映画『オアシス』の口コミ・レビュー(3ページ目)

オアシス

[オアシス]
Oasis
(오아시스)
2002年上映時間:132分
平均点:7.34 / 10(Review 50人) (点数分布表示)
公開開始日(2004-02-07)
ドラマラブストーリー
新規登録(2003-11-27)【しったか偽善者】さん
タイトル情報更新(2023-03-15)【Cinecdocke】さん
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監督イ・チャンドン
キャストソル・ギョング(男優)ホン・ジョンドゥ
ムン・ソリ(女優)ハン・コンジュ
リュ・スンワン(男優)ホン・ジョンドゥの弟 ホン・ジョンセ
ソン・ビョンホ(男優)ハン・コンジュの兄 ハン・サンシク
脚本イ・チャンドン
撮影チェ・ヨンテク
配給シネカノン
あらすじ
兄の起こした轢き逃げ事故で、身代わりとして服役していたジョンドゥは刑務所から出所した。知的障害を抱えた彼は至る所で問題を起こし、家族からも疎まれている。被害者遺族に謝るため、花束を持って古いアパートを訪れた彼は、当然のごとく遺族の怒りを買うが、被害者の娘で重度の脳性麻痺を持ったコンジュに一目惚れする。
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10.ネタバレ ラブストーリーのヒロインが障害者の設定というのは今までに何度もあった。耳や目が不自由だったり、車椅子だったり。
でも、重度の脳性麻痺患者というのは記憶にない。描き方がとても難しいし、タブー視されてきたことに踏み込んだチャレンジ精神は素晴らしい。日本でなら企画段階で通らないに違いない。

脳性麻痺の患者は知能まで低いと思われることもあるが、全然そんなことはない。以前に一度、将棋が趣味の脳性麻痺患者と将棋をする機会があり、あまり負けたことのない私は内心困った。勝っても気まずいので手加減しようかどうしようかと迷いながら指し始めたものの、めちゃくちゃ強くて完敗。ビックリしたと同時に、自分の無知と偏見を思い知らされた。
コンジュがいるのに性行為を始めた隣室の夫婦は、コンジュを知性のある人間と見なしてなかったからこそそんなマネができたのだろう。

コンジュの兄夫婦は、コンジュのための住居の優遇措置を利用して、自分たちだけでその新しい家に移住。コンジュを古いアパートに残し、その世話は隣人にお金を払って任せている。
ジュンドゥの兄も自分の轢き逃げをジュンドゥに身代わりになってもらいながら、出所したジュンドゥに偉そうに説教している。
どちらも厚顔無恥で、心の不自由な人達。これが世間を代表しているように見える。韓国らしいシンプルに二極化した描き方とも言えるが、現実には障害者にも某有名人のような裏の顔を持つ勘違い野郎はいるし、健常者にも偏見のない純粋な人はいっぱいいる。
そういうことも含めてニュートラルに描いている映画もあるのだが、わかりやすさでいうとシンプルに二極化したほうが効果的なのかもしれない。

ジョンドゥも身体こそ健常だが発達障害を抱えているように見える。落ち着きがない、人の話を聞けない、空気は読めない、周りが見えない、自分のやりたいことしか頭になく他人の気持ちがわからない。前科持ちで家族からも厄介者として嫌われて、義姉にも面と向かっていないほうがいいようなことを言われている。
実際こんな奴とは絶対関わり合いになりたくないと思わせるくらい、嫌悪感を催すシーンが続いて大嫌いになる。
この誰もに嫌われる厄介者が、コンジュにとってだけは違う。コンジュを人として見てくれたのはジュンドゥだけ。
コンジュを強姦しそうになったのには呆れたが、コンジュにとってトラウマにならなかったのは幸いだった。とはいえ、それも結果オーライだっただけで、自分勝手な強姦未遂と変わりはない行為。
その報いか、愛情で結ばれた性行為が障害者に対する強姦として逮捕されたのは皮肉な結末。
それでも暗いラストにならなかったのは、二人が互いに必要としていることが確かな光明として見えるからだろう。
どんなに周りから厄介者扱いされても、誰かに必要とされる、居場所があるということは、それだけで大きな救いになるのだから。
時々コンジュの願いをイメージにしたようなシーンが挿入されるが、微笑ましいカップルの姿が印象に残る。そして、役者も上手い。
飛鳥さん [DVD(字幕)] 7点(2017-10-14 23:33:54)
9.主演2人の演技の凄さ。ドキュメンタリーを思わせるリアルな描写。最初の方で目を背けたくなるほどのとんでもないシーンを見せられて、なんか見続けるのが辛いなってなるんだけど、見続けるにつれて主役の2人に肩入れせずにはいられない脚本の妙。
実に巧みに物語の世界に引き込まれた。
かと思えば、突然障害者が健常者になるという妄想シーンのお陰でまた否応なしに現実に引き戻されるという…。
その辺のバランスが絶妙だったなぁ。

