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コメント数 644
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ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/23593/
ホームページ http://kine.matrix.jp/
自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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1.  バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生 オイラがスーパーマン映画につけられる最高の点数はここまでじゃないかと思うんですよ。 映画としてクズなのは否定しないし、実際何度もズッコケながら観てたわけだけど、すでにオープニング開けの中東のシーンで「これがもう自分の観たかったスーパーマンの全てなんだなァ」と理解していました。 あれほど、歴史あるスーパーマンのお約束を踏襲しながら、現実世界に当てはめて陰鬱なビジョンを打ち出した場面は寡聞にして知りません。 危険を顧みないヒロインの無謀な行動を陰からサポートし、絶体絶命のピンチには必ず助けに現れる…だが、このシリーズでのヒロインは過去のナンチャッテ記者じゃなく、テロリストにインタビューに行くピューリツァー記者。背後にうごめく様々な存在を考えれば、この「スーパーヒーローの法則」を利用していろいろ政治利用できちゃう。 冒頭でこの宣言ですよ。今回はネタバレなしで書きますので詳しい裏側までは書きませんが、そういうネタバレ情報なしでも、オープニングのこのエピソードは古典的な「抑止力」の戯画で、現代の縮図で、スーパーマンの矛盾をシンプルに表現できている。秀逸です。 クライマックスへの幕開けで敵が「絶対神は善人ではあり得ない」と語る。これが本作の唯一のテーマであって、100年近い長きにわたってスーパーマンがもだえ苦しんできた根源のテーマのようなもの。前作で原点回帰(スーパーマンの元ネタと言われるフィリップ・ワイリーのSF『闘士』のコト)し、原点ですでに提示されていたテーマ(読者に投げかける形で話が終わり、実は解決していないんですが)をキチンと発展させて、「言葉」としてセリフで明言した。 「力を持った絶対善は存在できない」と。 この、アメリカ史大反省会みたいな作品が、コミック作品の映画化として実現されてしまったのが、ハリウッドの画期ではないかと思う次第。 明確な意思と背景を持った「自爆テロ」が描かれる作品でもあります。アメコミ作品でこれやったら、もう収集がつかなくなると思いました(実際、収集ついてるとは思いませんw)。本シリーズの原点回帰・リセット志向はそこまで強い。 もちろん、DCは作品をジャスティス・リーグへ繋ぐための布石として本作を考えているでしょうから、キッチリと出すべきものは出し、見せるべきシーンは見せ、監督の意向なんかおかまいなく商業ベースを保とうとしてる。 そのあたりの(ザック・スナイダーが消化しきれなかった・消化をあきらめた)ゴツゴツした部分が、どうしようもなく前半のテーマを際立たせて、忘れがたい陰影になっていました。玉に瑕があるからこそ、かえってその美しさがわかるような、そんな感じ。 前バットマン・シリーズも時間の経過感覚を失わせるような編集をわざと行って「終末感」を出し切っていましたが、今回のスーパーマンシリーズはさらに終末度の高い、テーマが強く物語のリズムが弱い展開で、上映中はその点(シーンの構成)に様々な死を読み取りました。 ヒーローの終わり、強きアメリカの終わり、皆を救うキリスト世界の終わり。 それが芸術系の映画ではなく、コミック系のハリウッド・エンターテインメントから発信されたことが、何かを予感させるんです。 次作のジャスティス・リーグ編では、何か新らしい始まりが提示されるといいんですが、あくまで現実世界に寄り添おうとしているこのシリーズ、そうは問屋がおろさないかもしれない…。[映画館(字幕)] 8点(2016-04-17 15:06:15)(良:3票) 《改行有》

2.  パシフィック・リム TPPを擬人化したバカ映画。それもいい方向の豪快なバカ。 ストーリーはどこかで見たものの寄せ集めなんだけど、実はそこがいい。 題名の通り、環太平洋にネタが広く散らばっていて、この地方のどの国の観客 (詳細はブログにて)[映画館(字幕)] 6点(2013-08-13 01:43:28)《改行有》

