1. 刑事コロンボ/殺人処方箋<TVM>
映画一本分の価値ある作品と断言します。 犯行動機、殺人計画、アリバイ、全て完璧です。 さすがにシリーズ化を考えて作ったものではないらしく、コロンボのキャラも少し違って見えます。全体的に人物像のカラーが黒いです。 最後の最後までコロンボは、犯人のちょっとした仕草だけで推理していきますが、決定的なな証拠が見つかりません。 第一話の殺人犯がコロンボ?になりそうな展開は「え?!」って思いましたが、人間の本性と嘘をさらけ出していく流れ。それがラストへ繋がっていく面白さが、このドラマをシリーズ化させた要因ではないでしょうか? 「刑事コロンボ」ファン必見の作品です。 因みに犯人の吹き替えが「007」シリーズのショーン・コネリーの声優さんなのが面白いです。 [CS・衛星(吹替)] 10点(2010-04-23 00:56:38) |
2. 刑事コロンボ/ビデオテープの証言<TVM>
タイトルといい、捜査過程といい、これほど古臭い展開に期待しなかったせいか、たった一つ…たった一つの決定的ラストシーンに鳥肌が立ちました。心臓が止まりそうになったと言ってもいいくらいです。 現在放送されている「刑事コロンボ」は今一番のマイブームで、テレビを観ながら、伏線、小道具、セリフのやりとりを注意深く見て、最後にコロンボが何を切り出すのか楽しみだったのですが、今回は、いろいろなものに惑わされてしまい、「本当にやられた!」って感じです。これだけ鼓動を激しくさせたのは、もしかすると犯人側に感情移入していたのかもしれません(笑)。 コロンボ、犯人のやりとりに加え、ジーナ・ローランズの存在が大きく花を咲かせています。 ジーナは、この頃が一番綺麗だったように思えます。 因みに、ジーナ・ローランズの旦那さんも別のエピソードで犯人役を演じています。前年には「こわれゆく女」で、ジーナとピーター・フォークは夫婦役を演じています。 絶賛しすぎると「それほどでも…」と言われそうなので、あまり期待しないで観て下さい。 [CS・衛星(吹替)] 9点(2010-04-23 00:14:14) |
3. 刑事コロンボ/白鳥の歌<TVM>
《ネタバレ》 ストーリーは使い古されたケースなんです。 証拠が残っていないか気になって現場に戻るというラストは「指輪の爪あと」や「パイルD-3の壁」などで使われているんです。 でも、今回のエピソードで、ひと捻りあるのは、コロンボと犯人のやりとりではないかと思うんです。 犯人「人殺しと二人きりで危険を感じないかね」 コロンボ「ちっとも。あなたはそんなに怖い人じゃありません」 コロンボ、ラジオをつけると、犯人の歌が流れる。 中略。 コロンボ「これほどの歌が歌える人に悪い人はいませんよ」 このやりとりはコロンボと犯人のやりとりではなく、犯人役はカントリー歌手の大御所、ジョニー・キャッシュ自身に戻っているというのがミソになっています。 だからアメリカの視聴者にとっては、このオチは日本では知名度が低いジョニー・キャッシュに、より感情移入できるのではないでしょうか。 これがもし演歌歌手の大御所、北島三郎で コロンボが「これほどの歌が歌える人に悪い人はいませんよ」 となったら、日本人の視聴者が受ける印象も変わっていたのかもしれません。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2020-09-29 02:02:29) |
4. 刑事コロンボ/意識の下の映像<TVM>
私が投稿した時点で7点くらいになってると思いますが、コロンボのエピソードの中でも上出来ではないでしょうか?個人的にも、犯行の手口と同じ形で犯人を追いつめたコロンボ、この大逆転の発想は見事です。1時間13分で、ここまで細かくシークエンスを積み上げているシナリオは上出来。他に褒め言葉がありません。あ~、面白かった。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2014-02-03 00:27:16) |
5. 刑事コロンボ/溶ける糸<TVM>
