映画『みなさん、さようなら(2003)』の口コミ・レビュー

みなさん、さようなら(2003)

[ミナサンサヨウナラ]
The Barbarian Invasions/Invasion of the Barbarians
(Les Invasions barbares)
2003年カナダ上映時間:99分
平均点:4.94 / 10(Review 50人) (点数分布表示)
公開開始日(2004-04-24)
ドラマコメディ
新規登録(2004-04-04)【ロイ・ニアリー】さん
タイトル情報更新(2019-08-12)【Olias】さん
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監督ドゥニ・アルカン
キャストマリ=ジョゼ・クローズ(女優)ナタリー
マリナ・ハンズ(女優)ガエル
イザベル・ブレ(女優)
ドゥニ・アルカン(男優)労働組合員
平田広明セバスチャン(日本語吹き替え版)
大西多摩恵ルイーズ(日本語吹き替え版)
石塚理恵ガエル(日本語吹き替え版)
幸田直子ディアーヌ(日本語吹き替え版)
佐々木梅治クロード(日本語吹き替え版)
桐本琢也ルヴァク刑事(日本語吹き替え版)
辻親八(日本語吹き替え版)
浦山迅(日本語吹き替え版)
出演クリス・エバート(アーカイブ映像)(ノンクレジット)
脚本ドゥニ・アルカン
撮影ギイ・デュフォー
美術フランソワ・セグワン(プロダクション・デザイン)
衣装デニス・スパードクリス
その他クリス・エバート(thanks)
あらすじ
カナダモントリオールの大学教授のレミは、末期がんで余命幾ばくもない。レミの妻は、ロンドンで証券ディーラーとして成功している息子セバスチャンに連絡をとり、父親との邂逅を促す。セバスチャンは婚約者と共にカナダに帰郷し、頑固で女好きの父親に辟易しつつも、母親の言葉を聞き入れ、父親の望む最期を演出していく…。04年『たそがれ清兵衛』とオスカー外国語映画賞を争った話題作。
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💬口コミ一覧

50. この映画良かったですよ。こういう映画を「たそがれ」と較べるなんて意味ないし、オスカーにそれほどこだわらなくてもいいんじゃないでしょうか。そんなこと気にせずに見たら絶対面白い映画ですって。

 テーマは伊丹の「大病人」などと一緒で、「自分ならこう死にたい」というのが基本線にあります。そういうあまりに人類共通のテーマなだけに、一歩間違うと低俗なお涙頂戴か、説教くさいモラリスト的な内容になるところを、インテリの諧謔的笑いで上手に包み込んでいる。