3.  ハワイ・マレー沖海戦 《ネタバレ》 牧歌調のオープニングは「思ったよりいいでわないの」と引き込まれたんだが。 予備兵の訓練シーンも主人公の頑張りにそれなりのリアリティが付されて、悪くない。 飛行隊に入って訓練を受けているところも、空 (詳細はブログにて)[ビデオ(邦画)] 9点(2008-02-13 23:35:14)(良:1票) 《改行有》

4.  パニック・フライト 『ホット・チック』で、ブリジット・フォンダ以来久々にオイラのハートをゲットした女優、レイチェル・マクアダムス。でもまあ、以後のハリウッド作品『きみに読む物語』は守備範囲外っぽいし、本作も(『フライト・プラン』『スネーク・フライト』に押されて)評判が地味だったので、ちょっと手を出せずにいました。 いやあ、百聞は一見にしかず。主演女優を楽しめるという点では全く文句ありません。 サスペンス映画のアリモノシチュエーションを繋いだだけなんだけど、なんか憎めないんだよなあ。これはもう、レイチェル・マクアダムスの醸す華と、ウェス・クレィヴンの手際の良さが全てなんだなあ。 いろいろ突込みどころは多いけど、いやソレも含めて、時間を忘れるほどに楽しめました。 ホントにマクアダムスは観ていて楽しい女優さんだと思います。もっといろいろ幅広く活躍してほしいと願ってやみません。次はアクションしまくりのバディムービーで!(つうかカナダ時代の作品もDVD化してよ…) 惚れた弱みで1点UPしときます(笑)。[DVD(吹替)] 8点(2008-01-28 23:08:08)《改行有》

5.  バース 《ネタバレ》 えええええっ? この評価の低さはあぁぁ? オイラはめっちゃ評価してますよこの作品。  (詳細はブログにて)[ビデオ(邦画)] 8点(2007-12-17 00:01:03)《改行有》

6.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 去年から待ちこがれていた超・期待ファンタジー。 予告や洩れ聞こえて来る情報からは、『ミツバチのささやき』の新解釈リメイクとしか考えられなかったんだけど、まぎれもなくそういう作品です。本作の凄い点は、 (詳細はブログにて)[映画館(字幕)] 9点(2007-10-14 21:40:36)(良:1票) 《改行有》

7.  バベルの本 《ネタバレ》 観ました観ました話題の『バベル』! いやあ日本パートでは役所広司と菊地凛子の息がピッタリ合って、彼らに襲いかかるブラピのクワッと開いた口がまたデカいこと…って、やめよう。時節柄やっておかねばらなぬお約束、虚しいボケだ。 えー、まずバスのオッサンの顔はホルヘ・ルイス・ボルヘスでおます。でもって彼の忘れた本を開くと、ページからバベルの塔がニョキ! …記号的な意味合いは明白というかまんまボルヘスが編纂した『バベルの図書館』、そして彼が古今の物語から怪獣の断片をかき集めた『幻獣辞典』ですな。内容的にも《京》だったか《翁》だったか、巨魚の項にこんな話があってね、個人的にはオドラデクとかミルメコレオとか、絵にしづらい奴をやって欲しかったんだけどまあいいか。このアニメは幻獣を描いた作品ではなく、『幻獣辞典』を「体験」してしまった者の脳内映像というのが正しいでしょう。 それ以上のモンでもないですが。とってもピュアな、とってもストレートなインスパイアです。 切り出した断片を紹介する事で、オリジナルよりも鮮やかな印象を読者へ投げ与えるのはボルヘスの得意技。この手法を使った最も有名な本『幻獣辞典』は、解説本としては極めて罪作りな内容でして、何しろコレ読んで期待して原典に当たったら全然面白くなかったヨーという経験多数(カフカの楽しみを教えてくれたのは感謝するけどさ)。本当にただ抜き出しただけなのに、原典より面白くなる魔法がかかってるとしか思えない(名付けて「幻獣ウルトラファイト」!…イマイチだ…)。そんなんだから憎まれてショーン・コネリーにやっつけられちゃうんだぞー…は、別の映画ですが…。 このあたりの「断片感」、そして「断片の方が全体よりも面白い」という感覚は、このアニメでも存分に描かれている。推察するに、山村浩二もオイラと同じに原典探しをしてガッカリした経験を持っているに相違ない。 余談だが、本作に登場する幻獣の登頂部は、後の『頭山』への布石になったと見た。まあボルヘスも落語『頭山』を知っていたら(奥さんは日系人だから可能性はある)『幻獣辞典』に入れていたかもしれないが…。[DVD(邦画)] 5点(2007-05-01 04:11:06)《改行有》

