映画『赤線地帯』の口コミ・レビュー(2ページ目)

赤線地帯

[アカセンチタイ]
1956年上映時間:86分
平均点:7.06 / 10(Review 34人) (点数分布表示)
公開開始日(1956-03-18)
ドラマモノクロ映画小説の映画化
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タイトル情報更新(2025-01-24)【イニシャルK】さん
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監督溝口健二
助監督増村保造
キャスト京マチ子(女優)ミッキー
若尾文子(女優)やすみ
木暮実千代(女優)ハナエ
三益愛子(女優)ゆめ子
菅原謙二(男優)栄公
川上康子(女優)しづ子
進藤英太郎(男優)田谷倉造
見明凡太朗(男優)野々村巡査
田中春男(男優)セールスマン
沢村貞子(女優)田谷辰子
加東大介(男優)宮崎行雄
十朱久雄(男優)塩見
多々良純(男優)ゆめ子の客
丸山修(男優)佐藤安吉
町田博子(女優)より江
浦辺粂子(女優)おたね
春本富士夫(男優)青木
入江洋佑(男優)門脇修一
宮島健一(男優)ハナ江の客
小川虎之助(男優)ミッキーの父
高堂国典(男優)門脇敬作
三好栄子(女優)門脇さく
小原利之(男優)
ジョー・オハラ(男優)
目黒幸子(女優)
原作芝木好子「洲崎の女」より(篇中一部分)
脚本成沢昌茂
音楽黛敏郎
撮影宮川一夫
製作永田雅一
大映(東京撮影所)
配給大映
美術水谷浩
後藤岱二郎(美術助手)
編集菅沼完二
録音長谷川光雄
照明伊藤幸夫
あらすじ
舞台は東京・吉原。売春禁止法が制定される直前の吉原を、リアルタイムで描いた、溝口健二の遺作。吉原で身を売る女性たちの実態を、繊細に描いた。売春禁止法は是か非か?それを観る者に問う、社会派現代劇。
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💬口コミ一覧

