3.《ネタバレ》 タイムパラドックスものはいかに矛盾点を少なく整合性を保てるか、というのが一つのポイントになると思うが、この作品ではそれをクリアできているとは言い難い。
タイムパラドックスに加え、男女の人格が入れ替わるという要素もあり、ますますハードルは高くなる。
全くの別人となった場合、学校に行ったり友達と話せたりあまつさえバイトで仕事することなどできるだろうか。
情報の詰まったスマホをキーアイテムとしながら、3年ものタムラグに気付かないことがあるだろうか。
夢での出来事と思ってる段階ではそれもスルーできたとせよ、お互いの存在を確信してからはやはり無理がある。
また他の人も書いてるが、隕石が落ちて消滅した町があったとすれば、そのような町の名はしばらくは必ず誰の記憶にも残ってるはず。
その地方のことを調べていけば真っ先に思い当たるのが自然。
3年という時間は口噛み酒が発酵するための時間であったのか。自分の半分であるという酒を飲むことによって再会することができたという設定だが、そのあたりからますますストーリーは幻想的になり収集がついてない感じ。そこで「彼は誰時」の伏線も回収していたが、個人的にはこの一連のシークエンスは不要だったような気がする。口噛み酒も少年が酒を飲むことにも良い感じは無い。
とは言いつつ、映画全体の雰囲気や映像はとても良く好感は持てる。
中盤までのストーリーは読めたが、どのように結末を持っていくかというのは予想が付かず楽しめた。
目が覚めた時、今見てた夢は絶対覚えておこうと思いながら5分後にはもう跡形もなく忘れてしまっている、誰もが体験するその感覚をうまく映画にしたなという印象。
しかし日本の映画界は神木隆之介離れした方がいいんじゃないか?他にも人材いるでしょう。