8.  花折り 初見。今回DVD化されるまで、喜八郎は恥ずかしながら中学時代に『道成寺』を観たのみだったのだ。そのたった一度の出会いですら他のアニメが霞むほどに強烈で、何年か後に自分を「舞台上で人形を操る」立場に導いてくれたのだから、喜八郎恐るべしなのだが。 閑話休題。 川本喜八郎は、デビュー時にして既に川本喜八郎であった。この、年季や上手下手を超越した作家性は凄いと思う。逆に、3D部の増加した後年の『死者の書』の方が、観ていて悲しくなるくらいだ。 若き日の本作は、当然ながら代表作『道成寺』に及ぶものではないけれど、既に観客の目が、あの独特の《喜八郎界》で遊べてしまう、という点では驚愕すべき人形アニメの一里塚。[DVD(邦画)] 6点(2007-04-18 12:23:06)《改行有》

9.  パフューム/ある人殺しの物語 こりゃオイラにゃ書きようがないよ(泣)! まいりました。 一応、原作持ってます。出版された時は大評判でしたからねー。途中でやめちゃった(まだ、なめし皮職人にもなってない時点でやめた)のが悔やまれます。家に帰ったら探して読もうっと![映画館(字幕)] 10点(2007-03-27 22:09:55)《改行有》

10.  ハッピー フィート 《ネタバレ》 これこそはネタバレできん作品。 魂を抜かれました。本当です。 でもま、完全に意味不明なネタバレは書いとくか。 社会生物学というジャンルがありまして、この中ではオイラはウィルソンは信奉するけど、リチャード・ドーキンスは嫌いです。そして科学的におかしい部分があったとしても、コンラート・ローレンツの生き方は凄いと思ってる。顕微鏡を生涯の恋人に決めたような、スティーブン・グールドもステキだ。 ああ、なんていう詩的なディスプレイ。詩的な歌。利己的な遺伝子が生き方を決めるんじゃないよ。誰かが発見した新しい生き方が社会に受け入れられる時、社会全体が変わるんだ。有機化学的にも、行動・文化の上でもね。 その意味では、新しい行動生物学の枠組みの中にありながら、既に葬り去られた今西説的な側面も持つ映画でした。これは生命の本質を描いた恐ろしく詩的なSF作品です。 大半の人は、そうは観ないだろうけど…。[映画館(吹替)] 10点(2007-03-26 19:18:02)《改行有》