14.溝口映画を観ていると、他人の生活の中に自分がまぎれこんでじっと覗き見しているような気分になります。例えば押入れの中とか箪笥の中にこっそり忍び込み、じっとそこで繰り広げられるドラマを覗き見しているような。徹底した長回しと役者の極限ともいえる演技を引き出す溝口監督の演出力はやはり偉大です。この作品も観ているうちに引き込まれ、もはや映画を観ているとも思えず、自分が吉原の売春宿のあちらこちらに潜んでただただ覗き見しているような錯覚を覚えます。そこには倫理の押し付けも過剰なドラマもなく、ただただリアルな光景が展開され、但しどの光景を切り取るかの選択という編集の力によって、1時間半弱の覗き見体験がただの覗き見ではなく映画鑑賞という娯楽に昇華される。この「赤線地帯」は一般的に代表作とされる時代物ではなくまさに当時の現代劇な為、この覗き見感覚を最も感じさせてくれる作品です。自分の今いる世界とは違う世界にトリップできる最もお手軽な行為が映画鑑賞であるとすれば、溝口作品が最も偉大な映画であるといっていいのではないでしょうか。
Seanさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-08-13 11:42:05)
👍 1
13.何かお化けでも出てきそうな始まりに(おや?いつもと違うぞ)と思いながらコーヒーを啜っていると、どうやら音楽が奇妙なだけでそれからはいつもより少し明るい映像の溝口作品が始まった。吉原遊郭のネオンに彩られた狭い路地をフラフラと行き交う男達を、あの手この手で引っ張り入れる女達の姿を映し出してゆく。面白おかしく表現してはいるが、彼女達一人ひとりの抱える問題は大きく、世間の風当たりも冷たい。器量とずるさが無ければ抜け出せず、そうでない者は年を取り、行き詰まる。何時の世もそうだ。力のある者だけが笑う。だが強い者だけでは生きて行けない。光と影は一体なんだ。弱い者が消えれば、強い者たちから影は生まれる。かっこつけたがそんな感じがするんだ。社会からも身内からも蔑まれながらも空元気で生きていく彼女達の姿が立派だった。現代のクリーンすぎて面白みの無い街づくりや何かにつけ過剰に反応する逃げ道の無い社会批判に警鐘を鳴らされているようでした。それにしてもミッキーを演じた京マチ子のいけいけっぷりには笑ってしまった。「八頭身や」って。そうそうラストであの奇妙な音楽がマッチするシーンがありましたよ。
カリプソさん [DVD(邦画)] 7点(2007-06-21 21:33:30)
👍 1
12.溝口健二監督の遺作!売春防止が成立される直前の赤線の女達の戦い、人間ドラマとして描いたこの作品、女性達の美しさ、流石は溝口健二監督らしく美しく描く。しかし、作品の出来としては、それまでの溝口作品の代表的な傑作と比べてしまうと、どうしても見劣りしてしまいます。どの女優にしても、本当に美しく撮られているのには感心させられるし、中でも若尾文子の可愛さは圧倒的です。これだけ可愛い若尾文子を当時、この作品の助監督でもあり、後に若尾文子とのコンビで多くの作品を手がけることになる増村保造が近くで観てれば、それは間違いなく若尾文子に惚れるのも解る気がする。
青観さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-09-02 16:40:33)
11.ネタバレ 売春防止法が施行されるか否かという政治的な背景をバックに娼婦として生きる女たちの日常を描いた溝口健二監督の遺作。実際に売春防止法が施行される以前に作られているので題材としては当時非常にタイムリーな作品だと思う。ドラマとしての見ごたえも充分でインパクトもあるし、決して完成度は低くないと思うけど、それでも溝口作品としてはちょっと物足りない気がする。(こちらの求める要求が高すぎるのかもしれない。)ラストの女の子がちょっと怖かったのと黛敏郎の音楽が印象に残る。
イニシャルKさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-09-01 22:34:46)
10.売春防止法成立以前の吉原に生きる女たちのドラマ。騙し騙され、泣きながら叫びながらも強かに生きていく娼婦、女の数だけそれぞれの事情があり、生きていく上で仕方なく身を堕とす女たち。そして新たな少女がこの世界の中に堕ちて行こうとしている。やがて少女は一人前の娼婦へと変身していくんだろう。
亜流派 十五郎さん 7点(2005-03-19 22:28:05)
9.ネタバレ 風俗映画としてはまあよくできていると思いますが、人物の描き方が薄いので、夫が自殺を図ったり息子に拒絶されておかしくなるというのが、唐突であまり説得力がないところが残念。
アングロファイルさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-04-05 08:41:35)
8.戦後の高度成長期前の苦しい生活を想像すると、当時の価値観に共感はしませんが違和感も感じません。時代とともに法だけでなく倫理観も変っていくことが実感できる映画です。
ProPaceさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-06-05 23:34:31)
7.ネタバレ 「職業に貴賤はないが生き方に貴賤がある」と誰かが言ってたのを思い出した。苦手な群像劇で物語に深みはないんだが、5人各々の生き方の違いは際立っていたし、メッセージ性は強かった。法律施行前の不安・混乱状況は伝わってきたが、結局現代でも職業としては存在している事を考えると、この混乱はなんだったんだろうという貴重な記録映画的な側面もある。
風俗産業がセーフティーネットとして機能しているのは現代も変わらないし、簡単に稼げる事から抜けきれない人もいるだろう(主婦でコキ使われるのが嫌で戻ってきた女性が印象的)。人間が逞しく生きていこうとする限り、そして肉体労働で効率よく稼ぎたいという人がいなくならない限り永久になくならない職業なのだろう。
東京50km圏道路地図さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-05-13 12:45:31)
6.当時の売春街、売春婦の様子、とても興味深かった。かなり売る方も買う方も表面上はずいぶんあっけらかんとしてたんだな。
nojiさん [地上波(邦画)] 6点(2013-05-06 14:04:44)
5.溝口監督の視点から、赤線地帯で働く女性たちの姿と生き様を余すことなく描いた作品。
売春防止法が制定された年の作品ということで、リアルタイムの題材が非常に興味深い。
これといった主役のいない中で、様々な女優たちが娼婦役を演じているが、勝ち気な性格の若尾文子と、いかにも能天気な京マチ子のキャラはやはり存在感あり。
他の女性たちが女の弱さを描写していたのに対し、二人にはどんな逆境にも負けない逞しく生きようとする姿が垣間みれた。そのあたりが本作のテーマか……?
女を描かせたら日本一、溝口監督の遺作です。
MAHITOさん [DVD(邦画)] 6点(2013-03-02 06:29:43)
4.ネタバレ 溝口健二監督作品の中で、現存するものは全て鑑賞してきた。
そして、最後に私が観ることにしたのが、溝口健二の遺作である本作だ。

