1. シンデレラマン
ラッセル・クロウの目が苦手でこれまで彼の作品は敬遠してきたんだけど、久々に見た彼はなんだかいい感じでおじさんになっていて、「L.A.コンフィデンシャル」の時のぎらぎらした視線が嘘のように目が優しくなってたなあ。それにしても、この手の大恐慌モノには最近だと「シービスケット」があったけど、あれは私1点だったんです。でもこれは8点。だって、戦う彼自身が彼の言葉で理由を語ってたから。そしてそれが、人として当たり前の生活を求めるためだけのものだったから。追い込まれた女は強いけど、「理由」を持った「漢」もまた、強いんだよね。 さて「漢」といえば、「アルマゲドン」のレビューで自分の中の「漢」について語ってしまいましたが、私はこの映画を見て、やはり自分は精神的に「漢」であることを実感させられてしまった。映画館で私の隣は左右とも女性だったのだが、彼女らが目頭やら鼻を押さえていた(ように見えた)のに対し、私は泣きはしなかった。ただただ最後の戦いになると、生きるか死ぬか、頼む、生きて戻ってくれ、お前はここで死ぬわけにはいかねーんだよ!!ってな感じで、気がつくと前のめりになっていて・・・一番後ろの席で本当によかった。なんていうか、私は格闘技を見る趣味はないのだけれど、その場で試合を見ていて、ラッセル・クロウが戦う姿に思わず自分の思いを投影して拳を握りながら声援を送りたいような・・・そんな気分だった。久々に良作を見た、そんな気分でしたが、レニー・ゼルウィガーのイチャイチャぶりが少々ウザかったのでそこはマイナス。 [映画館(字幕)] 8点(2005-10-02 18:11:02) |
2. シービスケット
《ネタバレ》 思ったより感動しなかったというのもあるんだけど、これを見ても私やっぱり競馬を好きにはなれない。私がどうしても競馬を好きになれないのは、人間のエゴが垣間見えてしまうから。骨折した馬を安楽死処分、それで悲劇と書き立てるスポーツマスコミに虫酸が走る。それって稼げないのを飼っていてもカネが逃げるだけで仕方ないっていうことだろう?この映画にもそれは現れていた。シービスケットが荒馬になったのも人間のエゴ。もともとおとなしかったんだから、乗馬クラブとかもう少しまったりした環境の場所で過ごさせてやればよかったのに・・・荒れたシービスケットもストレスをためながら走らされていたんだと思うとやるせない。それで「人々に勇気を与える」?・・・あきれる。人間は幸せになったかもしれないが、彼自身はそれで本当に幸せだったのか?それを感動作品として公開した精神にも失望した。結局人間が幸せならそれでいいってことなのか?その怒りを込めて1点。 1点(2005-03-19 13:40:50) |
3. 地獄のヒーロー/ザ・プレジデント・マン<TVM>
天皇誕生日にコレを放送してしまうテレ東の男気に3点やるよ。 3点(2004-12-23 23:54:03)(笑:2票) |
4. シックス・センス
《ネタバレ》 オチをを聞いてて「ああ、またそういうことですか」って冷めた感じで思ったからずっと見てなかった。しかもその後の「サイン」がえらくつまんなかったんで見た後どうやってけなしてやろうかなーなんて思ってたんですよ、ぶっちゃけ。確かにオチを聞いた私がいうのもナンですが、ああいうオチが待っていることは何となく予感できる。撃たれた後に俯瞰になるカメラとか、ブルース・ウィリスがレストランに入ってもいつまでたってもウェイターが来ないとか。分かってたんだけどね。ラストまで見て思ったのは、「霊」はこの映画のキモではないってこと。こういう話ははっきり言って霊なんて使わなくても作れるし、テーマはベタだと思う。たまたま(意図的に作られる映画にこんな言い方するのも変だけど)少年を助けてくれたのは人間じゃなかった。ラストでブルースが本当の自分を知った時、それを認めた時に、ようやく相手を許し、受け入れることができた。早い話が、「素直になったらお互い分かり合えた」たったそれだけのこと。ベタだよね。でも私もそうだけど、人間って分かっててもなかなか素直になれない。ましてや大人になってしまうと、つまらないメンツとかこだわりとかに心が縛られて。だからベタだって分かっていても、こういう話見て、毎度ながら素直になること、許しあうことっていいなって思ってしまうんだろうな。オチばっかりが取り上げられることが多いけど、話自体はレンタルショップのホラーの棚ではなくてドラマのところにあってもおかしくない。まあ、もしこれがドラマの棚にあって、ドラマのつもりで見てたらもしかしたら0点つけたかもしれないけどね。 7点(2004-08-13 15:53:41) |
