映画『オアシス』の口コミ・レビュー

オアシス

[オアシス]
Oasis
(오아시스)
2002年上映時間:132分
平均点:7.34 / 10(Review 50人) (点数分布表示)
公開開始日(2004-02-07)
ドラマラブストーリー
新規登録(2003-11-27)【しったか偽善者】さん
タイトル情報更新(2023-03-15)【Cinecdocke】さん
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監督イ・チャンドン
キャストソル・ギョング(男優)ホン・ジョンドゥ
ムン・ソリ(女優)ハン・コンジュ
リュ・スンワン(男優)ホン・ジョンドゥの弟 ホン・ジョンセ
ソン・ビョンホ(男優)ハン・コンジュの兄 ハン・サンシク
脚本イ・チャンドン
撮影チェ・ヨンテク
配給シネカノン
あらすじ
兄の起こした轢き逃げ事故で、身代わりとして服役していたジョンドゥは刑務所から出所した。知的障害を抱えた彼は至る所で問題を起こし、家族からも疎まれている。被害者遺族に謝るため、花束を持って古いアパートを訪れた彼は、当然のごとく遺族の怒りを買うが、被害者の娘で重度の脳性麻痺を持ったコンジュに一目惚れする。
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💬口コミ一覧

50.観ようと思った映画と、たまたま二本立てで上映していた。予備知識なしで観たけれど衝撃だった。これぞ映画と思える。
Malandroさん [映画館(字幕)] 10点(2011-08-15 23:09:36)
49.とても美しい二人。
まんせるさん [DVD(字幕)] 10点(2006-03-09 19:52:45)
48.ネタバレ この映画が素晴らしいのは主演二人が美男美女ではなく、華のない(見た目の話ね)二人で撮っていること。邦画でもハリウッドでもこういうキャスティングはしない。その結果入り口でがっちり監督の世界観に没入することができる。互いに阻害された者同士の愛の話と抽象することはできるが、脚本が濃厚かつ精緻だからから、そんな一言で終わらせられないほど、言葉を費やせずにはいられない作品だ。ジョンドゥがコンジュを犯そうとしたのにそこから恋愛に発展させるのも彼が花束を贈ったことから自分を性のはけ口としてみたのではなく、一人の女性と見たのでは?と思うことができたからこそのリアリティが担保され、彼がその後はしっかりと体を求めず異性として自分とデートをしたことで、二人の関係性の進展に何の違和感もなく見ることができた。また、彼が発達障害であろうという設定もよく効いている。そして、なぜジョンドゥの家族が彼を切らないのかという疑問も後半にちゃんと種明かしもし、ここでもしっかりとリアリティを担保している。ある意味ハンディキャップを負った男女二人の純愛という安直になりそうな話をこうまで腹に深く響かせられるのは、それぞれの登場人物の自己中をうまく共鳴させることで、その結果としてドラマが生まれ、悲恋となるという作品世界を作り出せるイ・チャンドンの人間理解が優れているからだ。この映画で一番心を抉られたシーンは最後警察署で調書を取る前に刑事が言った「あんな子を(犯すとは)人間として理解できないね」ということでコンジュの尊厳を踏みにじり、周囲の人間のエゴに搾取されまくり、自分が差別により健常者と同じように愛する男と性愛すらできないこの現実世界に苛立ち、車いすを自ら暴走させ自傷しようとする場面だ。コンジュのみがこの映画の登場人物のなかで唯一自己中に生きられない一番の被害者であるからより胸に響いた。エンディングで一筋の希望を見せるのもイ・チャンドンのスタイルだし、彼の弱者に対するまなざしだろう。それにしてもこの女優の演技は本当にすごい。初めの方から観ていて目のいき方なんかを見ていたらひょっとして本物?と思ったほどだ。レインマンのダスティン・ホフマンよりもうまいと思う。あと、インド人と象のシーンだけはどうしても安っぽく、そこだけは唯一興ざめしてしまいました。ごめんなさい。
エリア加算さん [インターネット(吹替)] 9点(2020-10-24 23:37:38)
👍 1
47.これが多くの映画賞を獲得したという映画か、なるほどと納得。主役の二人、特にムン・ソリの演技は神かがりというべきだろう。
この映画を見ると何が健常者で、何が常識かを考えさせられる。それほど強烈な映画だ。好き嫌いは人によっていろいろだろうが、名作というのは間違いないだろう。
ESPERANZAさん [DVD(字幕)] 9点(2011-08-16 17:17:20)
46.ネタバレ  とにかく、ムン・ソリとソル・ギョングの剥き出しの愛情のぶつかり合いが創り出す世界の生々しさに圧倒されました。
 本当に「凄い」としか言いようがない素晴らしいラブストーリーです。
 いろんな思いが次から次へと湧き上がってきますが、言葉にすると陳腐化してしまい上手く言い表せませんが、こういう作品に出会えるから映画鑑賞はやめられません。