溝口健二の過去の重厚な作品に比べると、軽い仕上がり。
現代劇ゆえか、晩年からくる衰えゆえか、はたまた意図的なものか。
原因たるは知る由もない。

京マチ子、若尾文子、木暮実千代らが名を連ね、実に豪華キャスト。
脇役陣も層が厚い。
しかしながら、群像劇的というか、それぞれの登場人物達の掘り下げが浅いというか、やや散漫な印象を受ける。

そんな中、浦辺粂子は意外なほどの存在感。
沢村貞子や進藤英太郎もベテランの味を十二分に発揮していた。

東京最強の赤線地帯、吉原をリアルタイムで描いたという点で、貴重な作品だ。
それも「売春禁止法」が制定される直前、まさに吉原が風前の灯火な状態であり、そこで生計を立てている人々の混乱が、実にリアルに繊細に描かれている。
実際に吉原で遊んでいたか、よっぽど吉原について入念に取材しない限り、描けなかったのでは?と思うほどの、リアルな描写とセリフの数々。
吉原という街の全盛期を知る上でも、この上なく興味深い内容となっている。

個人的に「売春禁止法」に関して言及すれば、制定されたことは実に残念なことである。
放置すれば、勿論、社会の悪がはびこってしまうことは勿論分かっている。
しかし、こうした規制法がどんどん増えていき、日本は時代が進むにつれ、面白くなくなっていった。

こうした規制をかけることは、社会的に言えば正論であるが、一方で、日本をつまらなくする。
私は批判を覚悟で、「売春禁止法」に断固、反対する!
いや、もうとっくのとうに遅い話だが。

現代で言えば、監視社会がそのテーマに該当する。
街のいたる処に監視カメラが設置され、人々の暮らしは常に監視下におかれ、つまり、「何も悪さのできないつまらない社会生活」が日に日に構築されている。
これを正論一言で、「犯罪抑止に役立つから素晴らしい!」と言ってしまえば簡単である。
だが、本当にそれでいいのだろうか?
こうした命題を本作は歴史を超えて、観る者に訴えかけている。
にじばぶさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-12-23 22:32:58)
3.女優陣の見事な演技(特に木暮実千代と京マチ子)があり、無駄なシーンをあげるのが難しいような密度の濃い構成があり、数々の印象に残るセリフがあり、そしてそれらすべてをぶち壊しにしかねないほど映像と乖離した怪談映画みたいな音楽があり、と自分としては評価の難しい作品でした。
KYPAさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-02-14 22:02:18)
2.50年代というこの時期にこの対象に着目した感覚には瞠目したいが、ただ、描き方がいかにも通常のホームドラマチックで、その道を選ばざるをえなかった閉塞感や焦燥感というものが感じられなかった。なので、不協和音的な音楽だけが浮いています。
Oliasさん [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-06-08 19:57:12)
1.若尾文子様は大当たりやけど、それ以外はほとんどハズレの店やないか。
ケンジさん [DVD(邦画)] 5点(2014-06-17 22:03:56)
😂 1
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【点数情報】

Review人数 34人
平均点数 7.06点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
525.88%
6720.59%
71441.18%
8926.47%
925.88%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 10.00点 Review2人
2 ストーリー評価 8.00点 Review4人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review4人
4 音楽評価 5.25点 Review4人
5 感泣評価 7.50点 Review4人

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