《ネタバレ》 コロンボのエピソードの中でも上出来の方だと思います。殺したい本命のため殺人をしてしまう犯人というキャラクターは今でも斬新だと思います。70年代のドラマを今になって、あら捜ししても仕方ありません。「溶ける糸」というタイトルはインパクトあるけど、やはり視聴者に対しては、やってはいけないタイトルセンスだと思います。 コロンボが犯人に対して、あそこまで怒りをあげるのは初めて観ました。 「私は、あなたが犯人だと思います」って言ってる時点では、まだ状況証拠しかないのに。 ラストシーンは子供のころに観て、それが記憶にはっきり残ってるけど、その時は衝撃的でした。コロンボが凄いドラマだと思いました。 今は、あのどんでん返しの意味が、さらによくわかったと思っています。 常に冷静な人が、あの時ばかりコロンボに絡んでいったというセリフ。あのセリフを聞きのがすと、犯人のトリックに納得できないかと思います。 因みに、私はトレッキー(スタートレックのファン)ですが、やはりスポックの声優さんにやってもらいたかったですね。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2013-12-30 02:47:23) |
6. 刑事コロンボ/忘れられたスター<TVM>
《ネタバレ》 放送された頃、ヒッチコックの「サイコ」も放送されたのですが、年代が違うせいか、同じ女優のジャネット・リーが演じているとは思えませんでした。 個人的な意見ですが、コロンボのエピソードの中で一番有名な作品ではないでしょうか? 度々思うのですが、コロンボが犯人を特定する理由がよくわかりません。 特に今回の場合、自殺でも成り立つのではないでしょうか? コロンボが連行するのが犯人ではない唯一のエピソード。その理由には確かに胸が痛くなりますが、私の知り合いに余命2年と宣告され10年経った今もまだ元気にしている方がいます。犯人がこのまま元気に生き続けたらどうするのだろうと、ちょっと首をかしげそうになりました。 でも傑作だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-05-17 03:11:47) |
7. 刑事コロンボ/死者の身代金<TVM>
《ネタバレ》 第一話は単発ドラマ、そしてこの第二話がシリーズ化を前提としたパイロット版ということで、前作に比べて、お決まりのパターンの原型が出来始めています。 まず殺人は理由もなく数分で行われ、犯人の敏腕弁護士ぶりの様子もシンプルでわかりやすい。 コロンボは、まだこの時点でも同僚から邪魔者扱いをされていて、未だにキャラクターが固定されていません。 今まで沢山コロンボを観賞して、本作を改めてみると、一種のパターンが見えてくるような気がします。 最後の犯人との対決も、コロンボが協力者の力を借りて相手をおびき寄せるシーンは第一話と似ています。そして、そのやり方は今後何度も行われます。 それにつけても、コロンボの面白さは、必ず人間の本質的な心理状況を一発ぶちかますところです。 「人間にはいくら金を出されても売り渡せないものがある。あんた(犯人)、それをしらなかった!」 視聴者も、言われてみて初めて娘が親の年金と引き換えに家を出ていくことに疑問を抱くはず。 ラストシーンで、ウエイトレスに飲み物代を払うのに片手に札束を持ちながら、「今、持ち合わせがない」というコロンボ、あれは笑えました。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2010-04-19 04:01:36) |
8. 刑事コロンボ/偶像のレクイエム<TVM>
「イヴの総て」の女優だとすぐに分かる人は少ないと思う。白黒とカラーでは全く違う女性に見えるし。 過去の過ちというものは、いつまでも引きづってしまうものなんですね。 犯人が女性だと、そこに恋愛、または愛のもつれが走ってしまうパターンは、とても現実的に感じます。 犯人が誰を殺したいのか。パンクしないタイヤ、犯人が家を売ろうとしない理由など、とても高度なトリックだと思います。 犯人が焦って走れば走るほど、その先にコロンボが待ってるシーンは既にお約束だ。 [地上波(吹替)] 8点(2010-02-21 16:02:08) |
9. 刑事コロンボ/黄金のバックル<TVM>