11.  バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 《ネタバレ》 思いのほか、というか相当に考えさせられる映画だった。 なんで世間一般的に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が度外れに評価高いのか? オイラは「半ば神格化された《アメリカ黄金期の50年代》という古き良き時代を、無条件にバカにできるから」だという考えでいるんだけど、当のアメリカ人にしてみればアレは相当に苦い映画だった…という当然のコトに、『バブルへGO!!』を観ながらようやく気付く。BTTFは80年代、アメリカ第二の低迷期の作品だからね。あの映画を笑って観てる日本の観客は、ある意味で卑劣なのかも知れない。そこに気付かされたのは大きい。 舞台挨拶のニュースで阿部寛が「中身が何にもない映画ですから」と言っていた。役者としては確かにつまらないだろう。深みを一切要求されない人物像だから。これは役者の映画じゃなく、モノの映画だ。繁華街にある森永LOVE、ディスコで踊る女性の太い眉、壁面がガラス張りのマンション…とにかくモノ。過剰な小道具たちが、さして変わらない17年前を意識させ、異空間にしてしまう(特に広末の髪の染め具合は本当に絶妙!)。他方、財務省=大蔵省の中は変わってないが、それも意図的なものだろう。人間はどうあれ、役所は17年ごときでは変わらない。この、モノが語り綴っていくモノガタリは、薄味になったヤン・シュワンクマイエルのソレに通じている。 エンディングのバカらしさも一考に価する。ほとんど埋め立てられた東京湾はバブル期のアホな未来像そのままだし、誰かさんにとっては「あるべき現在」だ。ここで、主演が広末涼子ではなく阿部寛になっているのに改めて気付く。これは「官の映画」だったワケだ。製作がフジテレビと電通であるコトにも気付く。政府の太鼓持ちたちじゃねーか。案外、いやかなり、あのラストはマジだぞ。やりすぎて嫌味とかそういうんじゃなくて、大マジで大団円のつもりで作ってるぞ。「映画の観客はバカだからさー」という、救いようのない慢心があの絵に見えて来るような気がした(あ、でもマシン発明したのは三菱じゃなくて日立だぞ…考えすぎかもしれないネ~)。 そういう意味では、本作は映画の本質に極めて肉薄している。「みんなが観たい夢を観せる」という意味での「すっげー映画らしい映画」だ。でもいろいろ考える所があったのは事実なので、この点数で。もう一度劇場に足を運んで考えてみる価値はあるなあ。[映画館(邦画)] 8点(2007-03-12 16:32:38)(良:2票) 《改行有》

12.  はなれ瞽女おりん ハレとケの混交するカオス。 そんな階級が存在するとは思いもしなかった社会の最下層以下の人間でありながら、同時に人のしがらみを突き抜けた仏。芸能人であり売女。あらゆる両側面を備えて、それがさらに「盲者が主人公の映像作品」という大きな矛盾に包まれている。だが観れば納得、その心は明快だ。 製作時期からして、おそらく名作『砂の器』路線を狙った映画なんだと思う。でも自分的にはアレを遥かに超えている。扱っているイメージが広すぎるのだ。おりんの姿には小野小町の末路まで重なってしまうし、門前で三味線を弾く瞽女姿はロックスターまで(というか「ロックンロール」という言葉そのもの)が重なる。そして折々に挿入される、一見「あれ? 何でここで?」的な北陸の風景。ゼンマイ、蓮の花、木々…彼女にはそう見えているのだ。なので、線香くさくない、地に足のついた土俗的仏教ワールドも広がっていると言える。 重層的な世界観を、ただ一人の主人公を描く事で束ねてしまった、とてつもない傑作。オイラの生涯を縛る作品にまたひとつ出会えたのが嬉しい。[映画館(邦画)] 10点(2007-02-04 00:41:38)(良:1票) 《改行有》