5. 女子高生チェーンソー
「邦題のチカラ」。ここにレビューをするようになって以来、魅惑的な邦題の持つ悪魔的な破壊力を何度感じたことか。「死霊の盆踊り」、映画が本来持っていたいかがわしさに満ちた怪作の持つ腰砕け感をこれほど的確に表した邦題があっただろうか。そして昨夜、新作レビュー一覧を覗くと・・・そこに燦然と輝く、ハッタリとドグマに満ち溢れた邦題。私はホラーは滅多に見ない。怖いと言うより引くんである。ツ○ヤのホラーのコーナーから手に取ったことは一度もない。そんな私を初めてホラーの棚に手を伸ばさせたのが何を隠そう「女子高生チェーンソー」である。この作品を手に取った唯一無二の理由がこの邦題であることは想像に難くないだろう。片や「女子高生」、こなた「チェーンソー」、片方だけでも見世物的ないかがわしさがプンプンするのにそれが合体してしまうとは一体どんな映画なのか。・・・・・・・・・今私が言えるのは「名は体を表す」ということである。ミニスカにルーズではないがハイソックスでキメた中に、全員ではないが明らかに推定三十路目前がいる「女子高生軍団」の、実年齢なんてまるで考えてない乱痴気騒ぎの後に待っている驚愕のラスト---このラストの破壊力はあの「シベ超」以上かもしれない---「何でやねん?!!」・・・「・・・つーか、何それ???」・・・しまいには「・・・そんなこと言われても・・・」唖然呆然として数分の間に溜息さえ出尽くした私はまるで「ちびまる子ちゃん」の1コマのようにタテ線を背負い謎の小さな渦巻に取り巻かれたまる子のように、ただ小さくうつむいたまま激しい鬱状態に陥った・・・ああーもういいや。寝る。寝るったら寝る。追記:あまりネタバレしたくないので詳しくは避けるが、監督は「映画とはいかがわしい見世物である」ということを理解している節がある。シベ超、盆踊り、北京原人等に心動かされる方なら、この映画の「良さ」を理解できると思う。実際私は(ある意味)感動しました。「21世紀0点伝説」と呼ぶにふさわしいこの映画に、20世紀末の伝説となったTVアニメのテーマソングの一節を捧げて締めくくりたい。 「女子チェーン(略称)よ、神話になれ」 0点(2004-08-02 23:52:09)(笑:3票) |
6. ジングル・オール・ザ・ウェイ
親に真似されたら困る。 6点(2004-07-22 22:21:00) |
7. 13F
こういう素材は私にとってはど真ん中ストレート、のはずなんですが・・・すごく気になるんですけど、登場人物が憑依されていた間のことを随分すらすらと思い出してるような気がして違和感あるんですが、映画のつくりがハードな分余計に気になってしまいます。それで興ざめしたせいかな・・・娯楽映画なのに見た後すごく疲れました。話があっち行ったりこっち行ったりしていくうちに、見ているこっちの方がバーチャル空間から抜け出した登場人物のようにえらく体力使い切っちゃった感じですね。ラストはラストでまた謎が増えるし・・・っていうか、ああいうオチあり?矛盾してませんか?って気もします。ハッピーそうな画面を前にしてすごく混乱している自分がいます。もう一度見てみようと思うけど、もうちょっと時間置かないとまともに見れないと思う・・・こういう疲れる映画は私はダメですね。(04.07.18現在)最低点が5点で極端な低評価をする人がいない作品でも、自分が面白いと思うかどうかは別問題であることを思い知らされました。勇気を出して2点つけます。 2点(2004-07-18 20:55:06) |
8. シックス・デイ
