更け、蛍が舞い、蛙が鳴いている。
そこで踊る八千草薫。
なんと幻想的なことか。
下手したら雨月物語に肉薄する幻想美。
このシーンだけでも特筆に値する。

ストーリーや設定は無茶苦茶。
そこには敢えて目をつむりたい。
にじばぶさん [インターネット(邦画)] 7点(2021-05-05 00:27:26)
22.ネタバレ 純粋なラブストーリーには思えない。男の方は、もとから強かった自尊心が変な能力を持ったことでますます肥大化し、零落した美しい家元を自分が支える、などという妄想に取りつかれただけに見える。単にジェット機パイロットの代替だろう。
また女の方も「本当に男の人から愛されている」という認識以上のものではなく、当の男のせいもあって社会的に追い込まれ、不本意ながら破滅を選択したように見える。まあ女としては精一杯の誠意だったのだろうが、結果として男がしっぺ返しをくらった格好になっていたのは皮肉に思える。
それでも、劇中の刑事と婦人記者の関係が普通に本物だったらしいのに比べれば、どう頑張っても普通にはなれない二人の疑似恋愛と破滅を描いた悲劇と捉えることはできる。映像面でも最後の大爆発は結構な迫力で、特撮映画ならではの壮絶な幕引きだったように思えた。

ところで、この映画で難点と思うのは、メインストーリーを軸にして見た場合に、何でガス人間が出て来なければならないのかわからないことである。構成上は男に特殊能力が必要なのはわかるが、男女関係がからむのであればガス化などというゲテモノっぽいのでなく、せめてもう少し格好いい能力でなければと思う。ここはどうしても違和感が残る。
また個人的な問題としては、どうも登場人物が好きになれないのが困る。まず婦人記者は人物造形としては理解できるものの、自分としては嫌悪を催すタイプなのが正直ちょっときつい。また家元は気位が高いのは仕方ないが、最初に図書館を訪れた場面では、和装なのに変に大股でスタスタ歩いていたのが家業への誠実さに欠けるように思えて、この時点で印象が悪化した(本当の演出意図はわからない)。そのため後で少々しおらしい表情など見せても愛しさが感じられなかった。

そういうことで、全体としては残念ながらあまり愛着のわかない映画になってしまっている。ただし特撮映画としてはこれほどまともなストーリーを伴うものは稀であること、また言うまでもなく八千草薫さんの美貌に目を奪われること、及び東宝特撮の(影の)ヒーローである土屋嘉男氏が素顔で熱演していることを考えれば、決して悪い点は付けられない。
なお八千草薫さんが何で特撮映画などに出るのかと以前から思っていたのだが、考えてみれば少なくとも日舞の素養のない女優では務まらないわけである。
かっぱ堰さん [DVD(邦画)] 7点(2013-05-27 18:59:07)
21.今にして思えば、このタイトルは陳腐以外の何物でもないし、「ガス人間」という発想自体が荒唐無稽を通り越すほどの物なのだけれど、いやぁ、良かったです。ここまで辛く、悲しい物語が展開されるとは、全くもって予想していなかったし、描写の重々しさや力のこもった演出、そして何より全編に渡って展開される悲恋物語…。この辺りは、さすが本多監督といったところ。現在では、隠れたB級映画として、知る人ぞ知る映画になってしまっているが、今、また再評価されて良い作品だと思う。
ドラりんさん [DVD(邦画)] 7点(2007-05-28 00:24:16)
👍 1
20.ガス人間てっゆういかにも小学生が考えそーな題名につられて観てみたんやけど、脚本は小学生には書けない深い脚本やった(失礼)。でもガス人間ってゆーのはありえへんし、ガスになってしゃべれるわけないんやけど、その辺は荒唐無稽そのもの。でも、この映画はそんなところはあんまり気になれへん。その他の描写が意外とリアルなんで。例えば、ガス人間なんてゆう無敵の人間が現れた時の世間の反応とか(犯罪を犯して全てガス人間のせいにするため犯罪率がふえちゃう)、無敵になったゆえに(自由に普通の人間にもなれる)その能力をいかしてやりたい放題する男のあんちょくな考え方とか。映画は冒頭、銀行ギャングを警察が追いかけるシーンでスピーディーに始まる。ただ、その後は派手な展開を期待するとちょっと肩透かしかもしれん。前半はサスペンスなノリやけど全体的には淡々としてるし。後半、特にガス人間が登場してからは、彼と衰退する家元を中心に描くラブストーリーやし。しかもラストは藤千代(八千草)の舞をじっくり見せられるんで、そーゆうのを観るのがダルイ人にはちょっと退屈かも。ガス人間と警察のテンション高い攻防を期待する人にも不向きかな。しかし人間ドラマは味わい深く不気味ですごくくるものがある。こんな秀逸なドラマが古い特撮映画の中に埋もれてたやなんて。今の時代の映画にも全然負けてないと思うし、特撮すらも、そのちゃちさがむしろ味わい深い。特別な力を手にいれたことで、なんでもできるよーになった屈折した男。社会的に孤立化し夢を実現できない美しき家元、そこに愛があったかどーかは見る人にゆだねられると思うけど、「美女と野獣」が生ぬるいと思う人には、ある意味「美女と野獣」リアルバージョンのこの映画オススメ(美女とガスやけど)。最後の展開は警察のやり方がちょっと非現実的やけど、怖いくらい印象にのこった。最後のシーンを見て、この映画の評価があがった感じ。幸せを手に入れ笑う男と覚悟を決める藤千代と爺の悲しい顔が映画を観終わってもしばらく残った。ちなみに藤千代の舞の題名が「情鬼」。ガス人間はいわば「蒸気」。こーゆうセンスはありがちやけど好きやねん。
なにわ君さん 7点(2004-11-02 21:51:36)
👍 4 😂 1
19.特撮の父こと円谷英二氏の手による特撮映画を世代別に分けると、まず子供向きには言うまでもなく第2作目以降のゴジラシリーズやその他の怪獣モノ。やや大人向きには「ゴジラ(54)」や「世界大戦争」、そして戦記物。そしてそれら中間に位置する青少年向けには、「マタンゴ」や本作のような科学の力を利用した人間変身モノ。後々、テレビ番組で青少年向けように作られた円谷英二監修、「ウルトラQ」や「怪奇大作戦」などに繋がっていったものと思われる。ちょっと前置きが長くなりましたがこの映画、たしかに突っ込みどころは幾つかあるが作品そのものはなかなか良く出来ています。決してB級ネタをB級のままに終らせてはおらず、悲しい男女の運命劇とも受け取れる意外な結末はたっぷりと余韻を残してくれた。
光りやまねこさん 7点(2004-10-10 11:19:21)
18.アマゾンプライムで発見!
八千草薫の美しさに尽きる、こんなB級カルト映画に出ていたとは意外でした。
只、役柄上でずっと沈んだ顔だったのが残念。
とれびやんさん [インターネット(邦画)] 6点(2021-02-28 00:21:42)
17.ネタバレ たまたまアマプラで見かけて見始めたら止まらなくなった。
かなり期待してなかったのだが意外に良くできてる。