TMさん [DVD(字幕)] 9点(2009-05-12 20:58:54)
45. ムン・ソリの演技ばかり注目されがちだが、ソル・ギョングもなかなかのもんだと思う。
 他のレビューを読んでいると、彼が演じる青年が知的障害者だと気づかないでいる人も多いのではないかと思う。トップシーンを思い起こせば、青年の印象は、まるで亀田興毅が内藤大助に変貌するかのような、劇的な変化を遂げている。
 映画は、健常者の毒を撒き散らして、愛の形を浮き彫りにして描いている。しかし、観終わって、もっと恐ろしいと感じたのは、その健常者たちを観て、自分と重ね合わせることができない人間が必ず存在していること。そういう人間が世の中の一番の毒なのではないかと考えたりもする。
 健常者の私でも「愛」というものは簡単に表現できない。
 もがき苦しむ二人にとても共感した。
 韓国映画は当たりハズレある。特にハズレが多い。そして日本では、ある特定の人種のお陰で、ハズレばかりがヒットする。日本でも本作のような映画が製作されるようになれば少しはマシな国になるだろうにとため息が出てくる。
 因みにDVDの特典映像にあるムン・ソリのインタビュー映像は必見である。彼女は私が初めて綺麗だと思った韓国人の女優だ。
 私は観ていて「この話、最後どうなるんだろう…」と思わせる作品が好きだ。
 限りなく10点に近い9点。 10点にしない理由は…ウ~ン、私にもわからない(笑)
クロエさん [DVD(字幕)] 9点(2009-01-22 02:34:52)
44.ネタバレ 重度の脳性麻痺の女性と社会似順応できない前科者の恋愛。奇麗事を排したリアルな救いのない現実の中で、少しずつ歩み寄っていく二人の姿に感動した。圧倒的な現実の中でのささやかな希望。エンディングテーマも良い。  男性の冒頭の愚行には殺意さえ覚えたが、実は前科があるという先入観から来る偏見だったことを思い知らされた。 駅で歌うシーンはすごくロマンチックだった。
承太郎さん [DVD(吹替)] 9点(2005-11-15 19:08:08)
43.この作品はもう凄いとしか言いようがない。久々にこんなにも衝撃の受ける作品を観た。この映画を作った監督、俳優には感服する。ヒロインのムン・ソリは本当の脳性麻痺の人だと思わせるような演技力。言葉も出なかった。コンジュが「女が一緒に寝たいという意味が分からないの」という場面では、彼女も普通の大人の女性になりたいんだ、と強く思ってるんだなと感じた。ソル・ギョングが木を切るシーンでは涙が止まらない。ラストの「姫へ―」と書いてある手紙の内容が二人のこれからの未来に希望がある感じがして暖かい終わり方だと思う。日本のマスコミの方、韓流韓流と騒ぐなら、このような作品を声高に取り上げて欲しい。
アンナさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-10-22 11:30:56)
42.ネタバレ すごくファンタジックな映画だったと思う。ジョゼと虎と魚たちも身障者と健常者の恋愛話でなおかつファンタジックだったが、全く違う。オアシスのふたりには、求め合う自然さと理由の無さを感じた。社会から見ればとんでもないカップルだろう。そしてやはり、はみ出しものとしての軽蔑心から生まれる嫌悪や哀れさも感じるだろう。誰にも認められない二人だけのオアシスをふたりは強く求めていた。女は最初オアシスを恐れていたが、もっとも求めてもいたのだ。男が、そこに自分たちは行けるのだと、彼女に教えたのではないだろうか。CGの蝶は、彼女に生まれたささやかな希望だったような。いや、いい映画だった。韓国すごいっす。一瞬健常者になるとこがなんともせつない。。。
ガムさん 9点(2005-03-11 10:32:53)
41.イ・チャンドンはただの小説家あがりじゃなくて、映像作家としてもすげー!