結局はシュワ映画って、どんなテーマを選んでいても最終的には「家族愛」に落ち着いてしまう。これはT2以降強く現れた傾向かな。恐らくその辺りから政治的野望を抱き始めたんでしょうかね。これも例外じゃない。公開された時はタイムリーだったし、実際映画はクローンの生きる権利を描こうとしていたのは評価したいと思う。もし本当にクローン人間が出来てしまったら、避けられない問題ですから。でもね、やっぱりそれはそっちのけになってクライマックスは家族を救おうとする良きお父さんのお話でした。しかしそれ以上に・・・ラストはコメントしにくいな~う~ん、でも、「火の鳥生命編」(20年以上前にクローン人間社会の問題を予見!)を読んだことのある私としては、ハリウッドは手塚治虫を超えることは出来ないんだなー、手塚はやはり偉大だったんだなーと、別のところで感心してしまいました。まあ、普通に見る分にはそこそこ面白いし音楽が良かったので点数ちょい甘いかも・・・ 6点(2004-07-11 18:59:38) |
9. 死霊の盆踊り
ああ、ついにこの日がやってきた。ワーストランキングに初登場1位で鮮烈に現れた「死霊の盆踊り」。ここから「死霊スレイヤー」の聖杯探求は始まった。ツ○ヤどころか近所のレンタル店を当たっても手がかりすら見つからず途方にくれた私の前に一匹の蜘蛛が現れ、レンタル上がりの中古ビデオ通販への道をその糸で導いてくれた。そして、今日---黒猫の男が聖杯を持って、私の目の前に現れた・・・さあ・・・聖杯との対面だ。 しかし何ということか。杯がザルで出来たこの聖杯は、0点はあの「シベ超」で当分打ち止めにしようという私の決意など簡単にろ過してしまった。 山梨、オチ梨、意味梨の内容を語るのも野暮な気もするのでここでは語るまい。ここでは見ている自分自身の心境、状態を正直に語ろうと思う。 B級映画、バカ映画、クソ映画、トンデモ映画、ダメな映画を形容する言葉は数あれど、そのどれもこの映画には当てはまらない、いや、これを一言でどう言えばいいのか的確な言葉が見つからない、さらに一言で片付けてしまっていいのかという気さえして、映画の出来よりも自分の言語感覚のなさを心底悔やんでいた。そして映画そのものと見ている自分自身の脱力感が奇妙なハーモニーを奏で、エクスタシーすら感じてしまう91分。私の意識はすでに現実世界を超越し彼岸へと達し、この情けないほど馬鹿馬鹿しく、最早多くのレンタル店から撤去されまともに振り返られることも少ないこの映画の、冥土での幸せを祈らずにはいられなかった。 ああ、これはまさに聖杯だ、ザルだろうが何だろうが。この高揚感を誰かに話したい。でもおおっぴらにこの映画を好きだと語るのははばかられる・・・まるで隣の奥さんが見知らぬジェントルマンと仲良く歩いている時に目が合ってしまった時のように。いけないものを見てしまったのか?しかしそれ以上に、このザルでできた聖杯に7800ものタイ米をはたいてしまった自分自身こそ、誰より罪深い人間なのかも知れない。そして私が死んだら、あのカンペおやじに導かれ満月の墓場で己の肉体という恥をさらし、ウッド以上の物好きによってフィルムに残されてしまうのだろうか。それまでの心の慰めとして、抱えてしまった罪と秘密の重さを、ここで、「死霊の盆踊りフリーメーソン」で共有することにしよう。 また私はひとつ、十字架を背負ってしまったのだ。ダンボールで出来た十字架を。 0点(2004-07-04 14:08:21)(笑:3票) (良:2票) |
10. ショウタイム
評価低いなあ。結構面白かったですよ。と言っておいて私も6点ですが(6点は私の場合及第点ギリギリってとこです)エディ・マーフィと皮膚の弛んだレネ・ルッソに減点。まあ最初のシーンは「何じゃあこりゃあぁああぁ」by松田優作って感じでしたけど、おかげでひとつのバカ映画として見る心構えが出来ました。「覗き見趣味」に走るテレビ番組を皮肉った映画、というよりはそういうシチュエーションを使ったドタバタ映画として見れば面白いですよ。ああいう設定だったからデニーロとエディのコンビも違和感なかった。もっともエディが若手の制服警官っていうのは年齢的に無理があると思いますが・・・ウィル・スミスが製作総指揮ということだけど、どうせだったらエディの役はウィル・スミスがやった方が違和感なかったと思いますけどね。 6点(2004-06-13 16:51:14) |