13.  パプリカ(2006) ま、典型的なマッドハウス・アニメです。「『スチームボーイ』はカッチンコッチンなアニメだったから、今度はグニョ〜〜ンなアニメ作ってみようか」っていうノリで原作セレクトした感じですね。なのでストーリー展開もスチボーの時の反省の色がなく、猛烈にステレオ。敵に精神をヤラレちゃったキャラたちの筒井節丸出しトークもあんまし壊れた迫力がなくて「前衛劇ならまあ普通かナ」って程度。この落ち着きの良さは何とかならんのか? ただ、演出は狂気としか思えないです。夢と現実が交錯する話なワケで、モーフィングやらホワイトアウトやら何やらかんやらとにかくもう3桁では足りない程の効果の嵐です。アニメーション視覚効果大全集みたいなマニアックな凄さはありますね。マッドハウスは今回でまた一皮剥けて、いろいろノウハウを手にしたんじゃないかな。次こそは、次の大作アニメこそは期待だ(笑)。 …でも正直に言うと、トルンカスタジオならもっと低予算で、もっと驚かされる効果を使って、徹底して抽象化した絵作りで『パプリカ』を製作できたと思う。この映画に足りないのは、まさにそういうスパイスだと思うんだな。 なのでオイラ的には、劇中のセリフの通り「パプリカの不足した」ぬるアニメでした。[映画館(邦画)] 6点(2006-12-11 23:29:17)(良:1票) 《改行有》

14.  春の日のクマは好きですか? 何かを書くと即ネタバレになりそうなので何も書けません。 もちろんジャンルは韓流恋愛コメディなんですが、「犯人探し」の物語として観ると豪快な技巧派ミステリになってます。アラが見つけられない。 20代向け映画と思わずに、40歳以上の人、見てください。実際、館内は韓流ファンのリピーターらしき叔母様・叔父様で埋まりきっておりました。実は、ターゲット層は予想外に広いのです。[映画館(字幕)] 10点(2006-10-08 15:20:53)《改行有》

15.  バックダンサーズ! 《ネタバレ》 一日経って、全面書き直し。前のはブログに移しました。 もうテレビを持たない生活が10年になるんで気付かなかったけど、これテレビドラマ1シリーズの内容の2時間圧縮版だな。逆にそこが評価できる点か。 この話は、キャストが先にある。脚本はそれぞれのキャストを想定して書かれているし、ロケ地が限られてる事から言って、かなりの早撮りだと思う。監督・脚本はテレビドラマの出身(しかも本作が映画1作目)だし、身内を引き連れての企画だったのは想像に難くない。 だが、それだけの映画じゃない。最大の特徴は、それほど本格的には踊れない4人の女優をメインにしつつもラストまで引っ張るために、キャバクラステージみたいな舞台や、ドサ回りや、途中の解散などで「外し」のシチュエーションを延々連発する点。ダンスを見せる部分は確かにあるが、決して話の主軸にはならない。いきなり10年をすっ飛ばす全体構成も、客の期待を裏切るための仕掛けだと思う。「逆に見せない事が素晴らしい」と思えてくるようなシチュエーション作りに腐心しているせいで、とてつもなくアイロニカルな、別の言葉でいえば「バカな映画」になっている。 だからこそ快感が得られたんだと思うし、これはTV見ない歴十数年のオイラみたいなヒネクレ者でなきゃ面白いと思わないかもしれない。描かれるのはダンスそのものではなく、プロデュースやステージ設営からイベントまでの流れの「ステージの再生浄化」。ちょっとTV向きの企画ではないだろう。監督の、それなりのメッセージがそこにあるんだろうが…評価する人は限られるだろうなあ。 オイラ的結論。これは見応えのある「バカみたい映画」です。どこまでも観客を裏切り続けるという意味で。[映画館(邦画)] 8点(2006-10-05 15:23:36)(良:1票) 《改行有》