 登場人物はみんな魅力的なんだけど、一番良かったのはやっぱり息子かな。
 これも「今までは対立していたが、死に行く父のために、最後の親孝行をする」というそれだけ聞いたらいかにも低俗なお涙頂戴になるところを、<無口で、一般的なモラルを気にしない、過激な行動力のある冷酷非情なビジネスマン>という枠をはめることによって、エスプリあふれる笑いに持っていっているところが見事です。僕は彼を見ていてずっとプーチンを思い出していました。
 ふつう、そういうプーチン的キャラを作ると、どこかでその冷たいスマイルの壁を壊し感情をあふれさせることで、そのギャップで物語を見せようという安易な路線に走るものですが、彼は最後の最後までほとんどそのままです。だからこそ、微妙な揺れがふっと走るだけで、すごく印象的になります。
 こういう「ずらし方」は、井上陽水なんかと近いものを感じますね。
(点数は、オスカーの逆影響に抗議して+1)
小原一馬さん [DVD(字幕)] 9点(2005-11-17 09:33:58)
49.ネタバレ 「あなたのことが大好きだよ」と、余命いくばくもない本人に幸せな気持ちをプレゼントしてあげる、お酒と料理を囲んで大勢で晩餐会、そういうことができる日本人がどれだけいるだろうかと、深く深く考えさせられた。ハグや握手など、人に触れる文化に乏しいシャイな日本人は、家族が人生のラストを迎えるとき、あの息子が父親に見せた愛情表現をいざ見せられるかというと・・・・・・。こういうシーンを見るたびに、いとも簡単に壁を越えてダイレクトに愛情を伝えられる欧米人が羨ましくなる。また、モルヒネで死ぬタイミングをはかるという演出がズルいというか悔しいというか羨ましいというか、この時間さえわかっていれば、どんな演出も間に合うし、粋な計らいも可能になるというもの。法的に許されないことでも軽々とクリアされているノリを見ると、この映画は「どんな主義を信奉していようがどんな過去を抱えていようが、細かいことは全部忘れて人生の終わりは平らな気持ちで迎えよう(あるいは見送ってあげよう)」ということを人間賛歌として伝えたいのではないかと思う。人づきあいが不器用で問題を多く抱えた人を全身で受けとめる姿は、本当に美しい。
tonyさん [DVD(吹替)] 8点(2014-03-03 00:19:51)
48.淡々としたテンポと真っ当な人間臭さが秀逸。カナダの医療事情が少しわかりにくかったが、気になることもなく楽しめた。今際の際に下衆な笑いで楽しませてくれる友人は捨てるほどいてるので、あとは疼痛治療のためにヘロインを買ってきてくれるような家族が欲しいと、思った。
aksweetさん [DVD(字幕)] 8点(2008-01-10 16:33:19)
47.泣いた泣いた、もう思考停止状態です。一人の《進歩派左翼知識人》の死を通して、そのカテゴリに属した一群のサブカルチャーを「あなたたちはもう終わった人なんです」と優しく葬ってしまった怪作…なんだというのは教会の骨董品鑑定のシーンから明確だと思う(見終わった直後だからまだ自信はない)。リベラリストの象徴である父が、息子の莫大なカネの力を受け入れて個室に移り、麻薬を受け入れ、コテージに移動し…死期が迫るにつれ徐々に弱々しく周囲を受け入れていく姿が泣ける。まぁ日本の場合は、この手の人たちって割と早いうちに世間に迎合しちゃってて、こんな状況は成立しないと思われそうだが…実は強烈に我が父にダブったのだよ…あの超頑固な労組世代に…《あなたが父さんでよかった》。まだ健在ですが。(6/11 2点下げ)
エスねこさん [DVD(吹替)] 8点(2005-04-03 00:01:42)
👍 1
46.ネタバレ 特に期待せずビデオで借りて見たりすると、かなり好感触。正直これを映画館で見たらと思うと嫌な予感がするが、ビデオで一人に見るにはもってこいである。
自分の死がわかってからの人々の行動にはバラエティーがあるが、これもまたそのひとつ。人生の最後を真っ当するってほどのことでもない、なにか新しくはじめるでも、何かをやりきるでもない、親しい友人たちと毎日を過ごし、ワインを飲みながら下ネタ話に花を咲かせ、妻も愛人も関係なしに、少しでも楽しく、少しでも楽に最期を迎えること、それが彼の選んだ道であり、彼の仲間たちもそれを喜んで承諾した。
この人の人生がどんなだったか見ずともわかってくるような作品、こんな一生ならどんだけ素晴らしいだろう。
AXL侍さん 8点(2005-02-25 03:49:00)
45.ネタバレ  どっかの映画のタイトルではないですが「生きてるうちが花なのよ、死んだらそれまでよ」という言葉が思い浮かびましたね。人間にとって死とはすべての終わりなんだなと思いました。愛情や友情や楽しいことは勿論のこと、苦しみや憎しみ、対立さえも強制終了してしまう・・・・。だから、この父親のようにすべての完結をある程度見届けた上で死を迎えられるのは本当に幸せなことなんでしょうね。ユーモア(若干ブラックなのもありましたが)にあふれた温かい雰囲気が非常に心地よかったです。