11. ジャック
《ネタバレ》 偉大なる親バカ映画。何しろあのコッポラが若くして亡くなった息子に捧げた話だというじゃないか。タイトルバックからして本当に息子を赤ん坊のジャック自身に投影しているみたいに、舐めるように撮っている。カメラ越しの視線が愛に溢れている。ここですでに1泣き。こんな元気に好奇心旺盛にカメラを見つめるこの子が、限られた命しかない。それだけで涙。そしてはしゃぐロビン登場、見た目40歳のジャックはもう人生の半分を消化してしまっちゃったのね、そこで2泣き目。見てるこっちまで、自分より老けたこの子に幸せに生きて欲しいって気持ちになっちゃう。実はロビンの役の設定というのは有り得ない。早老症とは違います。そのことについては最初の方、ジャックの病気について説明を受けるシーンでお医者さんが言ってます。早老症は映画の中のロビンみたいなおじさんになるわけではなく、子供なのに顔や体はお爺さんお婆さんっぽくなる。有り得ないんだけど、それが監督ならではの愛。せめて4倍早く年を取る以外は健康体にして、限りある命をエンジョイさせてやろうじゃないか。そんな監督の愛が泣ける。息子さん早く死んでしまったけれど、こんないい映画を作らせてくれた。例え短い生涯でも、意味のない人生ってないんだね。そのことを誇りにして、せめてあの世じゃ幸せに暮らして欲しい。 9点(2004-06-11 18:19:03) |
12. ショーシャンクの空に
《ネタバレ》 世間の評価に反して、私の中では8点→6点→4点と赤丸急降下していくこの映画。世の中を知っていくと、アンディにだんだん共感できなくなり、今じゃ反感すら感じてしまう。改めて見ると、アンディは要領がよく実に抜け目のない人物で、所長に取り入って経理の仕事までゲットしてしまう。・・・こういう人いるんだよね~。大体職場でのこういうタイプの人って赤提灯での格好の餌食になるのに、なぜこの映画ではこんなにも絶賛されてしまうのか?最後に希望を語るからか?だけどさ。無実の罪で投獄され悔しい思いをした人間が最後に脱獄と横領で本当の犯罪者になって高飛び。横領した金を送金してもらって左団扇の生活をしていたあのアニータが「希望をもって」と言ったら、許せますか?私だったら許せませんね。それとも人知れずコツコツ「努力」していたのがよかったのか?でもこれもイマイチ腑に落ちない。結局逃げたのは自分だけ。自分だけちゃっかり逃げて、レッドには「希望を持て」で終わり?なんだかなー。どうせ逃げるんだったら自分だけじゃなくて、刑務所の全員じゃなくていいからせめて仲のよかった仲間も誘って一緒に逃げたらどうなのさ。残された彼らには希望どころか絶望でしょうからね、仲のよかったアンディが逃げて看守が自分たちを見る目も厳しくなりますから。そしてやりきれないのが、ひとり勝ちのアンディに対し、本好きのブルックスや試験勉強を頑張ってシャバに戻ろうとしていた若者、コツコツ真面目な人は報われることなく死んでいくこと。もし死んだと思っていたブルックスが実は生きていて、戻りたくなかったシャバで頑張って暮らしていて、そんな彼が希望を語るなら、私もすんなり受け入れられたでしょうけど。結局アンディだけが笑い、死んだ人も含めた大多数は絶望、レッドはどうなるか分からん(苦笑)でもまあ世の中の皮肉さは多分に出ていてそれを見るのは面白いのでこれ以上点数は下げません(笑) 4点のここでの定義のように、期待しなければそれなりに希望は感じられてた・・・かな? 4点(2004-06-10 07:52:48)(良:5票) |
13. 小説家を見つけたら
見ててさわやかな気分になれる。「グッドウィルハンティング」と違って主人公のジャマールが思春期真っ只中なせいか、黒人ならではの悩みもリアルに伝わってくる。「あなたは何でも黒と白で分けたがるのね」というセリフ、かなり印象に残ってます。 7点(2004-06-05 00:49:15) |
14. シティ・オブ・エンジェル
近所のTSU○A○Aの「心に残る一本」コーナーにこれがあった・・・確かに忘れられない一本ではあるわな、アロワナ。 1点(2004-06-04 23:00:49) |