16.  バンカー・パレス・ホテル 科学界のジョークで、《研究予算を取りたい時、科学者は大学にどうアピールするか。アメリカの科学者は「自分の研究が最高のものである」と、フランスの科学者は「自分の研究は世界中で他に誰も行っていない」と、日本の科学者は「みんなが同じ研究をやっている」事をアピールする》ってのがありましてね。この例えってそっくり映画にも当てはまっちゃうんですな。 他国になかなか輸出されないインド映画と、一旦崩壊寸前になったロシア映画を除くと、米仏は映画発祥の頃から業界をリードしてきた2大国。両者の違いはまさにここ、「最高の作品」を目指すか、「人類の未踏領域」を目指すか、にあると思う。そういう素地の違いが、鬼才ラルーを生み、ベッソンを生み、マルを、グリモーを、ゴダールを…そして当然ビラルをも映画界へデビューさせる事になったワケです。 視点を切り替えて。 自分が生き延びるために芸術しなければならなかった人たちってのがいまして、七歩の間に詩を作れと強要された李白なんかがそうですが、現代だと共産圏の作家や詩人たちがそうです。いや一番恐ろしい芸術に手を染めたのは作曲家のショスタコービッチでしょう。スターリン・フルシチョフ・ブレジネフの3代に渡って、粛清の嵐を生き延びた彼の芸術は、西側諸国の誰にもやれない「時代や政治が変わっても生き延びるための音楽」だった。とてつもないモチベーション。とてつもない表現力。とてつもない芸術家魂。 表現の圧力がほとんどなかった西側で作品を生み出し続けるために、芸術家はどんなモチベーションを持てばいいのか。どんな人間がそれをやり遂げられるのか。 その答えに最も直線的な解答を出そうとするのがビラルであり、そういう行為を高所から俯瞰しようとするのがゴダールであり、高所から低所へ自由自在に出入りするのがマルであり…そして、そういうあれやこれやを掌に乗せ、温かく見守っているのがグリモーであり…。 …ちょっと脱線しました。ビラルってェ奴は、だから、フランスが生んだ最高級に生真面目な芸術家なんじゃないでしょうか。[DVD(字幕)] 8点(2006-08-06 21:21:27)(良:1票) 《改行有》

17.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版 《ネタバレ》 最初、オープニングから青年期までのシーケンスを見て「おおおっ、これは読む人が必ずやアゴを外すという、時空テーマSFの埋もれた怪作『ヘミングウェイごっこ』のパクリかぁ~?」と大期待だったのですが、後半のすんごいストレートな展開に違う意味でアゼンとしておりました。 なるほどなるほど。この脚本なら同じセットを何回も使い回して、120分の映画に仕上げられるなあ。この脚本に目をつけたプロデューサーは賢いよ…ってそんなモン客が見たいわけないだろ~っ! どうも映画界にはCUBE病というか、セット費用を切り詰めたがる悪い病気が根強く残ってますな。主人公のメイクがキリストっぽいのはまあ、アメリカ映画だから目をつむります(留置所で聖痕が出ちゃった時はどーしよーかと思ったけど…)。 予算がないのが比較的前半でわかっちゃったので、あまり豪華な展開を期待しないで見れました。落胆は少なかったけど、点数を上げるわけにも行かないですねえ。このテーマが持つ独特の時空拡張感は『ラン・ローラ・ラン』にも劣りますよ~。コレがそこそこ当たって儲けただろうから、次回はちゃんとしたの作ってください。無理に伏線処理しようとして、小ぢんまりしなくていいものをね。 ●追記:考えてみたら、地球規模まで広がるような恐ろしい物語を想起させる「バタフライ・エフェクト」ってタイトルに問題があるんだなあ…同じカオス関連用語でも、『スリー・ボディ・プロブレム(=三体問題)』だったら良かったかも。最後の解決策は一点を弾き飛ばしてしまうので、力学的にも近いかもね(ニヤリ)。それを飛ばさないように、あくせく努力するのが人生だとは思うんだがねえ…超能力使おうが何しようが…。 ●追記2:うぉっ! これエメリッヒ一族(ローランドの義理の弟)の製作っすか。道理で『13F』似だと思った。 ●追記3:ぶらきさんのレビュー見て、思いました。「そのラストならオイラは10点つける!」(笑)[DVD(字幕)] 2点(2006-06-18 23:34:33)《改行有》