 人間誰しもいずれは受け入れなくてはならない問題ですから、いろいろ考えさせられました。
TMさん [DVD(吹替)] 7点(2009-02-21 19:58:48)
44.ネタバレ 一見するとほのぼのとした、温かい、親と子のヒューマン・ドラマ。といいたいところなんですが、よくよく考えてみるとこの作品、裏に実は皮肉っぽい意味合いがあるように思える。アメリカに行きたくない。この小部屋がいいという社会主義者の父。でも資本主義の申し子みたいな息子の成金パワーによって結局はきれいな病室に移り、ヘロインを手に入れ痛みを和らげ、教え子が見舞いに訪れ(本人は知らない)、本当は車を買って旅に出たいんだという夢を語り、人類の歴史は殺し合いの連続だと言いながらも自らがヘロイン投与の安楽死を望む。このお父さんの死は明らかに、資本主義や情報が押し寄せ、やがて崩壊へと至る社会主義国そのもののメタファーであることがわかります。なぜわざわざ娘が船上に居て父に会えずビデオメッセージを送るという設定であるのか。それは、社会主義を崩壊させた一番の要因が「情報」であるからでしょう。本作の原題はTHE BARBARIAN INVASIONS(蛮族の侵入)。二つの仮面を持ったなんとも巧妙な作品です。
あろえりーなさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-05-26 00:54:36)
👍 2
43.ネタバレ 好きな場所で親しい人たちに看取られながら安楽死。一種の理想的な死に方ですな。父親と息子の対比も良かった。ただ下ネタがくどかったのでマイナス1点。
すたーちゃいるどさん [DVD(字幕)] 7点(2008-04-08 22:02:28)
42.ネタバレ 普段は死についてまったく意識にしないで生活している私なんかは、人生をそれほどマジメに生きていないわけですが、初めて死に直面した時の、普段は陽気なレミのあの表情(隣の人工呼吸している患者を見る目等)は上手いなあと思いました。それと考え方の違いから疎遠になっていた息子が、父親をもう直ぐ失うと理解した後のあの献身ぶりは、偽善的にも感じなかったし素直にそう動くだろうなと思って見ました。ただ世の中にはもっと不幸にして亡くなる方が多く、レミは温かい仲間に囲まれて最高の最期になったのではないでしょうか?しかもヘロイン中毒だったナタリーの人生観を変えた。ちゃらんぽらんに生きていた人間、まだ生に執着する人間にも容赦なく襲ってくる死。その現実を直視して悟ったナタリーも救われたし、金を握らせないと見舞いすら来ない生徒ばかりの中で、無理しない生き方で、他人の人生観に影響を与えるって凄く幸せな人生ではないかと思いました。
まさかずきゅーぶりっくさん [DVD(字幕)] 7点(2007-02-26 14:31:37)
41.ネタバレ アカデミー賞らしくない、捻くれた作品ですね。
親父が信奉している社会主義は、資本主義の申し子である
息子にしてみれば全くの時代遅れで相手にされない。
死ぬ意義を見出したいと気張ってみるものの、実際は
ヘロインを打たれてラリってるだけ。
国家や政治について偉そうに語ってみても、
実際、頭にあるのはエロいことばかり。
臨終の際に思い浮かべるシーンも、女性の太ももである。
そんなどうしようもない親父をかわいいと思えるかどうかで、
評価が分かれてくる映画ではないでしょうか。
Rubyさん [DVD(字幕)] 7点(2006-04-24 04:44:05)
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40.ネタバレ 主人公のレミは末期ガン患者。彼の末期のために、元妻も不仲だった息子も、友人たちもかつての愛人たちも集ってくる。レミはパッとしない大学教師で、すこぶるつきの女好きで妻子泣かせで、ワインを愛する快楽主義者。でも思想的には筋の通った社会主義者でもある。レミの奥さんからしたら、こういう夫はどうか?と思うけど、本人にとってこんな楽しい人生はないでしょう。こんなに人生を楽しんで、友人、妻子に囲まれて最期を送るなんて、なんてうらやましい。レミは生きる喜びを存分に味わっている。(酸いも甘いも)だからこそ、この幸福な最期が送れるのでしょう。自分にもいつか、こんな充実した最期が来るだろうか?もっと人生を味わいたい!と切に感じた映画だ。