タペストリーに描かれた“オアシス“の住人と象達が現実に現れて2人を祝福するシーンが忘れられない。
ヴレアさん [映画館(字幕)] 8点(2020-02-13 19:29:14)
8.まずは主人公二人の演技に脱帽。凄いの一言。

最後ははとにかくもどかしかった。
これが意思の伝達が出来ないコンジュと同じ気持ちなのかな。。
ジョンドゥに何とか救いの手を差し伸べて欲しかったが…

自分の期待する結末ではなかったけど、唯一無二の作品であることは間違いない。
tonaoさん [DVD(字幕)] 8点(2020-06-02 21:21:38)
7.ネタバレ この映画が素晴らしいのは主演二人が美男美女ではなく、華のない(見た目の話ね)二人で撮っていること。邦画でもハリウッドでもこういうキャスティングはしない。その結果入り口でがっちり監督の世界観に没入することができる。互いに阻害された者同士の愛の話と抽象することはできるが、脚本が濃厚かつ精緻だからから、そんな一言で終わらせられないほど、言葉を費やせずにはいられない作品だ。ジョンドゥがコンジュを犯そうとしたのにそこから恋愛に発展させるのも彼が花束を贈ったことから自分を性のはけ口としてみたのではなく、一人の女性と見たのでは?と思うことができたからこそのリアリティが担保され、彼がその後はしっかりと体を求めず異性として自分とデートをしたことで、二人の関係性の進展に何の違和感もなく見ることができた。また、彼が発達障害であろうという設定もよく効いている。そして、なぜジョンドゥの家族が彼を切らないのかという疑問も後半にちゃんと種明かしもし、ここでもしっかりとリアリティを担保している。ある意味ハンディキャップを負った男女二人の純愛という安直になりそうな話をこうまで腹に深く響かせられるのは、それぞれの登場人物の自己中をうまく共鳴させることで、その結果としてドラマが生まれ、悲恋となるという作品世界を作り出せるイ・チャンドンの人間理解が優れているからだ。この映画で一番心を抉られたシーンは最後警察署で調書を取る前に刑事が言った「あんな子を(犯すとは)人間として理解できないね」ということでコンジュの尊厳を踏みにじり、周囲の人間のエゴに搾取されまくり、自分が差別により健常者と同じように愛する男と性愛すらできないこの現実世界に苛立ち、車いすを自ら暴走させ自傷しようとする場面だ。コンジュのみがこの映画の登場人物のなかで唯一自己中に生きられない一番の被害者であるからより胸に響いた。エンディングで一筋の希望を見せるのもイ・チャンドンのスタイルだし、彼の弱者に対するまなざしだろう。それにしてもこの女優の演技は本当にすごい。初めの方から観ていて目のいき方なんかを見ていたらひょっとして本物?と思ったほどだ。レインマンのダスティン・ホフマンよりもうまいと思う。あと、インド人と象のシーンだけはどうしても安っぽく、そこだけは唯一興ざめしてしまいました。ごめんなさい。
エリア加算さん [インターネット(吹替)] 9点(2020-10-24 23:37:38)
👍 1
6.ネタバレ 『バーニング劇場版』でイ・チャンドン監督を知った新参者です。事前情報ほぼなしでの鑑賞。冒頭のジョンドゥの奇行の数々でグッと惹きつけられ、いよいよヒロインのコンジュの登場で文字どおり度肝を抜かれました。この映画、個人的にはどうしても受け入れられない表現が2つあります。一つはいきなりの強姦未遂。もう一つはコンジュを「健常者」化する描写。ただ、これらの表現に多くの人が反発することは、この映画では織り込み済みであるようにも思いました。この違和感や嫌悪感こそが、人間関係が持ちうる醜悪さや恐怖であり、その醜悪さや恐怖のない「純愛」なんて存在しないのだ、というふうにも訴えているように見えました。また、この二人の根源的な違和を抱えた関係性が、それぞれの親族たちが醸し出す、もっと世俗的で卑近な嫌悪感に囲まれる二重構造になってるのもうまい。この、どうにもならない人間関係の「負」の二重構造が、コンジュが持つ恐怖の象徴であった木の枝を取り除くというジョンドゥの行為の「美しさ」を際立たせています。ちなみに私は近親者にコンジュよりはやや軽めの脳性麻痺患者がいますが、その目で見るとムン・ソリの演技は「やり過ぎ」感がありましたが、障がい者の症状やふるまいには個人差も大きいので、コンジュのような女性はきっといると思うし、彼女の演技がもの凄いレベルにあるのは間違いないと思います。いまでも、この映画を受け入れてはいけないのだという意識は、私のなかのどこかにありますが、心に棘のように刺さった本作の忘れがたさ自体は、やはり評価するべきなのかと思っています。
ころりさんさん [インターネット(字幕)] 8点(2021-02-13 17:45:02)
👍 1
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5.ふたりとも家族と繋がらないと生きていけないので煙たがられている。一方で家族は「どうせ理解できない」と、彼らを利用している関係というのがリアルですね。社会の縮図です。
見てるとどんどん悪い方向に向かう反面、愛が深まっていって、ついでに主人公が少し成長したりしてて。この純粋さには心打たれるものがある。
kagrikさん [インターネット(字幕)] 8点(2021-04-06 00:27:37)
4.ネタバレ ・身体障害者手当を不正受給して、いい部屋に住みながら、脳性麻痺の女性を汚いアパートに放置。しかも、強姦騒ぎで示談話を持ちかけ、金を要求する。
・弟が交通事故の肩代わりをしてくれたのに、その弟を邪険に扱う兄。
この2点が、非常に胸くそ悪い映画。
にじばぶさん [インターネット(字幕)] 5点(2021-07-28 00:10:36)
👍 1
3.ネタバレ 日本では作れないし、製作から20年経った韓国でも作れない映画だと思う。