18.  BATS 蝙蝠地獄 題名でおわかりの通り、劇場未公開のB級動物パニックです。が、ラストショットの「改めて自己紹介させて頂きますが、実は私B級映画なんですわ」という感じのオチが史上最強。本当に、このオチだけで9点つけてます(2008/3/16、バランス取りで8点に変更…DVD売ったしな…)。そのために新規登録までしてしまったのです。モンスター映画は今後も作られ続けるでしょうが、これを超えるB級なエンディングは当分出ないと思います。それくらい、B級を満喫できる作品です。[DVD(字幕)] 8点(2006-06-15 22:29:53)(笑:1票)

19.  バッドサンタ どうやら昨日は飲みすぎたらしい。確か、仕事仲間と居酒屋でジョッキ3杯&焼酎3本くらい空けたはずだ。激しい頭痛と共に目を覚ましたけれど、どうやって帰ってきたのか全く記憶にない。そして枕元にはGEOのレンタル袋に入った『バッド・サンタ』が転がっていたのでした。酔っ払って借りてきたらしいんだけど、もちろん憶えてなんかいるもんか。 「しがない中年男」が「二日酔いの土曜日の午前中」に見る映画として、これほど情けないチョイスはまずないだろう。冒頭、リアルにゲロる主人公の姿に、自分のイメージがかぶるかぶる。うあっ、い、いまオレ小便漏らしてないか…と思わず股間を確認したくなるくらいに、今の自分の内面が映像にさらけ出されて超シオシオなムードで鑑賞しました。ソーントンが酒を煽るたび、史上最強の梅干を食べてしまったようなしょっぱい顔になってしまって、やりきれない気持ちが湧き上がってくる。ああ、あんなに飲むんじゃなかった。SUNがボトル一本1240円ってのに調子に乗りすぎたなあ。あんなに飲み食いして一人4000円は安かったけど、安い焼酎は絶対次の日に残っちゃうんだよなあ…。 この時、オイラの延長線上にあった「こんな人間にだけはなりたくない」という最悪のサンタ像は、もはや悪趣味を越えてリアルに胸に(いや胸焼けに)迫ってきたのれす。クリスマス・ストーリーだからラストがハッピーエンドになるのはわかってましたが、どう考えても好転しそうにないどん底の状況から、よくまああんな展開に持っていったもんです。てゆーかあの終わり方で本当によかった。アレでなきゃ、コンビニに安酒買いに行っちゃってたかも(笑)。 こんな映画をプレゼントしくさった泥酔中の自分に幸アレ。[DVD(吹替)] 5点(2006-06-10 22:39:51)《改行有》

20.  ハスラー この映画を見たのは20歳の時。 なにぶんバリバリの理系でしたから、当然「世渡りってのはナ、才能だけじゃダメなんだよ。図太く悪どく生きなきゃなァ」っていうこの映画の肝の部分には反感を持ったワケですね。ある意味、この映画は自分の人生に枠をはめてしまったかもしれない。恐ろしいまでのメッセージ性でした。ポール・ニューマンを真似して、一万円札をクシャクシャにしてポケットに突っ込んでおいたり、若い頃はこの映画の影響がけっこう大きかったかな。 今じゃすっかりジャッキー・グリーソンの世代になり、彼の言う事の端々が実感できるようになってきました。世の中、甘くはないしキレイでもない。泣き言並べたって、聞いてくれるのは同じ境遇の負け犬だけ。ファッツ曰く「才能なんて、誰にでもある」…そうだよ。蹴落としたい奴にコッソリ後ろから近づいて、頭を思いっきり殴りつけるのは、誰にだってできる。そして長い人生のある場面では、明日を迎えるためにソレをやんなきゃなんない…それがわかるまで、けっこうな時間を費やしました。 今でも、この映画に対しては敵愾心というか、認めてやりたくない気持ちがありますね。世の中はキレイで、素晴らしくあるべきだ…この映画は一生、自分の敵に回るのかもしれない。いや、この映画を越える事が大事なのかも。 本作が「人生」という競技に与えられた、かなり難易度の高いエクササイズである事は間違いないトコロでしょう。 [映画館(字幕)] 6点(2006-05-24 22:31:42)《改行有》

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