1.私はドラマ版「アンフェア」のファンでしたが、SP1で雲行きが怪しくなり、
それに続く「劇場版1(the movie)」の あまり変さに落胆した人間です。
本作の直前に北乃きい主演の「ダブルミーニング 二重定義」が放送されましたが、
ほとんど本編に絡まない内容であったため、地デジ録画だけで済ませました。
この最終作「アンフェア the answer」はネット上での酷評がすさまじかったので
まったく期待せずに劇場へと足を運びましたが、単にドラマのイメージと異なって
いるというだけの話で、劇場版1より遥かに完成度の高い仕上がりとなっていました。
また香川照之さんも少ない出番ながら、非常に重要なシーンを熱演されていますし、
監督の佐藤嗣麻子さんによる女性視点でのストーリー描写が目立つ作品です。
国家機密が隠されたUSBメモリーに施されたプロテクトドングルの謎を打破する
佐藤和夫(香川照之氏)のIT技術力が神レベルだったり、予告編のインパクト画用に
殺される無関係な女性(5人目の被害者)がいたりと違和感もある作品ですが、
そういった欠点を補って余りあるほど、最後に悪党どもをギャフンと言わせた後、
雪平が並木道で「○○、馬鹿かお前は…」と吐き捨て→夫婦の絆を見せ→
アンフェアメインテーマ曲→本作タイトル「アンフェア the answer」→
怒涛の伏線回収しまくり映像群→中島美嘉「Love is Ecstasy」で決めるという
素晴らしい演出の数々が最高に格好良く、有終の美を飾っていると思います。
映画「シックスセンス」のように、1回目より2回目の方が楽しめる映画であり、
実際の国家機密が入ったUSBメモリーの行方を考えるだけで面白い傑作邦画です。
私は劇場公開中に3回も観ましたが、それだけリピートする価値のある作品です。