《ネタバレ》 消炎反応の理屈や姪の部屋にバックルを隠す意味などの突っ込みは抜きにして、犯人のルースがとても哀れで悲しくなってきます。 恋人を姉に取られた過去、自分が産んだ娘を姪と呼ばなければならない現在、そして唯一自分に残された赤字経営の美術館の未来……。 彼女は最後に残された物を人の手に渡したくなかっただけなのです。 人の死については誰だって「死」を思い出すものでしょう? その言葉にコロンボは、「そして殺人は殺人を思い出させる……」 コロンボは、もはや時効(?)になった姉の旦那(かつてルースの恋人)の死と現代の死を天秤に掛けさせ、ルースは、過去を封印する方を選ぶ。 ラストシーン、コロンボにエスコートさせ、部屋を出ていくルースの後ろ姿に胸が痛みました。 [地上波(吹替)] 8点(2010-02-14 21:09:36)(良:2票) |
10. 刑事コロンボ/パイルD-3の壁<TVM>
コロンボのシャイでユニークな人物像と「フレンチコネクション」のような地道な捜査が、とても印象的に残りました。ラストは途中から予想出来ましたが、それが、しっかりと視聴者を納得させるものとして終わらせたので満足度100です。コロンボはテレビを点けていたら偶然、久々に観ました。 ピーター・フォークさんのご冥福をお祈りします。 自身の監督作品なんですね。 日本の刑事ドラマでは出来ない面白さがここにあります。 [地上波(吹替)] 8点(2010-02-07 18:21:54) |
11. 結婚哲学
《ネタバレ》 サイレント映画でこれほど観客に訴えてくるシナリオを、私はほとんどお目にかかったことがない。 登場人物がおどけて見せたり、パントマイムで人を笑わせるのは簡単なのかもしれない。 本作はコメディタッチも含まれているが、本筋は「愛」の表現であり、小道具や人物のさりげない行動から誰が観賞しても理解できるベルにある。 サイレントという現代の若者には抵抗があるかもしれないが、同じような顔でも髭を生やしたり、髪の色、髭を蓄えたりと、子供が観てもわかるように仕上げている。 映画製作の勉強をしている人は必見! [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-10-25 04:59:11) |
12. 刑事コロンボ/構想の死角<TVM>
《ネタバレ》 放送された前日に「スピルバーグ自作を語る」という、本人が90分間喋り続ける番組を観ました。 今回のコロンボは、スピルバーグ自ら自信作と語っているほどで、名作「激突」の製作に漕ぎつけたきっかけにもなったそうです。 聞き逃すと忘れてしまいそうな細かいセリフから犯人を嗅ぎわける推理ですが、この推理だと、殺された作家の奥さんも共犯として考えられるんじゃないかという気もしました。 出来として他のエピソードより、ずば抜けた話しとはいえませんが、20代という若さで、これだけきっちりとしたドラマを作り上げたスピルバーグは、やはり天才であります。 最後に口に出した犯人のセリフも、観る者の心に突き刺さるものを感じました。 ピーター・フォークさんのご冥福をお祈りします。 今回、NHK総合テレビのアーカイブスに選ばれた理由は、やはりスピルバーグ絡みと視聴者にとっても印象に残るものがあったからだと思います。 二人目の犯行は、ちょっと酷だったかもしれませんね。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2009-10-09 05:35:17) |
13. 刑事コロンボ/逆転の構図<TVM>
《ネタバレ》 まあまあ面白い作品ではあると思います。 シスターや教習所の教官など、サブエピソードも面白いです。 ただ、最後に犯人が肝心のカメラを手に取らなかったらどうなったんだろうという疑問は残りました。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2020-10-03 18:33:27) |
14. 刑事コロンボ/自縛の紐<TVM>
《ネタバレ》 面白かったけど個人的にあまりパッとしないエピソードでした。 ラスト、コロンボが 「犯人はアンタしかいないんだ!」 ……う~ん、もう少しパンチのあるものが欲しかったです。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2020-09-29 04:43:38) |