SUMさん 9点(2004-04-15 16:15:44)
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40.ネタバレ ムン・ソリ演じる脳性麻痺のコンジュはまるで本当に障害のある女性のようにリアリティがある驚愕の演技。彼女が作中で数回夢想する健常者のシーンがなければ演技だとは思えないほどだが、健常なのに表情や体中を不自然に歪め続けることは大変なことだったろう。彼女の素晴らしさはすでに賞賛ずみだが、青年ジョンドゥを演じるソル・ギョングがこれまた素晴らしい。知恵遅れとかいうより社会的に未熟で世間的な常識が理解できないまま大人になって、自己表現も下手なので周囲に理解されず問題ばかり起こして皆に厄介者扱いされている。一種の発達障害なのかもしれないが、程度の差はあれこういう人は周囲にも結構いるのではないか。落ち着きのない貧乏ゆすりや丸めた背中、あっけらかんとした表情など全身からこうした特異な彼の性質が浮き彫りにされる。後先考えない彼は彼女に対しての卑劣な下心から近づき彼女を強姦しようとする。こんな男でも彼女は「可愛い」と言って花をくれたことが嬉しい。第一他に心から関心を持ってくれる人もいない孤独な身の上なのだ。周囲に厄介者扱いされる者同士の純愛。ジョンドゥの行動が危なっかしいので見ていてもはらはらするが、今まで誰からも省みられることのなかったコンジュにとっては初めての心躍る時間だったろう。たとえ障害があろうと気持ちは健常者と変わらない。セックスを求めるのも自然なことなのだ。しかしこの行為は誤解を呼び警察沙汰になる。彼は事態をうまく説明することもできないし、彼女も緊張で言葉が出ないので真実は伝わらない。壁のタペストリーoasisは空想の楽園の舞台だが、彼女が怖がる影を消すために彼のとった必死の行動には涙がこぼれる。それにしても食事を断られる場面など韓国では障害者に対する理解がこんなにないのだろうか。勢いのある韓国映画だが他の甘い・悲恋といったラブストーリーとは一線を画す作品で、監督のイ・チャンドンはじめこのメンバーは別格の感がある。あまりに演技が素晴らしいので甘めの9点。
キリコさん 9点(2004-03-31 18:00:39)
👍 1
39.「ペパーミント・キャンディー」のイ・チャンドン監督作品。主演ソル・ギョング、ヒロインのムン・ソリも「ペパーミント」と同じ。「ペパーミント」を見たときは、この監督は巧いし、心に突き刺さる映画も作れるだろうけど、お涙頂戴の面白いのを作るような監督じゃないな・・と思ってましたが、これは泣けました。泣ける上に、全編に漂う狂気につながるような危うい雰囲気がなんともいえない。身障者を演じるムン・ソリの演技が気に入らない人はたくさんいるでしょうけど、これは寓話的なラブストーリーだからあれでいいと思います。一番問題なのはレイプまがいの行為だと思いますが、あえて危ない表現に踏み込んだ監督は確信犯でしょう。許せない人がいても仕方ないと思います。こんなけなげでちっぽけな恋人たちを見せられちゃ哀しくてしょうがない。韓国特有のメロドラマとは一線を画してると思いますが、どんなメロドラマよりも甘く切ない。駅のホームでのミュージカル的シーンはこれぞ映画!といった最高の場面だと思います。主人公のダメダメぶりが自分に重なってつらかったです・・・・。僕が見た韓国映画の中では最も好きなものとなりました。ただ身障者が身近にいないので実際はどうなのかがわからない。他人事ではない人の現実的な見地からの批判がありそうな気がしますね。そういう方の気分を害するようでは高得点はまずいですけどね。どうなんでしょう?。怒涛のこきおろし悪評レビューが続くこと必至の作品。
しったか偽善者さん 9点(2003-11-27 11:25:21)
38.ネタバレ 日本では作れないし、製作から20年経った韓国でも作れない映画だと思う。