当時の特撮技術で撮られたガス化シーンがホラーテイストでとても味がある。
今だったらリアルに映像化できるだろうが味気なくなってしまうように思う。

それと他人を利用して生きていく事を正当化してるのがクズすぎる。
全然同情できない。
だんだんと追い詰められていき逃げ場を失っていく悲哀みたいなのは感じた。
Dry-manさん [インターネット(邦画)] 6点(2020-06-07 11:49:55)
16.ネタバレ テクノロジー的にも人道的にもトンデモねぇ人体実験の末にガス人間にされた男・水野と、よりによってそのガス人間に見初められてしまった日舞の家元・藤千代を中心とした、愛憎空想活劇。

先ずガス人間の特性を活かし日毎「銀行強盗」に明け暮れ、没落家元の藤千代に融資するというガス人間・水野の歪んだ愛情と、その愛情に次第に絆されていくも、日舞への情熱をぶりぶりと募らせる藤千代。

この重なら無さそうで惹かれ合う二点が、やがて悲哀に満ちた合致の末に、非業な末期を遂げる。

さて、私はこのガス人間こと水野氏が、いけ好かない。夢半ばで挫折した青春時代という経緯を慮っても、大胆不敵であり、傲慢。

さて、春日流家元こと藤千代もまた、いけ好かない。芸術家であり、野心家でもある藤千代は、水野の献身に胡坐をかくかのように融資された先から金にモノを言わせるように「発表会成功」へと足場を固める。出所の不確かな融資を受けた昨日の今日で、新車まであつらえるかフツー?

しかし、そんな腐ったガス臭のする独り善がりなガス人間・水野と、さすがに零落しているとはいえ家元としての発表会にまで漕ぎ着けた藤千代の火のような生き様が、ラストで一つに重なってしまった。

そりゃ、周りの応援(UMガス)も手伝ってか、大炎上必至。

いやぁ、ガス人間的にはハッピーエンドですなぁ…?と思ったが、ラストのガス人間の有様をみれば「それはどうなんだろうか」と言わざるを得ない。悔い無き終生だったとは到底言えない、おどろおどろしい死に様でした。

これは、藤千代の一人勝ちですね。老鼓師(左卜全)の「やり切った」感も、カッコイイ。
aksweetさん [DVD(邦画)] 6点(2019-06-26 05:05:18)
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【点数情報】

Review人数 35人
平均点数 6.60点
000.00%
100.00%
212.86%
300.00%
412.86%
5514.29%
61131.43%
7617.14%
8925.71%
900.00%
1025.71%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.50点 Review2人
2 ストーリー評価 6.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 6.50点 Review2人
4 音楽評価 6.00点 Review2人
5 感泣評価 6.50点 Review2人

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