知的障害を持つジョンドゥは発達障害も患っていて、
衝動的で空気の読めない言動が当事者にとってリアルに突き刺さるものがある。

しかし、それ以上に脳性麻痺を持つコンジュはさらに過酷な境遇だ。
知能が健常者と同じであっても自分の気持ちを上手く伝えられないもどかしさが切ない。

両者とも家族から煙たがられていて、都合良く利用されている辺り、偏見と無知に満ちた健常者ありきの社会と言える。
その社会と相反するように二人だけの居場所である空想のオアシスが、二人の純粋さを際立たせる。
"障害者"ではなく"女"として見てくれたジョンドゥが当初強姦未遂を起こそうが、
コンジュがどう受け入れるかは彼女が決めることだ。
ただ、コンジュのジョンドゥに対する恋愛感情は本物なのか、ストックホルム症候群に陥っていないか。
その"理解できなさ"が本作の肝である。

ドキュメンタリータッチとファンタジーの境目を無くすことを可能にしたムン・ソリの壮絶な名演に尽きる。
ジョンドゥは誤解が解けないまま服役してしまうが、コンジュはいつまでも彼を待ち続けるのだろう。
健常者とは永遠に距離が縮まらないとしても、二人なりに新生活を始めることを想像させる幕引きだった。
Cinecdockeさん [インターネット(字幕)] 8点(2023-03-10 22:51:57)
2.感情移入は出来ないものの、観続けてしまう映画。
物語の展開に意外性は感じないが、演技が素晴らしい。特にこの女優は他では一体どんな感じなのか興味が出る。
simpleさん [インターネット(字幕)] 7点(2023-09-09 12:13:36)
1.ネタバレ 純愛ラブロマンスではあるのだが、見る角度を変えれば色々とムナクソ映画でもある。整理すると、私にとっては見なくてもいい映画だったように思う。
ほとはらさん [DVD(字幕)] 6点(2024-09-17 19:18:46)
👍 1
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 50人
平均点数 7.34点
000.00%
100.00%
212.00%
312.00%
412.00%
548.00%
6612.00%
7816.00%
81734.00%
91020.00%
1024.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.66点 Review3人
2 ストーリー評価 8.00点 Review5人
3 鑑賞後の後味 8.20点 Review5人
4 音楽評価 8.33点 Review3人
5 感泣評価 8.25点 Review4人

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