15. 刑事コロンボ/第三の終章<TVM>
《ネタバレ》 面白い部類に入るエピソードです。 ツッコミどころは多々あります。 どうしてコロンボは殺人事件のあった翌日に鍵の錠を変えたのか、映画化のために書かれた梗概が存在しした経緯など、「なんで?」って思うところがありました。 でも、面白かったです。 犯人役のジャック・キャシディという人、コロンボに出過ぎだと思います。 何かコネでもあったんでしょうか? どうせなら違う役者にしてもらいたかったです。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2020-08-29 01:55:24) |
16. 刑事コロンボ/権力の墓穴<TVM>
《ネタバレ》 ついにコロンボの自宅を公開! と思いきや…… そっちの方のどんでん返しにも笑えた。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2017-01-03 13:56:43) |
17. 刑事コロンボ/アリバイのダイヤル<TVM>
《ネタバレ》 きっと、このプロット考えた人は、まず始めに凶器を氷にしたことで、そうとう意気込んだに違いない。氷を手にした犯人を見たとき「なるほどね~」って思いました。 でも、コロンボが、いとも簡単に犯人に目星をつけるところなんかが大雑把すぎ。 盗聴やコールガールなど、細かいネタが豊富で、そのへんは見ごたえがあったが、肝心のアイスクリーム屋の車のことが、どこへいったのやら。ラストのオチは見事。楽しめるエピソードではありましたよ。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2013-12-07 18:38:28) |
18. 刑事コロンボ/黒のエチュード<TVM>
《ネタバレ》 愛犬が登場した初めてのエピソードらしいです。まぁ、それはともかく本作は悪い意味でコロンボが必要以上に犯人を追い回していきます。 一体、何を根拠に目星をつけたのでしょう。 今回、中盤はじっと我慢ってとこでしょうか。 ハイライトは、犯人と奥さんとコロンボのビデオ鑑賞です。 胸につけた花について、覚えていないの一点張りになり、追い詰められた犯人が、奥さんの耳元で愛の告白をしたときは、ぞっとしました。この一個の感情を得るためだけに、このエピソードに価値があるのかと思います。 私は一人で観ますが、誰かと一緒に観ていたら、終わった後「奥さんはどう証言するんだろうね?」と言う人も中には、いるかもしれませんね。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2013-11-28 05:01:36)(良:1票) |
19. 刑事コロンボ/指輪の爪あと<TVM>
《ネタバレ》 NHKで放送されていたのを知って久々の観賞。 でもタイトルが「指輪の爪あと」ってのがセンス悪いですよね。 これじゃ、犯人の決めてが何だったのか途中でわかっちゃう。 人間ドラマがあまりなく、単なるミステリーもので終わっちゃったのも不完全燃焼。 [地上波(吹替)] 7点(2013-03-05 19:49:51) |
20. ゲット・ラウド/ジ・エッジ、ジミー・ペイジ、ジャック・ホワイト×ライフ×ギター
おもしろいです。少なくともタイトルの三人のうち、一人を知っていれば退屈することはありません。 冒頭のジャック・ホワイトの空き瓶を使った手作りスティールギターで掴みはОK!って感じです。 三人が集まって何するのか期待させての進行でしたが、意外とセッション、会話などが少なく、一人一人のインタビューを重ね合わせたものだったのが、ちょっと残念。 私はジャック・ホワイトと同じくらいの年齢ですが、確かに10代後半はロックは死んでいたように思います。 今回この作品を観て、まだロックは捨てたもんじゃないなと思いました。 三人のジェネレーションギャップが全く感じられず、それぞれが思い出の地で物思いにふけるシーンはどの時代もロックが通じ合うスピリットを感じました。 最後はおそらく製作者に頼まれての「the wait」だったのでしょう。これはまぁご愛嬌といったところです。 [地上波(字幕)] 7点(2013-02-19 09:15:38) |