霧のターンパイクさん 7点(2004-11-08 18:03:59)
😂 1
39.こういう人生がおくれたら最高だと思う。
さん 7点(2004-07-19 00:59:00)
38.ネタバレ 原題「蛮族の侵入」。ローマ帝国は蛮族の侵入によって滅亡し、ヨーロッパ史は古代から中世へと移ることになる。。。主人公は社会主義者を公言する。息子は仕事が証券ディーラーというあからさまな資本主義代表。息子の、金に物言わせる強引な行動は、そのことをよりわかりやすく提示する。世界は社会主義が超資本主義という蛮族の侵入後、崩壊する。資本主義の象徴とも言えるツインタワーは反対にイスラム原理主義という蛮族の侵入によって倒壊する。人類の歴史は人殺しの歴史。ホロコーストすら霞む大量殺人の歴史。世界はその痛手を乗り越え新たな歴史を刻んでゆく。しかし個人は死んだらお終い。癌という蛮族の侵入にあった父はひたすら「生」を愛して死んでゆく。父と息子は主義や宗教を超えて繋がる。大量の死を刻む歴史の中でたったひとつの命の尊さが描かれた作品。
R&Aさん [DVD(字幕)] 6点(2009-03-26 17:43:55)
👍 1
37.死と家族と友人。描きたいことはわかるけど、あまりにも主役が血色が良すぎて、声が若々しくてリアリティに欠けるかなあ。それにしてもカナダってまるで社会主義国みたい。病院が国営化ってほんとにそうなのかしら。まるで日本を見ているみたい・・・な気がしてしまった。
ひよりんさん [DVD(吹替)] 6点(2008-11-23 19:32:04)
36.ネタバレ 突っ込みどころ満載な映画だが、思ったより楽しめた。個人的には、エロおやじよりも、金で何でも解決しようとする(麻薬まで平気でやっているし・・・)息子が嫌いでした。
ぱんこさん [DVD(吹替)] 6点(2007-05-19 22:31:33)
35.大学教授の父とビジネスで成功しているその息子..そして二人の確執..しみじみと“家族”をリアルに描いた作品です...
コナンが一番さん [DVD(字幕)] 6点(2005-06-22 14:42:42)
34.ジジババの会話が下ネタばかりだし、金をばらまく息子にも感情移入できなくて、内容も全く面白くないんだけど、テーマが「死」なだけになんか考えさせられる。観て損はしてないかなって思える映画でした。ラストの歌は良い
やっぱトラボルタでしょうさん [映画館(字幕)] 6点(2005-06-14 14:25:00)
33.観てる間は「8点かなー9点かなーラストが良かったら9点あげれるなー」と思って観てました。ラスト観て、6点にすることにしました。ぶち壊しです。ちなみに「ビッグ・フィッシュ」は9点つけてます。
金子淳さん [DVD(吹替)] 6点(2005-04-03 14:13:45)
32.可もなく不可もなく。ただもう少しコメディー色が強い話だと思っていたので拍子抜けだった。
misoさん 6点(2005-03-09 21:11:34)
31.黒澤監督の「生きる」は「死」に直面した人間の描き方があまりにもステレオタイプだったのに比べて、この作品はシュールに描かれている。その点で非常に好感が持てる。
STYX21さん 6点(2005-01-06 20:54:03)
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マーク説明
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 50人
平均点数 4.94点
000.00%
148.00%
224.00%
3816.00%
4510.00%
5918.00%
61020.00%
7714.00%
848.00%
912.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 2.66点 Review6人
2 ストーリー評価 4.40点 Review5人
3 鑑賞後の後味 4.00点 Review5人
4 音楽評価 4.33点 Review3人
5 感泣評価 4.20点 Review5人

【アカデミー賞 情報】

2003年 76回
脚本賞ドゥニ・アルカン候補(ノミネート) 
外国語映画賞 受賞 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2003年 61回
外国語映画賞 候補(ノミネート) 

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