知的障害を持つジョンドゥは発達障害も患っていて、
衝動的で空気の読めない言動が当事者にとってリアルに突き刺さるものがある。

しかし、それ以上に脳性麻痺を持つコンジュはさらに過酷な境遇だ。
知能が健常者と同じであっても自分の気持ちを上手く伝えられないもどかしさが切ない。

両者とも家族から煙たがられていて、都合良く利用されている辺り、偏見と無知に満ちた健常者ありきの社会と言える。
その社会と相反するように二人だけの居場所である空想のオアシスが、二人の純粋さを際立たせる。
"障害者"ではなく"女"として見てくれたジョンドゥが当初強姦未遂を起こそうが、
コンジュがどう受け入れるかは彼女が決めることだ。
ただ、コンジュのジョンドゥに対する恋愛感情は本物なのか、ストックホルム症候群に陥っていないか。
その"理解できなさ"が本作の肝である。

ドキュメンタリータッチとファンタジーの境目を無くすことを可能にしたムン・ソリの壮絶な名演に尽きる。
ジョンドゥは誤解が解けないまま服役してしまうが、コンジュはいつまでも彼を待ち続けるのだろう。
健常者とは永遠に距離が縮まらないとしても、二人なりに新生活を始めることを想像させる幕引きだった。
Cinecdockeさん [インターネット(字幕)] 8点(2023-03-10 22:51:57)
37.ふたりとも家族と繋がらないと生きていけないので煙たがられている。一方で家族は「どうせ理解できない」と、彼らを利用している関係というのがリアルですね。社会の縮図です。
見てるとどんどん悪い方向に向かう反面、愛が深まっていって、ついでに主人公が少し成長したりしてて。この純粋さには心打たれるものがある。
kagrikさん [インターネット(字幕)] 8点(2021-04-06 00:27:37)
36.ネタバレ 『バーニング劇場版』でイ・チャンドン監督を知った新参者です。事前情報ほぼなしでの鑑賞。冒頭のジョンドゥの奇行の数々でグッと惹きつけられ、いよいよヒロインのコンジュの登場で文字どおり度肝を抜かれました。この映画、個人的にはどうしても受け入れられない表現が2つあります。一つはいきなりの強姦未遂。もう一つはコンジュを「健常者」化する描写。ただ、これらの表現に多くの人が反発することは、この映画では織り込み済みであるようにも思いました。この違和感や嫌悪感こそが、人間関係が持ちうる醜悪さや恐怖であり、その醜悪さや恐怖のない「純愛」なんて存在しないのだ、というふうにも訴えているように見えました。また、この二人の根源的な違和を抱えた関係性が、それぞれの親族たちが醸し出す、もっと世俗的で卑近な嫌悪感に囲まれる二重構造になってるのもうまい。この、どうにもならない人間関係の「負」の二重構造が、コンジュが持つ恐怖の象徴であった木の枝を取り除くというジョンドゥの行為の「美しさ」を際立たせています。ちなみに私は近親者にコンジュよりはやや軽めの脳性麻痺患者がいますが、その目で見るとムン・ソリの演技は「やり過ぎ」感がありましたが、障がい者の症状やふるまいには個人差も大きいので、コンジュのような女性はきっといると思うし、彼女の演技がもの凄いレベルにあるのは間違いないと思います。いまでも、この映画を受け入れてはいけないのだという意識は、私のなかのどこかにありますが、心に棘のように刺さった本作の忘れがたさ自体は、やはり評価するべきなのかと思っています。
ころりさんさん [インターネット(字幕)] 8点(2021-02-13 17:45:02)
👍 1
35.まずは主人公二人の演技に脱帽。凄いの一言。

最後ははとにかくもどかしかった。
これが意思の伝達が出来ないコンジュと同じ気持ちなのかな。。
ジョンドゥに何とか救いの手を差し伸べて欲しかったが…

自分の期待する結末ではなかったけど、唯一無二の作品であることは間違いない。
tonaoさん [DVD(字幕)] 8点(2020-06-02 21:21:38)
34.主演2人の演技の凄さ。ドキュメンタリーを思わせるリアルな描写。最初の方で目を背けたくなるほどのとんでもないシーンを見せられて、なんか見続けるのが辛いなってなるんだけど、見続けるにつれて主役の2人に肩入れせずにはいられない脚本の妙。
実に巧みに物語の世界に引き込まれた。
かと思えば、突然障害者が健常者になるという妄想シーンのお陰でまた否応なしに現実に引き戻されるという…。
その辺のバランスが絶妙だったなぁ。

タペストリーに描かれた“オアシス“の住人と象達が現実に現れて2人を祝福するシーンが忘れられない。
ヴレアさん [映画館(字幕)] 8点(2020-02-13 19:29:14)
33.この女優さん、日本の女優で代われる人はいないでしょう。特典映像など普段見ることはないのですが、この人のインタビューは魅入ってしまった。
マー君さん [DVD(字幕)] 8点(2016-11-25 13:29:05)
32.主演ふたりの演技が凄過ぎて、残酷な現実を嫌というほど突き付けられて心が痛いです。
時々シームレスに織り込んでくる妄想シーンも逆に悲惨さを強調していて鬱になる。
それでも、次第にこの状況にも慣れてきて、中盤くらいになってくると普通にラブストーリーとして楽しめてしまうのが不思議。
怒涛の展開となる終盤はどうなってしまうんだろう???と心配で心配で仕方なかったんだけど、ラストシーンの穏やかさに目から鱗が落ちました。
ああ、これでハッピーエンドなんだなぁって妙に納得してしまいましたね。
僕の中にある常識とか偏見の壁をぶち壊して、ひとつの幸せの形を見せてもらった気がします。
いい作品でした。
もとやさん [DVD(字幕)] 8点(2014-06-12 15:01:56)
31.ネタバレ なるほど巷の評価の高いこれは、ジャンルとしては「ロミオとジュリエットの韓国版」というべきものだ。
つまり「障害のある愛」。
ヒロインの障害を指しているのではなく、「愛」に対する障害という意味である。
そして、そのジャンルにおいても、特にこの作品は「当たり前のことは当たり前ではない」ということを表現することに、全力を絞っている。そこに特化している。
「愛への障害」というものはいろいろあるが、「当たり前のことは実は当たり前ではない」ということを表現するにおいて、これほど「濃い」手法というものも、ほかにないだろう。
「濃い」という意味では、「少しわかりやすすぎる」と言えなくもない。
言えなくもないが、他の二番煎じというわけではなく、そして作品に対する情熱は充分に感じられるので、私も、飛びぬけて質の高い作品という評価をしたい。
また、本作で数々の賞を受賞したムン・ソリについては、日本では寺島しのぶくらいしか匹敵する女優がいないであろうと私は思う。韓国の俳優層の厚さを感じる。
個人の好みで言えば、「障害のある愛」ジャンルでいうならば、「ブエノスアイレス」のほうが芸術性で優るとしたい。また、邦画では、くだんの寺島が主演した「やわらかい生活」も、「オアシス」に引けを取らぬものと私はしたい。豊川悦司がフェロモンを全開にしての渾身の演技が光るので。
「オアシス」は優れた作品であるが、足りなかったものがあるとしたら、それはおそらく「フェロモン」であろうと私は思う。
「ブエノスアイレス」におけるレスリー・チャン、「やわらかい生活」におけるトヨエツにあたるものが、ない、といえば、ない。
そもそも「オアシス」において「フェロモン」が必要だったのかというと、必要がなかったのかもしれないが、私はこのジャンルにおいては、ぜひとも男優のフェロモンを求めたい。
ソル・ギョングは優れた演技を見せたが、フェロモンが出ているとはいえない。
どんなテーマを追求しても、「濃い」という点においては、韓国映画ではほぼ共通しているようであり、それはそれで持ち味であるから、単に好みの問題である。
が、「殺人の追憶」におけるような、「かゆいところに手が届かない」程度に薄味な表現というものもまた、共存しているというところが、韓国映画の多様性、奥深さを感じさせるのである。
パブロン中毒さん [DVD(字幕)] 8点(2012-06-13 21:56:41)
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マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 50人
平均点数 7.34点
000.00%
100.00%
212.00%
312.00%
412.00%
548.00%
6612.00%
7816.00%
81734.00%
91020.00%
1024.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.66点 Review3人
2 ストーリー評価 8.00点 Review5人
3 鑑賞後の後味 8.20点 Review5人
4 音楽評価 8.33点 Review3人
5 感泣評価 8.25点 Review4人

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